小日向白朗学会 HP準備室BLOG

小日向白朗氏の功績が、未だ歴史上隠されている”真の事実”を広く知ってもらう為の小日向白朗学会公式HP開設準備室 情報など

「中立のための空間」・・・格好いい!!! それに比べてわが国議員の体たらく・・・米英のパペットにスタンディングオベーションだって

2023-03-31 | 小日向白朗学会 情報
 本日3月31日のヤフージャパンのニュースを読まれたろうか。オーストリアの自由党の議員らの恰好いところを余すところなく報道している。ヤフージャパンによると、「・・・3月30日、下院で行われたウクライナのゼレンスキー大統領によるビデオ演説中に一斉退席した。オーストリアは政治的にはウクライナを支援しているが、武装中立の立場をとっており、議員らは「国の中立性に違反する」と抗議した。・・・」とある。
 つづけて、「・・・・・ 退席した自由党議員らは、党のロゴと「中立のための空間」「平和のための空間」と記した札を机に置き、議場を去った。」
 我が国の国会議員さんもこんなシーンをみせてくれたら、、、「さすが、国際法を理解している議員さんもいるんじゃないの」…と感心してしまうところなのに…ね。
 昨年4月に停戦交渉が成立???かな???といった時期。英米からゼレンスキーに多少を時間をおいてだけれど、直接会いに行ったジョンソンさんにペロシさん。お二人のアドバイスに恐れをなしたのかゼレンスキーさんは戦争強硬続行に全力投入。停戦交渉派のウクライナ議員が暗殺されてしまったりしていたことを記憶されておられるだろうか。
 米英にとってウクライナなんて実際はどうでもいいということだ。戦争で18歳から60歳までの男性が壊滅してしまおうが、経済がポロポロになろうが、老朽化した兵器の減価償却にもってこいだ・・とばかりに軍事支援を打ち出しただけだろうに。2014年にオバマ一派が仕掛けたクーデターのなれの果て、ということになるしかないのだろう。バイデン=ヌーランドさん、戦争屋の方々、そろそろ本音を出されたらいかがだろうかしら…。

 ところで、台湾有事を期待している方にはがっかりかもしれないけれど、同時にこんなニュースも飛び込んできた。台湾国民党の馬英九前総統は30日中国政府台湾政策担当の宋濤氏と会談、宋氏は「台湾海峡の両岸の同胞は一つの家族だ」といったらしい。そうそう、戦争などしないほうが良いに決まっている。
(文責:吉田)
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昭和18年のG7と令和5年のG7

2023-03-27 | 小日向白朗学会 情報

 昭和18(1943)年11月5日~11月6日に東京で大東亜会議が開催された。出席国は、日本、中華民国、満州国、ビルマ、タイ、フィリピン、インドの7か国であった。大東亜会議は昭和18年5月29日に大本営政府連絡会議決定で決定した大東亜政略指導大綱に基づき開催されたものである。この大綱の目的は、昭和16年12月に開戦した大東亜戦争を遂行するためアジア諸国家及び諸民族を結集して戦を遂行することであった。
『……
第一 方針
一 帝国ハ大東亜戦争完遂ノ為帝国ヲ中核トスル大東亜ノ諸国家諸民族結集ノ政略態勢ヲ更ニ整備強化シ以テ戦争指導ノ主導性ヲ堅持シ世界情勢ノ変轉ニ対処ス政略態勢ノ整備強化ハ遅クモ本年十一月頃迄ニ達成スルヲ目途トス  
二 政略態勢ノ整備ハ帝国ニ対スル諸国家諸民族ノ戦争協力強化ヲ主眼トシ特ニ支那問題ノ解決ス
……
以上各方策ノ具現ニ伴ヒ本年十月下旬頃(比島独立後)大東亜各国ノ指導者ヲ東京ニ参集セシメ牢固タル戦争完遂ノ決意ト大東亜共栄圏ノ確立トヲ中外ニ宣明ス
……』
 同要綱を検討すればわかる通り、巷で喧伝する「大東亜戦争はアジア民族の解放のためであった」とする説は間違いである。日本は、開戦後わずか半年の昭和17年(1942年)6月5日にミッドウエィー海戦で連合艦隊は主力空母赤城、加賀、蒼龍が沈没するだけではなく最後まで奮闘していた飛龍までも行動不能となって味方により処分することになるという大惨敗を喫していたことと、昭和17(1942)年8月に開始したガダルカナル島奪還作戦も失敗し甚大な被害を被っていた。そのため昭和18年初頭には政府中枢では戦争が容易ならない様相を呈していて、場合によっては敗戦となるかもしれないと噂されるようになっていていた。そのため日本の先行きを心配して資産を海外に移転する動きが出始めた頃であった。またイギリスは、1943(昭和18)年1月11日、中華民国重慶政府に1842 年に締結した南京条約以来100年続いてきた治外法権を撤廃して新たに中英新平等条約(Sino-British Treaty for the Relinquishment of Extra-Territorial Rights in China)を締結したことで、対する中華民国南京政府と日本は、これに対抗する政略態勢を整える必要があった。これが大東亜会議の裏事情であった。
 尚、イギリスが治外法権を放棄した真意は中英新平等条約第8条に見ることができる。同条項には、中華民国重慶政府とイギリスとで新たな通商条約に付いて交渉を始めるのは戦争終結してから6ヵ月後に開始することを定めていた。イギリスとしては、中華民国重慶政府に対して治外法権を放棄して独立国にしたものの、中立若しくは日本と独自に外交交渉行われては困ることから、連合国側に引きいれておく必要があった。その代わりとして連合国側で対日戦に協力するならば十分な軍事援助を与えることにしていた。つまり、中英新平等条約とは、蒋介石に対する「撒き餌」であった。
 日本は大東亜戦争に於いて戦略が欠けていた証拠でもある。そのため敗戦が囁かれるようになった昭和18年になって「……戦争完遂ノ決意ト大東亜共栄圏ノ確立トヲ中外ニ宣明……」となったのだ。そもそも戦略の失敗を戦術の勝利で補うことはできない。それなのに大東亜会議により戦略を再構築しようとしたことは時期を逸したというだけでなく、戦略の欠如により最終的な勝利はありえず敗戦を予兆させるものでしかないのだ。

 それから80年経過した令和5(2023)年5月19日、G7広島サミットが開催される予定になっている。G7(Group of Seven)とは、先進国首脳会議といわれる国際的な首脳会議の一つである。加盟国は、フランス、米国、英国、ドイツ、日本、イタリア、カナダの七か国にEUが加盟している。2023年5月19日から21日まで広島でG7広島サミットが開催されることになっているが、同会議では、自由、民主主義、人権などの基本的価値を共有するG7首脳が一つのテーブルを囲みながら、世界経済、地域情勢、様々な地球規模課題について、率直な意見交換を行うことになっている。
 そして、広島サミットで最も重要な議題の一つは2022年2月に開始したウクライナとロシアの地域戦争の問題である。
 同問題は、2022年2月に開始したウクライナとロシアの地域戦争であるが、ウクライナはコメディアンであったゼレンスキーというパペット(Puppet)により早期解決の道を自らが閉ざし、ウクライナに大きな戦火の爪痕を残してしまった。すでにウクライナ経済は、実際は債務不履行国であり外貨準備資金もすべて底払いし、自力で勝利を得ることは不可能となっていてG7からの支援だけが頼りとなっている。
 そのウクライナであるが、欧州安全保障協力機構(Organization for Security and Co-operation in Europe、OSCE)の監督の下でミンスク2(Minsk II)合意を締結している。しかし国内事情により同合意を反故にしたことがロシアによるウクライナ侵攻につながった。したがって「ウクライナ可哀そう」は、プロパガンであり虚偽である。それを支援するG7は「自由、民主主義、基本的人権の尊重、法の支配」というが、それはウクライナの嘘を正当化して、ロシアが悪いとしたいだけの「不純な価値」なのだ。そして「法の支配」というが、ウクライナ問題に関してG7が決めた価値以外は認めないうえに、公然と国際法を破棄しても構わないという実に身勝手な法概念なのだ。
 その背景にはイギリスのクリミア戦争以後一貫しているロシアを仮想敵国とする国家戦略がある。イギリスがロシアを仮想敵国とした理由は、自国国益を海洋交易と定めそれを保証するのが海軍力であって、その敵対勢力は強力な陸軍力を保持した国、と云うことにある。

 それに同調しているのがアメリカのオバマ元大統領を頂点とするアメリカ民主党であって、同調している理由は有り余る軍事力を使い戦争経済を実行する為だけなのである。
 ところで、オバマ元大統領は、ハワイにあるイギリス国教会系プナホウ・スクール(Punahou School)という学校に在籍し卒業していたことはよく知られている。この学校は在籍していると国籍を変更してくれるという不思議な学校である。オバマ以前にも、この学校の卒業生である孫文は、オバマ同様に国籍を変更している。国籍を変更した孫文は、しばしば日本に滞在していても公安当局から要注意人物として厳しい監視の下にありながらも検挙されることがなかったのはアメリカ国籍を取得していたからであった。つまり、オバマも孫文もイギリスの国家戦略である強大な海軍力を使い海洋交易を通じて世界覇権を維持する活動の一部を担っていたことになる。そのため孫文は香港及び上海を中心としたイギリスの勢力圏内が主要な活動範囲なのである。また現代のアメリカ外交の中枢はRUSIと密接不可分な関係にあり実質的にイギリスの影響下にあると考えられる。
 その表れがG7である。そのためG7は主要仮想敵国をロシアと定め、共通の価値という排他的な障壁を築いて存在意義を誇示している。ただし、G7に加盟する7か国も決して一枚岩ではなく、イギリスとアメリカにより第二次世界大戦の枢軸国であるドイツ、日本、イタリアに対する支配構造が存在する。日本の場合は、日米安全保障条約と行政協定がそれであるが、ドイツの場合は、NATO軍地位協定(Agreement between the Parties to the North Atlantic Treaty regarding the Status of their Forces)と、ドイツ駐留NATO軍地位補足協定(Agreement to Supplement the Agreement between the Parties to the North Atlantic Treaty regarding the Status of their Forces with respect to Foreign Forces stationed in the Federal Republic of Germany)が存在する。またイタリアは、1951年にNATO軍地位協定を締結して、1953年に発効した翌年の1954年、アメリカとイタリアは、イタリア国内の基地施設の使用についての具体的な取極めとなる「NATO条約加盟当事国の二国間における基地施設使用の協定(BIA)」を締結しているが、この協定はイタリア国会の決議により現在も非公開とされている[1]。つまり第二次世界大戦の戦勝国である連合国は、未だ以て枢軸国に参加した三国を許しておらず理不尽なウクライナとの戦争に協力することを求めているのだ。
 そのことが顕著になったのがウクライナ問題である。そもそもNATOが自己保身のためにウクライナに介入したものであったが、予想以上にロシアの素早い対応に、なすすべを知らず狼狽するばかりで問題解決能力が極度に欠如していて烏合の衆であることを明らかにしてしまった。そのためG7がウクライナの正当性を主張し、強力なプロパガンダで輿論を統一して軍事支援に誘導しようとしても、そもそもロシアに対抗するだけの兵力も動機も存在しない関係国の行動は鈍い。当たり前である。それにも拘らずG7とNATOは自己のレゾンデートルの問題からいきり立って武器支援を強行してみたものの、逐次投入は言うに及ばず、補給や整備を無視したその場しのぎの対応となっていて、ウクライナ現地軍もNATO中枢も「引くことも、避けることもなく、ただ単に強攻突破のみという」軍事の専門家とは思えないほど支離滅裂なもので、まるで昭和18年に開催した大東亜会議のころと情況が瓜二つである。つまりG7はウクライナ問題で如何なる対応策を取ろうとも劣勢を挽回するには至らない。したがってはG7速やかに敗戦処理に進むことが戦争による犠牲を少なくする最大の方策と考えられる。

 現代世界の桎梏となっているG7とNATOに振り回されている日本であるが、敢えて日本を治外法権の国にすることを唯一の存在価値としてきた自由民主党は万死に値する。
 その自由民主党は、政治的に追い詰められていることから早晩総選挙は避けられないであろう。そのため、自由民主党は失地回復と総選挙をにらんで、国民に現金を配ることになるはずである。しかし、政府が国民に資金をばらまくにしても、何も自由民主党である必要はなく、いずれの政党も同じ方法しかない。
 なにより、現代日本の諸悪の根源は自由民主党が日本の主権をアメリカに売飛ばしたことであり、このことを70年も隠し続け日本の安全と繁栄の妨げとなっていたということだけではなく、莫大な国富を唯々諾々とアメリカに差し出してきたことである。けれどもいかに隠し続けようともがいても、すでに国民は気が付いてしまったのだ。したがって自由民主党が姑息な政策をいくら幾ら実施しても、売国政党であるという汚名を晴らすことはもはや出来ない。
 したがって、日本の疲弊と混乱を回避するためには、一刻も早く自由民主党を政権の座から引きずり下ろし、日本の主権を取り戻す外交交渉を開始する動きに舵を切る以外に方法はない。
以上(近藤雄三)

[1] 「他国地位協定調査報告書(欧州編)」https://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/kichitai/sofa/documents/chuukan-gaiyou.pdf。

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 国益どころではない、世界の趨勢に大きく乗り遅れている西側諸国、もちろん日本も…

2023-03-24 | 小日向白朗学会 情報
 【日本の国益】のために岸田総理にはいろいろと決断し、行動していただきたいと思うのは国民みんなの気持ちではないかと思う。なぜなら、国益こそ、私たち国民の幸せの謂い、そのもののはずだからである、・・・と少なくとも私は思う。国民の幸福、それ以外に国家が存立する意味がないからである。国家のレーゾンデートルである。少なくとも近代国家はそうでなければ救われないだろう。言うまでもないが「お国のために国民の命があるのではない」ので、「お国のために命をかけるというのは本末転倒である」はずである。ところが、どっこいそうは問屋が卸さない、というのが悲しい現実なのだろう。
 昨年末、国家安全保障戦略等、いわゆる防衛三文書が閣議決定されているが、その中に国益という項目がある。
  ≪【国益】
  •  我が国自身の主権・独立を維持し領域を保全し国民の生命・身体・財産の安全を確保し、豊かな文化と伝統を継承しつつ、我が国の平和と安全を維持し、その存立を全うすること。
  •  経済発展を通じて我が国と国民の更なる繁栄を実現し、我が国の平和と安全をより強固なものとすること(そのためには、自由貿易体制を強化し、安定性及び透明性が高く、見通しがつきやすい国際環境の実現が不可欠)。
  •  自由、民主主義、基本的人権の尊重、法の支配といった普遍的価値やルールに基づく国際秩序を維持・擁護すること。≫
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 確かに、「主権」を一番最初に持ってきているのは納得できる。続いて、経済、まあそれもいい、豊かさは幸せに通じるだろうし。次に来たのが例の決まり文句、これは噴飯ものだろう。自由、民主主義、基本的人権、法の支配…ときたものである。耳にタコとはこのことを言う。
 ところで、コモンウェルス(英連邦、British Commonwealth of Nations)、つまり、以前の大英帝国が数多かかえる植民地諸国をまとめるための共通認識として次のことがある。
 ⇒・・・加盟国(56か国)を「自由で平等」なものとして確立しているコモンウェルスの首長は現在イギリス国王のチャールズ3世である。加盟国は・・・民主主義・人権・法の支配といった共通の価値観・・・・云々。とある。植民地国家群を時代の変遷に合わせて英連邦として組織しなおし、それぞれが地政学的差異は関係なく平等に「一国」として存在することを「耳障りの良い言葉で言い直したに過ぎない、それが「自由、民主主義、人権、法の支配」の実際の内容である。これをいろいろな場面で日本は飽きるほど使っているが、日本だけでなく西欧諸国も使っているようだ。まあ、どうでもいいが、このような思考遮断のタグ付けはいかがなものだろうかと思っている。
 この無意味なフレーズを「国益」の三番目に持ってくるところに、何かうすら寒いものを感じるのは私だけだろうか。これが国益? 日本国民の幸せってか? ひょっとしてわが国も英連邦???  そういえば一昨年9月4日は英国の誇る空母クィーンエリザベスが寄港するし、今年の初めにはRAA結んじゃうし‥‥。日米同盟よりも固いのかも???。。。「そうなんですよ。これでばっちりですよ。」なんて、RUSIの秋元千明日本特別代表の声が 聞こえた気がするが空耳かな?。
 ところで、シリアのアサド大統領の動きがすごい。UAEに訪問したのは確かこの間19日だったか。続いて、『ロイター通信は23日サウジアラビアが閉鎖している在シリア大使館を4月にも再開させることでシリア側と合意したと報じた 』。そのサウジだが、中国習近平の仲介で宿敵イランと話し合い、8年くらい断絶してた国交を回復、サウジ外相とイラン外相が電話で次の予定を話すまでの親密さを示している。もうイエメンの代理戦争などどこ吹く風だ。・・・・要は、デタントの風が吹きまくっているとしか思えない。ここでひょっと気づくことがある。習近平さんとプーチンの蜜月も報じられたが、大国アメリカのバイデンさんも西欧首脳陣も出てくる幕がないようなのだ。それはそうだろう。すでに実質的には終焉を迎えて、戦後処理の話を進めているようであるのに(確証はないがそう感じる)、インドから、突如ゼレンスキーさん「恋しい!!」とばかりにウクライナに飛んで、「お金を出すから」とか「もっと支援するから」とかやめとけばいいのに、「もう、終わっているよ」と言ってあげたい心境にもなってくるが、これが我が国の総理なのだと思うと、「国益どころではないなあ――と悲しくなるのである。その時習近平はプーチンさんと戦後の展開についてお話していたに違いないのに…。そういえば、台湾有事も眉唾か。馬英九さん、北京へ行くのってもうすぐではないのかな…。
(文責:吉田)
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 世界は激動している真っ最中・・・・・・

2023-03-20 | 小日向白朗学会 情報
  広島で開催するG7サミットの日程は、令和5年(2023年)5月19日(金)~5月21日(日)だそうだ。原爆記念の地であり、岸田総理の出身地(正確には通商産業省官僚だった父・岸田文武氏の出身地で、本人は渋谷区生まれ )でもあり、ここで大きくプレゼンスを示さなければもはや日本の出る幕は永遠にやってこないのでは・・などと取り越し苦労をしているのは私だけかな。
 今までも何度も何度も日本の役割が回ってきたことはあるような気がするけれど…。じゃーなにを?ってか。もちろんウクライナ停戦でしょ。「今でしょ」(ちょっと古いか)   恋しいゼレンスキーに会いにキーフまで行けなかったのだから、この際、プーチンさん、ゼレンスキーさんを呼んで並ばせちゃえばいい。そこで、「握手」っていう寸法だ。これはいい絵になると思います。写真映えするでしょう。さあ、いまこそ世界のピースメーカーになる覚悟があるかないか。。岸田さーーん! まっ、ピースメイカーになるということは好戦派米英を多少敵に回すことになるかもしれないけれど、そこは外交の手練手管を駆使すればいい。高齢なバイデンさんは無理にしてもおそらく次のトランプさんならわかってくれるでしょうよ。北の金さんと握手しちゃったくらいだし、握手大好きなはずだから…。
 ここのところの世界要人の動きを見て下さーーい。シリアのアサド氏がUAEを訪問して「親しくお付き合いしましょ」てなことになってアラブ諸国と親密になりつつあるようだし、つい先日は中国の習近平さんが宿敵同士だったはずのサウジアラビアとイランの国交回復に大きく貢献しちまったし、そうそう、テレ朝では「台湾の馬英九前総統が27日から中国本土を訪問すると発表しました。台湾の総統経験者の訪中は1949年の中台の分断後、初めてです。」なんてことも出てくるし…。
 世界がイデオロギーで動いていないことはこれだけを見てもよーーくわかる。なんで動いているのか、みんなみんな「国益」でしょう。日本も「国益」で動きましょうよ。そのためには、まず日本のプレゼンスを大きくアピールしなければ…。
(文責:吉田)
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 桜の季節だって? いや、東京大空襲の季節じゃないの? ほら、3月10日と言えばね

2023-03-17 | 小日向白朗学会 情報
 スプートニク日本(リュドミラサーキャン氏)が2023.3.10東京大空襲について改めて記事を配信している。カーチス・ルメイの空襲はそれまでの空襲、つまり、軍需工場や関連施設などにピンポイント爆撃を加える空襲とは全く異なっていた。それは、すべての日本国民を抹殺するための空襲であった。その理由は極めて簡単だ。「すべての日本国民は兵器の製造に携わっている」のだから。軍事に関連するものは抹殺すべき、ということだ。したがって、次から次へと骸横たわる焦土を創出していく絨毯爆撃である。同記事によれば、「これは人道に反する」としている。これに味を占めたのか、ベトナムではもっと洗練された絨毯爆撃、焼夷弾どころではないもっと洗練されたナパームを使って、緑あふれる山林農村に赤いじゅうたんを広げ続けたのだろう。
 焼夷弾の使用にあたっては、米軍はきわめてリアルなシミュレーションをしていたということで、焼夷弾が落ちると人家の中でどのような世界が描かれるか熟知していたという。ほとんど木造でできている人家は焼夷弾が突き抜けて床、いや、床下まで達する。そこから、てんぷらを作るときの要領に似て、あちこちへと飛び跳ねる油性の火の粉が地獄絵を描き上げるのだ。・・・たぶん・・・。ナチスのユダヤ人抹殺とどこが違っているのか、考えてみることも必要だろう。
 ルメイ氏にのち日本は勲章を授与している。1964年、勲一等旭日大綬章である。何をとち狂って日本国民を虐殺した人物に勲章を授与したのか。とおもったら、航空自衛隊の育成に貢献したからだそうだ。能天気なことである。
 ところで、6月沖縄、8月広島長崎と米軍による日本国民大虐殺は継続され続けた。宮崎学氏が「なぜ日本人は怒らないのか」と疑問を呈されていたが、まったくその通りである。それにしても、日本軍部の犯した過ちは計り知れないというほかない。心底反省している元軍人さんは何ほどいらっしゃったのかしら?(文責:吉田)



 
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昭和27年締結『行政協定』の核心部分は「指揮権の所在」である

2023-03-13 | 小日向白朗学会 情報

 著者はこれまで数度にわたり「行政協定」の原資料と問題部分を明らかにしてきた。
・2023年3月6日、『ヌーランド米国務次官は横田空軍基地という裏口から入国する』
・2023年3月7日、『日本政府がアメリカに売渡した電波権』
・2023年3月8日、『日本政府がアメリカに売渡した「刑事裁判権」』
・2023年3月9日、『日本政府がアメリカに売飛ばした「航空交通管制(昭和34年改定)」』
 今回は、「行政協定」なかで最も核心的な部分である「自衛隊の指揮権」について、さらに掘り下げて説明したいと考えている。

 「自衛隊の指揮権」を、大日本帝国憲法下では「統帥権」といい、軍隊を指揮監督する最高指揮権のことを言う。この「統帥権」は、大日本帝国憲法第11条で「天皇ハ陸海軍ヲ統帥ス」と、天皇に属する天皇大権の一つであった。この統帥権は、「軍政」と「軍令」とにより構成されていた。
 「軍政」とは軍隊の構成や給与など軍隊の維持管理を行いうことであり、「軍令」は作戦指導など軍隊を運用する権限である。統帥権のうち、軍事作戦は陸軍では参謀総長が、海軍では海軍軍令部長が輔弼し、つまり、天皇が大権を施行するにあたり過誤がないよう意見を進言し、帷幄上奏した軍令を天皇が裁可した後に奉勅命令が出された。
 そもそも参謀総長と海軍軍令部長による輔弼は、軍政とは関係のないものであったが、大正後半より、統帥権干犯を理由に、陸軍参謀本部と海軍軍令部が作戦上必要な装備をそろえるため軍政つまり議会の中心的な機能である予算まで介入するようになった。
 その結果、統帥権は陸軍の最高機密文書「統帥参考」に「……統帥権ノ本質ハ力ニシテ,其ノ作用ハ超法的ナリ……」[1]とその権限が無限であることを誇示していた。それが軍部の暴走を招き、ついには日本を灰塵にきしてしまった最大の原因であった。
『……
統帥参考

統帥権独立ノ必要

政治ハ法ニ拠リ,統帥ハ意志ニ拠ル。一般国務上ノ大権作用ハ,一般ノ国民ヲ対象トシ,其生命,財産,自由ノ確保ヲ目的トシ,其行使ハ『法』ニ準拠スルヲ要スト雖,統帥権ハ,『陸海軍』ト云フ特定ノ国民ヲ対象トシ,最高唯一ノ意志ニ依リテ直接ニ人間ノ自由ヲ拘束シ,且,其最後ノモノタル生命ヲ要求スルノミナラズ,国家非常ノ場合ニ於テハ主権ヲ擁護確立スルモノナリ
 之ヲ以テ,統帥権ノ本質ハ力ニシテ,其ノ作用ハ超法的ナリ。即チ爾他ノ大権ト其本質ニ於テ大ニ趣ヲ異ニスルモノト言ハザルベカラズ。而モ軍隊ハ最高唯一ノ意志ニ基キテ教育訓練セラレ一糸紊レザル統一ト団結トヲ保持シ,一旦緩急アルニ際シテハ完全ナル自由ト秘密トヲ保持シテ神速機敏ノ行動ニ出デザルベカラザルガ故ニ,統帥権ノ輔翼及執行ノ機関ハ政治機関ヨリ分離シ,軍令ハ政令ヨリ独立セザルベカラズ。

陸海軍ニ対スル統治ハ,即チ統帥ニシテ,一般国務上ノ大権ガ国務大臣ノ輔弼スル所ナルニ反シ,統帥権ハ其輔弼ノ範囲外ニ独立ス。従テ統帥権ノ行使及其結果ニ関シテハ,議会ニ於テ責任ヲ負ハズ。議会ハ軍ノ統帥・指揮並之ガ結果ニ関シ,質問ヲ提起シ,弁明ヲ求メ,又ハ之ヲ批評シ,論難スルノ権利ヲ有セズ
……』
 このことを成田知巳は、『第13回国会 衆議院 本会議 第17号 昭和27年2月29日』で日本政府が締結した「行政協定」の最も核心的な部分である「自衛隊指揮権をアメリカに売り渡したこと」が如何に亡国の約束であるかを統帥権という観点から「……天皇の名のもとに、軍閥、官僚により、国民の意思とは無関係に、国民の知らない間に戦争が引起された……」といったのだ。成田が社会党員であったことから、社会党のイデオロギーから導きだした歴史認識であるかの如く思いがちであるが、それは間違いである。日本の主権に関してイデオロギーは無関係である。逆に、成田の主張が日本国民に広く知れ渡ると、吉田がサン・フランシスコ講和条約締結直後にアメリカに売り渡した「国権を回収すべき」という輿論が高まることを危惧したアメリカが、自由民主党を結党させてアメリカの利権を保護させるとともに、アメリカにとって危険な輿論とならないように野党を分断してきたのだ。この戦前の統帥権が超法規であるということについては、司馬遼太郎も「軍部の参謀本部の将校たちが、この統帥権を振りかざして日本をあらぬ方向に持って行ってしまったことが諸悪の根源であった」と総括している程である。

 では悪名高き「統帥権」の構造から「行政協定(日米地位協定)」を考えてみるとどうなるか。「軍政」に当たる部分は、国会と自衛隊の関係であって、いわゆる、防衛費に相当する。ついで「軍令」はいうと「自衛隊をアメリカ軍の指揮下に置くことに同意」していることから「アメリカ大統領」ということになる。つまり戦前の統帥権は天皇にあったが、現在は「アメリカ大統領」が握っているのだ。したがって、自衛隊の存在は、予算上は日本を防衛するためとなっているが、実際のところ、自衛隊が日本の防衛に資するかどうかは、全く別問題であって「アメリカ大統領」の胸先三寸なのだ。

 指揮権に付いては昭和27年締結当時から問題となっていた。『第13回国会 参議院 予算委員会 第21号 昭和27年3月18日』[2]で、岩間正男はその本質を追及している。
「……
○岩間正男君 
……講和條約、安保條約とも米国には何らの義務を課するものではない、米国は米国自身の利害に合致すると認めなければ日本に駐留軍を置く必要はない、日本に米軍を維持することは米国の権利であつて義務ではない
……
今の行政協定によるところの共同措置の場合にも、日本はアメリカに対していろいろな義務を負わせることはできない、当然これは一つの統帥権の問題にも大きく関係して来ると思う。当然日本が義務を負う場合だけにこれは発動される
……
緊急事態とか戰争の場合、米駐留軍は基地その他の制限も一切問わず日本の防衛措置は米軍司令官の指揮下に入る
……』
 岩間の指摘は正し。指揮権(統帥権)が日本にないことから、アメリカは、アメリカの都合で如何なる作戦をも遂行することができるのだ。この点に関して日本から制約を設けることは一切できない。
 この危険極まりない「指揮権の譲渡」を実行したのは自由民主党なのだ。自由民主党は、日本の主権をアメリカに売渡したことを秘密にし、アメリカの傍若無人な行動は、日本の安全保障上致し方のないことであると国民に我慢を強いてきた。それもこれも、全て、自由民主党は、自衛隊をアメリカ軍の指揮下において、海外派兵ができるように憲法を改定することが本来の仕事であり党是なのだ。そのような政党が日本政府を組織した結果、日本政府は、日本国民に高い税負担をもとめ、アメリカが戦略上に必要とする装備を購入して、提供することが政府の仕事でありアメリカに対する義務なのだ。これを売国と云わずなんという。
 ところで岸田内閣総理大臣は、またしても白昼堂々と国民を騙す発言をしていることが明らかになった。日本経済新聞(2023年1月25日)「統合司令部の設置 岸田首相「米国へ指揮権の委譲ない」に次のようにある。
『……
岸田文雄首相は25日の衆院本会議で、陸海空の3自衛隊の部隊運用を一元的に担う常設の「統合司令部」を創設することに関し「日米間での指揮権の共有や委譲は考えていない」と語った。
……
首相は「あくまで陸海空の自衛隊の一元的な指揮を行うためだ」と強調した。
……
国家安全保障戦略など安保関連3文書は自衛隊に常設の統合司令部を設ける方向性を示した。トップに統合司令官を置く。自衛隊全体の作戦指揮を統括し、米軍との調整を担う。
……』
 岸田内閣総理大臣は「日米間での指揮権の共有や委譲は考えていない」としているが、昭和27年に締結した「行政協定(日米地位協定)」ですでに譲渡済みである。今更、「共有や委譲」ではない。内閣総理大臣ともあろうものが、嘘もほどほどにすべきである。
 岸田総理大臣は行政の長として、本年(2023)年1月13日に訪米し、バイデン米大統領と会談して「行政協定(日米地位協定)」の継続を約束してきたではないか。おまけに、時代遅れのトマホークを大量に購入し、日本とアメリカの関係者には十分な利益を渡してきたではないか。「知らぬ存ぜぬ」では済ませられない話である。
 ここまで堂々と嘘をつかれていても、追及できないでいる野党は、実に、ふがいない存在である。本来ならば自由民主党が売国政党であることを追及する立場になりながら、野党はもとより労働界まで、自由民主党に擦り寄ってあたかも国民のための政治であるかのような幻想を抱かせているさまは、売国政党に対する売国幇助でしかないのだ。
以上(近藤雄三)

[1] 参謀本部編『統帥綱領・統帥参考』偕行社(1962年12月8日)。

[2]https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=101315261X02119520318&spkNum=42&current=7

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日本政府がアメリカに売飛ばした「航空交通管制(昭和34年改定)」

2023-03-09 | 小日向白朗学会 情報
 筆者は、これまで日本政府がアメリカに売飛ばした日本国の主権に付いて次のようにまとめてきた。
・2023年3月6日、『ヌーランド米国務次官は横田空軍基地という裏口から入国する』
・2023年3月7日、『日本政府がアメリカに売渡した電波権』
・2023年3月8日、『日本政府がアメリカに売渡した「刑事裁判権」』
この回は、「日本政府がアメリカに売飛ばした「航空交通管制(昭和34年改定)」」を報告したい。

 現代の航空管制は、レーダー進入管制(radar approach control、ラプコン)といい、半径60~80マイルの有効範囲内の航空機を探知する空港監視レーダー(airport surveillance radar、ASR)と滑走路に進入する航空機を管制する精測進入レーダー(precision approach radar、PAR)を用いて、無線電話により操縦士に指示を与えて着陸させるという方式が取られている。日本に嘉手納ラプコン、岩国ラプコン、横田ラプコンが現存している。
・横田ラプコン
横田進入管制区(横田ラプコン)と呼ばれる1都8県(東京都、栃木県、群馬県、埼玉県、神奈川県新潟県、山梨県、長野県、静岡県)に及ぶ広大な空域の航空管制は横田基地で行っている[1]。
・岩国ラプコン
岩国進入管制区(岩国ラプコン)は、アメリカ空軍岩国基地(岩国市)が航空管制をしている空域が広島、山口、島根、愛媛の4県にまたがっていて、最高高度は約7千メートルに対している。上空から見ると、基地を中心に羽を広げたチョウのような形をしている。そのため岩国空域にかかる岩国錦帯橋空港(同)、松山空港(松山市)では、民間機も基地の許可がなければ離着陸できない[2]。
・嘉手納ラプコン
嘉手納進入管制区(嘉手納ラプコンは、沖縄上空に半径90キロ、高度6000メートルと、半径55キロ、高度1500メートルの二つの空域が、沖縄と久米島の上空をすべて覆っている。
これらラプコンを規定しているのが、昭和27(1952)年6月の日米合同委員会で合意した「航行保安」にはじまり昭和34年に改定された「航空交通管制」である。
 自衛隊の指揮権は昭和27年からアメリカにあるが、その事実を隠蔽するため日米合同委員会で合議して指揮権を行使することになっている。そのためアメリカは、日米合同委員会と云う名称で指揮権を行使している。よって「航空交通管制」中にある「日米合同委員会で合意した」という言葉の使い方は、アメリカからの命令、若しくは、指導のことである。
 尚、憲法と行政協定の関係であるが、条約は、憲法73条3項で国家代表者である内閣総理大臣が署名し国会で承認を受ける必要があるが、協定は、憲法72条2項で内閣の権限内にある「外交関係を処理すること」を利用して内閣の恣意的な判断で締結したものである。
『……
航空交通管制
昭和35.3.25 衆・参安保委提出

昭和27年6月及び同34年6月日米合同委員会において次のように合意された。

(1) 航空交通管制
(イ)昭和27年6月の合意
1.日本国は、日本領空において完全かつ排他的な主権をもちかつそれを行使する。但し、一時的な措置として、わが国の自主的な実施が可能となるまでの間、日米間の意見の一致をみた時に、日本側が航空交通管制に関する全責任を負うこととして、米軍が軍の施設で行う管制業務を利用して民間航空の安全を確保することとし、また、日本側の管制要員の訓練を米軍に委託する。(航空局注、当時 わが国が航空交通管制を実施するためには、施設、要員とも皆無にひとしい状況にあったので、前記のような一時的措置をとったものである)。
2. 日本政府及び米軍の行なう航空交通管制はICAOの定める標準方式を使用する。
3. 在日米軍は、日本政府の承諾のもとに必要な航空灯台、ビーコン等の航空保安施設を自ら設置し、運用できる。
4. 在日米軍は、軍の使用する航空図の精確さを確保するために測図飛行を行うことができる。
5. 第三国航空機の日本領空への飛来を許可するときは日本政府は当該航空機の 経路、空港、時期を含めて在日米軍と相互に意見の一致をはかっている。
(ロ)昭和34年6月の合意
1. 米軍に提供している飛行場周辺の飛行場管制業務、進入管制業務を除き、すべて、日本側において運営する。
2. 防空任務に従事する軍用機に対しては交通管制上、最優先権を与えることに 同意している。これらの軍用機の離着陸に際しては、その迅速な行動を可能ならしめるため予め定められた一定の空域をあけるように他の航空機の管制が行なわれる。
3. 日本政府は在日米軍との間に航空機から得られる気象情報を相互に交換する。
4. 防空上緊急の必要があるときは、防空担当機関が保安管制を行なうことに同意している。
5. 国外から飛来する航空機が管制本部に対して位置通報を行なうべき地点の決 定に際しては、日本政府は防空担当機関と協議する。

(2) 航空機の事故調査
1. 合衆国軍の航空機施設又は人員を含まない航空機の事故については在日米軍は責任を負わない。 但し在日米軍は公認の日本国政府航空機事故調査官に協力し、かつこれに対し調 査に必要で保安上差支えない一切の情報を提供する。
2. 日本政府が航空機事故調査の責任を負う航空機施設又は人員を含まない航空機の 事故については、日本国政府は責任を負わない。但し日本政府は公認の合衆国航空 事故調査官に協力し、かつこれに対し調査に必要で保安上差支えない一切の情報を 提供する。
3. 在日米軍の航空機及び日本政府が航空機事故調査の責任を負う航空機を含む航空 機の事故に対しては航空機事故共同調査委員会がこれを調査する。
4. いづれか一方による航空機事故の調査中に他方の施設及び人員が事故に関与する 原因をなした証拠があるときは、いつでも他方の代表者にその旨を通知する。この 場合は航空機事故共同調査委員会を設けてこれに当該の調査を行う権限を与える。

(3) 捜索救難
1.在日米軍は日本及びそれに隣接する水域上を飛行する航空機の危急の時に捜索救 難業務を行う。日本国のための捜索救難活動に参加する合衆国救難隊の作業は在日 米軍が指揮する。
2.航空機が行方不明であり、又は墜落航空機の生存者が援助を必要としている旨の通告を受けたときは在日米軍は行方不明機の位置を捜索し、及び墜落航空機の生存者を救助するため、できる限りの援助を与える。
……』
日本政府とアメリカで締結してきた安全保障に関係する条約や協定は、すべてが朝鮮戦争を基準に組み立ててきた。日米安全保障条約では大枠を、詳細は国会承認の必要がなく内閣だけで決めることができる協定として超法規的な体系を作り上げてきた。一見盤石にみえる法廷体系である。
しかし、ある時、その弱点が露わになった。それが、2018年6月12日にトランプ米大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長による朝鮮戦争を終了させようという共同宣言であった。この宣言により、超法規的な存在であった日米安全保障条約と「行政協定」(日米地位協定)は、朝鮮戦争を終了させることでアメリカ軍が日本に駐留する根拠を失うことが明らかになってしまったのだ。それが、昭和29年2月19日に締結した『日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定』で、朝鮮国連軍の撤退期日が明記されている。
『……
 第二十四条
すべての国際連合の軍隊は、すべての国際連合の軍鮮から撤退していなければならない日の後九十日以内に日本国から撤退しなければならない。この協定の当事者は、すべての国際連合の軍隊の日本国から期限として前記の期日前のいずれかの日を合意ことができる。
……』
 トランプ大統領と金正恩国務委員長の共同声明は、日本、韓国、アメリカが秘密裏に進めてきた安全保障というパンドラの箱を開けてしまったのだ。
そして、朝鮮戦争が終了すると、自由民主党と外務省がすすめてきた超法規的な安全保障政策はご破算になるのだ。慌てた政府自民党が、急遽、頼ったのは、既に役割を終えたポンコツのNATOと、これもまた世界戦略が賞味期限をすぎたイギリスだった。そのため岸田内閣総理大臣は、鮮戦争終結は時期尚早と云いながら、NATOに擦り寄ってできた国防方針が「防衛三文書」であった。
 また、アメリカと北朝鮮が朝鮮戦争を終戦とすることになった場合に、困るのは韓国も同様である。韓国は、後方基地である日本が終戦で完全に離脱した場合に、単独で北朝鮮とは対峙するだけの実力はない。自由民主党と韓国与党は「呉越同舟」である。
 昨今の韓国の融和政策は、朝鮮戦争終結時に、日本が離脱することを恐れたもので、その真意は見定めておく必要がある。そのため竹島問題は頬かむりをしたままなのであることが何よりの証である。
以上(近藤雄三)
 

 
 

[1] 川崎市()https://www.city.kawasaki.jp› cmsfiles › contents

[2] 中国新聞(2018年4月17日)「イワクニ 地域と米軍基地 地位協定の壁」

https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=82114

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ここまでやっているのか? 人・船・技術と何でも供与 わが国海保! @マニラ・フィリピン

2023-03-08 | 小日向白朗学会 情報
 本日3月8日、日刊まにら新聞が「マニラ市南港で海保職員を迎えPCG巡視船の機関整備に関するワークショップ開始」という記事を配信している。その中で、「マニラ市南港で6日、海上保安庁職員を迎え比沿岸警備隊(PCG)巡視船の機関整備に関するワークショップ(WS)が開始された。同ワークショップは、昨年日本が円借款を通じ供与したPCG保有船で最大のBRPテレサマグバヌア=97メートル=で実施。9日まで行われる。海上保安庁が海外の巡視船の機関整備に関して職員を派遣して協力を行うのは今回が初めてとなる。」とある。
 上記のように昨年船を供しているだけでなく、さらに、わが国の海保は海上保安のプロである髙橋大亮氏(上席派遣協力官)を派遣し、海保からJICAに出向、PCGの巡視船艇運用整備計画プロジェクトに従事している小野寺寛晃氏(3等海上保安監)も参加させて、約20人のPCG職員を対象にして整備状況など意見交換等を行ったそうだ。PCGの巡視船は全て外国製らしいが、日本から97メートル級2隻(そのほかに44メートル級10隻)のほか、豪州から8隻、フランスから1隻、など20隻あまりだ。そのうち約10隻が故障しており、修理待ちの状態だそうだ。さらに、日本に97メートル級巡視船を5隻供与するよう要請中ともいう。
 「海の警察」と言われる海上保安庁については海上保安庁法という法律があり、軍事には一切かかわらない旨明記(第25条)されていることなど屁とも思わないのか、自衛隊との連携強化が例の昨年末の安全保障関連3文書改定で明記されたしまった今、喫緊の話題である台湾有事に備えるためにもフィリピンとの協調関係は必須、との判断があるのだろうか。インド・太平洋防衛の要のひとつにしようという魂胆なのだろうか。ただ、いくら船を供与しても運営技術がないと単なるお飾りになってしまう懸念もあるという。そこで海保さんは張り切って人を派遣して技術の供与も始めたのかな、とも思える。こうしたワークショップと並行しながら、1月23日~3月30日まで日本供与の97メートル巡視船2隻の機関科職員ら32人を対象にマグサイサイ・インスティテュート・オブ・シッピング(商船三井系船員養成機関)が機関運用整備研修を実施しているとのことだ。
 ところで、日刊まにら新聞さんでも、6~9日日比訪問しているはずのヌーランド氏(米国務省が発表)についての報道は見られなかった。何をやってるのかな、ヌーランドさーーん。
 (文責:吉田)

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日本政府がアメリカに売渡した「刑事裁判権」

2023-03-08 | 小日向白朗学会 情報

 筆者は、これまで日本政府がアメリカに売飛ばした日本国の主権に付いて次のようにまとめてきた。
・2023年3月6日、『ヌーランド米国務次官は横田空軍基地という裏口から入国する』
・2023年3月7日、『日本政府がアメリカに売渡した電波権』
この回は、「日本政府がアメリカに売渡した刑事裁判権」を報告したい。

 日本は、安政5年(1858年)に江戸幕府がアメリカ・オランダ・ロシア・イギリス・フランスの5ヵ国と関税自主権と裁判権がない不平等条約を結んだ。日本は不平等条約を改正するために日清、日露の両大戦を経て漸く解消したのは明治44(1911)年2月21日に調印した「日米通商航海条約」まで53年間の歳月を費やしている。それから僅か34年後には敗戦国となり占領軍の管理下に置かれることになった。昭和26(1951)年9月8日、サン・フランシスコ講和条約を締結したことで主権が回復すると誰しもが考えていた。ところが講和条約締結と同時に、吉田茂は主権をアメリカに売渡していたのだ。それから70年、現代においても、日本政府は主権国家と大見得を切りながら、実は政府が率先してアメリカに主権を売渡し続けてきた。挙句の果ては、自国軍隊をわざわざ戦地に赴くようにまで仕組んでいるのだ。その根本に「行政協定」、現在は「日米地位協定」がある。
今回は、「行政協定 第17条」について、その全容を明らかにする。
『……
第17条 刑事裁判権
1 この条の規定に従うことを条件として、
(a) 合衆国の軍当局は、合衆国の軍法に服するすべての者に対し、合衆国の法令により与えられたすべての刑事及び懲戒の裁判権を日本国において行使する権利を有する。
(b) 日本国の当局は、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族に対し、日本国の領域内で犯す罪で日本国の法令によつて罰することができるものについて、裁判権を有する。

2 (a) 合衆国の軍当局は、合衆国の軍法に服する者に対し、合衆国の法令によつて罰することができる罪で日本国の法令によつては罰することができないもの(合衆国の安全に関する罪を含む。)について、専属的裁判権を行使する権利を有する。
(b) 日本国の当局は、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族に対し、日本国の法令によつて罰することができる罪で合衆国の法令によつては罰することができなもの(日本国の安全に関する罪を含む。)について、専属的裁判権を行使する権利を有する。
(c) 2及び3の規定の適用上、国の安全に関する罪は、次のものを含む。
(i) 当該国に対する反逆
(ii) 妨害行為(サボタージュ)、諜報行為又は当該国の公務上若しくは国防上の秘密に関する法令の違反

3 裁判権を行使する権利が競合する場合には、次の規定が適用される。
(a) 合衆国の軍当局は、次の罪については、合衆国軍隊の構成員又は軍属に対して裁判権を行使する第一次の権利を有する。
(i) もつぱら合衆国の財産若しくは安全のみに対する罪又はもつぱら合衆国軍隊の他の構成員若しくは軍属若しくは合衆国軍隊の構成員若しくは軍属の家族の身体若しくは財産のみに対する罪
(ii) 公務執行中の作為又は不作為から生ずる罪
(b) その他の罪については、日本国の当局が、裁判権を行使する第一次の権利を有する。
(c) 第一次の権利を有する国は、裁判権を行使しないことに決定したときは、できる限りすみやかに他方の国の当局にその旨を通告しなければならない。第一次の権利を有する国の当局は、他方の国がその権利の放棄を特に重要であると認めた場合において、その他方の国の当局から要請があつたときは、その要請に好意的考慮を払わなければならない。

4 前諸項の規定は、合衆国の軍当局が日本国民又は日本国に通常居住する者に対し裁判権を行使する権利を有することを意味するものではない。ただし、それらの者が合衆国軍隊の構成員であるときは、この限りでない。

5(a) 日本国の当局及び合衆国の軍当局は、日本国の領域内における合衆国軍隊の構成員若しくは軍属又はそれらの家族の逮捕及び前諸項の規定に従つて裁判権を行使すべき当局へのそれらの者の引渡しについて、相互に援助しなければならない。
(b) 日本国の当局は、合衆国の軍当局に対し、合衆国軍隊の構成員若しくは軍属又はそれらの家族の逮捕についてすみやかに通告しなければならない。
(c) 日本国が裁判権を行使すべき合衆国軍隊の構成員又は軍属たる被疑者の拘禁は、その者の身柄が合衆国の手中にあるときは、日本国により公訴が提起されるまでの間、合衆国が引き続き行なうものとする。

6(a) 日本国の当局及び合衆国の軍当局は、犯罪についてのすべての必要な捜査の実施並びに証拠の収集及び提出(犯罪に関連する物件の押収及び相当な場合にはその引渡しを含む。)について、相互に援助しなければならない。ただし、それらの物件の引渡しは、引渡しを行なう当局が定める期間内に還付されることを条件として行なうことができる。
(b) 日本国の当局及び合衆国の軍当局は、裁判権を行使する権利が競合するすべての事件の処理について、相互に通告しなければならない。

7(a) 死刑の判決は、日本国の法制が同様の場合に死刑を規定していない場合には、合衆国の軍当局が日本国内で執行してはならない。
(b) 日本国の当局は、合衆国の軍当局がこの条の規定に基づいて日本国の領域内で言い渡した自由刑の執行について合衆国の軍当局から援助の要請があつたときは、その要請に好意的考慮を払わなければならない。

8 被告人がこの条の規定に従つて日本国の当局又は合衆国の軍当局のいずれかにより裁判を受けた場合において、無罪の判決を受けたとき、又は有罪の判決を受けて服役しているとき、服役したとき、若しくは赦免されたときは、他方の国の当局は、日本国の領域内において同一の犯罪について重ねてその者を裁判してはならない。ただし、この項の規定は、合衆国の軍当局が合衆国軍隊の構成員を、その者が日本国の当局により裁判を受けた犯罪を構成した作為又は不作為から生ずる軍紀違反について、裁判することを妨げるものではない。

9 合衆国軍隊の構成員若しくは軍属又はそれらの家族は、日本国の裁判権に基づいて公訴を提起された場合には、いつでも、次の権利を有する
(a) 遅滞なく迅速な裁判を受ける権利
(b) 公判前に自己に対する具体的な訴因の通知を受ける権利
(c) 自己に不利な証人と対決する権利
(d) 証人が日本国の管轄内にあるときは、自己のために強制的手続により証人を求める権利
(e) 自己の弁護のため自己の選択する弁護人をもつ権利又は日本国でその当時通常行なわれている条件に基づき費用を要しないで若しくは費用の補助を受けて弁護人をもつ権利
(f) 必要と認めたときは、有能な通訳を用いる権利
(g) 合衆国の政府の代表者と連絡する権利及び自己の裁判にその代表者を立ち会わせる権利

10(a) 合衆国軍隊の正規に編成された部隊又は編成隊は、第二条の規定に基づき使用する施設及び区域において警察権を行なう権利を有する。合衆国軍隊の軍事警察は、それらの施設及び区域において、秩序及び安全の維持を確保するためすべての適当な措置を執ることができる。
(b) 前記の施設及び区域の外部においては、前記の軍事警察は、必ず日本国の当局との取極に従うことを条件とし、かつ、日本国の当局と連絡して使用されるものとし、その使用は、合衆国軍隊の構成員の間の規律及び秩序の維持のため必要な範囲内に限るものとする。

11 相互協力及び安全保障条約第五条の規定が適用される敵対行為が生じた場合には、日本国政府及び合衆国政府のいずれの一方も、他方の政府に対し六十日前に予告を与えることによつて、この条のいずれの規定の適用も停止させる権利を有する。この権利が行使されたときは、日本国政府及び合衆国政府は、適用を停止される規定に代わるべき適当な規定を合意する目的をもつて直ちに協議しなければならない。

12 この条の規定は、この協定の効力発生前に犯したいかなる罪にも適用しない。それらの事件に対しては、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定第十七条の当該時に存在した規定を適用する。
……』
これを治外法権と云わずになんというか。この点について、成田知巳は『第13回国会 衆議院 本会議 第17号 昭和27年2月29日』で次のように述べている。
『……
○成田知巳君
……
旧憲法においては、宣戦の布告、条約の締結の大権、統帥の大権は天皇にあつた。この大権を、軍閥、官僚が、天皇の名において、ほしいままに行使したために、その結果が今回の無謀なる太平洋戦争となり、遂に国を滅す結果になつたのであります。緊急状態における米軍出動に協力するの条件がその決定を吉田内閣に一任することは、吉田内閣の反動性、その買弁性から言つて、アメリカにすべてを一任すると何ら異ならないのであります。そのことは、ちようど旧憲法下において、天皇の名のもとに、軍閥、官僚により、国民の意思とは無関係に、国民の知らない間に戦争が引起されたのと同様に、今度は、日本人の意思とは無関係に、日本人の知らない間に、外国の意見によつて日本が戦争に巻き込まれることになるのでありまして、私たちは深くこれを憂うるものであります。
……』
 自衛隊の指揮権をアメリカに売渡した日本政府は、幾ら主権国であると言い張っても、日本の意思とは無関係にアメリカの戦略で日本は戦争に巻き込まれるのだ。その証拠に、日本とは無関係の台湾有事に自衛隊が出動する準備を始めているが、これはアメリカが指揮権を握っているからこそ日本政府に準備をするように命じたからに他ならない。
岸田文雄内閣総理大臣は、確かに自衛隊の最高指揮官ではあるが、日本とアメリカ両軍を考えた場合には、最高指揮官ではないのだ。岸田内閣総理大臣が、敵地攻撃を命令できると国会で答弁する様は、虚言と云うより滑稽で、まるで裸の王様でしかない。
 国民を70年も騙し続けた自由民主党が、今後できることは早期に消滅すべきなのだ。それが、せめてもの罪滅ぼしなのだ。

以上(近藤雄三)

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日本政府がアメリカに売渡した電波権

2023-03-07 | 小日向白朗学会 情報

 日本政府は昭和27年に日米安全保障条約を締結したことに伴い行政協定も併せて締結した。この行政協定で、日本政府は、自衛隊の指揮権、電波権、航空管制権をアメリカに売渡してしまった。その後、70年間に渡り日本を治外法権国とすることに全力をあげてきた自由民主党であったが、令和5年3月2日、ついに秘密協定が存在したことを認めることになった。近日中に国会議事録に登録されたならば紹介する心算である。
 ところで自由民主党が売渡した主権の一つである航空管制権は、令和5年3月6日の寄稿文「ヌーランド米国務次官は横田空軍基地という裏口から入国する」で、外交文書と共に明らかにしてきた。本日は、自由民主党が売渡した「電波権」について、その全容を外交文書から明らかにする。
 まず電波権とは、昭和25年5月2日に制定となった「電波法」のことである。この法律の目的は「第一条 電波の公平且つ能率的な利用を確保することによつて、公共の福祉を増進することを目的とする。」となる。ところが、この法律は、昭和27年6月に「周波数の分配及び妨害除去」とする協定で日米合同委員会の制御下に組込まれてしまった。
『……
            周波数の分配及び妨害除去
 昭和27年6月の日米合同委員会で次のように合意されている。
1.日米周波数分科委員会の設置
 日米合同委員会の下に、郵政省の代表者と合衆国軍隊の代表者で構成する日米周波数分科委員会を設置すること.この分科委員会は、合同委員会に対し、米軍の電波の使用、調整及び管理に関する勧告を行うことを任務とする.
2.技術連絡部の設置
日米周波数分科委員会の下に、技術連絡部を設置すること。この連絡部の一方を郵政省電波管理局周波数課とし、他方を駐日合衆国軍司令部J6部周波数分配課とすること。
この連絡部は、電波の使用、調整及び管理に関する日常の作業に必要な取極めをし、また、日米電波施設間の混信の防止及び除去上必要な措置を関係当局に勧告することを任務とする。
3,電波の使用に関する基本方針
(1)27.5MC/S以上の周波数帯における電波
 この周波数帯の電波の使用は1947年アトランティックシティの国際電気通信会議で定められた無線通信規則に従うこと,
(2)27.5MC/S以下の周波数帯における電波
1951年ジュネーヴの臨時無線通信主管庁会議の最終協定が実施されるまでは、1938年のカイロの一般無線通信規則に従うこと。
(3)日本側の電波の割当及び使用は、周波数割当の原則に従うこと。
(4)国際規則に適合しない米軍の「周波数帯外」の電波の使用は日米間で協議して調整すること。
(5)米軍による27.5MC/S以下の電波の使用は付属書Aに掲げる。
(6)米軍による27.5MC/S-328.6MC/Sの関の電波の使用は付属書Bに掲げる。
(7)米軍による328.6MC/S以上の周波数帯の電波の使用は付属書Cに掲げる。
(8)米軍の必要とする電波の取扱い。
米軍の開始する新業務に対する周波数の分配は、米軍の要請により、且つ、そのときに日米間で合意するとおりに行うこと。
(9)施設及び区域内で米軍が使用する電波の選定等
施設及び区域内で米軍が使用する電波の選定、国際的調整管理、国際電気通信連合に対する通告、登録は米軍が行うこと。
(10)日米政府間の約定に基づき米軍が使用する電波の選定等
日本政府と締結した約定に基づいて米軍が使用する電波の選定、国際的調整、管理、国際電気通信連合に対する通告、登録は日本政府が行うこと。また、この種の電波には、国際的に日本に分配された呼出符号の系列の中から呼出符号を割り当てること。
(11)電波施設の設置及び運用の基準
日米双方の電波施設間の混信を防止するために、電波施設の設置及び運用は、1947年アトランディック・シティ無線通信規則に定める基準に従うこと。
(12)米軍に不要となった電波についての措置
米軍は、不要となった電波を遅滞なく郵政省電波監理局に通知すること。
(13)混信対策
日米のいずれか一方の電波が他方の電波に混信を与えた時は、混信を受けた方が混信を与えた方に通報すること。またこの日米間の混信及び根源の不明な混信を技術連絡部を通じて妨害除去のために必要な措置をとること。
(14)電波監視
(イ)米軍側が不明な根源からの電波により混信を受けた場合、それを日本側に通報し、日本側はその電波を監視すること。監視の結果を混信除去のため混信を与えた方の局を管理する機関に送付すること。右の混信が日本国外から来る電波によるものであれば、監視の結果を米軍側に送付し、米軍側がその混信除去の処置をとること。
(ロ)米軍側が日本国内の不法電波と認められるものを覚知した場合は、それを日本側に通知すること。日本側が監視した結果、それが米軍所属のものであると判明した時は、それを米軍側に通報し、米軍側がその不法運用を除去すること。
(ハ)日本側は、監視の結果を、要請があれば、米軍側に送付すること。
(ニ)前記(イ)、(ロ)及び(ハ)の監視に関する情報交換は、郵政省電波監理局と駐日合衆国軍司令部J6部周波数分配霖との間で行うこと。
4。補助軍用無線局の設置、運用
(1)米軍の人員(軍属を含む。)は軍事上、アマチュア・バンドで無線局を運用することができること。
(2)米軍司令官は、無線従事者及び無線局に許可書を発給すること。
(3)米軍司令官は、右の許可の責任をとること。また、右の許可及び運用管理に必要な規則を定めること。この規則は、日本のアマチュア・バンド内で運用する局に適用される規則に一致させること。
(4)補助軍用無線局には、国際的に米国に割り当てられた呼出符号の系列の呼出符号を割り当てること。
(5)補助軍用無線局の電力は、速信機の最終段への最大入力が1キロワットを超えないものであること。
(6)米軍司令官は、補助軍用無線局のリストを日本側に送付すること。
……』
 日本には、主権国としての権利である電波の利用権は著しく制限され無償で提供しているのだ。アメリカは、日本政府がアメリカに無償で提供している電波権を利用してアメリカ本土を守るミサイル防衛網を構築しているのだ。
ところで日本国内では、電波法を利用した事業として携帯電話がある。その事業規模は、大手に2社で、NTT-Docomo4.65兆円、KDDI5.24兆円と約10兆円となっている。
 ならば、日本の主権である電波が、アメリカ本土を守るという重要な役割を担っているのであるから主権国日本は電波使用料を徴収するのは当然のことであろう。その規模は10兆円としても間違いではないであろう。

以上(近藤雄三)
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