ゆらぎつつゆく

添島揺之歌集。ツイッター感覚で毎日つぶやきます。色調主義とコラボ。

袖ひぢて

2017-11-14 03:05:45 | 資料

Once I wet my sleeves
Scooping water
It’s frozen now
On this first day of spring,
Will the wind melt it, I wonder?


袖ひぢてむすびし水をこほれるを春立つけふの風やとくらむ    紀貫之


歌は人の憂いも時がくれば溶けてくるということを、春に託して詠ったものだ。

実際は人間の憂いはそんなに簡単に溶けはしない。

だが繰り返し春が来るたびに、溶けるような気がして、人は歌に詠うのだ。

その心は外国人でも同じなのだろう。


国境に割られし人の声ありて割るかたのなきその心かな    揺之






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