Once I wet my sleeves
Scooping water
It’s frozen now
On this first day of spring,
Will the wind melt it, I wonder?
袖ひぢてむすびし水をこほれるを春立つけふの風やとくらむ 紀貫之
歌は人の憂いも時がくれば溶けてくるということを、春に託して詠ったものだ。
実際は人間の憂いはそんなに簡単に溶けはしない。
だが繰り返し春が来るたびに、溶けるような気がして、人は歌に詠うのだ。
その心は外国人でも同じなのだろう。
国境に割られし人の声ありて割るかたのなきその心かな 揺之