ロスの中心街にほど近い場所にある日系人の街、リトルトーキョーがあまり治安が良くないと言う話は、ずいぶん前から幾度となく耳にすることはあった。
実態を知ってみてちょっと驚いた。
あのホームレスの密度がアメリカ最大とも言われ、1キロ四方あるかないかのエリアに、今では1万人を超えるのではないかとも言われるホームレスの人たちが暮らしている街”スキッドロー”に隣接していたんです、リトルトーキョー。
ですから、ブロガーの中には、アメリカ観光でリトルトーキョーに来る人に、警告している人もいます。
上のブログは2019年に書かれたもの。日本人のブロガーさんの体験談。
ネットフリックスが作ったドキュメンタリーの舞台は、スキッドローにある悪名高いセシルホテル。
日本の東京や大阪にも、”近寄ったらいけない場所”と言われているエリアありますよね。
おそらく、例外なく、ホームレスは大都市に集中する、と言う必然があるようです。
ホームレスになった人すべてが薬物中毒ではないわけです。職を失えば、家賃が払えなくなる。住む場所を追い出される。私がアメリカに来た当時1990年代は、アパートを借りるには、月の収入が一か月の家賃の3倍ないといけないと言う認識がありました。1000ドルのアパートを借りようと思えば、月の収入は3千ドル以上なければならないと言う具合に。
現在は家賃が高騰して、大都市周辺では、月収の半分を家賃につぎ込む生活も少なくないらしい。
大都市には企業が集まります。一流大学を卒業した高給取りの若者や、大手企業に努める人たちは、家賃に値踏みをしません。高くても借りることが出来る。家主は、改築をして物件を見目好くした後は、以前よりも何割増もの家賃を設定します。投資家が高層マンションなどを建てて町はドンドンハイエンドになる。家賃は急騰する。それでも借り手がドンドン来る。家賃の相場が上がる流れがあるんですね。
IT企業が集まって成長する大都市、シアトルやサンフランシスコのホームレスは、この様に都市が急成長した結果、普通の生活を細々として来た従来の住人が、それまでの家賃では、家が借りられず、生活できなくなって、行き場がなくなり、路上に投げ出された結果だとニュースが伝えていたのを記憶します。
路上生活をする選択しかなかった人たちを責める事、それはできない。
移民で暮らす人には、大変な時に助けてくれる家族や親せきがいない。
親が離婚したり、里子に出されたり、家族と言う絆を持たずに暮らす人は、困難に直面した時に、自分の精神力で生き抜かねばならない。そうできない人はどうしたらいい。
人間は一人では生きていけないようになっている。
ホームレスの救済のために、国が税金を使い、街がホテルを提供したり、シェルターを提供したり、教会が食べるものを配給したり、奉仕活動でドネーションを募ったり、色んなグループが支援しているけれど。
スポーツカジノが合法化したり、マリファナが合法化することで、街の税収は増えたとしても、中毒になり、生活が崩れてしまう人たちが確実に存在する。マリファナ所持、軽犯罪では捕まらず、犯罪者が野放しになっている大都市だ。
目先の事だけ考え、自分さえ、自分たちさえ儲かればと考える人たちには、弱者の犠牲は必要悪なんだろう。仕方のない事なんだろう。
マルチ商法と似ているような気がする。トップが設けて、裾が泣きを見る。
原因に対処して、ホームレスを産まない仕組みを作らなければいけないのに、対処療法ばかりしていたのでは、まるで現代の西洋医学が、対処療法ばっかり薦めて金儲け組織になっているのと全く同じだ。政府のホームレス事業でうまい汁を吸ってる人たちがいるんだろうな。
こんなことを私が色々思ったところで、何ら解決にはならないけれど、気持ちのどこかで歯がゆいね。