読書ブログのcoco2さんに教えてもらった本。
昨日一気に読んでしまいました。
この人の本は「パークライフ」を読んだのですが
あまりに面白くなくて飛ばし読みして終了。
UPもしませんでした。
でも、この本は文句なく面白い。
著者は、九州の出会い系サイトでの殺人事件を題材に
実際に佐賀・長崎を車でめぐって書いたらしいです。
石橋佳乃は、ある日恋人増尾圭吾(彼女自称)と
会いにいくといって、そのまま帰らず、
人気のない三瀬峠で遺体となって発見されます。
犯人探しというより、両親・友人等からみた彼女が語られ、
同時に犯人についても語られます。
出会い系サイトでの接点だから、本当に一瞬の出会い
だったのに、殺人に発展した背景。
法では殺人者が悪人。でも本当の悪人は誰なのか?
著者は問いかけます。
心の中の虚無感ってみんなあると思います。
この描写もすごくわかって心が痛かった。
石橋佳乃の父が、東野に言った言葉、考えさせられました。
「今の世の中大切な人がおらん人間が多すぎったい。
大切な人がおらん人間は何でもできると思いこむ。
自分には失うもんがなかっち、それで自分が強ウなった
気になっとる。失うものもなければ、欲しいものもない。
だけんやろ、自分を余裕のある人間っち思いこんで、
失ったり、欲しがったり一喜一憂する人間を馬鹿にした眼で
眺めとる。そうじゃなかとよ。それじゃ駄目なんじゃ」