昨日、年に一度の空手の昇段・昇級審査。
今回は僕にとって、少し思い入れのある審査会。
幼い頃から面倒を見てきた男の子が、
少年部の黒帯に挑戦するからだ。
黒帯を取得するにはフルコン名物
”10人組手” をクリアしなければならない。
彼が黒帯を取得すると、当道場で2人目の黒帯男子。
ぜひ成功して欲しい。
思い返せば彼が入門したのは小学2年生の時。
周りの空気を読まずにふざけたりして、
叱られるとスネてロッカールームから出てこない。
練習を熱心にしないクセに、やられると
ヒネたり泣いたりと、自尊心だけは強い。
そんな子供らしい子供であった彼が、
6年を経て黒帯に挑戦するまでになるとは
正直思わなかったが・・
最近の彼は礼儀も覚え、謙虚ではあるが、
目の奥には秘めた闘志も見え隠れする、
良い青年に成長しつつある。
さて、審査会を前に、道場に入ってきた時の
彼の目には、あきらかな緊張の色が見えた。
どよ~んとした、死んだ魚の様な目だ (^_^;)
稽古中の動きも硬い。
そして10人組手の時が来た。
1人、2人とこなしてゆく。
Ken坊は5人めの相手をする。
少しきつめに打撃を入れる。
痛そうな顔をするが、まだ大丈夫。
目が生きている。
6人、7人目。 肩で息をし始める。
顔が紅潮し、かなりキツそうだ。
バンバン投げられ、床に転がされ続ける。
大きな大人たちが相手である。
苦しいだけでなく、恐怖も感じている事だろう。
そして10人目、師範が相手。
もっともキツイ時間だ。
前蹴りが腹部に入ると思わず声が漏れる。
がんばれ! もう一息!
そして・・・終了の合図。 10人組手完遂!
審査の結果は後日だが、とりあえずおめでとう!
稽古終了後の彼の目は、開始前のそれとは
明らかに違う、実に晴れがましいものだった。
良い審査結果が出ることを祈ろう。