昨年に続き昭和35年卒業の中学校同窓会を開催した。通常は何年か空けるのであるが、今年が卒業
50週年になるので昨年に続き開催する事になった。私達は小学校を卒業すると99%の生徒がが同じ
中学校に入学する。その為卒業時クラスが違っても殆どが「お友達」であった。卒業時点で3クラス133名
であったが、亡くなったり住所が不明の者もあり対象は109名である。 この小規模な同窓会をどのように
計画したかを紹介し、参考になればと公開する。
先ず骨子を定めた。
①50周年のメモリアルを前面に打ち出す。
②一度も出席した事の無い卒業生が興味を持つ同窓会にする。
③50周年にふさわしい施設にする。
④昔話に夢中になれる場所を提供する。
⑤会費(2次会含む)は1万円以下の抑える。
①については案内状に「メモリアル」の文字をカラーで入れ、いつもの同窓会とは一味 違う事をアピールした。
②の参加しない者を参加してもらうのは容易ではない。 参加しない理由は
1、中学校時代の対人関係で、いやな思い出があったりして、会いたく無い人がいたり、会いたいと思う友人がいない。
2、長年同窓生に会っていない為、自分等は忘れられて参加しても孤立してしまうのではと、臆病になっている等が考
えられる。
今回は後者にターゲットを絞った。
先ずは過去5回の返信ハガキの内容をすべてデーターベース化した。案内状の返信すらしない者、いつも欠席と返信す
る者をリストアップした。又、返信の近況文から同窓会に対する思い等を分析した。この分析から今年も来てもらえる
か微妙な者も含め約50名リストアップした。
この50名に案内葉書郵送に先立ち前回の同窓会記念写真を A4に拡大してし、又各個人宛にその卒業生との思い出
などを書いた文章を添付し同窓会の開催を予告した。これを可能にしたのが私が引き受けた同窓会事務局の存在である
と自負している。 開催する度に幹事が変わってはとても出来ない。反響は直ぐに表れた。50年ぶりに電話をくれた者、
留守だったが自宅を尋ねてくれた者、果物を送ってくれた者、事務費の足しにと現金を送ってくれた者、と今回の同窓会
に手ごたえを感じる。
③の会場探しはネットで探した。「箱根」「同窓会」のキーワードでヒットしたのが 箱根湯本の富士屋ホテルの
「同窓会プラン」であった。富士屋ホテルは地元では誰も知る1流のホテルだ。アクセス、設備、費用等ホームページ
からをチェックする。費用が少々予算オーバーとなるのが気がかりであったが、ホテル側と折衝を開始。
④の会話のについてはテーブルを考慮した。ビュッフェスタイルで通常は円形 テーブル仕様であったが、テーブルが大き
い為、対面との会話が難しく両サイド同士の会話に限られ、広角に話ができない。そこで会議に使用する長テーブルを
抱き合わせ、対面との距離が縮まり会話ができるよう工夫した。
2次会も前回まではカラオケの要望があったので、カラオケ設備のある場所にしていたが、歌がうるさく会話が出来な
かった。そこでカラオケ組と会話組を別々の部屋にする事にした。
⑤の会費に付いては年金生活者が多い事もあり、1万円以上は出席率に影響ありと考えホテル側と予算オーバー部分の
折衝を重ねる。とかく一流処は融通が効かないのだが、このホテルは真剣に相談にのってくれた。
先ず2次会会場利用費を節約する為、宿泊予定者の部屋を利用させて貰う(注1)交渉をした。そして飲み物・
おつまみはスーパー購入し持込とし許可を得た。これで費用は持ち込み品購入代だけとなり大幅に費用を節約できた。
問題はカラオケルームの使用料である。カラオケルームは持ち込みは禁止であった。カラオケの利用者がどのくらい
いるか不明だったが10人前後と見込み、広め部屋を時間借りする事とし、飲み物・おつまみはオーダーした分だけ
請求して貰うようしした。この折衝の際、カラオケルームに焼酎を3本をホテル側から好意で差し入れして貰える
事となった。この間担当者との直接折衝2回、メールのやり取り8回と、しつこいくらいの打ち合わせを持った。
当日は幹事諸君には話し相手がいない人がいないか常に会場をチェックして貰い、もしそんな人がいたら進んで話しか
けるように指示する等、全てにおいて気を使って貰った。
結果、昔話に花が咲き、2次会を含め4時間が瞬く間に過ぎ、大好評を得た。二次会を不参加を表明していた者が
7人も参加を希望し二次会の部屋は超満員となってしまったが、不満の対象にはならなかった。初参加者も7名を
迎える事もでき帰り際には「来て良かった」「次はいつ?」等々幹事の努力が報われた。
上記の他、長年趣味としてきた作品、写真、絵画、手芸、又舞踊、歌唱等も募集した。趣味作品は会場内に出展し、
舞踊、歌はスポットライトを当て本格的なショー仕立てに演出し喝采を博した。支払いが心配だったが最終的には
事務費を含め1万数千円の繰越金まで生み出す事ができた。
これは折衝能力ではなくホテル側の温情でできたもので、富士屋ホテル様々である。是非機会があったら皆さんも
富士屋ホテルの利用を検討する価値は有ると思います。設備・洗練された対応、小さな指示まで忘れる事無く完璧
に準備されている等、すばらしいです。
今回の同窓会成功の要因を分析すると同窓会は宴会の場所を提供するのではなく、語りの場を提供する事である。
だと思う。又、事務局(永久幹事)を置く事もお勧めする。
幹事さんご苦労さまでした。富士屋ホテルの三浦さんありがとう。
注1(通常は宿泊者以外はセキュリティーの問題もあり宿泊者以外は部屋に入れない)