在職中、私の部署は経営合理化の為、リストラを受け配置転換となりました。 何百人規模の従業員は全国の
職場へと散り散りバラバラになる辛い経験をしました。
10月のある日、私の留守中に私宛に電話があった。名前を聞くとリストラで九州に移動となった友人しか思い浮か
ばなかった。しかしリストラ以後連絡も取り合っていなかったので、電話に出た者の聞き違えとも思った。2日後再度
電話が掛かった。
私が出ると正しく九州に行った彼でした。 彼とは合理化の為、製造を海外に移すプロジェクトで時期はズレるのですが、
シンガポールの関連会社に技術指導での名目で滞在した共通の経験があります。その時2人共に大変お世話になった
中国系シンガポール人の友人がいました。
電話の内容は、そのシンガポール人が家族全員で日本に観光できていて、私に逢いたいと言っている。との事でした。
26年前プロジェクトが終了し帰国して以来、世話になったお礼も出来ず、ずっと気になっていました。
九州に居た友人はその後、度々シンガポールを訪れ親交を温め合っていたようです。今は定年となり郷里の四国に
住んでいるとの事。わざわざ東京まで出てきて彼らの観光中ずっと付き添い案内をしているという。
親友ってすごい。!!と思う。頭が下がる。
もちろん私も滞在中の新宿のシティーホテルに駆けつけた。26年のブランクは目と目が合った瞬間はじけ飛び、
お互い言葉は通じないがボディーランゲージで再開を喜び合った。奥さんも昔とちっとも変わらない。シンガポールの
御宅を訪問した時、小さなお嬢さんが居たが目の前にはすっかり成長された美人のお嬢さん。国際線のアテンダー
をさている可愛い妹さん。お父さんの体つきが似ている軍隊にいると言う弟さん。皆陽気で素晴らしい家族だ。
昔のシンガポールしか知らない私は、家族5人1週間も海外旅行したら大変な出費であろうなと内心余計な心配
していたが、今のシンガポールはGNPに換算すると世界第4位、日本は19位と完全に逆転されている事を驚きを
持って知った。彼らの方がお金持ちなんだ。
居酒屋で食事となった。英語が喋れないもどかしさ。26年前の感謝の言葉が見つからない。言いたいことの1割も
伝えられない。
中学しか出ていない私は今の中学生以下の語学力しかない。スピードラーニングなる聞くだけで英語が話せると
煽るCMが盛んに流れるがホントだろうか。
単語だけの英語でも楽しい食事会となった。明日はディズニーランドに行き、明後日帰国するという。再会を約束し
別れた。久し振りにシンガポールへ行ってみようか。