新型コロナウイルス感染症の影響で今季は神事のみの秋祭りとなっている。18日も由良や吉原、塩屋、熊野、土生、切目などで例祭の神事が執り行われたが、熊野では岩内若中が担ぎ棒など新調した四つ太鼓を組み立て、切目では獅子の布を新調した元村区がお披露目も兼ねて獅子舞を奉納するなど地元民らはほんの少しだが祭り気分を味わった。
切目祭 切目王子神社(元村、上道、西ノ地、高垣区)と中山王子神社(島田区)でそれぞれ行った。例年は神社で獅子舞を奉納したあと、御輿、屋台、子ども屋台(みこし)がお旅所の切目浜へお渡り。途中の切目橋上ではのぼり差しや切目王子神社の元村、上道、中山王子神社の島田の3台の屋台がせり合うなどにぎわうが、今年は神事のみの寂しい例祭に。そんな中、獅子の布を新調した元村区は、お披露目も兼ねての獅子舞奉納を企画。拝殿前で平野聖翔宮司が獅子舞の清め払い式を行ったあと、地元青年団が獅子舞を奉納した。新型コロナウイルス感染症対策で通常より短い10分程度の短縮バージョンの舞となったが、周辺は笛や太鼓の音色に包まれ、氏子らはひとときの祭り気分を楽しんでいた。奉納を見守った玉置克彦区長は「区民の協力のおかけで新調できたので、コロナ対策を講じて皆さんに披露したかった。コロナ禍の中、寂しい秋祭りとなったが、ほんのひと時ですが笛や太鼓の祭り囃子が響き祭り気分を楽しんでもらえたのでないか」と話していた。
岩内若中 四つ太鼓の長さい棒と太鼓、乗子の衣装、若中のやっこを新調した。例年なら秋祭りはこの日が本番。一切の余興が中止となったが、若中は念願の新調に喜びいっぱい。真新しくなった四つ太鼓でパフォーマンスできることを心待ちし、コロナ終息と来年こそは祭礼が従来通り実施されることを強く願った。
若中は平成14年に四つ太鼓を導入。長年にわたる利用で長さい棒、太鼓とも老朽化が激しく、乗子の衣装、若中のやっことも古くなっていた。区が一般財団法人自治総合センターの助成事業を活用し、約250万円をかけてこれらの祭具一式を新調した。真新しくなった2本の長さい棒は長さ約5メートル。若中の要望で以前のより60センチほど長くなり、外枠から先端にかけて3人が担げるようになった。乗子の衣装は4着、若中のやっこは20着を購入。この日、地区集会所に若中ら30人が集まり、四つ太鼓を組み、乗り子や若中らは新しい衣装を着て記念撮影した。
小学2年から乗子を務め川口虎眞君(野口小6年)は「今年最後なので四つ太鼓に乗りたかったが、新しい衣装を着れてうれしい」と笑顔。大年の薮本聡さん(52)は「祭りができなかったのは残念だが、早くコロナが終息して滞りなく祭りができることを心から願っている。来年は2年間の思いを込めて祭りを大成功させたい」、区長の木戸地俊彦さん(63)は「念願の新調。来年は目一杯担いでほしい」と話した。
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