半年間で2度目の家宅捜査を受ける日高川町役場
(1日午後7時過ぎ)
昨年9月、元副町長が官製談合防止法違反で逮捕された日高川町で、今度は町役場建設課長と同町建設業協同組合理事長が同じ容疑で逮捕された。昨年9月に町が発注した橋梁補修工事をめぐり、課長が理事長に入札情報を事前に漏らし、別の組合業者に落札させた疑い。県警は1日午後7時頃、家宅捜査のため町役場に入り、半年間で2度目の現職町幹部逮捕に久留米啓史町長が陳謝した。
御坊署と捜査二課、有田湯浅署は1日、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで、日高川町建設課長の岡本康博容疑者(57)=同町三十木=、公契約関係競売入札妨害の疑いで、町建設業会理事長で(株)清水代表取締役、清水達成容疑者(60)=同町船津=の2人を逮捕した。
県警によると、岡本容疑者は、元副町長が同容疑で逮捕された前日の令和5年9月20日に執行された町道に架かる橋の補修工事の指名競争入札で、同月14日に清水容疑者に工事の最低制限価格の上限と下限に近接した設計金額の割合を漏らした。清水容疑者は、岡本容疑者から聞いた情報に基づき算定した価格で組合の別業者に落札させようと企て、同業者が最低制限価格に近接した金額(713万2000円)で落札したという容疑。工事には9社(組合8、組合外1)が入札に参加していた。県警は、捜査に支障があるとして、2人の認否を明らかにしていない。
岡本容疑者は、平成3年に旧中津村で建設課職員になり、4年間を除いて約30年間、建設課に在籍。新町誕生後は、元副町長の小早川幸信被告が課長だった下で副課長、平成31年から課長を務めている。
町長「副町長の指示」と相談
今回の逮捕との関連性は不明
記者会見で町長は、度重なる逮捕に頭を深々と下げる一方、記者からは元副町長と岡本容疑者の関係についての質問に終始した。
二人は同じ三重県内の高専の先輩と後輩の間柄で、旧中津村時代から上司と部下の関係にあり、周知の仲だった。元副町長の逮捕後、町長らと面談の中で岡本容疑者は「副町長の指示に従って不正行為に関与していた」という趣旨の相談があったと明らかにし、町長は「どの工事か特定できないが、警察には正直に話すように言った」。副町長の指示を受けて入札情報を業者や副町長に伝えたことがあり、橋渡し的な役割を託された旨の内容もあったと話したが、町長は「今回の逮捕との関係は分からない」と説明した。
町長が述べたように岡本容疑者は温厚な人柄で、役場庁内外で評判は良かったが、元副町長との関係性を知る町職員や町民からは「断りきれなかったのではないか」「悪いことをしたので逮捕は仕方ないが、優しい人なので残念」「独断で悪いようなことをする人ではない」と話した。
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