この三連休は当初、遠見尾根~五龍あたりを考えていたが、北ア北部のドカ雪、さらには年明け早々残業の日々の疲れが残っていたので、計画変更。
一泊二日でロープウェイも使える西穂往復にする。(←何て安直)
1月9日(土) 天候:一時のち
高速渋滞に巻き込まれないうちに家を出て、昼過ぎには新穂高ロープウェイに到着。
ここは実に30年ぶり。学生の頃、山岳会の冬合宿で西穂-奥穂-涸沢岳西尾根に行って以来だ。
出発準備完了。今回はロープ・ガチャ類無し。
新穂高ロープウェイ
ロープウェイを乗り継ぎ、一気に標高2,156mへ(楽だ~♪)
ちなみにロープウェイの各駅の売店では「デパ地下」のように土産物の試食が豊富で、それなりに小腹を満たすことができる。
ロープウェイから上方を望む
終点から歩き始める。
既にトレースはバッチリ。西穂山荘までならアイゼン、ワカンもいらなかった。
途中、樹林帯の間から西穂方面の稜線が見えた。
コースタイムだけなら山荘まで1時間、そこから西穂山頂まで3時間という北ア随一のお気楽コースだが、こうして見ると独標から西穂まではなかなか見栄えのする景観だ。
冬のこの時期、ほとんどの登山者は独標までらしいが、まぁ西穂までは行かないと・・・とこの時は思っていたのだが。
正面一番高いのが西穂。ロープウェイで身近な山とはいえ、さすがに冬は遠い存在で神々しさすら感じる。
雪は深いがトレースばっちり
1時間ちょっとで西穂山荘着。
それまで晴れていた空はにわかに曇り、小雪も舞って、何とも寒々しい雰囲気。
小屋前の天場は深雪を掘り込んで既に4~5張が陣取っており、私も端の潅木の陰に一人用の「ライズ1」を張る。
西穂山荘
ちょっと閑散としたテントサイト
まだ時間も早いので、夕方の散歩がてら少し上まで登ってみる。
フカフカの深雪はヒザまで潜る程度。山荘からすぐの急斜面はちょっとラッセルが必要なぐらいに雪が積もっている。
その先になると視界がかなり悪くなり、早くも消えかかるトレースを懸命に目で追いながら歩を進めた。
途中、引き返してきた登山者に様子を聞くが、風も強く途中で何度か道に迷いそうになったとのこと。
飛騨側からの風が強烈で、顔と手指が早くもヤバイ。マイナス20度は超えているだろう。
私もキリのいい所で引き返し、明日の好天に期待することにした。
1月10日(日) 天候:時々
朝5時起床。
テントの外を覗くとまだ真っ暗。そして細かい雪がシンシンと降っている。
見るとテントの左右が新雪に圧迫され狭くなっている。昨夜のうちに少なくとも20cm、吹き溜まりでは新たに30cmは積もっただろう。
こりゃダメだ。早くも撤退ムードで二度寝する。
しばらくして、また外を覗くと、小雪と視界の悪さは相変わらずだが、小屋前の斜面を登り始めているパーティーがいる。
(マジですか?)
しばらくすると、また一組、二組と続く。
(・・しゃーない、行きますか。)
上の写真と較べると一夜の積雪が一目瞭然。
餅入りカップヌードルをそそくさと食い、朝8時頃出発。
ほとんどの人がアイゼンを着けていくが、私はこの雪ではワカンの方が有利なのでそうする。
灰色の世界へ向かって
出だしはトレースがあったが、吹きさらしの稜線に出ると早くも先行者のトレースが消えかかっている。
途中、何人かを追い越し先頭に出るが、視界も20mほどでまったくの手探り状態。
この辺りは幅の広い尾根でどこでも登れそうな感じだが、下山の時はそれだけ迷いやすいことになる。
ホワイトアウト65%状態
登るにつれ、風も強くなってきてほとんどホワイトアウトの状態となる。
今、踏んできた自分のトレースがたちまち風に消されてしまい、ちょっとこれはヤバイなと感じた。
後続者を待って聞いてみると、たぶんここをあと少し登れば独標への登り口の取付に出ると言う。
他にも何人かついてきているので「みんなで歩けば怖くない」ような気もしたが、逆にここで一緒に行動してしまったら最悪の事態の時も一人でさっさと抜けられなくなる。
決めるのは自分だ。
ホワイトアウト80%状態
結局、自分だけそこから降りることにした。
こんな何も見えない荒天の中、独標まで行ってもどうかと思うし、ヘタなリスクは負いたくない。
みんな、よく行くよなぁと思いながらそこから引き返したが、今度は一人になってしまったため、絶対に道を外せないという恐怖と緊張が残った。
微かに残る足跡らしき凸凹とまるで当てにならない勘だけを頼りに何とか下りてきたが、冬の西穂を甘く見ていたことを痛感する。
ロープウェイでアプローチを大幅に省略できるとはいえ、やはり1月の北アは厳しい。
一度、テントに戻り、11時頃まで待って天気が好転したらせめて写真だけでもと思ったが、結局天気は相変わらず。
一日待って明日ならまたチャンスもありそうに思えたが、今回は仕切り直しと諦めて下山する。
戻るとテントが半分埋まっていた!
深い雪の中の下山
私が引き返した箇所からそのまま登り続けた男女二人組は、結局、独標まで行ったとのこと。
夏に何度も歩いているため土地勘はあったというが、あのまま突っ込める度胸は大したもんです。
さらに驚くべきは独標の頂上では韓国パーティーがテントを張っていたらしい。
たしかこの年末にも西穂から奥穂へ向かう大量物資の韓国パーティーの話を聞いたような気がするが、今、あちらでは「冬の穂高」がブームなのか?・・・謎である。
というわけで、新年早々冴えない内容となってしまったが、冬の西穂はいずれリベンジするつもり。
GW頃なら西穂から奥穂まで、また歩いてみたいと思う。
最後におまけ情報
・今回はお土産として地元のにごり酒「飛騨のどぶ」を購入。
日本酒はあまり好まない私だが、これはお気に入り。現在、高山では一番人気?とか。
他に山屋なら清酒「大吟醸・槍」、「吟醸・穂高」などがオススメ。ラベルがGood。
・風呂は「深山荘」の露天に入る。
吊り橋を渡った一軒宿は、つげ義春の漫画を思わせる渋い造りで湯船は三つ。うち一つは水着着用の混浴で料金は500円。
・夕食は松本市街のレストラン「十字路」へ。
某筋によるとボリューム満点という話だったが、それほどではなかった。
ライスはお代わり自由だが・・・。
E、D、M田パーティは氷:塩沢左俣に行ってきました。
計画は左俣・右俣両方完登の予定でしたが、左俣はF6で止め、右俣は触らず、、、
M田:F2でしょうもない墜落(Projectした疲れが抜け切れておらず、nearly ground zero→
お尻右半分超、青アザ状態)、E君:クライミング終了後の帰幕アプローチにて、3mの滑落→D君なぜか笑顔、、、
シーズン始めの塩沢は中々ショッパイ結果、リベンジProject、久しぶりに生への渇望を感じた
クライミングでした。
連休最終日、富士川ボルダー:E君家から近いエリア、に少し寄り道してきました。磨かれたHold系エリアでした。
監督さん共々、S師も調子良さそうですね。
また宜しくお願いします。
> D君なぜか笑顔←やはり富士山に元旦登頂しただけあって、今年は何となく「D君の年」?そんな気がします。
で、こちらは子どもの受験で少なくとも今月いっぱいは軟禁モード。ジムでコツコツやりますが、来月からまた外へ遊びに行きたいと思っておりますので、どうぞよろしく。