天候:
行程:行者小屋テン場6:30-文三郎道分岐7:35-南峰リッジ-赤岳頂上8:30~9:00-横岳10:25-硫黄岳頂上11:20-赤岳鉱泉12:25-行者小屋テン場13:15~14:00-美濃戸口15:50
行動:単独
さて二日目。
寒さと暗さでグズグズしていたが、6時半になってようやく出発。
昨日の阿弥陀北稜が思いのほかイヤらしかったので、今日は無理せず赤岳から硫黄岳まで稜線通しに歩いて帰ってくるつもりだった。
でも、やはり途中で気が変わるかも・・・と一応、メットやバイルは持って登っていく。
朝の行者小屋前
主稜には今朝も早くからクライマーが取付いて、コールが聞こえている。
もしかしたら行けるのかもしれないが、さすがにここをフリーソロで登る度胸は自分には無い。所詮、ビビリなのだ。
そのまま文三郎道を肩まで登っていくと、南峰リッジを縫うようにきれいな雪のルンゼがS字を描いて頂上まで繋がっているように見えた。
主稜は無理でもやはり南峰リッジぐらい登っておこう。今日の狙いはリッジを縫うように伸びているあのスノー・ラインに決める。
前後する一般登山者から離れ、左手の急な雪壁を登り始める。
雪質は最高で、アイゼンでのキックステップが快適に決まる。
雪壁の角度はせいぜい50度。読みはバッチリで、そのまま雪壁通しに赤岳頂上まで抜けられそうだった。
だが、やはりそんなに甘くない。
南峰リッジ
雪壁と雪壁の間に何ケ所か岩の繋ぎ目があって、短いながらもここが思った以上に悪かった。
サラサラの雪に覆われ、ピックを刺してもまったく効かず、雪を払ってホールドを求めようとすると今度は中から岩屑がボロボロと出てきてまるで手掛かりがない。
一瞬のバランスで耐えて何とか最初の難所を越えたが、そこを越えたらまた同じような岩が現れ、何回か動きが固まってしまう。
グレードで何級とかいうものではなく、とにかく泣きたくなるようなピッチだった。
昨日の阿弥陀北稜以上にシビれながら、それでも無事に赤岳に着く。
やれやれ。朝からアドレナリン全開になってしまった。
赤岳頂上。セルフタイマーで。
しかし、そんな自分を頂上で待っていたのは怒涛の「シャッター押してください」攻撃。
こちらが登り着いたばかりでゼイゼイ言っているのにお構いなしに声を掛けてきたり、一人で「ガラケーとデジカメ両方お願い。」とか、そろそろ出発しようとしているのに後ろから「あっ、私もお願い!」とか。
・・・ホント勘弁してほしい。(今度から今話題のあの人のように、聞こえないフリでもしようかな?)
赤岳~横岳方面へ進む。
赤岳を後にし、タイム・スケジュールとしてはちょっと押しているが、行けるとこまでと思って横岳方面へ足を進める。
横岳の鎖場は今回は多雪が効を奏して特に悪くは感じなかった。
ただ、横岳~硫黄岳間にほんの一か所、阿弥陀北陵の最後のナイフリッジのような細い岩尾根があって、ここが少々「肝試し」的なポイントとなっている。
横岳
ラストは強い西風によろめきながらタラタラと硫黄岳を登り、快晴の下、昨日から歩いてきた阿弥陀、赤岳、横岳のパノラマを堪能する。
その後、ほとんど休む間もなく、赤岳鉱泉経由で行者小屋へ。
既に人影も疎らとなる中、自分のテントを撤収し、再び重荷に喘いで美濃戸口へ帰ってきた。
硫黄岳
今回のルートは既に登っているのでそれほど新鮮味は無いものの、自主トレとしてはまぁまぁ充実した。
とりあえず年末から負けが続いた我が山行も、今回は自分で課したノルマを達成できたので良かった。
ソチ五輪のレジェンド葛西じゃないけど、歳をとっても進化できるよう頑張ろう!
写真集 2014年3月 八ヶ岳・赤岳南峰リッジ-硫黄岳縦走
阿弥陀北稜は条件さえ良くて慣れた人ならサクッと行けます。まぁ、単独ノーロープはある程度リスクがあり、あくまで自己責任になりますが・・・。
プロジェクトKに向け、まだまだ要修行。
ぴょん太郎さん、共に頑張りましょう!
単独しかも阿弥陀岳はかなり遅い取付きにもかかわらず登ってしまう。
冬季バリエーションルートを単独でやるってマジに憧れます。すげー格好いいです。
僕には、冬季単独バリエーションルートは絶対無理ですが、刺激と活力をすごくいただきました。
僕も現場監督さんの様に楽をせず逃げずに単独BCに励もう、、、そう思いました。
ありがとうございましたm(_ _)m