KU Outdoor Life

アウトドアおやじの日常冒険生活

日光白根・リハビリ登山

2016年01月10日 | その他の山登り

2016年1月9日(土)~10日(日)一泊二日/単独 

一日目
天候:
行程:湯元スキー場10:30-前白根山-五色沼避難小屋(泊)15:10
 
 長引いている左膝の不調だが、正月休みの間に近所の公園をウォーキング、そして超スローペースでのジョギングまでどうにか可能になってきた。
 岩の方は登っていて痛かったらすぐやめればいいのだが、山の方はどうにも不安でなかなか行く気になれない。荷物を背負うのがそもそも膝に負担がかかるし・・・。
 でもそろそろ大丈夫かなと、リハビリ登山に出かけることにした。場所は日光白根山。
 前回登ったのは2000年の2月だったので実に16年振り。岩を除いて山へ行くのも5か月振りである。
 
 アプローチは京急~東武快速で。
 浅草ではキリリと晴れた空の下でスカイツリーをしばし遠望。
 久々に味わう電車での山旅は何となく「テレ東的旅番組」風で悪くない。
 
 今冬はどこの山もかなり雪が少ないと聞いていたが、ここ日光の山もどうしちゃったの?と思うぐらいに少ない。
 駅前から見る女峰山も男体山も快晴の空の下、黒々としている。奥白根の方はそれでも雪雲に覆われているので少しは雪が期待できそうだが。
 
 バスに乗って1時間余。終点の湯元温泉で降りた登山者は、私ともう一人、外国人の男性だった。
 声を掛けてみると、意外にも流暢な日本語が返ってきた。フランスから来て日本にはもう3年住んでいるらしい。
 昨年、シャモニーへ行ったことなどこちらは英語で話してみるが、向うは日本語で返してくるので何とも変な感じ。
 「膝が悪いのでゆっくり行くよ。」と言って、その場で別れた。
 
 雪不足で営業していないスキー場の脇をゆっくりしたペースで歩き始める。
 昨日は外回りの仕事で、夕方になって少し膝が痛んだため、場合によっては今回の山行も見送ろうかと思ったが、今のところ大丈夫そうだ。
 
 スキー場のリフト上から樹林帯の中の急登が始まる。
 雪が少ないため、しばらくはアイゼンを履かずに行く。登りも膝の調子はまずまず。しばらく登っていない割には心肺機能もまぁ何とか。
 
 次第に登りにくくなってきたので急な登りの最後の方でアイゼンを着ける。平坦な尾根上に出ると先行パーティーに追い付いてきた。
 16年振りなので前回の様子をほとんど覚えてなく、コースも新鮮に感じる。

  

  
 
 前白根に着く辺りから西風が強くなり、冬山らしくなってくる。
 夕陽に照らされた奥白根はそこそこ雪が付いていて、威風堂々といった感じだ。
 久々に味わう冷たい風に、また冬山に来れたことに満足しながら鞍部へと下っていく。
 今回の山行で途中リタイアするようなら、もう本当に山は引退と考えていただけに、ここまで来れたことは素直に嬉しい。

 
 
  
 
 テントは持ってきていたが空いていたので、この日は避難小屋泊まりとする。
 例年だと積雪のため梯子を登って二階から出入りするのに、今年は一階の扉が完全に露出していた。
 
 この日の小屋は自分を含めて11人ほど。
 先に着いていた二人組に単独の外国人を見なかったかと尋ねたら、彼はツェルトか雪洞でこの辺り一帯のコースを全てトレースする計画のようだと言う。
 いくら雪が少ないと言っても人が入ってないエリアはそれなりにラッセルを要する深雪で、何とも物好きな男だと思った。
 
 その夜は各パーティー賑やかな晩餐となったが、いよいよ眠る段になったら突如、ウシガエルを思わせる大いびきの合唱が始まったのには参った。
 同じパーティーの人たちはもう慣れてしまったのだろうか。よくこのいびきの中で平気でいられるなと感心する。
 鉄骨造りの避難小屋は風は避けられるが冷蔵庫のように冷え、けっこう辛い夜だった。
 

二日目
天候:
行程:起床6:30-避難小屋発7:30-奥白根山頂上8:50~9:10-小屋9:45~10:30-湯元スキー場12:50-湯ノ湖西岸遊歩道-戦場ヶ原-赤沼14:50
 
 今朝は晴れていたら早出をして山頂で日の出を拝む予定だったが、5時前に起きてみると外はどんよりと暑い雲。
 小雪混じりの冷たい風が吹き、仕方なく二度寝して明るくなってから起き出す。
 昨日は快晴で、頑張れば何とか山頂まで行けたのだが。前回登った時も風雪の山頂だったので、ちょっと惜しいことをした。
 
 餅入りマルタイラーメンを食べてから本日二番手で出発。
 トレースと道標に導かれ、樹林帯の中を登っていく。

  
 
 やがて樹林が切れ岩が少し出てくると幅広い地形になってきて、視界が悪いのでトレースが無いと少々ルートがわかりにくい。
 そのトレースも所々風雪で消えかかっていて、こういう時、一人だとちょっと不安になる。
 目印となる岩の形を一つ一つ確認しながら歩を進めて行く。
 
 やがて傾斜が無くなり、冷たい風の中タラタラとトラバース道を進んでいくと、薄ぼんやりと奥日光神社の小さな祠が見えてきた。
 あれ、頂上ってこんな感じだったっけ?と、よく見たらそこから右に一登りした小高い所が頂上だった。
 鞍部の大きな岩陰では先行の二人組が風をよけて小休止していた。
 以前来た時は凍った雪壁のように感じた最後の登りも、今回は雪が少ないため適度に段差があり、特に問題なく山頂着。

  
 
 残念ながら何も見えず。
 低温のためたちまちバッテリーが消耗する中、何とか自撮りとセルフタイマーで記念写真を撮る。
 しばらく寒さを我慢して雲が切れるのを待つが、どうも今回は無理のようだ。
 全体がよくわからないが、頂上の一角からはけっこう切れ落ちていて深いルンゼになっている。マイナーだが、たしかバリエーション・ルートもいくつかあると聞いたような。
 今は一般コースでもここまで来れただけで満足だが、気持ちの上ではちょっと興味が湧いてしまうのは困ったものだ。 
 
 適当なところで切り上げ、下山開始。
 途中で後続の四人組と擦れ違ったりしたが、自分でも途中の岩など地形を覚えていたので、不安は無かった。

  
 
 下りは思いのほか早く感じ、避難小屋着。
 食料を少し消化し、ゆっくりパッキングし直してさらに下山。
 今日登ってくるパーティーと挨拶しながら湯元へ向かうが、けっこう下りも急で長く感じた。

 
下に降りてもまだ時間は十分にあるので、湯ノ湖西岸の遊歩道から戦場ヶ原を繋いで歩く。
 例年だとスノーシューまで使うこともあるはずなのに、本日は木道がすっかり露出し、戦場ヶ原は黄色い笹原である。

  
 
 ここまで歩けば今回は十分だが、明日も休みなので赤沼からバスに乗り二荒山神社へ。
 そのまま男体山に登るつもりだったが・・・。
 
 知らなかった! 
 何と、男体山は神社の御本山ということで、登れるのは5月5日~10月25日までの無雪期限定とのこと。
 そういえば以前そんな話をどこかで聞いた覚えもあるが、すっかり忘れていた。
 私が持っているエアリア・マップはかなり古い版のものだが、こういう情報はきちんと地図上に明記してもらいたいぞ。
 
 入山禁止の張紙の脇には「登山者の良識を信じます。」とまで書かれてしまっては、まさか禁を破ってまで登るわけにもいかない。
 さらにバスで移動して明日は女峰山という選択肢もあったが、地図のコースタイムを見ると登りだけで6時間と知ってウンザリ。
 仕方なく健康祈願の御守りだけ買って、その日のうちに帰ることにした。

  
 
 帰りの電車では居合わせた年配登山者の方と少し話をする。
 中禅寺湖畔の低山を登ってきたそうだが、歳をとるとやたら昔話や自慢話で上から目線の輩が多い中で、この人はとても謙虚で、落語家の立川談春のような雰囲気の人であった。
 とりあえず今回は途中リタイアせずに何とか歩けたし、最後に素敵な人に出会えたのがとても良かった。


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