KU Outdoor Life

アウトドアおやじの日常冒険生活

南ア・黄蓮谷 #1

2010年08月28日 | 沢登り

天候:一時
行程:竹宇駐車場6:40-矢立石登山口7:20-錦滝7:55-入渓点8:50-二俣11:10-千丈滝11:50-坊主滝12:45-二俣13:20-奥千丈滝上部BP15:20
同行:山P氏(わが社)

 日本全国猛暑が続く八月最終週。
 今回は昨年単独敗退した(二俣を見落とし、尾白川本谷に入ってしまった・・)黄蓮谷へのリベンジ。
 パートナーは、部署は違うが同じ職場の山P氏。これまで湯河幕や伊豆城山へ一緒に行っているが、黄蓮谷もかねてから行ってみたかったとのことでご同伴となった。

 土曜日未明に山Pをピックアップし、中央道経由、黒戸尾根の登山口まで。
 途中、笹子トンネル辺りで雲行きが怪しくなりちょっとアセったが、現地に着くとこれ以上無いくらいのドピーカン!
 雲一つ無い空の下、甲斐駒の頂上から回りの山までこんなにハッキリ見渡せたのは初めてだ。

 広い駐車場は既に八割方埋め尽くされている。
 ほとんどが黒戸尾根から登る人だろうが、メット姿の四人組も発見。
 我々もそそくさと準備をし、出発する。

  黒戸尾根登山口駐車場

 今回は資料として、顔馴染みの12クライマー夫妻「すぎ家」さんがタイミングよく一週間前に遡行していたので、その新鮮な現地レポをコピーして持参したが、これがたいへん役になった。
 この場をお借りし、厚く御礼申し上げます。

 で、それによると、これまで黄蓮谷へのアプローチとして竹宇の駐車場に車を置いた場合、寂れた尾白渓谷遊歩道を行くしかないと思っていたが、神社手前の売店から日向山方面へ向かう登山道があり、こちらから尾白川林道経由で行くと30分以上は短縮できるようなのだ。

  神社手前売店前の道標

 日向山方面への急な山道は朝一の身体には少々きついが頑張ってこなし(山Pは早くもここの登りで最後まで付いて行けるか不安を感じたそうだ)、尾白川林道へ。
 
  錦滝。水量少なく迫力はイマイチ。

 途中で先行する男女四人組を抜かし、途中の錦滝で挨拶を交わす。
 彼らは東京のR登高会とのこと。
 言わずと知れた、あの「田○井さん」のいた会。
 で、その大御所・田○井さんは今や山ガールの間では神格化され、マイケルに倣って「TJ」と呼ばれているとか・・・。
 私の中学の友人Yもかつてこの会でリーダーを務めたはずだが、聞いてみると知らないとのこと。まぁ、もう50オヤジだからね。とっくに引退したのでしょう。

  尾白川林道を行く。

 さらに進み、「廃道マニア」なら泣いて喜びそうなトンネルを三つ潜って、行き止まりから左手にフィックス・ロープを伝って沢床へ。
 太陽の光と白い砂、そしてどこまでも碧の澄んだ流れ。
 いやぁ、一年ぶりにまた来てしまいました!山Pも憧れの沢だっただけに感慨深げ・・・。
 軽量化のため今回は二人とも沢靴で下山まで通すことにした。メット、ハーネス、少々のガチャ類をサッと身に着け、さっそく遡行開始。

  滑り台滝

 まず最初の大きな釜のある滝を越し、少し行くと写真で良く見る「滑り台のある釜滝」。
 左からトラロープで簡単に巻くこともできるが、ここは準備体操ということで滝の左手・滑り台のスラブをロープを出して山Pにリードしてもらう。
 山P氏、何の戸惑いもなく、スルスルとリード。
 私は昨年、ロープ無しで登っているが、抜け口近くのスラブが滑りそうでチョイ怖いのは相変わらず。まぁ何とか後に続きましたが・・・。

 

  リードする山P。お見事! 

  ワイヤー滝

 ワイヤー滝を越して、次の釜滝。
 ここは右手からバンドを伝って取り付き、水流に近づいたところでマントルでエイヤッと登るらしい。
 昨年はそそくさと巻いてしまったので、一応突破を試みる。

  バンドを伝って水流手前をマントルで越えるのだが、なかなか・・・。

 なるほど指がどうにか掛かるカチと浅い凹みは見つかったが、足を掛けようとする壁に黒茶色のヌルヌルがビッシリ。
 今回、私はアクア・ステルスの「奥利根アクア」を履いてきているが、コイツはこの手の「ヌル」に滅法弱い。
 まだ先は長いし、ザックを背負ったままこの底知れぬ深い釜にドボン!はちょっと恐い!結局、今回も敢え無く巻き。

 

 続いてまたまた深い釜を持つ滝。
 もう見るからに直登不可能。左のブッシュから巻く。

  こちらは取り付くシマ無し

 ここで後続の単独行の人に追いつかれる。何となく、あの森田勝氏を思わせる風貌、いかにも山馴れした雰囲気で、忍者のように我々を追い抜いていった。(もしかして日帰り?)

  
 ナメをジャブジャブと・・・             右上に「獅子岩」

 やがて右手に「花岩」と呼ばれる花崗岩の白い岩壁。
 しばらく癒し系の平凡な流れとなり、さらに右手に特徴のある「獅子岩」が現れる。
 この先が前回間違えた本谷との二俣。
 今回は間違えようもなく、小休止した後、左手の黄蓮谷へ向かう。
 後続の四人組は本谷へ入って行った。

  水浴びする山P

  いい湯加減?です。

  尾白川本谷との二俣

 黄蓮谷最初の滝はやはり直登不能。
 左手に古いフィックス・ロープが見えるが、ここは最近のセオリーどおり右側の巻き道を使う。

  黄蓮谷最初の滝

 しばらく平凡で貧相な流れが続き、やがて「千丈滝」。
 三段になっている。
 右岸(左)から巻けるようだが、何となく行けそうだったので、ロープも出さずそのまま滝の左際に取り付く。

  千丈の滝

 下段は簡単。
 だが、中段抜け口のスラブであと一歩が出せない。
 山Pが後ろから回り込み、別のラインから突破を試みるが、やはりハマってしまう。
 仕方なく私がクライムダウンし、左手の巻き道に上がり、お助け紐で山Pを回収。
 「やれやれ・・まぁ今日のところはこのぐらいで勘弁(?)してやるか。」と千丈滝を一瞥し、セオリーどおりおとなしく巻く。

  千丈の滝中段。この後、ハマる。

 巻き道はそのまま逆S字を描くように左岸(右手)へ。
 上がったところの樹林帯にガイドブックでよく示されているビバーク・ポイントあり。
 ご丁寧に物干し用のビニール紐まで木の幹にセットされているが、一泊二日の行程ではここに泊まるのは早過ぎる。

  トポにあるテン場。物干し場あり

 続いて「坊主の滝」40m。
 ここはもう見るからに取り付くシマ無し。
 左岸の巻き道から上がる。

  坊主の滝

 ガイドブックには「途中から懸垂で沢床へ降りる」とか書かれているが、左手の水流を見ながら素直に巻いていけばそのまま二俣に懸垂無しでドンピシャで到達できる。

 二俣で大休止。
 山Pは釜に飛び込み、泳いでいる。(←元気だねぇ

  実はくたばっていたりして・・・

  二俣を右へ

 そろそろ奥千丈滝(200m)となるが、明日の行程を考えるとその途中の「逆くの字滝」まで足を延ばしておきたい。

 右俣に入り、最初の滝を左から回り込むようにして一段上がり、次の滝。
 右手の岩に残置スリングが2本、古いリング・ボルトも見受けられたのでロープを出して私がリード。
 右側のコーナーにある岩を抱えて一段上がり、そこから左の濡れた壁に移るところがポイント。
 巻くこともできるようだが、ランナーもとれ、それほど難しいわけではないので、ここは直登した方が正解(だと思う)。

 現在地がよくわからないまま、イケイケ・モードで奥千丈滝に突入。

  

 

 

 ところどころヌメっていて残置ハーケンもそこかしこに見受けられるが、概ね快適。ロープ不要で水流右をグイグイ登る。 
 ただ、残念なことに午後になると太陽が隠れてしまい、テン場を探すことに気持ちがいってしまって奥千丈滝を気持ち良く楽しむ余裕はなかった。

  まだまだ続きます!

  

 

 とりあえず手元の高度計で約2,150m地点の左岸に三畳ほどの平たい大岩と砂地のテン場を発見。
 本日の行動を終了とする。
 大岩の脇には「ここにタープを張ってください」と言わんばかりの枯木の支柱が数本立っていて、なかなかのコンディション。

  本日のテン場。岩のWベッド付き

 沢の中でも黄蓮谷はここまで来ると、ケータイのアンテナは三本立つ。
 最新情報を提供してくれた「すぎ家」さんに「奥千丈滝なうw」と感謝の写メを送ったら、すぐ返信してくれた。 (アホなおやじでスミマセン・・)

 その夜の焚火はなぜか火付きが悪く大苦戦。
 でも、何とか最後は豪勢なものになってホッ!
 持ち寄った酒類で疲れを癒し、黄蓮谷の静かな夜を迎える。
 山Pが作った即席おつまみ「サビ入り・チーズ磯辺巻き」が美味!

  

  焚火を見て何想う・・・山P



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