新年早々から地震でした。
このたびの震災で被害に遭われた方にお見舞い申し上げます。
振り返れば、後輩が冬山で遭難したとき、食事をすれば食料は足りているか、コーヒーを飲めば燃料は足りているか、外を歩けば風は凌げているのか、気が気でならなかったものです。
震災や自然災害があるたび、被災者の方々のご苦労がしのばれます。特に、お年寄り、女性、小さな人たち、障がい者の方々です。
女性には、トイレ、着替え、洗濯干し、生理などでデリケートな配慮が必要なのに、避難所ではどこまで女性に配慮した対策がとられているのか、疑問視せざるをえません。
全国の6割の自治体の災害担当部署には、女性がいないという現実があります。これは災害担当部署が建設系で、男性中心の職場ということがあります。昨年、女性のための防災グッズに関する仕事が舞い込んでいきたのですが、災害時にはいまのところ自衛しかないというのが女性たちの現実です。
小さな人に関しては、水道水が飲めない小学生が増えているというニュースを、最近見かけました。常温の水道水は、ぬるくて味がなくて不味い、と。避難所にはジュースもスポーツドリンクもないので、本人も親御さんも苦労するでしょう。
トイレの問題も深刻です。
もうすぐ定年の私より少し若いだけなのに、トイレはウオッシュレットじゃないとだめだという人がいます。わが農園の仮設トイレなど、アンビリバボーだと。大都市に育った人には、親世代でも汲取式トイレを知らない人たちがいます。小さな人にとって、避難所の衛生状態最悪の仮設トイレは、過酷すぎるでしょう。
最近のキャンプ場は、トイレもウオッシュレット完備、テントも寝袋もBBQの食材もすべて用意してくれ、手ぶらで行ける施設も増えているようです。
震災時の避難所も、いつまでも体育館に雑魚寝ではなく、シャワーにウオシュレット式トイレ完備の個室型にアップデートしていく時代でしょう。万博でゴミの夢洲に沈める予定の税金で、災害対策は一挙にグレードアップできるはずです。
女性のための防災グッズの話をしましたが、いまの政治が続く限り自衛しかない以上、アウトドアの体験は重要ですね。安全な寝場所、食料と水、清潔なトイレの確保は、サバイバルの基本です。
ツイッターで相互フォローの歴史学者さんが、「石川県の地震と津波は、自民党のせいだよ」とツイートして「炎上」してしまいました。
自公政権には批判的な方でした。しかし実績もあればキャリアもある歴史学者が、何でこんなトンデモ発言してしまうのでしょうか。
「東日本大震災は日本人への天罰」と暴言を吐いた極右政治家がいたものです。同じような混ぜっ返しで、自民党の極右カルト利権集団「清和会」のドンの森某を国会議員として選出してきた石川県への「天罰」とでもいいたかったのかもしれません。
しかし「慶長伏見地震は秀吉のせいだ」などと発言すれば、歴史学者としてのキャリアはそこで終わりでしょう。そういうことに、思い至らなかったのでしょうか。
学者さんは、専門に特化するあまり、一般常識に欠如した人たちが多いです。
だから、この先生も、結局は「学者先生」にすぎなかったのかなと思って、残念でした。
森某なり、その後継たる県知事の馳某なり、過疎と高齢化に悩む地方が、自民党を支持しなければならないのには、それだけの事情や理由があり、しがらみがあります。この現実を打破しない限り、自民党政治を乗り越えることはできません。
もちろん、政治闘争は労組活動家である私も含めた、いわゆる「活動家」たちの役目なのでしょう(いや、一般市民のみなさんも、どんどん加わっていただいてOKなのですよ?)。学者先生、インテリ先生は、汚職政治家に義憤に駆られたり、アホの民衆に絶望したり、ウェブで遊んでいたらよろしい。
しかし、歴史学者としては、そんなウェブ遊びより、過去の地震の歴史、特に北陸地方の地震の歴史をひもとくことが必要だったのではないですか。
歴史を振り返れば、いま原発再稼働が民意も科学も無視して強行されるなか、この地震列島である日本列島に原発立地に向いた土地などひとつもないという現実を示すこともできたはずです。現に志賀原発1号機では、燃料プールの冷却ポンプが一時停止、外部電源も一部使えなかったと報じられているではありませんか。その後復旧したようですが、地震大国で原発を稼働する危険性がまた明らかになりました。
リンク先の記事で指摘されている「群発地震」は、明確に本震と呼べる大きな地震がなく、長期間にわたって地震を繰り返していく現象です。収束まで数年かかるケースもあり、1965年から1970年にかけて長野県で発生した「松代群発地震」では震度1以上の有感地震が6万回を超えたということです。志賀原発の再稼働なんてありえませんね。廃炉あるのみです。