アニメ化もされた、卯花つかささんの『アニマエール！』。
いつもケガばかりしている天然ドジっ子の鳩谷こはねが、チアリーディングに出会い、幼なじみの猿渡宇希（さわたりうき）、経験者の有馬ひづめの三人で、チア同好会を立ち上げるというおはなしです。
アニメでこはねを演じたのは、このブログの看板娘、五十鈴れんと同じ尾崎由香さんでした。
明るく元気、だれにたいしてもフレンドリーなこはねは、おざぴゅあさんの代表キャラクターのサーバルちゃん寄りのキャラクターですね。内気で儚げ、おくぎょうで人前ではおどおどしてしまうれんとは、対照的です。しかし、こばねがいつもケガが絶えないのは、困った人を放っておけない「人助け」のため。そんなやさしいところは、人助けができるたびに新しい色鉛筆を買うのが、大切な習慣になっているれんとも共通します。れんちゃんは、基本的に「おなかが空いているときのサーバルちゃん」なのです。元気がないように見えるのはおなかが空いているだけ。朝ごはんもりんごひとかけらだけですからね。
こはねを支えるなかまたちも全員魅力的です。卯花つかささんの描く女の子はみんなかわいいのです。
全員紹介したいところですが、今回は人気投票があれば一位確実の「こてっちゃん」こと舘島虎徹（たてじまこてつ）をご紹介。
彼女のコンプレックスは自分の名前。うん。こういう言い方はあれですが、女の子なのに、これは虐待といってもいいのではないですか。男だっていやな人が多いんじゃないかな。彼女の趣味はピアノを弾くことで、中流以上の家庭に育ったようですが、どんな親御さんなんでしょうね。
自分に自信のなかったこてっちゃんが、だんだんチアの楽しさを知り、入部を決めるまでのプロセスがいいのです。アニメでは「私はとんだ豚野郎だよぉ」という自虐ネタでたちまち人気に。自分にも他人にも厳しい、無意識系毒舌キャラで、楠木ともりさんの名演が光りました。
というわけで、きょうご紹介するのは、卯花つかさんさんのオリジナル同人作品『恋と献血』。ひとりでも多くの方に読んでいただきたいラブコメの名作です。
ギャル風に見える森さん。こはねの幼なじみの宇希に似ています。
大好きな平野くんが献血グッズをカバンにつけているのを見て、自分も献血に挑戦するのです。
はじめての献血に不安いっぱいの森さんがかわいいですね。
献血グッズもゲット！
今日こそ話しかけてみようと勇気をふるう森さん。かわいい。
この日をきっかけに近づくふたりの距離。
献血には「全血献血」と「成分献血」の2種類があって、森さんがトライしたのは「全血献血」でした。
「全血献血」ができるのは、18歳以上で体重50kg以上のひと。大好きな平野くんに体重がバレてしまい、パニックにおちいる森さん。
（50kgなんて、ふつうどころか、痩せすぎでないかお父さんは心配です）。
平野くんも彼女の体重にはさしたる関心はないようです。
平野くんが興味を持ったのは、同級生の森さんがすでに18歳であるということ。森さんは4月生まれなのです。ちなみに、平野くんの誕生日は、私と同じでした。
血液型AB型の森さんが、A型の血液パック型キーホルダーをもらったのは、平野くんがA型のホルダーつけていたから。
「このA型ってアタシの血液型じゃなくて……っ
す……好きな人の……っ
血液型……！」
と、命がけの告白をする森さん。
（言った……頑張ったアタシ!!）
うん！ 森、がんばったぞ！
「へえ……
またおそろ……
同じだね」
と、表情を変えずに話す平野くん。
この何気ない発言が、森さんをパニックに陥れます。
（……って
……ちょっと待って……！
同じってこことは、
同じってことは、
平野くんにも好きな人がいるってこと!?!?!?）
完全パニックの森さん。
「しかもA型のまじめな子!?」
と、思い浮かべている女の子が、きれいなこてっちゃん（！）という感じなのがほほえましいですね。
（この森さんの内語には「へんけん」とツッコミが入っています。なお血液型で性格で決まるというのはなんの科学的根拠もないデマ）
しかし、平野くんはどうやらアニオタのようです。献血を始めたきっかけは、推しキャラのグッズがほしかったから。
平野くんの「好きな人」が推しキャラと知って、
「えへへ……そっか！
推しのキャラ！
いーよね！
そういうの!!」’（はぁ～）
と、全身で脱力しながら安心して、安堵の笑顔になっている森さんのかわいらしさ！ 森さん、八重歯なんですね。
この森さんの表情は、少女漫画史に残る名シーンだと思います。『恋と献血』ぜひみなさんもご覧ください。紙の本は売り切れ……と思ったら、なんと！pixivで全話無料で読めます。
こちらはイベントで配布された折本の電子版（8ページ）。
森さん、平野くん、新キャラの女の子が、授業でメンデルの法則の血液型の遺伝のはなしを聞くはなし。同じ授業を受けて、三者三様の反応がたのしいです、
本編を楽しまれた方は、100円ですので、ぜひpixivアカウントを取得してお買い求めを。
boostで金額を上乗せすると作者さんへの応援になります。
卯花つかささんは、作者ご自身もかわいらしい方なのです。
引用したのは、『恋と献血』のあとがきまんがより。
卯花つかささんの日常を描いた『うっかりの多い絵日記』も、私の好きな作品です。
表紙絵は、電気ポットをガスレンジに乗せてしまったところ。
こちらはAmazonのKindle版で読めます。応援してくださる方は、ポチッとおねがいします。
これは同人誌には収録されなかったエピソード。
「触れるもの皆傷つけた」
というフレーズに笑ってしまいました。
プラスチック製の洗濯ばさみは、紫外線で劣化が早いですから、卯花先生のせいではちっともないですが。
『まんがタイムきららキャラット』では、麻雀にハマるお嬢さまたちを描いた『ごきげんよう、一局いかが？』が連載中（既刊3巻）。私は麻雀を知りませんが、本作も麻雀漫画の名作としてコミックの歴史に残るのではないでしょうか。
『なかよし』の付録に麻雀セットがついて、話題になったのをご記憶の方もいらっしゃるでしょう。尾道の雀荘跡で麻雀で遊ぶ女子高校生たちを描いた『ぽんのみち』コミカライズ連載開始記念でした。この作画を担当したのが、卯花つかささんです。
アニメの評判はいまひとつだったようですが、コミックはおもしろそうです。尾道弁もいいです。やはり卯花さんの女の子は魅力的です。
私より年長世代では、麻雀とゴルフは営業のたしなみでした。しかしいまや営業部に麻雀をたしなむものはおらず、会社のゴルフ部も40代以下はゼロ。しかし、カルチャーセンターでも女性向け麻雀教室が人気のようです。新たにブームが来ているのでしょうか。
