アシュレと結婚したメラニーは最初、とってもおバカさんな印象をうける。というのもメラニーは「はい」と「いいえ」しか言わないでくのぼう、とスカーレットがののしるシーンがあるから。けど、それは、アシュレに振られて頭にきたから出た言葉だったのだ。
戦争が始まり、郡中が不安定な状況になってくると、メラニーは献身的に働き、人望を集めはじめる。婦人会の会長のような立場に押し上げられ、メラニーが言うなら、それが正しいと皆が考えるようになる。
ただ、皆んなが納得いってないのは、恥知らずで嫌われ者のスカーレットと一緒に住んでいつもかばいだて、援護すること。なぜあんなに礼儀正しく優しいメラニーが、スカーレットの味方をするのかと、世間の女性陣は思っていた。
ところが、メラニーは優しいだけの女性ではない。スカーレットと同じぐらい芯のある強い女性だ。それは、戦後、焼け残ったタラの屋敷に強盗が入ってきた時のことでもわかる。スカーレットはそいつを撃ち殺してしまうが、それを見ていたメラニーは、殺到するどころか、死体から金目のものを奪おうと率先して行うので、スカーレットも驚いた。
そんな豪胆なところもあり懐深いメラニーだけど、私の中でひとつだけメラニーを許せないことがある。作中人物だけど。
愛する夫アシュレが、戦後タラに帰還したが、インドア派でまったく農作業向きでない彼は薪をわるのも一苦労。どんより暮らしていた。つまり引きこもり状態。そんな彼に銀行勤めの口がみつかった。アシュレは、もうそこに行こうと決めていた。だが、そばにいて欲しいスカーレットはアシュレに製材所を任せたいと申し出る。製材所の仕事は囚人を扱う非合法的な仕事。心優しいアシュレには、キツイ。だけどメラニーは、「製材所を手伝ってあげて!お願い!」とスカーレットと一緒になってアシュレを説得するのだ。
あれだけ、お互いのことを理解し合わないと結婚は無理だ。だからスカーレットとはやっていけないよ。といいながら、肝心のメラニーに肝心のところでまったく理解されてない!どう考えても本好き頭脳派のアシュレには銀行でしょ?この展開を私はどう消化したらよいのでしょうか?!憐れ、憐れすぎるアシュレ。(ストーリーが違ってくるから。と言われたとしても。)
強い女性ふたりに言いくるめられてノーと言えない不甲斐ないアシュレ!(それがアシュレなのかもしれないが)自分でも、もうオレ、終わったなと言ってしまっている。可哀想すぎる。
本当は、メラニーの本命はスカーレットじゃないのか?そうか、メラニーはバイセクシャル?…いや、いや、そういうんでもないから…あれだ!今流行りのシスターフッド。女性同士の絆、連帯ってやつ。
よくわからんけど、「風と共に去りぬ」の裏テーマになってるとか?
とにかくメラニーは、だれよりもスカーレットが好き。そして、スカーレット以外には、意外と冷たい。という、今日の結論です。