くっしーの徒然日記

ビクセン CUSTOM-80Mを買った

いつものハードオフに何か面白い物は無いかなと行くと、木製三脚の
望遠鏡が置いてあった。近づいてみると、ビクセンのカスタム-80M
(D=80mm、f=910mm、F≒11.4)で有る。

値札は税込み8400円。以前から8cmのまともな望遠鏡の実力を覗いて
みたかったくっしーとしては、9cmを買った今でも欲しかった一台。

8400円の価格は微妙だが、オクで送料2000円程度を考えると、
本体は6千円台で落としたの同じ位と思えば充分納得のいく価格。
レンズを覗き込むと、余り汚れもなく状態は良好。早速、店員に
付属品を見せて貰い、ほぼ一通り揃っているのを確認して購入。



そそくさと持って帰って、先ずは品定め。鏡筒には取り付けバンド
で付いたと思われる傷がかなり有ったが、光学性能には関係なし。
標準付属と思われるアイピースはK20、HM12.5、Or6のツアイスサイズ。


フードと対物レンズセルを外して、レンズを良く見るとかすかに
汚れが見えるので、クリーニングキットで掃除をする。


鏡筒内部は、遮光環が3枚。鏡筒の対物セル近くが内部塗装の色が
変わっているのは何でだろう?ちょっと艶消し感が薄れている様な
感じ。後で艶消しの上塗りをした方が良いかな。

ドローチューブは、42mmの内ネジが切って有って、そこに36.4mmへの
アダプターが付いて、更にその先に24.5mmへのアダプターが付いている。


ちなみに、Kenkoの9cmの同じ部分を外して、それぞれ組み合わせ様と
すると微妙にサイズが違う。Kenkoの方がどちらも微妙に小さい。
36.4mmの所は36mm位か?42mmの所も少し小さくて入らない。
う~ん、互換性が無い。何だかな~!


でも良く見ると、9cmは鏡筒の外径もほぼ9cm、8cmの方も鏡筒外径は
9cm。接眼部をドローチューブのユニットごとなら入れ替えが出来そうだ
しかしKenkoのは、9cmギリギリで作られてるとは、これ又何だかな~。


一通り眺めて見た後で、三脚に組み付け。カスタム経緯台は初めて。
上下はクランプ無しのフリーストップ+部分微動。水平はクランプ付きの
部分微動。取り付け部分の鏡筒バンドは9cmと同じで、そのまま入れ替えが
出来そう。


さて、室内見聞はこれ位にして、夜遅くになって少し晴れて来たので
9cmと共に外に出してみる。先ずは土星を見比べてみる。シーイングは
この季節としては平均的なレベルでそれほど良くは無い。

9cmとサイドバイサイドでの比較は、シャープさはほぼ互角位か?
明るさは土星だと違いが良く判らない。コントラストも似た様な感じ
だろうか。微妙に違いを感じたのは、8cmの方が何故かピントが合わせ
易い。一つはピント操作時の揺れが8cmの方が少ない。カスタム経緯台が
しっかりしているせいか、鏡筒が10cm程短いからか、三脚の高さが
9cmは最短より30cm伸ばしているが、8cmは最短にしているからか、
自作の9cmの取り付け台の強度不足か理由は良く判らないが。
後、ピントがピンポイントで合う。9cmはピントが合ってる?と思う
範囲が長い(ピントが判りづらい)。8cmは、それが短くて、『ここで
ピントが合ってる』と判断しやすい感じがする。何でだろう?
この日は遅かったので、この辺にした。



翌日、暗く成り掛けた夕方から、いつもの木星で比較。
やはりシャープさコントラストに関しては、そう大きく差が感じられない。
明るさは、木星で見るとやはり9cmの方が明るいが、木星自体が明るいので
それによる見え方の違いは余り感じられない。縞模様の見え具合も
シーイングの方の影響が大きいのか、どちらも同じ様な感じ。
これは、8cmが検討しているのか、9cmがだらしないのか、、、
それとも、シーイングの良い時に比較しないと差は出ないのか?

次に8cmでオリオン大星雲を見てみると、『あれ、こんなだったっけ?』
150倍で見たトラペジウム周辺だが、なんだかいつもと違う。9cmにも
導入して、見比べてみると、どうも星雲部分の見えがちょっと違う。
9cmの方が星雲部分が良く見えている。倍率をいくつか変えても感じは
同じ。8cmの方がピントが合いやすいので、どの倍率でも星部分は
シャープに見えるのだが、星雲部分が少し見えていない感じがする。
これが8cmと9cmの集光力の差か?9cmの方が星雲の質感が出ている感じ。

試しにシリウスの下のM41の散開星団を見てみるとやはり、星の明るさが
微妙に9cmの方が明るくて綺麗に見える。一応1cm分の口径差のアドバン
テージだろうか?

と言う事で、良く初心者にお勧めされる8cmF11のビクセンの鏡筒は
惑星などの高倍率でピントも合いやすくシャープな惑星画像が見れる。
星雲・星団もそれなりに良く見えはするが、当然ながら8cm口径なりの
集光力なので、9cmや114mmより多少見劣りがする。と言った所か。


これだと惑星なら8cm、星雲星団なら114mm、どちらもそこそこ
見たければ9cmと言った感じだろうか、、、、
2011.2.12(3/21)

コメント一覧

くっしー
ゴンザレスさん、こんにちは。

そうですね、なかなか望遠鏡買っても、直ぐに飽きてしまう人も多いですね。
特に、最近はどこも空が明るくて、お手軽に自宅の庭で観測だと、対象がかなり限られて来ますからね。kenkoも昔はそこそこだったと思われますが、現状では、一部のシリーズを除いては余り状況は良くないようですね。kenkoだけでなく、低価格の粗悪品が出回りすぎているのも問題なのでしょうけど、、、
ゴンザレス
遠征で比較するのは大変ですね。
「比較してほしい」という要望ではありませんので
荷物もかさ張ることですし試されなくとも良いですよ。

エントリークラスはステップアップあるいは飽きて辞めてしまうこと
がほとんどですので中々こういった比較記事がなく、
すでに掲載されている記事だけで十分参考になりました。
反射を含めケンコー(SE除く)だけはやめておこう、と(笑)。

ちなみにA80Mf vs. A80Mf(打ち間違いではありません)は試しましたが
CUSTOM80M vs. A80MfやA80Mだとどうなるか気になる今日この頃です。
…まぁそういう病気ということで。

これからもたまに立ち寄らせていただきます。では。
くっしー
ゴンザレスさん、初めまして。

そうですね。レンズ径に対して、kenkoの9cmは鏡筒外形に余裕がなかったので、コントラストが出なかったんでしょうね。レンズもビクセンの方が良いのか、kenkoは像が甘い感じです。kenko9cmは、カスタム80に対してアドバンテージは1cmの口径差による集光力だけって感じでしたね。まあ、ディープスカイを眼視するには、わずかの集光力のさも効いてくるかもしれませんが、東京の空では余りその威力を発揮できていない状態です。遠征撮影の際に、持って行って比べれば、そのアドバンテージを最大限発揮できるかもしれませんが、なかなか荷物が増えるので試せていませんが、、、、
ゴンザレス
昔の記事に失礼します。

屈折望遠鏡の鏡筒は太い方が接眼部から見た筒内反射面を
遮光環で隠しやすいため有利となります。
この辺りの解説はスタパオーナーさんのブログにもあります。
この記事を掲載された当時と比べ格段にレベルアップされている
今のくっしーさんはもうすでにご存知かもしれませんが…。


私の所有するVixen A80Mf(口径80mm,外径90mm,中国製)と
MIZAR TL-880(口径80mm,外径80mm,日本製)を比較すると
鏡筒の太いVixenの方が断然コントラストが高いです。
マルチコート云々の違いや迷光対策の違いなどもありますので
いずれその辺りも含め比較したいとは思います。

また、上記2本はどちらも光軸はあっているのですが
MIZARの方は若干像自体が甘く、Vixenほどくっきり見えません。
口径食は改造済みで、接眼部は正立ミラーを外し無理やり
アメリカンサイズをねじ込んで同じアイピースで比較しました。
恐らくレンズの出来が悪いのだと思います。
日本製ですが大一光学の製品ではないのかもしれません。

ミザールのK-90MLを覗いてみたいとglobefishさんが
コメントされて以降、どうなさったのか気になるところですが
OEM元が同じであればあまりお勧めできる物ではないと思います。
くっしー
こんばんわ。ずいぶん暖かくなって、星見も楽になりましたね。
でも、なんとなく空が霞んでるようで、M42の星雲が見えづらくなって来ました。
でも、気流は安定している日が多い様で、土星はよく見える様になりましたね。
気流が安定している所で見比べると、土星は9cmよりこの8cmの方が、
多少シャープで、綺麗に見えます。鏡筒が8cmも9cmも外形で9cm程なので、
有効径に対して1cm太い鏡筒が使われているのですが、この辺りが
影響しているのか、それともレンズの出来の差でしょうかね。
あるいは今はカスタムは31.7mmに変更したのでその辺りも影響が有るのかな。

ちなみに都会でも見られる春のおすすめのメシエ天体なんて有りますか?
土星を見るときに春の大三角内のメシエ天体を探してみるのですが、
空が明るいせいかほとんど見つけられていません。
関東は計画停電が実施されていますが、幸か不幸か我が家は市内でも
なぜか停電しない地域らしく、暗くならないのです。
globefish
ご無沙汰しております。
念願の「名機カスタム80M」をゲットされたんですね!
でもKenkoの9cmとさほど変わらぬ様子・・・
おそらく、最近の廉価品でもまともに作られたものは
過去のスタンダード品とそれほど遜色ないのでしょうね。

となると、ワタクシはミザールのK-90MLという廉価品を
覗いてみたい衝動にかられます。笑

さて、だいぶ暖かくなってきましたので、そろそろ
観望シーズン到来ですかね♪
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