くっしーの徒然日記

4度目の手術

一年ちょっと前に不整脈の治療で3回目のカテーテルアブレーション
を行った
が、それ以降もやはり月に1回位心房細動の発作が起きる。
これが治らないと、ワーファリン(抗血液凝固剤)がやめられないから
いつまで経っても剣道の稽古が再開できない。そんな訳で今回
4度目のアブレーション手術をして貰った。

↑お世話になってる病棟のナースステーション

入院当日の朝、190~200を超える心拍数での発作で6:30に
目が覚めた。最悪の目覚めである。とりあえず貰ってる心拍を押さえる
ワソランを2錠飲んで布団に戻りおとなしくしているが一向に収まらない。
8時になっても収まらないので、今日入院予定の病院の救急外来へ。
既に救急受付時間は終了らしく、通常外来での受付を指示された。
外来受付では、当日入院予定者は、総合受付で入力できないらしく
直接循環器科の外来へ行く様に指示される。循環器受付の開始を
5分程待って、状況を伝えると、5分もせずに処置室の看護師さんから
呼ばれて中で、心電図モニターを付けられる。


↑今朝の寝起きの心電図(心拍数は200を超えているのでErr表示
 1秒に3.4回位脈打ってるのが判る)

そのまま車いすに乗せられて入院予定の病棟のベッドで寝かされて
点滴を受ける。薬が効いたのか9:30頃にやっと正常に戻る。
正常と言っても、ディオバン(血圧降圧剤)以外を手術の5日前から
止めているので、通常よりも10~15位高い90~100位。

今回、病室で付ける心電図テレメータが前回までの物より半分位の
サイズの物に変わっていた。前回の物もDIGITALと書かれていたが、
当然新型もデジタルなんだろうな、、何とも書かれていないけど。
ちなみに、IPX8の表記がある。なに!レベル8なの。私は防水機器は
担当した事が無く、IP54位のレベルの物しか設計した事無いから、
思わずびっくり!無線機と医療機器じゃレベルが違うのね。

↓病棟で使用の新しい心電図無線テレメトリー装置


そんな訳で、体調の落ち着いた夕方近くに、心臓の造影CTと心電図と
経食道エコーの検査を受ける。今年カテ手術機材が最新装置に入れ
替わったそうで、今までアブレーションはリアルタイムのレントゲン
による2次元情報を頼りに、カテ操作、焼灼を行っていたのが、
CT映像と合わせて、3次元表現が出来る様になったので、その為の
造影CTらしい。

↓造影CTで使われたCTスキャナー?


経食道エコーは、相変わらず苦しい。胃カメラよりも少し大きい??
サイズの筒を喉から、ぐいぐい入れられて、思わず涙がボロボロ出て
くる。ちなみにエコーはうちの系列のALOKA製だった。大小に拘わらず
エコーって他メーカ製って見た事がないけど、しっかり特許で守って
いるのかな?

涙物のエコーが終わり、後は夕食を食べて寝るだけ。今回の初日の
夕食は心高食(食塩6g)と書かれたもので、前回入院初日の食事と全くメニューが一緒だったが前回は心高食じゃなかったので、普通
のコロッケだったが、今回は衣が無くて、挽肉とポテトを混ぜて
コロッケの形にしただけの物だった。なんじゃこりゃ~!
思わず揚げてないコロッケって笑えます。
(済みません写真取り忘れました)

夜はなぜか寝付かれず結局3時間ぐらいしか睡眠が取れなかった。
ちなみに寝不足になると発作が出やすく、実は昨夜も『どうせ明日は
午後から入院だから昼近くまで寝てられる』と思い、3時近くまで
星見をしていた事がトリガーになっている様な感じだ。

2日目の手術は3番目の予定だったが、9時頃に急患が入り4番目に
繰り下がり。10時過ぎになって、2番目に変更を告げられた。更に
もう一件急患手術が入ったとかで、2室あるカテ手術室をフルに使い
主担当医は変えない様、予定を組み替えた様である。

↓手術に使う血管造影室



と言う訳で急遽順番が早まって、昼前に準備で尿管とうしの看護師さん
が2名来て、前回同様男性の看護師が尿管を通していった。前回の男性
の看護師さんの時より少し痛みが多かった様な気もするが、いずれに
しても痛くて、違和感満載!排尿の感覚がある時には思わず涙が出て
しまう。

手術室まで、点滴と尿パックを持って看護師さんと歩いていく。
今回、機械が入れ替えになったとかで、最新機械が導入されていた。


↑↓最新の機材類

前回の手術室の写真と比べるとモニター回りも画面が増えている。

そんな訳で、最新機材でのカテ手術を受けるべく、又いつもの様に
まな板の上のくっしーとなるのでした。

毎回、局所麻酔後のシース挿入とカテーテルの挿入はかなりの鈍痛
がする。前回はここで気分が悪くなったが、今回は何とか持ちこたえた。

↓挿入されたカテーテルのリアルタイムレントゲンの画像

先端が丸い輪っか状の物が、①上大静脈、②肺静脈内に置いた電極カテ
左の少し太いのが、③焼灼の為の電極の付いたカテ
残りの2本は④⑤心臓の冠状動脈に挿入されている電極カテ
足から4本(①②③④)、肩から1本(⑤)のカテーテルが挿入される。

手術室は入ってしばらくは寒く感じられたけど、麻酔を注入されると
少し暑く感じる様になった。静脈麻酔投入後、かなり気持ちよくなり
寝てしまいそうになるが、その後の不整脈再発調査等の電気ショックに
よる心臓周辺の痛みで眠ってしまうまでは行かなかった。アブレー
ションが始まって、焼灼の場所が神経に近い所に来ると、かなり痛み
が出る。何回目かのアブレーションで、たまらず先生に、『かなり痛い
です』と伝えると、痛み止めを入れますとの事で、なにやら又注入した
様である。たぶん麻酔と思われ、一回目の眠くなった時と似た様な感じ。
今度はそのまま眠ってしまい気が付いた時は、ほぼ手術が終わっていた。


手術台からストレッチャーに移され、脇の方で担当の先生が、シースを
抜いていたのだが、突然『何だこりゃ!あれ、これ?残っちゃった??』
と言う慌てた先生の声がした。なんと、シースの内の1本の先端5cm位が
血管の中にちぎれて残ってしまったらしい。

『げげ!こりゃ拙いんじゃないの!!切開して取り出すの??入院1週間
延長か??』と内心焦るくっしー。担当の先生もベテランの先生と相談。
相談後『もう一度カテーテルを入れて除去作業をします。状況によっては
切開して除去が必要になる可能性もあります』とくっしーに告げた。
『う~ん異常事態発生だな。今回は入院の朝から御難続きだな』と考え
ながら再びカテ室へ逆戻り。

肩と太腿の付け根の2カ所からカテ挿入だが、↓残ったのは太腿側のシース


再び手術台に乗せられ肩からカテをつっこんで除去作業。新たに麻酔は
無しで、痛かったら言って下さいとの事。麻酔が切れたら追加すると言う
感じだろうか。リアルタイムレントゲンを見ながら残ったシースを、先に
ワイヤーの輪っかの付いたカテを挿入して、輪っかにシースを挟み込んで
無事に除去できたらしい。取れたのを見せて貰ったが、薄い樹脂製で
太さ5mm長さ5cm位の大きさだった。


↑肩からの輪っかワイヤー付きカテーテルでシースをつかんでいる図

後で先生が説明するには、『2年で4回目なので、血管もその度に
炎症を起こして、治癒してを繰り返しているから少し堅くなってる様だ。
挿入時にも少し抵抗が大きかったので、それが原因でしょう。でもそう
いう時の為に、取り出すカテも有りますから大丈夫です』と説明して
くれたが、あの時の先生の声はかなりビックリしていましたよ(笑)

と言う事で、なんとか入院の延長も無しに乗り切れた様で良かった。

病室に5時半頃に戻って、また、ベッドに足を縛り付けられて固定される。
途中食事を挟んで、ベッドを起こして貰えるまでが7時間、そこから足の
拘束を外して貰えるまでの更に2時間、全て合計すると9時間縛り付け
られる事になる。なんか入院する度に時間が長くなっている様な、、、、
その間は、同じ姿勢が続くので背中が痛くて寝不足なのに寝られない状態。


ひたすら気を紛らわす為、暇つぶしに、4月から放映開始でまだ一話も
見ていないアニメを、どれが面白いかと考えながら見て過ごした。

拘束を外され尿管を抜いて貰い歩ける様になったのが夜中の1時半過ぎ。
あ~これも毎度苦痛だ~!

手術翌日の担当の先生からの話は、『前に肺静脈隔離をした箇所に
再導通が有り、そこからの電気信号が心房内部をぐるぐる回って、脈拍
200の不整脈を起こす事が術中に再現確認できたので、再導通箇所を
1点追加焼灼し不整脈が発生しなくなる事が確認できた。また前回の
上大静脈隔離も再導通箇所がありこちらは20カ所程追加焼灼。
肺静脈の隔離強化の為、肺静脈焼灼箇所の上下の部分を線状に焼灼
した。ほぼこれで上手くいったと思われます。』との事だった。
前回は85~90%位の人は出なくなりますが、くっしーさんがその9割に
入ってい無い場合もあり得ますと少し自信なさそうだったけど、今回は
術中に現象も確認できたので割と自信を持った説明だった。


ちなみにこの日は部長先生の回診が有る。いつもはそれ程変わった事も
ない短期入院なので、あまり詳しく見る事もないのだが、今回はシース
残り事件が有ったので、色々聞かれたり触診で血管の状況等を確認して
いった。部長先生によると、この病院では初めての事だとか。どうりで
担当先生も慌てる訳だ。良く取る奴が準備されていた物だと感心する。
部長先生の触診では、それ程血管にしこり等は無いとの事だ。なにか
変な方向に引っ掛かったのだろうかと言ってもガイド筒だから基本的に
引っ掛かる所は途中には無いと思うけど。部長先生も首をひねっていた。

前回入院時は、1Fのラウンジで無線LANが使えたのだが、いつの間
にかAPが無くなって使えない。事前に判っていたが、高速モバイル
環境を持ってないくっしーは、懐かしのISDNのPCMCIAカードを準備して
きた。でアクセスするも、APが無反応。(話中状態)カスタマー
サポートに連絡して、別の番号を教えて貰って、繋がる様になったが、
たぶんPWで蹴られている見たいで結局繋がらない。あきらめて、早々に
切り上げた。


↑今時、公衆電話でNetは、ちょっと恥ずかしい。

と言う事で、今回の入院中は、ネット接続できず、残念。やっぱり
高速モバイル環境を準備するかな。でもまだ少し高いんだよね。
もう少し安くなってくれないと。

退屈な一日も過ぎ、無事退院。今回、健康保険限度額適用認定証を
持ってきたのだが、よく見ると有効期限が1年で、とうの昔に切れて
いた。と言う事で今回の支払いはなんと57万。2.5万を超える分は
後から大部分、戻ってくるとはいえ、毎回高いよな。それこそ良い
望遠鏡が買えちゃうよ。


それに、手術による治療の方が根治への早道と積極的に手術して貰う
方向で先生に相談していたが、今回の様なリスクも有るから少し考え
物だな、、、、、

ちなみに、前回までの3回の手術時は、手術翌日とかに不整脈が
出ていたのだが(手術直後で心臓が炎症を起こしてる為、落ち着いて
からで無いと結果の評価は出来ないとか)今回は、手術翌日から
何度モニターしても脈拍はまだ早いけど、不整脈が一つも出ない。

こりゃ先生の言うとおり、上手くいったかなぁ~?
2011.5.16-19(5/22)

コメント一覧

くっしー
続き

質問にあります、4回の手術の際の医師の対応とのことですが、具体的にどのような事が知りたいでしょうか?
ざっとした私の印象では、一回目の前は、かなり詳しく手術の内容など説明してくれたのですが、2回目以降は、あまり事前の説明が無かったかなと言う記憶があります。ただ、これは、2回目以降診察してくれる先生と、手術してくれる先生が異なっていて、普段診察してくれる先生は手術をしない先生だった為かも知れません。
手術後の説明は手術した先生がしてくれるので、これについては、色々と詳しく教えて頂きました。もちろん事前に色々と聞く事を考えて教えて貰ったと言うのもありますが。
あと、診察の先生は、アブレーション手術をしない先生だったので、あまり積極的に手術は進めてきませんでしたが、私の方から、なるべくさっさとケリをつけたいと言う思いがあり、あまり状況が改善しなかったその前の数回の手術の後は、次の手術をして貰う方向で話をしていました。
ちなみに、メインの執刀医の先生は4回とも同じでした。
他に何か聞きたい事が有りましたら、判る範囲であればまたお答え出来るかと思いますので、聞いてみて下さい。

それでは、お大事に。
くっしー
2013/10/16に、拍手のコメント欄でコメント頂いた方へ。

拍手コメントは残念ながら、ブログの表面や、メールでの通知機能が無くて、先ほど拍手コメントがあったのを知りましたので、お返事が遅くなりました。

9月に一回目の心房細動のアブレーションを受けたとの事で、まずは肺静脈の隔離術だったのでしょうか?これだけでかなりの焼勺点数らしくて、それ以上は一度にやらないようです。心房細動の異常神経ルートは人により色々らしくて、一番多いのが肺静脈周りかららしいです。これで駄目だと、また別ルートの焼勺と言った風に何回かやらないと治らない人も居るようです。(私もそうでしたが)

続く
くっしー
5/23の拍手でコメント頂いた方へ

確かに、大変ですね。結構痛い思いをするし、トラブルは起こるしで、
いや、しかし特に今回はあせりました。
くっしー
お気遣い有り難うございます。
ちょっとトラブリましたが、無事に退院でき、経過も良好で良かったです。

Nikon8cmさんもめまい発作、経験されたんですか?
私も4月に、『頭位変換性めまい』とかで、どうやら耳石の位置が動いたのか
目がぐるぐる回って、3日程寝込みました。初めの2日は、起き上がると、
ひどいめまいと、それに起因する吐き気が強くて、起き上がる事も
出来ませんでした。3日目にやっと医者に行けました。
お互い、体には気を付けましょう。

一昨日遠征ですか?私は、庭で撮影していましたが、透明度が低くて余り
綺麗には撮れませんでした。今一つの写りですが、又後日UPします。
NIkon 8cm
http://nikon8cm.exblog.jp/
くっしーさん
えっ!!M13を撮影した翌日は入院だったのですか!?しかもカテーテル手術に、カテーテルの破損のトラブルまでとは・・。本当にお大事にどうぞ。今のところは経過が良さそうとのこと、何よりです。
私も1年前に徹夜で観望を楽しんだ翌朝に、めまい発作で動けなくなったことがありました。幸い自宅での観望でしたし、それ以降は大きな発作はありませんが、お互いに無理は禁物ですね。
実は、昨晩に月の出までと望遠鏡を車に積んで遠征しましたが、行く先々で望遠鏡を組み立てると霧が出てくるという感じで、3カ所をまわりましたが、一枚も写真が撮れませんでした。これからしばらくは、観望は難しいでしょうかねえ。もしかしたら、お互いによい骨休めになるかも知れませんね。
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