くっしーの徒然日記

TS-140 サブダイヤル修理

前回のAAコンテストから投入したTS-140は、サブダイヤル(M.CH/VFO CHつまみ)の動きがおかしいジャンク品として、だいぶ前に入手した物だが、サブダイヤルは今の所未修理だ。


サービスマニュアルを調べると、W02-0388-05 と言うエンコーダーが使われている。

ちょっと調べた所では、簡単に入手出来そうな所では売ってる所を見つけられなかった。



まあ、致命傷ではないし、セットもこの前まで、箱に放り込んだままで使ってなかったので、余り真面目に探してなかったと言うのも有るが。

そんな中、先日ヤフオクを眺めていたら、「ケンウッド純正 TM-241、441、701他エンコーダー」なる物を1.7k円で売っていた。



確か部品を調べた時に、使用機種は、TM-241が書かれていた様な、、、

無線機も使い始めた事だし、少し調べてみるかと、上記の無線機のサービスマニュアルを調べる。見た感じでは、基板のパターンと接続図上で使われているラインはほぼ同じ様に見えた。

部品について、もう少し調べると、代品も有る様な感じ。ただebayなどで出てくるのは、29ドル位するので、ヤフオクの方がまだましだ。

でもこのエンコーダーで1000円以上の価格は「ぼってるな」って気がするが、、、

ただ、本当に使用可能かよく判らないので、TS-140をばらして、現物のエンコーダを確認する事にした。

上手く部品を分解修理できれば、エンコーダを買わずに済むかもしれないし、、、、

と言う事で、TS-140のパネル周りをばらす事にした。

先ずは外ケースの上下のネジ各4本、側面のネジを各2本づつ、合計12本のネジを外してケースを取る。
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無線機下側のメインダイヤルエンコーダからのコネクタ、RIT/IFSIFTからのコネクタ、ディスプレイ基板とコント部つなぐフレキコネクタの3か所を外す。
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上ユニットをはぐる為のネジ4か所と、パネル横のネジ4か所を外す。
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この時、無線機下側の銅バネになるべく力が掛からない様に注意する事。
(バネに力を掛けると曲がったりテンションが低くなったりする。その時は組付け前に少し銅バネの位置を戻してあげる。)

上ユニットをひっくり返して、ディスプレイ基板との接続コネクタを全て外す。エンコーダの裏側位置のフレキも外しておく。
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パネル裏の小基板を赤丸のネジ4本で外す。
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小基板を外したら、上側のプラスティックパネルを止めている黄色丸のネジを外す。

メインダイヤルを1.27の6角レンチで外したら、その他の丸いつまみを全て引き抜く。
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メインダイヤル裏側のネジを2か所外して、プラスティックパネルを下側の爪を軽く持ち上げながら外す。
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スライドボリュームのつまみを外す。
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ディスプレイ部の基板のネジを外すと同時に、ランプとその配線の半田付けを外す。
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基板を取り出したら、エンコーダの半田付けを外す。
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 ↑
先に赤丸部分の半田を吸い取り、ケースの爪をPCBから切り離した後に、黄色丸部の6本の足に、太めのリード線を半田付けして、半田ごてをスライドさせながら熱を6本に均等に伝えて、エンコーダを引き抜く。

引き抜いた後は、1本づつ吸い取り線で吸い取ってスルーホールを貫通させておく。

外れたエンコーダ



さて、外れたエンコーダを調べるために中を開けましょう。

裏側の爪をカッターとマイナスドライバーで少しづつ持ち上げる。
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エンコーダをバラした所
 ↓


さて、所でエンコーダってどういう構造が正しいんだっけ?私が過去に見たエンコーダは、コンパクトデジカメのレンズ部分についているエンコーダ位だが、、、

と思って、グーグル先生に聞いてみた所、大抵、LEDと受光素子の組み合わせで光を断続する構造が説明されていた。

う~ん、ブラシがついて、何やら後ろの基盤から全面のローターに行ってるようだが、基板は表面がつるつるしてる感じで光ってて、導通が有る様には見えないから、基板は光を通す通さないもしくは、光を反射する反射しないという構造なのだろうか??

それにしても、どれが発光部でどれが受光部だかさっぱりわからない。


 ↑
ケース側にもブラシ?テンショナー?がついてる。

どうにも良く判らないので、取り敢えずブラシ部分を少し持ち上げて、しっかり接触orテンションが掛かる様にして再度組付けて、組み立ててみた。

少し良くなったかなぁと思いながら電源を入れてサブダイヤルを回す。ゆっくり回すと、ちゃんと右回りで周波数が上がり、左回りで周波数が下がるが、ちょっと早く回すとどちらに回しても、周波数が下がる。

う~ん、やっぱりヤフオクの部品を買って交換するか、、、

と言う事で、1.7k円を高いなと思いつつ入札した。

しかも、この値段で即決価格じゃなくて、落札迄、数日待たねばならない。

その間に、発光、受光がどうなってるかもう一度接続図をよく見てみた所、3本中1本はグランド接続、残りの二本はTS-140では、ICに取り込まれていたのでよく判らなかったが、TM-***シリーズの接続図を見るとコンパレータ?の入力につながってる感じで、どこにも発光させる為の電源供給がされていない。

どうもTMシリーズの回路を見る限り、エンコーダはLED+受光素子の構成ではなくて、グランドに2本の出力を交互に落とす様な感じに見える。

と言う事は、あのつるつるの基板の黒い所は導電性が有ったのか?

1週間もすれば新品部品が手に入るので、無駄な作業はしたくないが、色々と気になるので、もう一度ばらしてみる事にした。



ばらして、エンコーダ内の基板を取り出し、黒い所にテスター棒を当てると、数百Ωで導通が有る。

やはり、単純にGNDに落とすだけの機構だ。前回、テスターを当ててれば判ったのに、つるつるの見かけに騙されて導通しないと決めつけた事と接続図がICに取り込まれていたおかげで、その時は理解できず無駄な作業をしてしまった。

と言う事で、ブラシの位置を調整して、手で押さえた状態で、端子部の抵抗を計る。



外側の円が繋がる1番ピン側は、つまみを回すと交互に導通が出たりでなかったりだが、内側の円がつながる3番ピンは、いくら回しても導通したまま。どうやら内側のブラシが中に行き過ぎている?

ブラシの位置を基板の円と見比べながら修正するが、ブラシが柔らかすぎて、ピンセットで正しい位置に修正しきれない。



最後は、内側の2本あるブラシの一番内側の物を伸ばして、基板に当たらない様にして、やっと3番ピンも交互に導通するようになった。内と外のタイミングまでは確認できないが、まあ大丈夫だろう。

と言う事で、再び表示部基板に組み込んでパネルを組み立てる。

電源を入れてサブダイヤルを右に回すと、正しく10KHzステップで周波数が高くなる。左に回すと逆に低くなる正しい動きになった。



少しぐらいなら早く回しても問題なく動くが、思いっきり早く回すと、たまに右回しで周波数が下がる事がある。

たぶん、内側のブラシが1本になったので、はねた時とかブラシが少し暴れた時に動作がおかしくなるのかな?

でもこれなら、ほぼ問題なくサブダイヤルの務めは果たせそうだ。

こうなると、ヤフオクの部品に入札しなければ良かったと思うが後の祭り。

まあ、無事に落札されたら、信頼性の確保の為に新品に交換する様だな。

取り敢えず、エンコーダの動きも理解できたし無事に修理できたので良しとするか。

2018.9.15-18

--追記--

入札していた新品のエンコーダが無事に落札されて、届いた。



既存品と比べると足が3本しかないタイプで、代替品の様である。

たぶん、W02-1762-05 って型名の物と思われる。

元々6pin中1,3,5pinしか接続されてないので、未接続のピンをなくしてコストダウンした感じかな。

既に無線機は親子亀状態の一番下に入れてあるし、取り敢えず不自由なく動いてるので、急いで交換する必要もない。

しばらくそのままにしておこうかなと思ったが、たぶん、ここで保留にすると、高い金出して買った新品部品が行方不明になるパターンに陥りそうなので、面倒くさいが部品を入手した勢いで、そのまま交換する事にした。



自分で書いた分解手順を見ながら作業を進める。
さすがに、3回目の交換なので、3,5pin辺りのパターンが少し浮き気味になってるので慎重に交換。



なんとか無事に新品に交換。ちなみに使ってない2,4,6pinのスルーホールの半田はある程度取っておかないと、pinに当たりそうな感じだ。

再び元通り組み立てる。



さすがに新品は、どんなに早くつまみを回しても、問題なく右に回せば周波数が上がり左に回せば周波数が下がると言いう正しい動きになった様である。

と言う事で、結局は単にエンコーダの部品交換と言う単純作業で終わってしまったが、まあ、単純な構造のエンコーダも有ると言う知識が広がったので、良しとしよう。

2018.9.20  (9/24 UP)

コメント一覧

くっしー
GDXさん、初めまして。

お褒め、頂きありがとうございます。
GDXさんのなにかの修理の参考に成れば幸いです。
今後とも宜しくお願い致します。
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