くっしーの徒然日記

雲の合間から(M57)

ここの所、梅雨に戻ったかの様な天気。昨日までの星空指数では、今日は
星空指数80位で期待できると思っていたのに、今日になったら、今夜の
星空指数は20に落ちていた。やっぱり今日も見えないのかな?

暗く成り始めて、曇り空を見上げる。雲は多いが、所々晴れ間も覗いており
その内晴れて来る事を期待して、暗くなると同時に13cmを外に出してみた。

家内が、帰ってきて、『今日、星見えるの?』と曇り空を眺めながら
部屋に入っていった。

南は雲が厚く、さっぱり星が肉眼で見えないが、天頂は雲が流れながらも
夏の大三角が、時折顔を見せ始めた。う~ん、今日は天頂方向なら何とか
成るかな?

天頂方向のメシエ天体を探してみると、M57が天頂にある。M57は小さくて
暗いから写すのは難しいだろうと思って、今まで見送って来たが、先日
Nikon8cmさんの所でM57がしっかり写っているのを見て、私も挑戦して見る
事にした。

M57の近くの基準星としては、やっぱり明るいベガが、多少の雲でも確認
できるだろうからと選んだ。先日のスカイセンサー2の取り説の記載を思い
出し、ベガとM57の位置(南中の前か後か)を確認すると、ベガが8:20分
過ぎ、M57が8時50分過ぎに南中を通過するので、それを待って、スカイ
センサーを設定する事とした。

我が家の庭(通路)で北極星の確認できる所は、そう多くない。ギリギリ
見える所まで持って行くと、アパートの屋根が迫ってきて、M57の見える
時間が短いのでは?そんな気がしたので、北極星は見えないが、M57が
しばらく見え続ける所に望遠鏡を設置した。


極軸合わせは、水平を出して、目見当で、極軸を磁石の北に合わせ、
高度は目盛りを頼りに合わせてみた。今までこんな感じで50倍15秒は
何とかなっていた。

取りあえずベガを視野に捕らえて、M57の南中を待つ。
M57が南中を過ぎた所で、視野内のベガを中心に微調して、スカイセンサー
に基準星を設定して、M57を導入指示すると、今日は鏡筒が最短距離側を
移動していく。よしよし!

停止した所で、接眼レンズを覗くと、なんか有るような無い様な?
眼視では良く判らない。本当に入ってるの?ステラリウムと見比べると、
他の星の位置から視野に入ってると思われるが、自信がないので、直ぐ側
のこと座のβ星シェリアクを導入指示してみる。近くなので直ぐ停止した。
覗くとそれらしき星が視野にある。ファインダーと双眼鏡で確認すると、
ほぼ間違いなさそうだ。シェリアクを視野中心に微調した後、M57を導入
指示する。がしかし、M57はやっぱり良く判らない。

25mm29倍のアイピースを諦めて、9mmのアイピースで80倍にすると、
確かにぼんやりと淡い物が有るのが確認できた。でもM57独特のリング状
には眼視で確認できない。思い切って、6mmのアイピースで120倍にすると
何となく淡い光芒が丸い感じに見えるが、独特のドーナッツ状に迄は見え
なかった。三鷹では、この辺の見え方が限界だろうか?

120倍じゃ撮影は難しそうなので、9mm80倍にして、再び鏡筒をシェリアク
に向ける。カメラを取り付け、光軸を合わせた後、シェリアクでピントを
合わせるが、鏡筒が天頂方向を向いているので、R125Sのスライド式の
ピント機構が少し緩く、ずれてしまいそうなのでロックネジで止めようと
するが、ネジを締めるとピント位置がずれる!何度かやり直しても上手く
合焦した位置で固定するのが難しい。
やっとの事で、そこそこ合ったかな~?位で妥協した。

先ずは64秒でどんなもんか一回確認すると、かなり追尾エラーが大きく、
流れている。32秒にしてみるが、それでも流れる。16秒で何とか見られる
レベル。


う~ん、やっぱり目見当で適当に合わせた極軸じゃ16秒がやっとだ。

64秒で写った視野は真っ白までは行っていない。空を見るといつの間にか
天頂はかなり晴れ上がって透明度も悪くない感じ。はくちょう座もかなり
見える。くそ~!こんな時に極軸が合って無いなんて~、、、!

と言ってもしょうがないので、ギリギリ北極星の見える位置でM57の
位置を確認すると何とかアパートの屋根には隠れずに済みそうなので、
急遽設置場所を変更。急いで、極望で北極星に極軸を合わせる。
この辺が見晴らしの良い山の上と自宅の庭の大きな差だよな!
と思いつつ、ベガを導入しシェリアクを自動導入、そしてM57へと進め
露出時間を色々試して、32秒に決め、いざ撮影開始と思ったら、
さっきまで晴れていた天頂にかなり雲が出てきた(泣)


雲は余り厚くなく、流れも速い。32秒の間に、時々雲に覆われたりする。
このままでは、白い画面ばかりになるので、一旦カメラの電源を
落として雲が無くなるのを待った。

20分位すると又、空が晴れてきたので、今がチャンスとばかりに、
シャッターを切る。その後も時々雲が来ては中断しつつ、雲の合間を
縫って撮影を続けた。日付の変わる少し前に、カメラの電池が切れた
ので、切りが良いので今日はここで撤収。

全部で60枚ほど撮影した。機材を撤収して、部屋のPCで画像を見ると、
割と良く色も出て、かぶりも少ないのだが、何とピントが上手く合って
ない!周りの星が丸くない(汗)しまった~!位置を動かした時に再確認
すれば良かった~、、、と悔しがっても後の祭り。天頂付近は、雲がない
時は、結構、透明度が良く、冬場でも肉眼で3等星を見た事が無かった
光害の多い三鷹の自宅で、こと座のγ星(3.3等)が肉眼で見えていた
だけに悔しい!

ピントがずれて、星の形がいびつだが、せっかく光害のひどい三鷹での
M57初トライなので、雲が無く、追尾エラーの出てない37カットをコンポ
ジットして画像処理したのが↓下の絵


【↑M57リング星雲】SM-R125S/D:130 f:720 UW9mm 80倍
LPS-P2使用 IXY 30S ISO:3200 S:32秒F:2.0 f=4.9mm 37コマ
撮影日:2011/8/23 22:40-23:53
撮影場所:東京都三鷹市(自宅) Registaxでコンポジット
→YIMGでかぶり補正・トリミング・ガンマ・レベル・サイズ調整


独特のドーナッツ状の形。多少楕円状に伸び、外縁の赤と薄いピンクの
帯状の部分。内側の緑に見える部分。光害指数240の三鷹で、かなり色は
良く出たのでは?と言う気がする。それだけにピントが悔やまれる。

今回は、雲の合間にしては透明度が良く、かぶりが少な目で画像処理で
かぶり補正した後に、彩度の強調をしないでも、それなりの色が出た。
ちなみにスタックのみの画像はこんな感じ↓


80倍だと、35mm版換算で28mmx80=2240mm相当になる。M8の時は、
25mm29倍だから、35mm版換算で28mmx29=812mm相当でしかない。やはり
小さい天体を高倍率で大きく捕らえるのは、追尾エラーの点でも、
ピントの点でも、全てに置いてシビアで、撮影が難しい事を実感した。

次回又、再挑戦だ~!

2011.8.23(8/26)

コメント一覧

くっしー
http://air.ap.teacup.com/kussy/
いや意外に色が良く出たなぁって感じです。
天頂をとおる天体は、結構良い感じで写せそうですので、これから頑張って色々写してみますね。
M1、たまに本の写真で見る、あの星雲。いや、三鷹から上手く写るでしょうか?ステラリウムで見ると等級は8.4等。これから見頃になる見たいですから頑張ってみます。
NIkon 8cm
http://nikon8cm.exblog.jp/
くっしーさん

M57は、やはり三鷹からでも十分にいけましたネ。写真もお見事です。こうなると、M27やM97、そしてM1と、やはり天頂付近を通りますから、自動導入を使って、三鷹からバンバン撮影して下さい。

たしかに、ここまで写るようになると、本格的な撮影をさえれているマニアの方々と同じように、ピントや極軸合わせを慎重に行わないとならないのですね。そうなると、だんだんとお金がかかる方にいってしまいますね。

私は、拡大率は犠牲にして、今のシステムを最大限生かしてできる範囲で、よりよい写真を撮れるように目指していこうと思います。
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