陶の詩

趣味の世界を極めたい!

明日はわが身・・・?

2009-02-25 16:08:36 | 映画・劇・本
2月24日付けの毎日新聞の夕刊に素敵な歌が紹介されてました。
認知症の歌、介護の歌と呼ばれる一曲が共感の輪を広げているそうです。
歌っているのはシンガー・ソング・ライターの樋口了一さん。
もともとは、ポルトガル語で出回っていた詩を彼の友人が偶然知り、翻訳したそうです。それに樋口さんが曲をつけたとか。
とにかく詩が素晴らしいというか、身につまされるというか、ご存じない方は下に紹介しますので目を通してみてください。

「手紙~親愛なる子供たちへ~」       



年老いた私がある日 今までの私と違っていたとしても
どうかそのままの私のことを理解して欲しい
私が服の上に食べ物をこぼしても 靴ひもを結び忘れても
あなたに色んなことを教えたように見守って欲しい


あなたと話す時 同じ話を何度も何度も繰り返しても
その結末をどうかさえぎらずにうなずいて欲しい
あなたにせがまれて繰り返し読んだ絵本のあたたかな結末は
いつも同じでも私の心を平和にしてくれた


悲しいことではないんだ  消え去ってゆくように
見える私の心へと 励ましのまなざしを向けて欲しい
楽しいひと時に 私が思わず下着を濡らしてしまったり
お風呂に入るのをいやがるときには思い出して欲しい
あなたを追い回し 何度も着替えさせたり 様々な理由をつけて
いやがるあなたとお風呂に入った 懐かしい日のことを


悲しい事ではないんだ 旅立ちの前の
準備をしている私に 祝福の祈りを捧げて欲しい

  
いずれ歯も弱り 飲み込む事さえ出来なくなるかも知れない
足も衰えて立ち上がる事すら出来なくなったなら


あなたがか弱い足で立ち上がろうと私に助けを求めたように
よろめく私にどうかあなたの手を握らせて欲しい
私の姿を見て悲しんだり 自分が無力だと思わないで欲しい
あなたを抱きしめる力がないのを知るのはつらい事だけど
私を理解して 支えてくれる心だけを持っていて欲しい
きっとそれだけで私には勇気がわいてくるのです


あなたの人生の始まりに私がしっかりと付き添ったように
私の人生の終わりに少しだけ付き添って欲しい
あなたが生まれてくれたことで私が受けた多くの喜びと
あなたに対する変わらぬ愛を持って笑顔で答えたい
私の子供たちへ 愛する子供たちへ

(JASRAC 出0902205-901)



   







どうですか? 泣けますよね? 
この詩は父が入院して一ヶ月を迎え、少し看病に疲れた私の心にぐっときました。もっと優しくならねばと・・・。
どんなメロディーなのか聴いてみたいものです。