Revive

 

未だにあなたのことを夢にみる

2020-05-02 16:06:04 | 日記

ガラス張りのエレベーターから見える景色は
宝石箱をひっくり返したような街の夜景。

街には人の姿もなく
ゆっくりゆっくりと上昇する
エレベーターの中で、
これが地球の見納めと
立ち並ぶ高層ビルを眺めていた。

 

目の前に建つ高層ビルの窓が、
そこだけ煌々と明るい。
オフィスだろうか?

人がいるはずのないこの街に
その部屋に
スーツ姿の男性の後ろ姿が見えた。

 

今、地球では人類を破壊するウィルスが蔓延っていて
人はみな、私が乗っているエレベーターで
第二の地球という星へ避難しているのに

 

そこに居ちゃ危険!
早く逃げて!

 

そう私が叫んでも彼には
私の声が届かない。

 

 

彼を助けなきゃ!

 

私は、エレベーター中の降下ボタンを探したが
どこにも見当たらない。

 

 

小さくなっていく彼の後ろ姿。

焦る私は
エレベーターのガラスの壁を叩きながら
何度も何度も叫んだ。

 

早く逃げて!

 

 

 

その自分の声に、驚き
夢から覚めた。

 

 

 

 

夢の中でさえ私は、為す術もない