万葉チェコ日記

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お祭り(ウヘルスキー ビーク)とスラニーのビール

2012-09-14 | チェコの行事、習慣
先週の土曜日

ウヘルスキー ビークという

小さなお祭りがありました

ウヘルスキー:ハンガリーの
ビーク:牛


このお祭りは

1662年にスラニーで行われた古い行事。

(実はスラニー歴史のある古い街なんですよ

スラニーのマルチニッツ家という大名(?)が

寺院を作り

そのオープンのお祝いと

30年戦争の影響で
(30年戦争は1618年から1648年)

苦しみ、落ち込んでいる人々に

元気を与えよう、

と言うことで

ハンガリー系の牛の角を金色に塗って

丸焼きにして

市民に配った、という行事。


その行事を面白い!と言うことで

現在のスラニー市が2006年から

復活させたのがこのお祭り。

(配ってはくれないけど~


町の広場に

屋台が出たり

子供向けのお話の舞台があったり

鍛冶屋の実演があったり


でも

メインはこれ

牛の丸焼き


せっかくなので

食べてみました


美味しそうに見えない写真ですが

美味しかったです


そのとき

ムスメさんは・・・・

かわいそうにパンをかじってます



そして

肉と言えば

ビール!!

チェコと言えば

ビール


あるんですね~、

スラニーにも

アントシュっていう、うんまいビールやさんが



実は

ここスラニーはビール製造の歴史のある街。

(知らなかった~~

それは遥か1600年代までさかのぼり・・・


1681年に出された本にも

チェコでビールを飲むならスラニー!と書かれたほどなのです

現在よりもちろん小さな町だったのですが

その当時でも町には10箇所ものビール製造所があり

さらにさかのぼって

1618年の記録でも、スラニーで

な~んと年間2万ヘクトリッター(200万リッター)のビールを生産し

(一日5000リッター??ホント!!)

そのほとんどを他の町に輸出(??)していたそうです。


そしてこのアントシュ

さらに時代をさかのぼり

1536年に今のこの場所で

オンドジェイ・アントシュさんがビール作りを始めたお店、

1578年に家を改造して

現在の形になったんですって。

1578年ですよ!!

日本は戦国時代!!(この時代にこんな家に住んで、ビール造って・・・だったんですねぇ!!)

もちろん現在は壁の塗りなおし等してますが、

外見、中の作りは変わってないんですって。

なんともない町の風景の中に

何百年もの歴史を持つ建物が

うじゃうじゃしてるんですね~、ヨーロッパ。


その後チェコ侵略の時代が始まり
(ドイツに負けてハプスブルグ侵略、1621年から、政治家、科学者、医者・・・知識人は全員殺され、物を取られ・・・)

ビール工場もすべてとられ、閉鎖。

ビールの伝統もほとんど終わってしまいました。

とはいっても、営業を許されたハプスブルグのビール工場でも

雇われていたのはチェコ人だったため

美味しいビールの伝統は潰れなかったそうですよ。


アントシュはこのとき残ったパブで

1884年まで営業を続けていましたが潰れてしまい

その後135年間、スラニーでビールは造られていませんでした。

そのスラニーのビールの伝統を2010年に再開!

新生アントシュ誕生!!

店内もおしゃれで

とっても綺麗。

サービスも文句なしだそうです。


ビールフェスティバルで1位、3位(違う種類のビールで)を受賞、

コクがあって本当に美味しいビールです。





おいしいのはビールだけではなく

チェコの伝統料理をすべて手作りしている

お料理も非常に美味しいお店だそうです。

(だそうです、というのは赤さん連れの私はまだ行ったことない・・・)


話はそれましたが、

お祭りのこの日

お父さんはお持ち帰りビール

チェコではお持ち帰りビールも普通

ペットボトルにドドっと3杯分(1.5L)



これのためにね~~(新しくなった我が家の箱庭)


ゆったりとした

いい一日でした。

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