ユーキャン詩集

創作した詩を不定期投稿していきます!感想などございましたらぜひコメントください!時々、旅日記なども載せます!

現実逃避

2018-12-10 17:45:51 | 創作(詩)
地面に落ちたパンティーに同情して
泥を被る女がいた時
モザイクのかかる軍勢が
周りで見ていた。

女とパンティーは汚かった
土臭く茶色く艶もなく
女体に惹かれるものすらいなかった
我々のモザイクは取れなかった。

桜はその花弁と仲間とで魅せる
幼子から散りゆく老婆となる一瞬まで
ピンクに染まる風景に向けて
我々のモザイクは解像された
風に揺らぎ舞う
我々は上を向いて歩いていた
「美しい」という中毒
足元に目もくれず
誰かが一人躓いた。

刹那

糞尿にまみれたパンティーの山が積み上がる道にフラッシュの嵐がやってきて

女はそこから消えていた。

初恋

2018-12-10 17:40:42 | 創作(詩)
あなたは前の席にいた。

ブレザーの襟にかかるくらいの髪に 小さな耳たぶ
整った顔立ちのあなた
ピンク色の校門にたったら映えそうで
でもあなたは僕よりどこか遠そうで

だから僕は驚いた

「これからよろしく」

名字で呼びあうようになった
学校 勉強 遊び
何気なく近寄って
何気なく語り合い

「また明日」

カエルが鳴く
セミが叫ぶ
僕たちはタニシを投げて
田んぼに落ちた

緑の稲 隙間の茶色
半袖ポロシャツを土色に染めて
町を歩くと視線が集まる
自転車を押す僕 横のあなた

「くっさー」

緑がなくなってきた帰り道
かすかに見える三郡連山
黄色に染まる道路 宙をひらひら
銀杏の葉
扇子に見立ててごっこ遊び
僕とあなたで

「大奥ごっこ」

教室のストーブ 
中心の人が王様
僕は窓際 あなたも窓際
前後の席
椅子の下 机の下
足を絡ませ 暖をとる 

肩まで伸びた髪
変わらない耳たぶの大きさ
整った顔立ちのあなた
葉を捨て真っ裸の木々の下
貫禄ある出で立ちの校門に
今の僕は映えそうで
そしてあなたが隣にいて

あなたに一言いってみた
西の風が顔を叩いて赤くなってた
あなたの頬も赤かった