ユーキャン詩集

創作した詩を不定期投稿していきます!感想などございましたらぜひコメントください!時々、旅日記なども載せます!

歩み

2019-01-05 21:14:12 | 創作(詩)
道を歩く
ここは住宅街
微笑ましい親子の会話
車やバスの走行音
時折吹く風に葉は踊る

野を歩く
真っ黒なカーテンに目が一つ
月はたっぷり気を注ぐ
静かな闇夜に小さな自我を
「絶滅危惧種よ、摘み取り厳禁」

太平洋を歩く
ベタベタしょっぱい水と風
上には体を暖かく包む日の光
下には底の見えない冷たい水
私を挟んで真逆の2人は向かい合う

歴史を歩く
ここは過去 あるいは現在 もしくは未来?
生きることに惜しみなく 生物たちは子を残す
対面し対立し適応する
全てが全てを無へ還す
文字は同じことを書いている
そう。私たちは学んでいない

振り返ろう

今も歩いている
ここは○であなたは×
道を歩けば先に進める
歩いた地面が道になって地図になる

これはみんなが歩いた通信簿
同じものはひとつもない
四方八方、行先自由
まだまだ広がる未来地図
さあ、あなたはこれからどこへ行く?

通過儀礼

2019-01-05 20:41:03 | 創作(詩)
与えられた制服を脱いだ
第二ボタンまでシャツを開けることも
ひとまわり大きな袖を捲り上げることも
そんな誰も気づかないことに怯えることも
もう無くなってしまった
帰り道にコンビニで立ち食いをする行為さえ
誰にも咎められなくなってしまった
わたしの周りのルールが変わる

自由が生まれた、様に思えた
縛られなくなった
教室から放牧された
大草原の真ん中に立ち尽くす
そんな私はすがりつく机と椅子を探した
放牧されてまだ二日目
深呼吸して微笑み歩いた昨日
今日は既に大草原を走り回っている
乳酸が行き場をなくして太ももに大混雑
それでも机や椅子は見当たらない

仕方なく草を食って吐いた
周りの草がなくなったら走ってまた草を食った
いつの日か周りに私と同じ行為をするものが居た
そして次第に増えていった
食って吐いて走ってを繰り返した

ある日、海を見つけた
放牧からかなりの月日が経っていた
周りには私に似たもの達が草を食っている
周りの者達と共に動くことが日課となった

もう机や椅子は探していない
顔の筋肉は衰えた