ユーキャン詩集

創作した詩を不定期投稿していきます!感想などございましたらぜひコメントください!時々、旅日記なども載せます!

餅月

2019-01-22 21:00:01 | 創作(詩)
餅をつく言いつけを守る長耳の少女
その小さな体をしならせて叩く一発の重み
月を簡単に破壊した
されども
臼と杵はヒビも入らず光沢を放つ
二発目、三発目
夜の月は臼の下から欠けていく
しなる体は少女の命
また一人で激しく餅をつく

欠けたかけらはソラを流れて地に堕ちる
少女が叩く度にかけらは堕ちる
手を合わせて願をかけよ
さすれば幸を与えよう
歪な餅を少女は堕とした
そんなに食べたきゃあげますよ
願はかけても捕りはせぬ
地面に餅が溢れて流れた

ついても食べない餅をつく
月に置いても食う者おらず
地に堕としても捕る者おらず
貯まる餅に足を取られて少女がコケた

地上で木枯らし
初観測