無くしたものだけ握りしめて
胸に抱く
うっすらと浮かぶ光景に雑音混じる昼の空
夏の風にしては珍しく冷たいので
私は腕をそっと絡めた
頭に不思議とバラバラのパーツで人が見える
黒髪に爛れた目が印象的なのに綺麗で雑な輪郭
ああ。頭が痛い。
どうも抱いているのに指の間から
溢れているかのようにその人が消え失せる
だんだんと体が薄くなり思い出が遠のく
近くにある「あの思い出」に
なんだっけが付け足されていく
胸にあてた手が離れて
絡めた腕は解けていった
あんぐり呆けた私の口元
顎に溜まったよだれの雫
もう、拭き取らなくてもおちるでしょう、
さてさて夜に熱い地面
見えないフラダンスを軽快に披露する
暗闇の世界に一人
私もあなたと踊ります
迎えにいらして?
エストートをお願いできて?
今夜は一人にしないでね?
私のニュースが流れた朝の居間
まだまだ夜は終わらない。
胸に抱く
うっすらと浮かぶ光景に雑音混じる昼の空
夏の風にしては珍しく冷たいので
私は腕をそっと絡めた
頭に不思議とバラバラのパーツで人が見える
黒髪に爛れた目が印象的なのに綺麗で雑な輪郭
ああ。頭が痛い。
どうも抱いているのに指の間から
溢れているかのようにその人が消え失せる
だんだんと体が薄くなり思い出が遠のく
近くにある「あの思い出」に
なんだっけが付け足されていく
胸にあてた手が離れて
絡めた腕は解けていった
あんぐり呆けた私の口元
顎に溜まったよだれの雫
もう、拭き取らなくてもおちるでしょう、
さてさて夜に熱い地面
見えないフラダンスを軽快に披露する
暗闇の世界に一人
私もあなたと踊ります
迎えにいらして?
エストートをお願いできて?
今夜は一人にしないでね?
私のニュースが流れた朝の居間
まだまだ夜は終わらない。