含羞草 2019-08-12 17:02:27 | 創作(詩) 仮面を被ったオジギソウ 醜く笑いかけて振りまいたその草 笑顔を返してもプレゼントを返さず 触れれば仮面を被って頭を垂れる 汚い上下の映し鏡
開かれた牢屋 2019-08-12 16:59:25 | 創作(詩) だだっ広い運動場をかけた 夕刻 煮物の匂いが漂ってくる 背負ったランドセルの防犯ブザーがカラカラと音を立てた サッカーゴールの間を行き来する 団欒の音を僕はかき消せない 耳元から垂れた汗が運動場を濡らす ちょっぴり、濡らす 胸が張り詰めた 顎が空を向いて祈っている 止まってくれと、願っている パパが帰ってきたと。お帰りと。その声がどこか聞こえた。 爪先は地面と戦った 石ころを投げ飛ばし地を削って僕は体を叩きつけてやったんだ 血が出た。 涙も出た。 一人でかけた。 校門が閉まる そうして僕は一人 防犯ブザーを引き抜いた