平日午前の喫茶店。モーニングの客が一段落した頃、店長はサイフォンでコーヒーを淹れながら、カウンターの婦人に話し始めた。婦人は、久しぶりに訪れたなじみの客らしい。
「うちの子、今、仕事探してるのよ。失業保険もらいながらハローワーク行って。」
「あら、どうしたの?いい所にお勤めだったんじゃ?」
「そうなのよ。最初の頃は、営業の成績も良くて給料もボーナスも良かったらしいんだけど、会社の景気が悪くなってきたらボーナスも減ってきたんだって。そんなんだから、がんばっても給料も上がらなくなってきて、それを上司に言ったら、何かの研修ばかり受けさせられるようになったらしいの。プライドの高い子だから、それが我慢できなくなってパッとやめたみたいなのよ。」
「そう、それは心配ねえ。止めなかったの。」
「私に言ってきた時は、『どうしようか』って相談じゃなくて『やめるから!』ってそれだけ。言い出したら聞かない子だから好きにしなさいって言ったんだけど・・・」
「そうなの・・・」
「四十過ぎて世間の厳しさを知ったんじゃないかしら。四十過ぎたらもうホントに仕事無いらしいわね。介護のアルバイトなら求人があるからって、とりあえずやってみるみたいだけど、どうするのかしらね・・・」
「介護も大変よねえ・・・。私もあと10年もして80も過ぎたら一人じゃ何もできないから誰かに面倒見てもらわないと・・・これから介護してくれる人が増えていかないとねえ。」
「・・・」
仕事柄、新聞読むふりをしながら聞き耳を立ててしまった。いくつになっても親は子を心配するものだが、息子が自分の道を見つけることを信じるしかない。息子は、余計なプライドは捨てて、この際キャリアチェンジするくらいの覚悟で新天地を探すこと。介護でも何でも、縁あって近づいた仕事を適職にする努力も大切。四十代、まだまだ人生これから。
「うちの子、今、仕事探してるのよ。失業保険もらいながらハローワーク行って。」
「あら、どうしたの?いい所にお勤めだったんじゃ?」
「そうなのよ。最初の頃は、営業の成績も良くて給料もボーナスも良かったらしいんだけど、会社の景気が悪くなってきたらボーナスも減ってきたんだって。そんなんだから、がんばっても給料も上がらなくなってきて、それを上司に言ったら、何かの研修ばかり受けさせられるようになったらしいの。プライドの高い子だから、それが我慢できなくなってパッとやめたみたいなのよ。」
「そう、それは心配ねえ。止めなかったの。」
「私に言ってきた時は、『どうしようか』って相談じゃなくて『やめるから!』ってそれだけ。言い出したら聞かない子だから好きにしなさいって言ったんだけど・・・」
「そうなの・・・」
「四十過ぎて世間の厳しさを知ったんじゃないかしら。四十過ぎたらもうホントに仕事無いらしいわね。介護のアルバイトなら求人があるからって、とりあえずやってみるみたいだけど、どうするのかしらね・・・」
「介護も大変よねえ・・・。私もあと10年もして80も過ぎたら一人じゃ何もできないから誰かに面倒見てもらわないと・・・これから介護してくれる人が増えていかないとねえ。」
「・・・」
仕事柄、新聞読むふりをしながら聞き耳を立ててしまった。いくつになっても親は子を心配するものだが、息子が自分の道を見つけることを信じるしかない。息子は、余計なプライドは捨てて、この際キャリアチェンジするくらいの覚悟で新天地を探すこと。介護でも何でも、縁あって近づいた仕事を適職にする努力も大切。四十代、まだまだ人生これから。
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