このブログの102回目に書いた「人生の先輩Mさん」に、およそ30年ぶりに再会した。この間、中部地方に住むMさんとは、毎年年賀状のやり取りは続けていた。一言書きには、お互いほぼ同じことを書き続けていた。「今年こそお会いしましょう。遊びに来てください。」
来年古希を迎えるMさんは、若々しかった。週に4~5日はジム通いやテニスをされているせいか、体は引き締まっている。声の張りや艶が、脳裏に残っている当時の声と変わらない。かわいいお孫さんもいて、お子さんの休みの日には一緒に遊びに来るらしい。スマホで見せてもらった奥様も若くきれいな方だ。サラリーマンの定年退職後の幸せな暮らしのモデルのようだ。
そんなMさんと昔よく行ったバーへ行った。Mさんは、四半世紀ぶりにマスターと再会できることを期待していた。マスターがいた。「おおっ、お久しぶり」と、お互い懐かしそうに声を上げ、カウンター越しに握手した。それから、Mさんが店に来たいきさつや今の暮らしぶりなどを話し、マスターもお店の近況を簡単に話した。丁度、カウンターの上に、お店の34周年を祝う花が置かれていた。マスターは、ずっと好きな音楽活動をしながら、お店は同じ場所で改築して広げて、今はライブハウスにもなっている。メジャーなミュージシャンが来るような名店にもなっている。お客さんや仲間からも慕われている。休みの日は、還暦過ぎて繰り上げてもらっている年金で、一人気ままに日本各地の名所やライブハウスを旅しているそうだ。
お二人ともに半生に悔いはないものの、まだまだやりたいこともある様子。そんな二人を見ていて、人生いろいろ、いつも満足ではなくても納得の行く生き方をしたいと思った。
「じゃあ、また来るわ」と店を出るMさんを、マスターはいつもの柔らかいまなざしで見送った。私には「また来てよ」とささやいた。
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