ライフ&キャリアの制作現場

くらし、仕事、生き方のリセット、リメイク、リスタートのヒントになるような、なるべく本音でリアルな話にしたいと思います。

74.相談業務で悩ましいこと

2017-04-07 23:45:51 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 「期待にこたえられなくてすみません。本当に申し訳ないです。」「いろいろ世話してもらって、やっと仕事決まって喜んでくれたのに。」「がんばろうと思ったのに続けられなくて、合わす顔が無くて情けないです。」

 数ヶ月ぶりに再就職相談に訪れたTさん(50代)は、苦渋に満ちた表情で頭を下げた。会社倒産により職を失い、長く求職活動を続けた上でやっとみつかった再就職先を辞めてしまったのである。職を失うまでは、長く技術系の仕事をしていた。再就職先は、畑違いの製造の現場だった。私は、まずTさんの仕事内容や退職理由、今の心境などを聴くことにした。

 退職理由は、仕事がなかなか覚えられず年下の上司に叱責されたこと。周囲に迷惑がかかっていると嫌味を言われたり、最後は突き放されたように感じたとのこと。そして、今の心境は冒頭に書いたようなものだった。

 傾聴の基本に立てば、Tさんの話は無条件の肯定的配慮と共感的理解を念頭に聴くことになる。そこは、何とかした。しかし、「期待にこたえられなくてすみません」から始まった冒頭のくだりは、悪い気はしなかったが違和感も感じた。Tさんの再就職が嬉しくなかった訳ではないが、正直なところその後の仕事や人生はTさん次第と思っていたからだ。勿論、また何かの機会にTさんから相談や支援を求められたら応じる気持ちはあった。

 私の役割は、Tさんの転機や困難な状況において、再就職や仕事を通してTさんの自立を支える事と考えている。寄り添う姿勢を大切にするが、Tさんの人生に責任は持てない。人の人生まで抱えきれないのだ。

 仕事や人生に悩みや苦難はつきもの。だから、一時自分を見失ったとしても、これからも自分の人生は自分で何とかするしかないということに、Tさん気づいているのだろうか、気づいてくれるだろうか。次の仕事は私に頼らず極力自力で探して、自分の人生のために働いて欲しい。

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