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「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

大阪市教育行政基本条例成立に抗議

2012-05-26 | 大阪「教育基本条例」

 5月25日夕、大阪市会で「大阪市教育行政基本条例」が、「大阪市職員基本条例」とともに、大阪維新の会、公明党の賛成で、強行可決されました。市民からの不安や反対の声、さらには全国から教育への政治介入を憂慮する声が上がっている中での蛮行に厳しく抗議します。

  可決された条例は、とてもひどい内容です。
 市長が教育に対して独裁的に政治介入するための条例といっても過言ではありません。「市長は・・・」という主語が並びます。とりわけ、「教育はマネジメント」と言ってはばからない市長が「教育振興基本計画」を作る権限を手に入れたことは深刻です。
 教育は、政治や特定の政党から中立であるべきであり、市長自らが不当な介入をすることは許されません。

 修正案で、二つの文言が追加されています。
「自由と規範意識、権利と義務を重んじ、自己の判断と責任で道を切り拓き」
「グローバル化が進む国際社会において力強く生き抜くことができる」
 また、“国と大阪を愛する”ことが求められています。  

 規範や義務の名の下に、日本国憲法の根幹である「個人の尊重」が軽んじられ、基本的人権がおろそかにされてはなりません。
 「愛国心教育」「グローバル人材教育」は、子どものありようや心を支配しようというものであり、人格や個性を踏みにじるものです。

 「本市における教育の状況に関する情報を積極的に提供する」などとしていますが、情報公開の名の下に、学力テストなど学校の序列化・格差につながるような情報公開や、学校や教員を市民に監視させるようなやり方は許されません。

  「家庭の教育力の向上を支援」などとともに、家庭や地域住民の責任が明記されています。しかし、特定の教育方法を家庭に押しつけたり、家庭教育に責任転嫁する「家庭教育支援条例」は白紙撤回させられました。

 教育行政基本条例の強行採決に抗議すること、条例の撤回を求めること、そして今後学校教育現場への具体化を監視し阻止することを、私たちは進めていかなければなりません。

[抗議先]

公明党大阪市会議員団
info@komei21.com
大阪維新の会
https://www.oneosaka.jp/contact/

◇公明党大阪市会議員
http://www7a.biglobe.ne.jp/~hotline-osk/koumei.html

◇大阪維新の会 大阪市会議員
http://www7a.biglobe.ne.jp/~hotline-osk/isin-renraku.html

以下、5/25に大阪市会で可決された教育行政基本条例です。

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大阪市教育行政基本条例

 子どもが健やかに成長し、自立した個人として自己を確立し、他者とともに次代の社会を担うようになることは、市民全ての願いである。
 社会が多様化し激しく変化する中で、国際化の進展や未曾有の災害の発生等を踏まえ、子どもが心豊かに力強く生き抜き未来を切り拓く力を備えるよう、教育を行うことが求められている。そのためには、大阪の教育にたずさわるすべての人々が、教育基本法の趣旨に則ることはもとより、子どもについて、個人としての尊厳を重んじ、その意見を尊重するとともに、自由と規範意識、権利と義務を重んじ、自己の判断と責任で道を切り拓き、真理と正義を求め、公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備えグローバル化が進む国際社会において力強く生き抜くことができる人間としてはぐくむこと、そして、我が国の郷土の伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた国と、子どもたちが育ったこの大阪を愛し、大阪にふさわしい新しい文化の創造をめざすことを基本としなければならない。
 ここに、地域の実情に応じた教育行政を推進するため、市長及び教育委員会並びに市会が、教育に寄せる市民の多様な願いや思いをくみ取って施策に十分に反映するよう、相互の連携を緊密にしながら取り組むとともに、学校、家庭及び地域住民その他の関係者が、教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚し、互いの信頼を基盤として連携及び協力に努めることにより、大阪の教育の振興を図るため、この条例を制定する。

(目的)
第1条 この条例は、本市の教育行政に関し基本となる事項を定めることにより、市長及び教育委員会が、子ども、保護者等の市民の意向を斟酌しつつ、相互に連携及び協力するとともに、それぞれの役割と責任を果たし、もって人格の完成並びに地域及び社会の形成者たる市民の育成をめざす教育の振興に資することを目的とする。

(市長と教育委員会との役割分担)
第2条 市長及び教育委員会は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和31年法律第162号。以下「法」という。)第23条及び第24条に規定する職務権限に基づき、適切な役割分担の下に、本市における教育の振興のための施策の充実を図らなければならない。

(教育振興基本計画の策定義務)
第3条 本市は、教育基本法(平成18年法律第120号)第17条第2項に規定する基本的な計画(以下「教育振興基本計画」という。)を定めなければならない。

(教育振興基本計画の策定手続)
第4条 市長は、教育委員会と協議して、基本計画の案を作成するものとする。
2 基本計画は、市会の議決を経て定めなければらない。
3 市長は、第1項の規定による協議か調わなかったときは、教育委員会の意見を付して教育振興基本計画の案を市会に提出しなければなちない。
4 教育振興基本計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
(1)本市における教育の振興のための基本的な目標及び施策の大綱
(2)前号に掲げるもののほか、本市における教育の振興のための施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
5 市長及び教育委員会は、教育振興基本計画の案を作成するに当たっては、その基本的な事項についてあらかじめ学識経験を有する者の意見を聴くとともに、市民の意見を反映するための適切な措置を講ずるものとする。
6 市長は、第2項の議決があったときは、遅滞なく、教育振興基本計画を公表しなければならない。
7 前各項(第4項を除く。)の規定は、教育振興基本計画を変更する場合について準用す
る。

(開かれた教育行政)
第5条 本市は、市民に対し、本市における教育の振興のための施策について説明する責任を果たし、保護者及び地域住民その他の関係者(以下「保護者等」という。)との連携及び協力を図り、並びに子ども及び保護者の判断及び選択を支援する等により、教育の振興に資するため、子どもの最善の利益に反しない限りにおいて、本市における教育の状況に関する情報を積極的に提供するものとする。
2 本市は、子どもの最善の利益を実現するために、市民の意向を的確に把握し、教育行政に適切に反映させるよう努めなければならない。

(教育行政の点検及び評価)
第6条 市長及び教育委員会は、教育振興基本計画の進捗を管理するため、毎年、共同して点検及び評価を行い、その結果に関する報告書を作成し、これを市会に提出するとともに、公表しなければならない。
2 教育委員会の委員は、教育振興基本計画に定めた目標を達成するために自ら行った取組、活動の状況等について点検及び評価を行い、その結果を前項の規定による点検及び評価に含めるものとする。

(点検及び評価の結果に係る措置)
第7条 市長及び教育委員会は、前条第1項の規定による点検及び評価の結果に基づき、教育振興基本計画の進捗状況の改善を図るために必要な措置を講ずることにより、教育振興基本計画に定めた目標の達成に努めなければならない。
2 市長はこ前条第2項の規定により教育委員会の委員が行う点検及び評価の結果に基づいて、法第7条第1項に規定する罷免事由に該当するかどうかを判断することができる。

(施策の推進)
第8条 教育委員会は、保護者等の意向を斟酌しつつ、子どもにとって将来にわたって必要となる力をはぐくんでいくため、学校教育の円滑かつ継続的な実施のための支援、教職員(学校教育法(昭和22年法律第26号)第27条第1項、第2項、第10項及び第11項、第37条第1項、第2項及び第18項(第49条及び第82条においてこれらの規定を準用する場合を含む。)並びに第37条第19項(同法第49条、第62条及び第82条第1項の規定に基づき学校(幼稚園を含む)に置かれている職員を言う。)の能力、適正等の向上を図るための研修その他の必要な施策の充実を図らなければならない。
2 教育委員会は、市長と相互に連携及び協力し、家庭教育の自主性を尊重しつつ、学習の機会及び情報の提供その他の家庭の教育力の向上を支援するために必要な施策を講ずるよう努めるものとする。
3 教育委員会は、市長と相互に連携及び協力し、学校教育及び家庭教育との連携に配慮しつつ、施設の設置及び運営、学習の機会及び情報の提供その他の適当な方法により、青少年及び成人に対する教育活動の振興に努めるものとする。

付則

1この条例は、公布の日から施行する。
2この条例の施行前に定められた教育振興基本計画は、この条例の規定により定められたものとみなす。

付帯決議

大阪市教育行政基本条例の運用に当たっては、本条例の趣旨が、市会、市長及び教育委員会の緊密な連携を通じて、市民の意向を施策により一層反映し、次代を担う子どもの健やかな成長に資する教育を推進することにかんがみ、市長及び教育委員会は次に掲げる点に留意すること

1 条例の運用に当たっては、市長と教育委員会が適切な役割分担の下、相互に連携するとともに、法令に照らして適正に事務を執行すること

2 施策の推進に当たっては、その成果や課題を検証し、学校、家庭及び地域住民その他の関係者の意見をくみ取って、本市の実情や社会の変化に応じた柔軟な対応を図ること。

(ハンマー)


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