大阪市会のホームページに5月21日の文教経済委員会の動画がアップされています。
ここで橋下氏は、学校選択制の意図として、「住民自治」を口にし、“これからは住民に責任をもってもらう、学校についても、行政が決めた学校に行かされたというのではなく、自分で行くと決めた学校にいってもらい、責任をとってもらう”と言っています。
(49分45秒くらい~54分35秒くらい)
橋下市長は「特色ある学校づくり」という抽象的な目的を積極面として上げますが、実は“なんかあっても行政のせいにするな。選んだ自分で責任をとれ、それがいやなら「選ばれない学校」を選ぶな”ということで保護者に全面的に責任を負わせることが目的なのです。
しかし、小学校入学時点でこのような選択を迫るというのは酷であり、行政の責任を放棄するものでしかありません。その保護者の判断のために学力テストの結果や教員の勤務評価分布を公表するというのであれば、結局保護者を「いじめや事故があっても、満足な教育を受けられなくても、選んだものの責任だ」と脅して特定の学校に行かせないようにしてつぶしていこうというものでしかありません。
一方で市長は、小中学校については“スーパー小中一貫校”をつくり、ふんだんに予算をつぎ込もうとしています。これは公教育の場を「力を入れる学校」と「どうでもいい学校」に差別化して、すべての子どもたちが平等に教育を受ける権利を奪うものです。(スーパー一貫校自体の問題点についてはさまざまな問題点が指摘されている施設一体型小中一貫校が大阪市にを参照)
橋下市長は「自分で選んで、自分で責任をもってもらう、これは維新の会の価値観そのものだ」とまで言っています。新自由主義的競争と自己責任論を掲げる維新の会という特定の政党の価値観を教育現場、教育制度に持ち込むことは許されません。
後半部分の、学校選択制についての自民党の太田晶也議員の追及はなかなか圧巻です。
(1時間57分00秒くらい~2時間13分50秒くらい)
その中で、「市民からどんな声がとどいているのか」という太田議員の質問に教育委員会が次のように答弁します。
「学校選択制におおむね賛成する意見として、『子どもや保護者の希望で学校が選択できるというのはいいことである』というのがあります」
(ハンマー)