大阪市教職員組合は毎年40年以上にわたって、市立小学校の教室を借りて教育研究集会(教研集会)をおこなってきました。ところが、今年は、「労働組合に対する便宜供与は行わない」と定めた大阪市条例が成立したことを根拠に、大阪市教育委員会は使用を拒否してきたのです。
大阪市教委、教研集会に校舎貸さず 市教組は市を提訴(朝日新聞2012年8月14日)
教研集会に対して「目的外使用に当たる」として学校の使用を拒む動きが近年地方でも起きていますが、広島県呉市が公立学校の使用を拒否したことをめぐる訴訟では、最高裁が2006年「教員の自主的研修という側面があり、学校の目的にかなっている」として「使用を認めるべきだ」との判断を示しました。
教職員が研修によって研鑽していくべきであるということは法律で定められています。
教育公務員特例法第21条 教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない
それを行使するのに、労働組合が主催であることをもって不利益を被らせるというのは、逆に労働組合に対する不当な差別・圧迫となります。大阪市教組は、8月14日、大阪市を相手取り、使用許可を求めて大阪地裁に提訴しました。この訴訟によって条例の違憲性・違法性が具体的に明らかにされることを切に望みます。(鈴)