中百舌鳥スタンディング行動
~ ガザ虐殺を止めるまで ~ 20250203
私たちは、堺市民有志の呼びかけで、イスラエルによるガザ大虐殺に抗議し、このジェノサイドを止めるために、毎月2回、今年からは第1・第3月曜日に、曜日を変更して堺市内4か所で同時行動を行っています。
今年1月19日、ついに、ガザでの停戦が発効しました。これは、ガザの人々と、これに連帯するヨルダン川西岸のパレスチナ抵抗勢力、中東地域の抵抗勢力、そして全世界で声を上げ続けた、国際的な連帯運動すべての力が結集して勝ち取った成果です。
やっとのことで、暫定的な停戦が発効しましたが、まだ予断を許しません。いつ虐殺が再開されるか分からない、不安定な状態です。しかも、ガザでは停戦しても、ネタニヤフ首相は、国内の極右勢力を繋ぎとめるために、ヨルダン川西岸地域での攻撃を拡大し、パレスチナ人の殺戮を継続するという卑劣な行動に打って出ています。
イスラエルは、停戦合意が発表されてからも激しい空爆を続け、ネタニヤフ首相は、停戦前から戦争再開をちらつかせる発言をしてきました。停戦が発効してからも、「第1期が終わったら戦争を再開してもよい、その後は無期限に武器・弾薬を供給する」と、トランプ大統領がそう言っていた、と話しています。そのトランプ大統領も就任するや否や、停戦が続くかどうか自信がない、などという無責任な発言をしています。イスラエル国内の極右政党の党首であるスモトリッチ財務相は、停戦の第1段階終了後に戦闘を再開しなければ政権を崩壊させると脅しています。
しかし合意したのは、最初の第1段階の6週間の停戦だけではありません。第2期では、イスラエル軍の撤退や、恒久停戦に向けた交渉、第3期では、ガザの復興計画が含まれます。それら3期の全てがセットになった停戦協約です。第1期だけを意図的に切り離そうとすること自体が背信行為ではないでしょうか。
さらに、米国・トランプ大統領は、ガザにいるパレスチナの人々を「そのすべてを一掃する」と主張し、ヨルダンやエジプトなどアラブ諸国に強引にガザ住民の受け入れを求め、反発を買っています。ガザのパレスチナ人を追い出してその土地と資源を略奪し、なし崩し的にイスラエル領にしてしまおうという、すでに失敗した横暴な計画を別の形で遂行しようという考えです。
その土地に住み、生活を営んでいる先住民であり当事者であるパレスチナの人々の意向を完全に無視した、このトランプ大統領の暴言に対して、一斉に抗議と非難の声が上がり、断固としてガザ住民の強制移住に抵抗する意思を示しています。避難民となっているガザの住民も、「何があってもパレスチナやガザを離れない」と怒りに満ちて語っています。
トランプ大統領は現在のガザを「解体現場」と表現していますが、イスラエルとこれを全面的に支援してきたアメリカこそが、ガザを徹底的に破壊して「解体現場」のような無残な姿にした張本人なのです。その加害者、侵略者、破壊の張本人が、語るべき言葉でしょうか? イスラエルとアメリカは、どの国よりも、全力を挙げてガザ復興に努めるべき責任があります。
トランプ大統領はさらに、バイデン前政権がイスラエルへの供給を停止していた、900キロ級の大型爆弾の供給を再開しました。人道危機の深まりに対する世界中からの非難を受けて供給停止せざるをえなかったものです。これを皮切りに、今後続々と、これまで以上に際限なくイスラエルに巨額を投じて武器弾薬を供給し、全面支援を続ける姿勢を鮮明にしています。
停戦を一時的なものに終わらせ、なんとか口実をでっちあげて停戦合意を破り、虐殺を再開しようとするネタニヤフ首相や米国・トランプ政権の危険な企てをなんとしても封じなければなりません。同時に、即刻、ヨルダン川西岸での攻撃を止めさせ、真の意味での恒久停戦へと前進させなければなりません。そのために、イスラエルに対して、アメリカ・トランプ大統領に対して、国際社会の圧力が必要です。
ガザでは、すでに少なくとも4万7000人以上が殺害され、1万4000人以上が行方不明、10数万人が負傷させられました。これはパレスチナ当局の発表ですが、この数字は、大幅に過小評価されているということが何度も指摘されています。インフラ設備、とくに医療関連施設とそのシステムがほとんど破壊され医療関係者が意図的に殺害され、正確な集計ができなくなっているためです。餓死や凍死、医薬品がなく治療できないこと等による関連死を含めれば、犠牲者数は20万とも30万人以上とも推定されています。
両親もしくは片親を亡くした子どもたちは、分かっているだけで3万8000人以上に上ります。ガザ地区の88パーセントが破壊され、街中に下水があふれ、ゴミがあふれ、水道も電気もない生活が1年以上も続いています。停戦して直接的な虐殺が止まったとしても、犠牲者はまだ毎日のように増え続けています。
餓死、凍死をこれ以上増やさないために、医薬品がなく手当てができなくて失われてゆく命をこれ以上増やさないために、一刻も早く、国際的な人道支援体制を整えなければなりません。ガザ全土に、十分な水と食料と医薬品、そして生活必需品を届けるためには、医療スタッフをはじめ支援活動組織が十全に活動できるようにしなければなりません。そのためには、全ての支援活動の中心となってきたUNRWAパレスチナ難民救済機構の活動が不可欠です。
にもかかわらず、イスラエルは昨年、このUNRWAに対して、イスラエル国内および東エルサレムでの活動を禁止するという、とんでもない法律を国会で可決させました。その法律が1月末に発効しています。
この法律のために、今後は、イスラエルとの調整や倉庫の管理、各組織の人員の移動や調整、燃料調達など物流面での連絡・調整などあらゆる面で支援体制が制限されます。そのような活動は、現地職員を長期契約で多く雇用して信頼されているUNRWAだからこそできることです。他の組織が簡単に引き受けられる仕事ではありません。UNRWAを排除するということは、支援物資を届ける体制を妨害することです。イスラエルは、停戦合意によって、ガザへの物資の搬入を認めた一方で、実質的に支援体制のインフラを破壊しようとしています。
イスラエルは、即刻、UNRWA禁止法を撤回し、その活動を保証するべきです。
UNRWAの活動に長らく関わってきた日本は、今こそ発言力を行使し力を尽くすべきです。ご存じでしょうか。UNRWAの保健局長は日本人です。日本人医師・清田明宏さんが2010年から保健局長を務められています。その清田医師をはじめ、日本の医療支援活動は現地で高い評価を受け、長きにわたって信頼を築き上げてきました。そのような地道な草の根の活動こそが、その信頼関係こそが、平和の礎であり、私たちが守るべき貴重な宝物です。
イスラエル製の軍用ドローンを購入したり、イスラエルの軍需産業と提携して、虐殺に間接的に加担するのではなく、イスラエルに対し、UNRWAの活動再開を促すよう、真剣に働きかけることを、日本政府に求めます。
停戦が実現し、恒久停戦に進んだとしても、復興には何十年もかかります。その上、たとえ戦争が終わっても、根本的な問題の解決は残されたままです。
パレスチナの人々が、ガザとヨルダン川西岸という、この不自然な狭い飛び地に押し込められ、占領と植民地支配が続く限り、同じことが繰り返されます。イスラエルは、パレスチナの人々を囚人のように、時には動物のように扱い、土地を奪い、資源を奪い、人としての権利をことごとく奪い、何度も侵略と虐殺を繰り返しながら、入植地を広げてきました。虐げられた人々が、人間らしく生きるために、自らの尊厳をかけて、抵抗闘争に立ち上がるのはテロではありません。国連においても正当なものとして認められているレジスタンスです。
イスラエルが占領と植民地支配を止め、パレスチナの民族自決権と、パレスチナ国家樹立を認めない限り、問題の根本的な解決はあり得ません。この1年数カ月の出来事は、おびただしい血を流しながら、耐え難い犠牲を強いられながら、そのことを、全世界に知らしめたのではないでしょうか。
そして皆さん、ガザで起こったことは、日本と決して無関係ではありません。安倍政権から始まった大軍拡は、歴代政権にも引き継がれています。イスラエルのガザ虐殺の共犯であり、世界中で対立を煽り紛争の種をまき散らしているアメリカという世界一の軍事大国から、高額の兵器を大量購入し、国内の軍需産業を育成・優遇し、その財源確保のために、私たち国民にとって何より切実な医療、福祉や教育関連予算が切り縮められ、消費税の大増税ももくろまれています。
沖縄・南西諸島をはじめとして、急ピッチで大規模な軍拡政策と戦争準備が進められています。日本を、戦争のできる国にするための多くの法律が、少数与党になる前に、すでに国会を通過しています。
米軍は日本の国民を守ったりしません。特にトランプ大統領は、日本を犠牲にしてアメリカ・ファーストを貫くことをためらわないでしょう。自衛隊を指揮下に置いて戦争挑発を繰り返し、実際に戦争が始まれば、自分たちは安全な後方から指揮し、命令し、日本と日本の国民を盾に、前哨基地として使う、それがアメリカの基本姿勢です。国民を守るためには、政府は、米軍と一体となった軍備増強をやめて、かつて日本が侵略したアジア・太平洋諸国に対して誠実に対話し、友好関係を築くことを真剣に追求すべきです。
沖縄・南西諸島をはじめ、日本各地で進められている急速な軍備増強、戦争準備は、周辺諸国に脅威を与え、沖縄を戦争の標的にすることです。それは日本全土を巻き込むことになります。今、止めなければ、取り返しのつかないことになりかねません。パレスチナの惨劇は、近い将来の日本の姿かもしれません。想像するだけで恐ろしいことです。
ガザの惨状が二度と繰り返されないように、日本が戦場にならないように、日本が戦争の加害者にも被害者にもならないために、共に声をあげましょう。日本が世界に誇るべき平和憲法にふさわしい国であるために、行動しましょう。
(2025年2月3日大阪府堺市中百舌鳥駅街頭にて)