朝日新聞朝刊で4月4日、5日と「米国の教育改革」が連載された。
(上)「『良い』『ダメ』教師色分け」
(下)「市長 教育委員会乗っ取る」
「落ちこぼれゼロ法」を背景にした米教育改革の破綻が報じられてきたが、破綻によって決して終わったわけではなく、様々な矛盾や弊害を生み出しながらまだまだ続いていることがわかる。
※3/4朝日新聞「落ちこぼれゼロ 夢の果て」--米国で破綻した「教育改革」と橋下教育基本条例
※VOICE「大阪の教育未来図―アメリカ落ちこぼれゼロ法から学ぶ」
(上)「『良い』『ダメ』教師色分け」では、教員を一人一人ランク付けし、文字通りトップから最下位まで一人づつ実名でランキングをネットや新聞で掲載しているという。ロサンゼルスでは、最下位とされた教員が自殺するという悲劇まで起きている。
恐ろしいのは、そのランキングが担任する生徒の学力テストの結果によって行われてしまうことだ。百歩譲って教員自身の教育的力量によって評価・ランク付けされるならまだしも、生徒の学力テストの結果によって評価されるなら、もうそれは教育とは無縁の世界となる。
(下)「市長 教育委員会乗っ取る」では、シカゴ市でPTAなどを支援するジュリー・ワーステホフさんが貧困世帯の学力を底上げする施策は進んでいないとして以下のように語る。「困難校の支援には地道に取り組む必要があり、成果が見えにくい。一部のエリート校をつくって生徒の華々しい活躍を見せる方が有権者にアピールする。」
(ハンマー)