○12月13日午後9時半ごろ、米海兵隊普天間基地所属の垂直離着陸機オスプレイ（ＭＶ２２）が沖縄県東方沖に墜落した。
墜落現場は、名護市安部の海岸から数10m.の岩礁の浅瀬で、住民が住んでいる集落から300メートルしか離れていない地点である。一歩間違えれば住民をまきこむ大惨事に陥ることになった重大事故である。
固定翼モードで空中で事故を起こし、着陸可能なヘリモードに転換することなく、そのまま墜落した。
この事故とは全く別に、同日オスプレイが胴体着陸をした。
オスプレイの危険性、開発・実験段階からの事故の多発、固定翼モードとヘリモードを併せ持った機体の特徴による根本的欠陥が指摘されて、「いつか事故が起こる」と懸念されていたが、恐れていたことがついに起こった。
※オスプレイ墜落：機体折れ、無残 衝撃の大きさ物語る
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/75630
※オスプレイ、沖縄近海に不時着 機体は大破…２人負傷か
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/75593
※オスプレイ墜落 名護東沿岸、夜間訓練中 乗員５人、２人けが
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-411412.html
※やっぱり落ちた オスプレイ墜落 住民恐怖、欠陥機懸念現実に
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-411414.html
(地図は琉球新報より)
○事故の詳細はまだ明らかになっていないが、以下のことが報じられている。
・事故機体は、まっぷたつに破壊され、原型をとどめていない。破片が周囲に飛び散っている。水面に激しく衝突した可能性がある。パイロットに制御された不時着水ではなく、紛れもなく墜落だ。
・オスプレイがKC130空中給油機から給油のため伸びたホースがプロペラと接触し、バランスを崩したという。
給油は固定翼モードで行ているが、ジェット噴射の戦闘機ではなく、ヘリコプターにもなる大きなプロペラが回転しているため、接触しやすい。その意味で、新たに発見された本質的欠陥の一つとオスプレイの元主任分析官のレックス・リボロ氏は語る。
（図は琉球新報より）
・そもそもオスプレイと空中給油機との夜間の給油訓練自体がきわめて危険だ。
※「制御できずに墜落」 新たな構造欠陥指摘 オスプレイの元主任分析官のリボロ氏
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-412222.html
※オスプレイ不時着で大破・・・別の1機も“胴体着陸”(16/12/14)
https://www.youtube.com/watch?v=bTkq6oMa278
○事故後、すぐさま米軍による規制線が敷かれ、メディアが排除された。警察や海上保安庁の捜査、稲嶺市長をはじめ行政の長さえ排除された。それどころか米軍の規制線と破片や部品回収現場を日本の機動隊が防御するという全くの異常事態だ。任意聴取の要請さえ米軍は無視している。名護市長、宜野湾市長は厳しく抗議した。
※オスプレイ事故 任意聴取の要請に米軍側から回答なし
https://www.youtube.com/watch?v=rTxb20JKBso
※オスプレイ事故「法治国家ではない」翁長氏
http://www.news24.jp/articles/2016/12/14/07349020.html
○在沖縄米軍のニコルソン四軍調整官（在沖縄米軍の最高責任者）は「不時着したパイロットに感謝する」「彼の行動は沖縄を守った」等と記者会見でとんでもない発言を行った。
単に無神経な発言というだけではない。「米軍を悪者にする」記者や沖縄県民に対して逆ギレし、“住民の命を救ってやったのに非難するとは何事か”とばかりに怒りを露わにしたというのである。まるで強盗が命だけは助けてやったことを感謝しろと要求しているようだ。侵略者、植民地支配の意識そのものである。広大な土地を奪い、基地を建設し、住民の命と健康を無視して違法な訓練を行い、事故や事件を起こし続ける米軍が、“今回は死者がいなかったから感謝しろ”とはどういうことか。
※沖縄「植民地意識丸出しだ」 オスプレイ抗議に米軍激怒（朝日新聞）
http://www.asahi.com/articles/ASJDG5G9XJDGUTFK016.html
※20161214 オスプレイ名護沖不時着事故原因説明会見
https://www.youtube.com/watch?v=l7bnl5MhyCk
※オスプレイ不時着 米軍の発言に地元では反発(16/12/15)
https://www.youtube.com/watch?v=J7Agq9nH3o4
○2012年のオスプレイ強行配備後、ついに日本で、沖縄で、オスプレイの墜落事故が起こってしまった。夜間訓練の制限や住宅地上空での転換モードの禁止など日米間の運用協定があるが全く守られていない。
空飛ぶ棺桶などと言われるオスプレイの重大事故でこれまで３９人が死亡している。米海軍安全センターは今回の事故を4段階で最大のＡとした。
※オスプレイ事故は「最重大級」 米機関が評価、沖縄名護海岸の墜落
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-412551.html
※オスプレイ事故、４段階で最大の「Ａ級」 米海軍
http://www.asahi.com/articles/ASJDJ3F4DJDJUHBI00L.html
※RBC THE NEWS「オスプレイ事故で安部と高江の反応は」2016/12/15
https://www.youtube.com/watch?v=Ucml6jICAmA
○安倍首相は「重大事故は大変遺憾」と言うのみ、菅官房長官は「北部訓練場返還式典には今回の事故の影響はない」と言い切った。政府は、沖縄県東村にオスプレイ・パッド6か所を建設し、米軍に引き渡す式典を12月22日に沖縄県名護市で行う方針を変えていない。これは許されない。
※RBC THE NEWS「オスプレイ事故 県内で抗議広がる」2016/12/14
https://www.youtube.com/watch?v=ENtq3IY9T18
※オスプレイ事故 家の上に落ちていたら
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016121502000143.html
［リブインピースの過去のオスプレイ関係の記事］
※オスプレイ固有の根本的な危険性
http://blog.goo.ne.jp/liveinpeace_925/e/fea51406ce493d311713af2228bd9a94?fm=entry_awp
※米国防分析研究所の元主任分析官が告発したV-22オスプレイの本質的欠陥
http://www.liveinpeace925.com/us_base/osprey_is_unsafe.htm
（ハンマー）
