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日米合同軍事演習「キーン・ソード」の危険(1)「有事という本番のリハーサル」!?

2010-12-11 | 日々のニュース
 12月3日から10日まで日米合同統合軍事演習「キーンソード(鋭い剣)」が行われた。日本側からは、自衛隊員約3万4000人、艦艇約40隻、航空機約250機が参加し、米国からは、米兵約1万人、艦艇約20隻、航空機約150機が参加した過去最大規模の演習だった。その規模は、先に行われた米韓合同軍事演習の実に6倍に上る。
 この演習は異例ずくめの演習であった。なによりも、6日から12日まで、韓国軍による砲撃訓練が朝鮮半島の周囲29カ所で強行されている中での演習であり、事実上連動したことである。砲撃演習はNLL(北方限界線)付近を含む海域での、洋上目標に向けた対艦砲射撃とミサイル演習である。11/28~12/1に黄海で実施された米韓合同軍事演習がNLLの南160キロメートル以上離れた海域で行われたのに対して、砲撃演習は延坪島に近い大青島付近の海域も含んだ、きわめて挑発的な演習であった(直前の判断で大青島での演習は回避された)。

 日米共同軍事演習の内容は大別して①弾道ミサイル対処訓練、②島しょ「防衛」訓練であったが、特にこの弾道ミサイル訓練は直接の連動を示していたと言うべきである。朝鮮半島の西側の黄海、NLL付近で北朝鮮にむけて韓国が砲撃訓練を行いながら、日本海海域全体で弾道ミサイル防衛訓練をするというのは、まさしく北朝鮮の反撃を封じ込めながら北朝鮮に攻撃を加えるという、きわめて実戦的な日米韓侵略演習が行われているということになる。
石川県の小松基地では、自衛隊のF15戦闘機や米軍のF16戦闘機が北朝鮮を想定した艦船に対する攻撃訓練や空中での戦闘訓練を行った。舞鶴基地では、日本に向けて弾道ミサイルが発射されたとの想定のもと、イージス艦搭載の迎撃ミサイルをつかった本番さながらの演習を行った。
 さらに今回の軍事演習にはB52戦略爆撃機を参加させている。米側は青森県三沢基地のF16戦闘機など航空機約180機を参加させて、大規模な攻撃訓練を行った。
※日米・韓国が「並行」軍事演習、北朝鮮けん制前面に(日本経済新聞)‎
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9381959FE2E4E2E28A8DE2E4E3E0E0E2E3E29C9CE2E2E2E2
※弾道ミサイル対処訓練の日米イージス艦、舞鶴に(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20101206-OYT1T00445.htm
※日米演習に戦略爆撃機投入=北の脅威抑止、中国けん制-米太平洋軍(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201012/2010120200802

金寛鎮韓国次期国防相は3日、北朝鮮による追加挑発が起きた場合、航空機による爆撃を行う考えを表明していた。
 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が、挑発に乗って反撃が加えた場合、軍事衝突から戦争にまで一気に発展しかねない、そのような危険な状況下で演習が強行されたのである。
 韓国軍による砲撃訓練が始まった6日の報道ステーションではこの軍事演習について司会者が「有事という本番のリハーサル」!!と表現し、コメンテーターは「戦争が本当に近いところにあると意識しなけりゃダメ」と表現した。しかしこの危機表現とは裏腹に、大手メディアは圧倒的軍事力をもった米日韓の軍事演習と挑発行為こそが戦争の危機の根源であることを問題にしない。「有事のリハーサルをやめろ」と言うかわりに、「有事に備えろ」というのだろうか。結局はこの異常な大規模軍事演習を肯定的に報じ、民族感情・差別的感情を煽っているに過ぎない。

砲撃演習場所(黄色)と日米の対北朝鮮攻撃演習場所(赤)[報道ステーションより]



(ハンマー)

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