LiveInPeace☆9+25

「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

オスプレイ墜落事故(その二)--エンジン停止事故に対応できない固有の危険性

2017-02-25 | 沖縄

 12月13日のオスプレイ墜落事故は、最悪のクラスAとなった。
  事故原因は、夜間の空中給油訓練中に、給油ホースのロックが外れ、プロップローター(回転翼)が千切れたホースに接触・損傷したとされている。不安定なオスプレイで、給油母機の主翼の後流に煽られながら、視界の狭い暗視ゴーグルを付けて夜間に給油をするという危険な訓練で、起こるべくして起こった大事故だ。にもかかわらず米海兵隊は、事故のわずか6日後の19日に、県民の抗議を無視し、現場にオスプレイの機体が残り、事故の詳細も隠したまま訓練を再開した。
 (その一)では、レックス・リボロ氏の言説をもとに、給油口とプロペラとの位置関係で、オスプレイ固有の危険性を問題にしたが、もう少し掘り下げてみたい。
   http://blog.goo.ne.jp/liveinpeace_925/e/8aca040b85135aa99958ce99fe4ef206

  今回の墜落事故は、通常の飛行機やヘリコプタでは起こりえない。双発の固定翼機では、破損したプロペラのエンジンを停止し、そのまま飛行して着陸場所を探す。片発飛行はありふれた訓練項目の一つだ。また一般的な軍用輸送ヘリは、ローターが機銃弾にも耐える強度があるので、給油ホースの衝撃程度では墜落しない。最悪でもオートローテーション(ローターが動かなくなった時に滑空するように降下)により安全に降りられる。しかし、軽量化最優先で脆弱なオスプレイのプロップローターは、ホースの衝撃でも深刻な事態になる。その状態ではヘリモードに出来ない。強行すれば揚力の不均衡で横転する。そもそもオートローテーション能力の欠如したオスプレイで、ヘリモードに変更する意味はない。
  しかし飛行機モードでも、オスプレイの異常な高翼面荷重のため、一つのプロップローターでは飛行を継続できない。結局失速ギリギリの高速で降下するしかなかった。大直径のプロップローターが海面に触れて翼は折れ、機体も海面に激突して四散した。たまたま海面上だったので火災は免れた。
オスプレイは高い失速速度のため、少しのエンジントラブルでも飛行ができなくなる。イラクでは、飛行機モードで巡航中の米海兵隊162戦隊のオスプレイが、エンジン出力の17%低下で緊急着陸を余儀なくされた。オスプレイは常にギリギリの状態で飛行している。

(ハンマー)


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