ベネズエラ・ラテンアメリカ短報No.61
( 2022年9月1日)
(ブラジル要点)
・ 10月2日の選挙(大統領選、州知事選、議会選)へ向けて選挙運動が始まり、討論会も開かれた。ボルソナロの女性差別とパンデミックへの無神経さが中心テーマに。 / 最新調査でのルラへの支持率は52%で、第1ラウンドで勝利する可能性があると報じられている。この間、ボルソナロのファッショ化と軍事独裁政権化を阻止するために反ファッショ統一戦線が形成されてきた。そのことの結果であると思われる。
・ ボルソナロは、電子投票システムと選挙プロセスの公正さに疑問があると、根拠なく主張。トランプのやり方を真似たクーデターを画策している。それに対する批判が急速に広まっている。 / サンパウロ大学法学部が作成した「民主的な法の支配を擁護するブラジル人への手紙」が100万人以上の署名を集め、全国各地で集会が開かれ朗読されている【最後にその全文翻訳】。
・ 植民地時代から支配され抑圧されてきた黒人女性の解放運動が、ここ10年にわたって高まってきている。それが反ボルソナロ運動をいっそう強めている。
・ ブラジルの「土地なし労働者運動(MST)」の活動家の旅団がベネズエラを拠点に活動している。 / この「連帯旅団」は、2005年からベネズエラに滞在してコミューン運動とカンペシーノ運動を支援し、またその中で逆に学んでもいるという。
・ 農業大国ブラジルは肥料の大半を輸入で賄っているが、ボルソナロは、ロシアによるウクライナ侵攻で肥料の調達が困難になるとして、アマゾンなどの熱帯雨林に広がる先住民保護区での資源開発を可能にする法整備を進めようとしている。「ウクライナ危機は絶好の機会だ」と述べた。 / 先住民からは「乱開発に道を開く」と反発が強まっている。
―― ―― ―― ―― ――
(ブラジル)
Peoples Dispatch August 30, 2022 by Brasil de Fato
Highlights of the first Brazilian presidential debate of 2022
(ブラジル: 第1回大統領選討論会のハイライト)
ボルソナロの女性差別とパンデミックへの無神経さが討論の中心テーマとなった。 / 8月28日、TV Bandeirantesでブラジル大統領候補の2022年選挙の最初の討論会が開催された。参加者やSNSで最も反響を呼んだのは、現在進行中のパンデミック、環境、そして女性に関する話題だった。
teleSUR Published 29 August 2022
Brazil: Bolsonaro's Aggressions Cloud First Presidential Debate
(ブラジル: ボルソナロの攻撃性が第1回大統領選の討論会を曇らせる)
日曜日(8/28)の夜、6人のブラジル大統領候補が2時間以上に及ぶテレビ討論会に参加した。しかし、市民の関心は、10月の選挙で勝つ可能性が最も高い候補者、労働者党のルラ・ダ・シルバ党首と、2期目の任期を目指す極右のジャイル・ボルソナロ大統領に向けられた。 / 「この討論会でボルソナロは、ペトロブラスと自分の政権の『成果』について嘘をつき、ルラ・ダ・シルバ元大統領に打ち勝つ方法としてジャーナリストと反対派を攻撃した」と、Rede Brasil Atualはまとめた。
teleSUR Published 25 August 2022
Lula Sweeps Bolsonaro 61 to 20 in Bahia’s Voting Intention
(ブラジル: ルラがバイア州の投票意向でボルソナロを61対20で制圧)
バイア州はブラジル北東部で最大の投票所を持っている。また、約1130万人の有権者が登録されており、国内では4番目に大きな投票所である。
teleSUR Published 21 August 2022
Lula Against Bolsonaro’s Unification of Religion and State
(ブラジル: ルラ、ボルソナロの宗教と国家の一体化に反対)
大統領候補ルラ・ダ・シルバは、信仰を政治的基盤として利用する政治家を批判した。彼の立場は、ライバルのジャイル・ボルソナロが有権者を惹きつけるためにそのような実践をおこなっている時に表明された。
teleSUR Published 20 August 2022
Bolsonaro to Face Justice for COVID-related False News
(ブラジル: ボルソナロ、COVID関連の虚偽報道で裁判へ)
ボルソナロ大統領は、パンデミック時のマスクの予防的使用を思いとどまらせ、COVID-19に対するワクチン接種が人々をエイズに感染する危険にさらすと悪意を持って宣伝したとして、警察から告訴されている。
teleSUR Published 19 August 2022
Over 100,000 Brazilians Acclaim Lula da Silva in Belo Horizonte
(ブラジル: 10万人以上のブラジル人がルラ・ダ・シルバを賞賛)
木曜日(8/18)の夜、労働者党(PT)の大統領候補者ルラ・ダ・シルバは、ミナ・ジェライス州ベロ・オリゾンテ市の駅前広場で初の集会を開き、10万人以上がブラジルに希望を取り戻したことに喝采を送った。 / 「これは普通の選挙ではない。民主主義とファシズムの争いである」とルラは述べた。
teleSUR Published 16 August 2022
The Presidential Campaign Kicks Off in Brazil
(ブラジル: 大統領選挙キャンペーンがスタート)
https://www.telesurenglish.net/news/The-Presidential-Campaign-Kicks-Off-in-Brazil-20220816-0006.html
IPECの調査によると、ルラ・ダ・シルバは市民の52%の支持を得ており、この数字は左派指導者が第一ラウンドで勝利することを可能にするものである。 / 10月2日の選挙に向けた政治キャンペーンを正式に開始。大統領、副大統領、州知事、下院議員513名、上院議員27名が選出される。
ブラジル日報 8月16日
《記者コラム》「ブラジル人への手紙」の意義=軍政時代の痛みと逆戻りへの恐怖
わずか2週間で100万人の署名を集めた手紙 ボルソナロ大統領が既存の投票制度や電子投票機を繰り返し攻撃していることに反発し、サンパウロ総合大学法学部の有志が企画したこの公開書簡「民主的な法の支配を擁護するブラジル人への手紙」は、当初、3千人の賛同署名から始まった。 / それが7月26日にサイトで一般公開されるや弾みがついたように広がり、手紙の朗読が約束された8月11日に100万人を超えた。11日当日、全国法学生連盟のロドリゴ・シケイラ・ジュニオール元会長の調べでは、この手紙は26州と連邦直轄区の少なくとも77の大学法学部で読まれた。 / ブラジルメディアは「歴史に残る日」として大々的に報道した。
【この後、元になった70年代の詳しい叙述あり。】
teleSUR Published 15 August 2022
The Amazon to Become a Desert if Bolsonaro Wins, Guajajara Says
(ボルソナロが勝てばアマゾンは砂漠になる、と先住民リーダー)
世界で最も影響力のある100人の人物の1人である先住民のリーダー、ソニア・グアジャハラは、ジャイル・ボルソナロ大統領とブラジル右派が進める環境破壊のプロジェクトに終止符を打つため、議会に議席を求めると述べた。
【「ブエノス・アミーゴス」(2022.08.19 Friday)に全訳あり】
Peoples Dispatch August 15, 2022 by Brasil de Fato
Lula up four points in a week, poll suggests possible 1st round victory
(ルラ候補が1週間で4ポイント上昇、世論調査が第1ラウンド勝利の可能性示唆)
労働党候補ルラが有権者の支持を獲得。最近の世論調査で支持を伸ばしていたボルソナロへの流れが逆転。
Common Dreams August 11, 2022 BRETT WILKINS
'Dictatorship Never Again' : Massive Pro-Democracy Protests Sweep Brajil
(「独裁は二度とごめんだ」:民主化を求める大規模な抗議デモがブラジルを席巻)
ブラジル大統領選の第1回投票(10/2)まで2カ月を切った木曜日(8/11)、民主主義と教育を守り、極右のジャイル・ボルソナロ大統領のクーデターに反対する抗議行動がブラジル中の諸都市で行われた。 / デモは、26州のうち少なくとも23州の州都と首都ブラジリアで行われた。デモの多くは、「民主主義と法の支配を擁護するブラジル人への手紙」を含む2つの民主化推進マニフェストの朗読を取り上げた。約100万人が署名したこの書簡は、ボルソナロが軍隊に所属していたときに称賛した米国支援の軍事独裁政権(21年間)を崩壊させた1977年の同様の文書に触発されたものであった。 ・・・
Peoples Dispatch August 11, 2022 by Brasil de Fato
Over 900,000 Brazilians sign letter in defense of democracy
(90万人以上のブラジル人が民主主義を擁護する書簡に署名)
民主主義を守る全国的な動員の一環として、8月11日に数十の都市で手紙が読まれる。 / 多様な人々の運動、労働組合、市民社会団体の連合である「アウト・ボルソナロ」キャンペーンが主催した行動は、国内のほぼすべての首都を含む少なくとも49都市で行われると推定されている。 / 925,000人以上の署名がある書簡の正式な発表会は、午前10時にサンパウロ市ラルゴ・サン・フランシスコのサンパウロ大学法学部で行われた。 / 「民主的な法の支配を擁護するブラジル人への手紙」は、サンパウロ大学法学部の元学生たちによって作成され、1977年にゴフレド・ダ・シルバ・テレス・ジュニア教授が率いた運動が軍事政権の違法性を非難した「ブラジル人への手紙」の45周年に言及するものである。 【以下、手紙の全文あり】
teleSUR Published 11 August 2022
Millions of Brazilians Listen to Letter in Defense of Democracy
(数百万人ものブラジル人が民主主義擁護の書簡に耳を傾ける)
木曜日(8/11)、サンパウロ大学法学部が作成してこれまでに90万人以上のブラジル人が署名した「民主的な法の支配を守るブラジル人女性・男性への手紙」の朗読に、法学者、知識人、芸術家、労働者、ビジネスマンが参加した。 / 本憲章の全文は以下のとおり。
民主的な法の支配を擁護するブラジル人への手紙
1977年8月、ブラジルにおける法学校創立150周年記念の祝典のさなか、私たち皆の師ゴフレード・ダ・シルバ・テレス・ジュニア教授は、大学自治領ラルゴ・デ・サンフランシスコで、当時の軍事政権の違法性と、私たちが暮らしていた「例外状態」(estado de exceção:市民の権利が大きく制限された非常事態の一種)を非難する「ブラジル人への手紙」を読み上げた。また、法の支配の再確立と憲法による国民議会の招集を要求した。 ・・・
【全文翻訳は最後に】
teleSUR Published 1 August 2022
Brazil: Black Women’s March Meets Objectives of VIII Edition
(ブラジル: 第8回黒人女性行進の目的を達成)
7月31日(日)、リオデジャネイロで、「生命・生活、権利、尊厳、正義と反人種主義社会のために“より多くの黒人女性が権力を持つように!”」をテーマに、「第8回 黒人女性マーチ」が開催された。 / 第8回目となる今回の運動では、政治的、立法的、社会的な包摂、フェミサイドの廃止、性差別の廃止などの要望を新たに掲げた。また、1992年にドミニカ共和国で行われた黒人女性の最初の会合から30周年を記念している。
Peoples Dispatch July 25, 2022 by Capire
When a Quilombola woman falls, the Quilombo rises with her
(ブラジル: Quilombolaの女性が倒れるとき、Quilomboは彼女とともに立ち上がる)
「キロンボラ」は、もともと植民地時代のブラジルで奴隷にされた黒人の抵抗と避難の場として設立されたコミュニティである「キロンボ」の住民である。 / 2011年、ブラジルのリオデジャネイロで開催された「黒人農村キロンボラ共同体全国共同調整(Coordenação Nacional de Articulação das Comunidades Negras Rurais Quilombolas-CONAQ)」の第4回全国会議では、2014年にブラジリアで行われた「第1回キロンボラ女性全国会議」の開催が決定された。 / その最初のイベント以来、この集団は運動の中で「キロンボラ」の女性に関連する政治的な審議や意思決定プロセスに積極的に取り組んでいる。2015年、キロンボラの女性運動は、2015年11月18日に行われた「黒人女性行進」の実行調整委員会に参加し、同盟関係を強化した。2016年から2018年にかけて、人種差別や暴力に反対し、良い暮らしをするための「キロンボラ」の女性たちによる6つの全国ワークショップが行われ、1,000人以上の女性が直接ワークショップに参加した。それ以来、CONAQの女性集団は、各地の黒人女性の集会や活動と連携し、強化してきた。 / 「キロンボ」女性たちは、ブラジル全土で「キロンボ」が直面する暴力に対して激しい議論を確立する任務を担い、彼女たち特有の問題や、この暴力をより頻繁に、より明白にしている現状を扱ってきた。 ・・・【長文。以下略】
Peoples Dispatch June 21, 2022 by Tanupriya Singh
500,000 people at risk of eviction in Brazil as Supreme Court moratorium nears end
(ブラジル: 最高裁のモラトリアム終了間近、50万人が立ち退きの危機にさらされる)
「立ち退きゼロキャンペーン」は、連邦最高裁判所(STF)が出した立ち退き禁止命令が6月30日に失効することが許されれば、142,000世帯が家を失うかもしれないと警告している。 / ブラジルでは、連邦政府のモラトリアムが6月30日に期限切れを迎えるため、50万人が今後2週間以内に家を失うという差し迫った危機にさらされている。 ・・・ / 7月1日に立ち退きが許可された場合、ブラジルの住居不定者の数は100万人に達する可能性がある。
Venezuelanalysis May 29th 2022 By Cira Pascual Marquina – Venezuelanalysis
Solidarity: A Conversation with Messilene Gorete
(ベネズエラとブラジルの連帯: Messilene Goreteとの対話)
ブラジルの「土地なし労働者運動(MST)」の活動家が、ベネズエラでの「連帯旅団」の活動と国際主義について語る。 / ブラジルの「土地なし労働者運動」[ポルトガル語の頭文字をとってMST]は、急進的な土地改革を求めて闘う強力なカンペシーノ組織である。この組織には長い国際主義の伝統があり、世界中のカンペシーノ運動に同行するために「連帯旅団(solidarity brigades)」を派遣している。ベネズエラでは、MSTの旅団がベネズエラのコミューン運動とカンペシーノ運動を支援する上で重要な役割を担っている。ここでは、ベネズエラを拠点に活動するMSTのリーダーMessilene Goreteに、ベネズエラでの活動について話を聞いた。
【この「連帯旅団」は2005年からベネズエラに滞在してコミューン運動とカンペシーノ運動を支援し、またその中で逆に学んでもいるという。】
毎日新聞 4月3日
アマゾン開発「脱露」口実 / ブラジル大統領、肥料増産意欲 / 先住民が反発
南米ブラジルのボルソナロ大統領が、ロシアによるウクライナ侵攻で肥料の調達が困難になるとし、アマゾンなどの熱帯雨林に広がる先住民保護区での資源開発を可能にする法整備を進めようとしている。肥料の主要成分であるカリウムの採取が狙い。先住民からは「乱開発に道を開く」と反発が強まっている。 / 「ウクライナ危機は絶好の機会だ」。ボルソナロ氏は3月上旬、地元ラジオ局でのインタビューで、国土の13%以上を占める先住民保護区での資源開発に強い意欲を示した。 / 農業大国ブラジルは、肥料の大半を輸入で賄っている。全国肥料普及協会の統計によると、2021年は85%を海外から輸入した。経済省の貿易統計によると、特に世界最大の輸出国ロシアへの依存度は高く、国別では23%と最も多かった。ウクライナ危機を受けて、肥料価格は上昇中で、世界的に供給不足への懸念が高まっている。 ・・・
―― ―― ―― ―― ――
民主的な法の支配を擁護するブラジル人への手紙
1977年8月、ブラジルにおける法学校創立150周年記念の祝典のさなか、私たち皆の師ゴフレード・ダ・シルバ・テレス・ジュニア教授は、大学自治領ラルゴ・デ・サンフランシスコで、当時の軍事政権の違法性と、私たちが暮らしていた「例外状態」(estado de exceção:市民の権利が大きく制限された非常事態の一種)を非難する「ブラジル人への手紙」を読み上げた。また、法の支配の再確立と憲法による国民議会の招集を要求した。
植えられた種は実を結んだ。ブラジルは軍事独裁政権を乗り越えた。国民議会は、基本的人権の尊重とともに民主的な法の支配を再確立し、私たちの制度の正統性を取り戻した。
私たちは、共和国、行政・立法・司法の権力を持ち、すべてが独立し自律して、要(かなめ)である連邦憲法を尊重し遵守することを約束している。
34周年を迎えようとしている1988年の連邦憲法のもとで、自由で定期的な選挙を経て、国のプロジェクトに関する政治的議論が常に民主的に行われ、最終的な決定は国民主権にゆだねられてきた。
ゴフレード教授の教えは、我が国の憲法に具現化されている。「一切の権力は、国民から起り、この憲法で定めるところにより、選挙で選ばれた代表者を通じて、または直接に、これを行使する」と。
電子集計を導入した我が国の選挙は、世界の模範となるものである。私たちは、投票結果を尊重し、共和制の政権移行に関して何度も政権交代を経験している。電子投票は、選挙司法制度と同様に、安全性と信頼性が証明されている。
私たちの民主主義は成長し、成熟してきたが、まだ多くの課題が残っている。私たちは、深刻な社会的不平等のある国に住んでおり、保健、教育、住宅、治安といった必要不可欠な公共サービスが欠如している。持続可能な形で経済的潜在力を開発し発展させるには、まだまだ長い道のりがある。国は多くの課題を抱えており、非効率的である。人種、性別、性的指向を尊重し、条件を平等にするという要求が完全に満たされるにはまだほど遠い。
このような困難な状況の中で、まもなく、州および連邦の立法府と行政府における任期交代のための選挙戦が始まる。この瞬間(とき)、私たちは民主主義の頂点に立つべきである。今後数年間の国の方向性について、最良の提案を有権者に納得させることを目的とした、さまざまな政治プロジェクトの論争が行われる。
そんな市民の祭典(選挙のこと)の代わりに、民主主義の正常性に対する計り知れない危険、共和国の制度に対するリスク、選挙結果に対する侮蔑と無礼なほのめかしが行われる瞬間(とき)が訪れている。
証拠も根拠もない選挙制度への攻撃は、選挙プロセスの公正さと、ブラジル社会が懸命に勝ち取った民主的な法の支配に疑問を投げかけている。他の権力や市民社会部門に対する脅迫、暴力の煽動、憲法秩序の破壊の煽動、それらは耐え難いことである。
私たちは最近、米国の世俗的な民主主義を危険にさらす権威主義の行き過ぎた暴挙を目撃した。そこでは、民主主義と選挙の公正さに対する人々の信頼を揺るがそうとする試みは成功しなかった。それはここブラジルでも成功しないだろう。
私たちの市民的良心は、民主主義の反対者たちが想像しているよりもずっと大きい。私たちは、民主主義の秩序を守るという、より大きな目的のために、小さな相違を脇に置く方法を知っている。 / 1977年の「ブラジル人への手紙」を支えた市民精神に彩られ、あの時と同じ大学自治領ラルゴ・デ・サンフランシスコに集まった私たちは、それぞれの選挙の好みや政党の好みに関わらず、ブラジル人に対し、民主主義の擁護と選挙結果の尊重のために警戒を続けるよう呼びかける。
現在のブラジルでは、権威主義的後退はもう許されない。独裁と拷問は過去のものだ。ブラジル社会が直面する巨大な課題の解決には、必然的に選挙結果の尊重が必要となる。
秩序破壊の試みに対する市民の警戒において、私たちは声を揃えて叫ぶ: 民主的な法の支配を常に!!!!
( 2022年9月1日)
(ブラジル要点)
・ 10月2日の選挙(大統領選、州知事選、議会選)へ向けて選挙運動が始まり、討論会も開かれた。ボルソナロの女性差別とパンデミックへの無神経さが中心テーマに。 / 最新調査でのルラへの支持率は52%で、第1ラウンドで勝利する可能性があると報じられている。この間、ボルソナロのファッショ化と軍事独裁政権化を阻止するために反ファッショ統一戦線が形成されてきた。そのことの結果であると思われる。
・ ボルソナロは、電子投票システムと選挙プロセスの公正さに疑問があると、根拠なく主張。トランプのやり方を真似たクーデターを画策している。それに対する批判が急速に広まっている。 / サンパウロ大学法学部が作成した「民主的な法の支配を擁護するブラジル人への手紙」が100万人以上の署名を集め、全国各地で集会が開かれ朗読されている【最後にその全文翻訳】。
・ 植民地時代から支配され抑圧されてきた黒人女性の解放運動が、ここ10年にわたって高まってきている。それが反ボルソナロ運動をいっそう強めている。
・ ブラジルの「土地なし労働者運動(MST)」の活動家の旅団がベネズエラを拠点に活動している。 / この「連帯旅団」は、2005年からベネズエラに滞在してコミューン運動とカンペシーノ運動を支援し、またその中で逆に学んでもいるという。
・ 農業大国ブラジルは肥料の大半を輸入で賄っているが、ボルソナロは、ロシアによるウクライナ侵攻で肥料の調達が困難になるとして、アマゾンなどの熱帯雨林に広がる先住民保護区での資源開発を可能にする法整備を進めようとしている。「ウクライナ危機は絶好の機会だ」と述べた。 / 先住民からは「乱開発に道を開く」と反発が強まっている。
―― ―― ―― ―― ――
(ブラジル)
Peoples Dispatch August 30, 2022 by Brasil de Fato
Highlights of the first Brazilian presidential debate of 2022
(ブラジル: 第1回大統領選討論会のハイライト)
ボルソナロの女性差別とパンデミックへの無神経さが討論の中心テーマとなった。 / 8月28日、TV Bandeirantesでブラジル大統領候補の2022年選挙の最初の討論会が開催された。参加者やSNSで最も反響を呼んだのは、現在進行中のパンデミック、環境、そして女性に関する話題だった。
teleSUR Published 29 August 2022
Brazil: Bolsonaro's Aggressions Cloud First Presidential Debate
(ブラジル: ボルソナロの攻撃性が第1回大統領選の討論会を曇らせる)
日曜日(8/28)の夜、6人のブラジル大統領候補が2時間以上に及ぶテレビ討論会に参加した。しかし、市民の関心は、10月の選挙で勝つ可能性が最も高い候補者、労働者党のルラ・ダ・シルバ党首と、2期目の任期を目指す極右のジャイル・ボルソナロ大統領に向けられた。 / 「この討論会でボルソナロは、ペトロブラスと自分の政権の『成果』について嘘をつき、ルラ・ダ・シルバ元大統領に打ち勝つ方法としてジャーナリストと反対派を攻撃した」と、Rede Brasil Atualはまとめた。
teleSUR Published 25 August 2022
Lula Sweeps Bolsonaro 61 to 20 in Bahia’s Voting Intention
(ブラジル: ルラがバイア州の投票意向でボルソナロを61対20で制圧)
バイア州はブラジル北東部で最大の投票所を持っている。また、約1130万人の有権者が登録されており、国内では4番目に大きな投票所である。
teleSUR Published 21 August 2022
Lula Against Bolsonaro’s Unification of Religion and State
(ブラジル: ルラ、ボルソナロの宗教と国家の一体化に反対)
大統領候補ルラ・ダ・シルバは、信仰を政治的基盤として利用する政治家を批判した。彼の立場は、ライバルのジャイル・ボルソナロが有権者を惹きつけるためにそのような実践をおこなっている時に表明された。
teleSUR Published 20 August 2022
Bolsonaro to Face Justice for COVID-related False News
(ブラジル: ボルソナロ、COVID関連の虚偽報道で裁判へ)
ボルソナロ大統領は、パンデミック時のマスクの予防的使用を思いとどまらせ、COVID-19に対するワクチン接種が人々をエイズに感染する危険にさらすと悪意を持って宣伝したとして、警察から告訴されている。
teleSUR Published 19 August 2022
Over 100,000 Brazilians Acclaim Lula da Silva in Belo Horizonte
(ブラジル: 10万人以上のブラジル人がルラ・ダ・シルバを賞賛)
木曜日(8/18)の夜、労働者党(PT)の大統領候補者ルラ・ダ・シルバは、ミナ・ジェライス州ベロ・オリゾンテ市の駅前広場で初の集会を開き、10万人以上がブラジルに希望を取り戻したことに喝采を送った。 / 「これは普通の選挙ではない。民主主義とファシズムの争いである」とルラは述べた。
teleSUR Published 16 August 2022
The Presidential Campaign Kicks Off in Brazil
(ブラジル: 大統領選挙キャンペーンがスタート)
https://www.telesurenglish.net/news/The-Presidential-Campaign-Kicks-Off-in-Brazil-20220816-0006.html
IPECの調査によると、ルラ・ダ・シルバは市民の52%の支持を得ており、この数字は左派指導者が第一ラウンドで勝利することを可能にするものである。 / 10月2日の選挙に向けた政治キャンペーンを正式に開始。大統領、副大統領、州知事、下院議員513名、上院議員27名が選出される。
ブラジル日報 8月16日
《記者コラム》「ブラジル人への手紙」の意義=軍政時代の痛みと逆戻りへの恐怖
わずか2週間で100万人の署名を集めた手紙 ボルソナロ大統領が既存の投票制度や電子投票機を繰り返し攻撃していることに反発し、サンパウロ総合大学法学部の有志が企画したこの公開書簡「民主的な法の支配を擁護するブラジル人への手紙」は、当初、3千人の賛同署名から始まった。 / それが7月26日にサイトで一般公開されるや弾みがついたように広がり、手紙の朗読が約束された8月11日に100万人を超えた。11日当日、全国法学生連盟のロドリゴ・シケイラ・ジュニオール元会長の調べでは、この手紙は26州と連邦直轄区の少なくとも77の大学法学部で読まれた。 / ブラジルメディアは「歴史に残る日」として大々的に報道した。
【この後、元になった70年代の詳しい叙述あり。】
teleSUR Published 15 August 2022
The Amazon to Become a Desert if Bolsonaro Wins, Guajajara Says
(ボルソナロが勝てばアマゾンは砂漠になる、と先住民リーダー)
世界で最も影響力のある100人の人物の1人である先住民のリーダー、ソニア・グアジャハラは、ジャイル・ボルソナロ大統領とブラジル右派が進める環境破壊のプロジェクトに終止符を打つため、議会に議席を求めると述べた。
【「ブエノス・アミーゴス」(2022.08.19 Friday)に全訳あり】
Peoples Dispatch August 15, 2022 by Brasil de Fato
Lula up four points in a week, poll suggests possible 1st round victory
(ルラ候補が1週間で4ポイント上昇、世論調査が第1ラウンド勝利の可能性示唆)
労働党候補ルラが有権者の支持を獲得。最近の世論調査で支持を伸ばしていたボルソナロへの流れが逆転。
Common Dreams August 11, 2022 BRETT WILKINS
'Dictatorship Never Again' : Massive Pro-Democracy Protests Sweep Brajil
(「独裁は二度とごめんだ」:民主化を求める大規模な抗議デモがブラジルを席巻)
ブラジル大統領選の第1回投票(10/2)まで2カ月を切った木曜日(8/11)、民主主義と教育を守り、極右のジャイル・ボルソナロ大統領のクーデターに反対する抗議行動がブラジル中の諸都市で行われた。 / デモは、26州のうち少なくとも23州の州都と首都ブラジリアで行われた。デモの多くは、「民主主義と法の支配を擁護するブラジル人への手紙」を含む2つの民主化推進マニフェストの朗読を取り上げた。約100万人が署名したこの書簡は、ボルソナロが軍隊に所属していたときに称賛した米国支援の軍事独裁政権(21年間)を崩壊させた1977年の同様の文書に触発されたものであった。 ・・・
Peoples Dispatch August 11, 2022 by Brasil de Fato
Over 900,000 Brazilians sign letter in defense of democracy
(90万人以上のブラジル人が民主主義を擁護する書簡に署名)
民主主義を守る全国的な動員の一環として、8月11日に数十の都市で手紙が読まれる。 / 多様な人々の運動、労働組合、市民社会団体の連合である「アウト・ボルソナロ」キャンペーンが主催した行動は、国内のほぼすべての首都を含む少なくとも49都市で行われると推定されている。 / 925,000人以上の署名がある書簡の正式な発表会は、午前10時にサンパウロ市ラルゴ・サン・フランシスコのサンパウロ大学法学部で行われた。 / 「民主的な法の支配を擁護するブラジル人への手紙」は、サンパウロ大学法学部の元学生たちによって作成され、1977年にゴフレド・ダ・シルバ・テレス・ジュニア教授が率いた運動が軍事政権の違法性を非難した「ブラジル人への手紙」の45周年に言及するものである。 【以下、手紙の全文あり】
teleSUR Published 11 August 2022
Millions of Brazilians Listen to Letter in Defense of Democracy
(数百万人ものブラジル人が民主主義擁護の書簡に耳を傾ける)
木曜日(8/11)、サンパウロ大学法学部が作成してこれまでに90万人以上のブラジル人が署名した「民主的な法の支配を守るブラジル人女性・男性への手紙」の朗読に、法学者、知識人、芸術家、労働者、ビジネスマンが参加した。 / 本憲章の全文は以下のとおり。
民主的な法の支配を擁護するブラジル人への手紙
1977年8月、ブラジルにおける法学校創立150周年記念の祝典のさなか、私たち皆の師ゴフレード・ダ・シルバ・テレス・ジュニア教授は、大学自治領ラルゴ・デ・サンフランシスコで、当時の軍事政権の違法性と、私たちが暮らしていた「例外状態」(estado de exceção:市民の権利が大きく制限された非常事態の一種)を非難する「ブラジル人への手紙」を読み上げた。また、法の支配の再確立と憲法による国民議会の招集を要求した。 ・・・
【全文翻訳は最後に】
teleSUR Published 1 August 2022
Brazil: Black Women’s March Meets Objectives of VIII Edition
(ブラジル: 第8回黒人女性行進の目的を達成)
7月31日(日)、リオデジャネイロで、「生命・生活、権利、尊厳、正義と反人種主義社会のために“より多くの黒人女性が権力を持つように!”」をテーマに、「第8回 黒人女性マーチ」が開催された。 / 第8回目となる今回の運動では、政治的、立法的、社会的な包摂、フェミサイドの廃止、性差別の廃止などの要望を新たに掲げた。また、1992年にドミニカ共和国で行われた黒人女性の最初の会合から30周年を記念している。
Peoples Dispatch July 25, 2022 by Capire
When a Quilombola woman falls, the Quilombo rises with her
(ブラジル: Quilombolaの女性が倒れるとき、Quilomboは彼女とともに立ち上がる)
「キロンボラ」は、もともと植民地時代のブラジルで奴隷にされた黒人の抵抗と避難の場として設立されたコミュニティである「キロンボ」の住民である。 / 2011年、ブラジルのリオデジャネイロで開催された「黒人農村キロンボラ共同体全国共同調整(Coordenação Nacional de Articulação das Comunidades Negras Rurais Quilombolas-CONAQ)」の第4回全国会議では、2014年にブラジリアで行われた「第1回キロンボラ女性全国会議」の開催が決定された。 / その最初のイベント以来、この集団は運動の中で「キロンボラ」の女性に関連する政治的な審議や意思決定プロセスに積極的に取り組んでいる。2015年、キロンボラの女性運動は、2015年11月18日に行われた「黒人女性行進」の実行調整委員会に参加し、同盟関係を強化した。2016年から2018年にかけて、人種差別や暴力に反対し、良い暮らしをするための「キロンボラ」の女性たちによる6つの全国ワークショップが行われ、1,000人以上の女性が直接ワークショップに参加した。それ以来、CONAQの女性集団は、各地の黒人女性の集会や活動と連携し、強化してきた。 / 「キロンボ」女性たちは、ブラジル全土で「キロンボ」が直面する暴力に対して激しい議論を確立する任務を担い、彼女たち特有の問題や、この暴力をより頻繁に、より明白にしている現状を扱ってきた。 ・・・【長文。以下略】
Peoples Dispatch June 21, 2022 by Tanupriya Singh
500,000 people at risk of eviction in Brazil as Supreme Court moratorium nears end
(ブラジル: 最高裁のモラトリアム終了間近、50万人が立ち退きの危機にさらされる)
「立ち退きゼロキャンペーン」は、連邦最高裁判所(STF)が出した立ち退き禁止命令が6月30日に失効することが許されれば、142,000世帯が家を失うかもしれないと警告している。 / ブラジルでは、連邦政府のモラトリアムが6月30日に期限切れを迎えるため、50万人が今後2週間以内に家を失うという差し迫った危機にさらされている。 ・・・ / 7月1日に立ち退きが許可された場合、ブラジルの住居不定者の数は100万人に達する可能性がある。
Venezuelanalysis May 29th 2022 By Cira Pascual Marquina – Venezuelanalysis
Solidarity: A Conversation with Messilene Gorete
(ベネズエラとブラジルの連帯: Messilene Goreteとの対話)
ブラジルの「土地なし労働者運動(MST)」の活動家が、ベネズエラでの「連帯旅団」の活動と国際主義について語る。 / ブラジルの「土地なし労働者運動」[ポルトガル語の頭文字をとってMST]は、急進的な土地改革を求めて闘う強力なカンペシーノ組織である。この組織には長い国際主義の伝統があり、世界中のカンペシーノ運動に同行するために「連帯旅団(solidarity brigades)」を派遣している。ベネズエラでは、MSTの旅団がベネズエラのコミューン運動とカンペシーノ運動を支援する上で重要な役割を担っている。ここでは、ベネズエラを拠点に活動するMSTのリーダーMessilene Goreteに、ベネズエラでの活動について話を聞いた。
【この「連帯旅団」は2005年からベネズエラに滞在してコミューン運動とカンペシーノ運動を支援し、またその中で逆に学んでもいるという。】
毎日新聞 4月3日
アマゾン開発「脱露」口実 / ブラジル大統領、肥料増産意欲 / 先住民が反発
南米ブラジルのボルソナロ大統領が、ロシアによるウクライナ侵攻で肥料の調達が困難になるとし、アマゾンなどの熱帯雨林に広がる先住民保護区での資源開発を可能にする法整備を進めようとしている。肥料の主要成分であるカリウムの採取が狙い。先住民からは「乱開発に道を開く」と反発が強まっている。 / 「ウクライナ危機は絶好の機会だ」。ボルソナロ氏は3月上旬、地元ラジオ局でのインタビューで、国土の13%以上を占める先住民保護区での資源開発に強い意欲を示した。 / 農業大国ブラジルは、肥料の大半を輸入で賄っている。全国肥料普及協会の統計によると、2021年は85%を海外から輸入した。経済省の貿易統計によると、特に世界最大の輸出国ロシアへの依存度は高く、国別では23%と最も多かった。ウクライナ危機を受けて、肥料価格は上昇中で、世界的に供給不足への懸念が高まっている。 ・・・
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民主的な法の支配を擁護するブラジル人への手紙
1977年8月、ブラジルにおける法学校創立150周年記念の祝典のさなか、私たち皆の師ゴフレード・ダ・シルバ・テレス・ジュニア教授は、大学自治領ラルゴ・デ・サンフランシスコで、当時の軍事政権の違法性と、私たちが暮らしていた「例外状態」(estado de exceção:市民の権利が大きく制限された非常事態の一種)を非難する「ブラジル人への手紙」を読み上げた。また、法の支配の再確立と憲法による国民議会の招集を要求した。
植えられた種は実を結んだ。ブラジルは軍事独裁政権を乗り越えた。国民議会は、基本的人権の尊重とともに民主的な法の支配を再確立し、私たちの制度の正統性を取り戻した。
私たちは、共和国、行政・立法・司法の権力を持ち、すべてが独立し自律して、要(かなめ)である連邦憲法を尊重し遵守することを約束している。
34周年を迎えようとしている1988年の連邦憲法のもとで、自由で定期的な選挙を経て、国のプロジェクトに関する政治的議論が常に民主的に行われ、最終的な決定は国民主権にゆだねられてきた。
ゴフレード教授の教えは、我が国の憲法に具現化されている。「一切の権力は、国民から起り、この憲法で定めるところにより、選挙で選ばれた代表者を通じて、または直接に、これを行使する」と。
電子集計を導入した我が国の選挙は、世界の模範となるものである。私たちは、投票結果を尊重し、共和制の政権移行に関して何度も政権交代を経験している。電子投票は、選挙司法制度と同様に、安全性と信頼性が証明されている。
私たちの民主主義は成長し、成熟してきたが、まだ多くの課題が残っている。私たちは、深刻な社会的不平等のある国に住んでおり、保健、教育、住宅、治安といった必要不可欠な公共サービスが欠如している。持続可能な形で経済的潜在力を開発し発展させるには、まだまだ長い道のりがある。国は多くの課題を抱えており、非効率的である。人種、性別、性的指向を尊重し、条件を平等にするという要求が完全に満たされるにはまだほど遠い。
このような困難な状況の中で、まもなく、州および連邦の立法府と行政府における任期交代のための選挙戦が始まる。この瞬間(とき)、私たちは民主主義の頂点に立つべきである。今後数年間の国の方向性について、最良の提案を有権者に納得させることを目的とした、さまざまな政治プロジェクトの論争が行われる。
そんな市民の祭典(選挙のこと)の代わりに、民主主義の正常性に対する計り知れない危険、共和国の制度に対するリスク、選挙結果に対する侮蔑と無礼なほのめかしが行われる瞬間(とき)が訪れている。
証拠も根拠もない選挙制度への攻撃は、選挙プロセスの公正さと、ブラジル社会が懸命に勝ち取った民主的な法の支配に疑問を投げかけている。他の権力や市民社会部門に対する脅迫、暴力の煽動、憲法秩序の破壊の煽動、それらは耐え難いことである。
私たちは最近、米国の世俗的な民主主義を危険にさらす権威主義の行き過ぎた暴挙を目撃した。そこでは、民主主義と選挙の公正さに対する人々の信頼を揺るがそうとする試みは成功しなかった。それはここブラジルでも成功しないだろう。
私たちの市民的良心は、民主主義の反対者たちが想像しているよりもずっと大きい。私たちは、民主主義の秩序を守るという、より大きな目的のために、小さな相違を脇に置く方法を知っている。 / 1977年の「ブラジル人への手紙」を支えた市民精神に彩られ、あの時と同じ大学自治領ラルゴ・デ・サンフランシスコに集まった私たちは、それぞれの選挙の好みや政党の好みに関わらず、ブラジル人に対し、民主主義の擁護と選挙結果の尊重のために警戒を続けるよう呼びかける。
現在のブラジルでは、権威主義的後退はもう許されない。独裁と拷問は過去のものだ。ブラジル社会が直面する巨大な課題の解決には、必然的に選挙結果の尊重が必要となる。
秩序破壊の試みに対する市民の警戒において、私たちは声を揃えて叫ぶ: 民主的な法の支配を常に!!!!