ベネズエラ・ラテンアメリカ短報No.115
( 2024年11月7日報告)
(ブラジルがベネズエラのBRICS加盟を拒否 要約)
・ 10月22~24日、ロシアのカザンでBRICSサミットが行なわれ、「カザン宣言」が採択された。 / 加盟を希望している30か国以上と国連事務総長らが招待された。 / 国際的な通貨・金融システムを変革する計画が話し合われ、より公平・公正で民主的な多極的世界秩序が求められ、そのための国連の包括的な改革が提起され、国連の中心的な役割と国際法の順守が強調された。 / イスラエルによるガザとレバノンへの戦争を批判し、パレスチナ国家の国連への正式加盟への支持を再確認した。 / 各国の個別会談も数多く行われ、さまざまな懸案について話し合われ、多くのことが解決され前進した。
・ BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)は、昨年8月に6ヵ国(エジプト、エチオピア、イラン、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、アルゼンチン)の加盟を決定した。【cf. 2023.8.31 報告】 / しかし、アルゼンチンは、11月の大統領選で勝利した極右のミレイが12月10日に就任し、BRICSへの加盟を拒否した。
・ 今回のサミットでは13か国が新たに「パートナー国」(準加盟国)として承認された。アルジェリア、ベラルーシ、ボリビア、キューバ、インドネシア、カザフスタン、マレーシア、ナイジェリア、タイ、トルコ、ウガンダ、ウズベキスタン、ベトナムである。
・ 「パートナー国」にはベネズエラも含まれるはずだった。だが、ブラジルの拒否で排除された。【新規加盟は加盟国すべての賛成によると決められている。】 / ブラジルの拒否権発動については、まずはルーラの右傾化や、左派とはいえ社会民主主義であることの限界が指摘された。それは、特に、ベネズエラ大統領選で米帝とベネズエラの対立を仲介しようとして米国寄りの姿勢をとったことに表れていた。BRICSへのベネズエラ加盟の拒否はその延長としてとらえられた。 / BRICSよりもG20の方を重視する傾向も、さらにブラジル経済のドルへの依存度の高さも指摘されている。
・ だが、驚くべき内容が明らかになった。ルーラは転倒して負傷したことを理由に欠席して外相を派遣。ブラジル外相はベネズエラの加盟を認めると述べていたという。だが、米国務省と結びついているブラジル外務省が、米帝の意向に沿ってルーラ政権を無視して行動したようだ。 / マドゥロによれば、ブラジル外相は「私に面と向かって拒否権を発動しないと告げた」という。しかし、ベネズエラの加盟に関する決定が下されることになったとき、ブラジル代表が外相から極右ボルソロ主義者の外交官に交代し、ベネズエラの加盟を拒否した。 / ブラジル外務省は「ブラジルの権力の中の権力」で、「歴史的に米国務省と密接な関係にある」という。 / マドゥロは、様々な成果の方を強調し、まだコメントを出していないルーラの姿勢については「用心深く待つ」としている。
・ ブラジルの拒否権発動は、ルーラが主導したものではなかったようだが、外務省の勝手な行動を否定することができないところにルーラ政権の弱さと限界が表れている。 / ボルソナロの極右は大きな勢力として存在しており、ルーラ政権は、中道諸党に譲歩して取り込むことで政権を維持しなければならない状況にある。また、権力の一部を掌握しているだけで、反動勢力がまだ権力の多くの部分を保持していることも露呈した。
・ 米国がさまざまに画策してBRICSに分裂を持ち込もうとした。 / ALBA諸国をはじめとして、多くの国や社会組織がブラジルとルーラを非難し、米国を糾弾した。
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(ブラジルがベネズエラのBRICS加盟を拒否)
Orinoco Tribune November 3, 2024
The West Eyes Only Itself
(西側諸国は自分たちのことしか見ていない)
米国大統領の選挙が差し迫っており、多くのリスクを伴うため、国際メディアは、特にグローバル・サウスと新興の多極世界に広く深い影響を与える最近の別のイベント、ロシアのカザンで開催されたBRICSの第16回サミットにほとんど注目していない。しかし、メディアは注目すべきだった。 / BRICSは、第二次世界大戦後に構築された米ドルが支配する金融/銀行システムとは異なるシステムを構築することを目指している。 / 米国はドルを政治的道具に変え、他国を支配し、違法な金融・経済制裁の脅迫と課徴金の下で圧力をかけ、米国の意のままにさせる。ドルとそれを支える金融構造は、こうして新植民地主義の道具と化した。自国の主権を守りたい国々は、現在のドルベースの国際金融システムに代わるものを求めている。まさにその代替案を目標とするBRICSの登場である。 / BRICSはただの普通の団体ではない。世界人口の46%、世界GDPの37%を占める。全体として、その加盟国は地球上で最も急速に成長している経済圏のグループである。今年はロシアが輪番制の議長国を務め、このサミットの主催者はウラジーミル・プーチンだった。そのため、西側諸国はこの団体とその会議を軽蔑し軽視した。 / 「アーンスト・アンド・ヤング・インディア」は、最近の報告書で、BRICS諸国が2026年までに世界の商品輸出シェアでG7諸国を追い抜く可能性があると予測している。報告書によると、BRICS諸国の世界商品輸出シェアの合計は、2000年の10.7%から昨年は23.3%に上昇した。対照的に、G7のシェアは45.1%から28.9%に低下している。「BRICS+」諸国の世界人口、世界GDP、世界貿易のシェアが増加するにつれ、世界経済問題の管理におけるG7の主導権が疑問視される可能性がある。【「アーンスト・アンド・ヤング」は、ロンドンを本拠地とし世界各国で会計、税務、コンサルティングなどのプロフェッショナル・サービス事業を展開するサービス企業であり、Big4の一角を占める。(by Wikipedia)】 / BRICSは、自らを単なる経済団体と見なすことに満足していない。その基本原則のひとつは、相互尊重と相互利益に基づく国家主権の尊重を支持する国際法の保護である。カザンでプーチン大統領は「国際法と国連憲章に基づく、より民主的で包括的かつ多極的な世界秩序」の創設を求めた。西側メディアは、プーチン大統領の発言を「プロパガンダ」と嘲笑する傾向があるが、自国の主権が危険にさらされていると感じている南半球諸国にこれらの言葉が与える影響を無視することは、全体像を見失うことである。 / 134のパラグラフからなる「カザン宣言」は、多極的な世界秩序の発展に向けた大きな一歩であり、多国間主義を通じて国際的な平和と安全を強化するという世界の多数派の意志の再確認となる。 / カザンでは2つの劇的な瞬間があった。1つ目は、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の予想外の登場だった。ベネズエラのデルシー・ロドリゲス副大統領は、すでに強力な外交チームを率いて到着していた。彼女が国を代表するものと思われていた。そのため、マドゥロ大統領の突然の登場は嬉しい驚きとなり、すべての国家元首から敬意と友好的な歓迎を受けた。ロシアは米国の監視を逃れて大統領をそこへ連れて行くためのロジスティックス面で協力した。大統領の飛行機は密かにアフリカのどこかに着陸し、その後、密かにカザンに飛んだ。 / 2つ目の驚きは歓迎されなかった。テレビのインタビューでマドゥロ大統領は次のように述べた。ブラジルのマウロ・ビエイラ外相が、ブラジルはBRICSへのベネズエラの加盟を拒否しないと議事進行中に一度だけでなく何度も非常に明確に述べた、と。しかし、ベネズエラの加盟に関する決定が下されることになったとき、ブラジルの外相はボルソナロとつながりのある下級公務員に交代し、その公務員はベネズエラのBRICSへの加盟を拒否した。ベネズエラのBRICS加盟に対する予想外かつ不人気な反対に、テーブルを囲む全員が衝撃を受けた、とマドゥロ大統領は述べた。 / ブラジルの拒否権は、BRICS、国連、CELACの基本原則である主権、自決、連帯を尊重しなかったルーラ大統領による卑劣な裏切りだった。サミットにも出席しなかったルーラ大統領は、この拒否権によって、事実上帝国主義のモンロー主義と、ベネズエラに対する米国のほぼ1000件の違法な制裁を支持した。19世紀にシモン・ボリバルが唱えて以来この地域が目指してきたラテンアメリカの統合と連帯の追求を台無しにした。 / ブラジル大統領は、ボルソナロ右翼政権によって不当に投獄された際に熱烈に擁護してくれたこの地域の進歩的運動すべてを裏切った。かつての投獄犯たちの味方をすることで、ラテンアメリカにおける左翼指導者としての彼の立場は、機能していないとまでは言わないまでも、危ういものとなっている。BRICSサミットを欠席したルーラの言い訳は、数日前に転倒して負傷したという薄っぺらなもので、状況はさらに悪化した。公の場ではルーラは健康そのものだと見なされていたため、この言い訳は誰にとっても信じ難いものだった。ラテンアメリカの世論は、ルーラは実は臆病で、ニコラス・マドゥロと向き合って、ベネズエラのBRICS加盟を拒否すると面と向かって言う勇気がなかったと強く示唆している。 / BRICSは、米国が支配する世界金融システムを脅かし始めていることもあり、ベネズエラが加わって強化されれば、米国の利益にはならないことは明らかだ。OPECは世界の石油生産の80%を占め、サウジアラビア、イラン、ベネズエラはOPECの創設メンバーである。サウジアラビアとイランは既にBRICSのメンバーまたは準メンバーである。膨大な石油埋蔵量を持つベネズエラがBRICSに加盟した場合、米国は枯渇しつつある国内の石油源をどこに置き換えるのだろうか? / ルーラが見返りに何を得たかはわからないが、カザンにおけるブラジルの裏切りがもたらした結果については言えることがある。まず第一に、ミレイ(アルゼンチン)、ボリッチ(チリ)、ノボア(エクアドル)、ボルアルテ(ペルー)の右翼政権によってすでに大きく衰退しているラテンアメリカの地域統合に打撃を与えた。 / 第二に、それはルーラの進歩的な指導者としての地位を失わせた。ブラジルとこの地域における彼の指導者としての役割のなんと悲しい結末だろうか! ルーラはもはや「左翼」や「進歩派」に属するものとしてではなく、米国の手先として見られるだろう。彼は権力を維持するために右翼と協定を結んだ。ブラジル国内の進歩派勢力は新しい指導者を探さなければならないだろう。 / ルーラは、ベネズエラの加盟を支持していたBRICS諸国の人々を失望させた。特に、中国とロシアという2つの大国は、ブラジルの狭量さと近視眼性に失望したに違いない。さらに、南半球の国々、特にブラジルの破滅を目の当たりにしたベトナム、エジプト、南アフリカ、エチオピア、ボリビア、キューバ、インドネシア、マレーシア、ナイジェリア、コンゴ、タイ、ウガンダなどの国々は、ブラジルを疑いの目で見るだろう。ブラジルやルーラを南半球のスポークスマンではなくトロイの木馬とみなすだろう。 / ベネズエラに関しては、米国とその同盟諸国は、外交的にも経済的にもベネズエラを孤立させることにすでに失敗している。BRICSサミットに招待され、ブラジルを除くすべてのメンバーがベネズエラの加盟に投票したことを知るだけでも、ベネズエラが国際的に受け入れられていること、そして大統領が高く評価されていることが分かる。ニコラス・マドゥロを悪者にしているのは、自国の政府に仕える西側メディアだけだ。 / ベネズエラとBRICS諸国との関係は、1回の首脳会談で決まるものではない。ベネズエラは、長年、これらの国々との経済、文化、政治のつながりを強化してきた。ベネズエラは、特に中国、ロシア、インド、ベラルーシ、トルコと数多くの二国間外交協定などを結んでいる。そのため、ベネズエラは米国の制裁措置の多くを回避し、これらの制裁措置で打撃を受けた経済を、完全な食料安全保障、大幅に多様化した経済、そして最近ではこの地域で最も高い経済成長率(今年は10%に迫る)を備えた繁栄した経済へと変えることができた。 / ベネズエラがBRICSの正式加盟国になるのは時間の問題だ。その間、ベネズエラは、長年築いてきた具体的な経済、金融、政治の二国間つながりをすべて備えた「事実上の」加盟国であり続けることができる。そして、これらは、正式な加盟国であれ、外の国であれ、実際的な意味で重要なことだ。ベネズエラは依然として勝利しており、BRICS が創造に尽力する多極的かつ代替的な世界への道を歩み続けるだろう。
Orinoco Tribune October 30, 2024 (Últimas Noticias) by Randolf Borges
Maduro: Veto by Brazil’s Foreign Ministry Will Not Silence Venezuela
(マドゥロ: ブラジル外務省の拒否権発動がベネズエラを黙らせることはない)
ニコラス・マドゥロ大統領は、ベネズエラは「本来的に」すでに誕生している新たな多極世界に属していることを確認し、そしてまた、「(それを)創り上げることに我々は貢献した」ということを確認した。また、マドゥロ大統領は、ブラジル当局者がベネズエラのBRICS加盟を土壇場で拒否したことを非難した。 / 大統領は、自身の番組「コン・マドゥロ+」の第64回で次のように述べた。ロシアのカザンで開かれたBRICS首脳会議の開始前にすでに「正式加盟国10か国のうち、9か国の投票権が確保されていた」が、デルシー・ロドリゲス副大統領とイヴァン・ヒル外相の働きかけにより、ブラジルの投票権も確保された、と。 / 大統領は次のようにコメントした。副大統領とブラジル外相は「以前に会談し、ベネズエラに拒否権を発動しないと述べていた」「マウロ・ビエイラ外相は、私に面と向かって、ブラジルはベネズエラに拒否権を発動しないと告げた」「その外相とロシアの外相の間で会談があり、彼はベネズエラに拒否権を発動しないと明言した」と。しかし、首脳会議の終わり近くになって、事態は一変した。 / 「最終リストが提出されたとき、悲しいボルソナリストの過去を持つ役人(エドゥアルド・パエス・サボイア)が現れ、ブラジル国内で大きな批判を浴びたが、ブラジルはベネズエラに拒否権を発動すると直接述べた。そして、CELAC、メルコスール、BRICSの合意に違反する不道徳な拒否権を行使した」と、大統領は述べた。 / ブラジルのこの決定は「BRICSでベネズエラを支持するすべての国に大きな騒ぎを巻き起こした」「ボルソナリストでファシストの役人による背後からの攻撃だった」と述べた。 / ブラジル外務省の拒否権発動は南アフリカ首脳会談から マドゥロ大統領は次のようにコメントした。ベネズエラのBRICS加盟は2023年のヨハネスブルグ・サミットで計画されたが、イタマラティ宮殿(ブラジル外務省の本部)の圧力が、健康上の理由でベネズエラ大統領がその会議に欠席したことを利用して、ベネズエラのBRICS加盟を阻止した、と。 / この点で、マドゥロ大統領は、イタマラティには独立時代まで遡りボリバル革命の間も続いた反ベネズエラ行為の長いリストがあると述べた。 / 「これは非常に反ベネズエラ的な外務省であり、米国務省と密接につながっている」「国務省とつながりのない役人はいない」「イタマラティは、常にメルコスール(南米共同市場)からベネズエラに対して陰謀を企て、メルコスールからベネズエラを違法に排除する推進者だった」と、マドゥロ大統領は述べた。 / マドゥロ大統領は、続けて、その時以来「ベネズエラに対する陰謀の長い歴史があり、今、それが再び表明された。彼らは我々がBRICSに近づくのを阻止しようと、ジャイル・ボルソナロと同じ言葉で表明した」と述べた。 / ベネズエラは沈黙しない 今のところベネズエラのBRICSへのアクセスを制限している拒否権に関して、「新しい世界の誕生は避けられない。それはすでに誕生している。ベネズエラがこの新しい世界に属する権利を、拒否できると考えるのは愚かなことだ」と、マドゥロ大統領は述べた。 / 「我々がBRICSサミットに招待されるのは当然のことだ」「私はロシアのプーチン大統領に招待された」と、マドゥロ大統領は振り返った。サミット期間中、大統領は、ロシア、中国、インド、イラン、ベラルーシ、エチオピア、パレスチナ、トルコ、ベトナム、南アフリカ、モーリタニア、アラブ首長国連邦など20カ国以上の首脳と会談した。 / 「我々はこの世界に属している」「我々は、この手で、すでに存在するこの世界の構築に貢献してきた」「ベネズエラに拒否権を発動する者はいないし、ベネズエラを黙らせようとする者は、すでにそうなっているように、干上がるだろう」と同大統領は述べた。 / マドゥロ大統領は、BRICSサミットの最後にプーチン大統領に別れを告げる際、BRICS銀行のディルマ・ルセフ総裁が同席し、大統領と抱き合ったことを振り返った。少し離れたところにブラジルのマウロ・ビエイラ外相がいた。「彼は私と顔を合わせると気を失いそうになった。私は彼に言った、あなたはベネズエラに拒否権を発動した、と。彼は怯えて『ノー、大統領』と言って立ち去った。」 / ルーラ・ダ・シルバ大統領については、「私は用心深く待つことを好む」とマドゥロ大統領は語った。
Venezuelanalysis October 29, 2024 José Luis Granados Ceja
Maduro Pins Venezuela’s BRICS Snub on Rogue Brazilian Diplomat
(マドゥロ大統領、ベネズエラのBRICS冷遇をごろつきブラジル外交官のせいだとする)
ベネズエラ大統領は、この意外な動きを「裏切り」と呼び、イタマラティ(ブラジル外務省の本部)と米国務省とのつながりを強調した。 / ニコラス・マドゥロ大統領は、先日の第16回BRICS首脳会議での物議を醸したベネズエラ冷遇について言及し、ブラジルの拒否権発動は、ベネズエラの加盟は妨げられないというブラジルのトップ外交官の個人的な保証と矛盾していると主張した。 / 「彼らはそれを1回、2回、3回、4回と、何度も言った。マウロ・ビエイラ外相は、私に面と向かって、ブラジルはベネズエラを拒否しないと告げた」と、マドゥロ大統領は、10月28日、毎週のテレビ放送で明らかにした。 「ブラジル外相、ロシア外相、我が国の外相、副大統領との会談があり、ブラジルは、この地域で唯一の国として、ベネズエラに拒否権を発動しないと明確に直接表明した」と。 / しかし、マドゥロによると、BRICSの新メンバーを発表する時、交渉に関わっていたブラジルの外交官エドゥアルド・パエス・サボイアがベネズエラの加盟を拒否した。 / 「これは土壇場で、サミットのほぼ終わりに差し掛かった時だった」と大統領は述べた。 / マドゥロ大統領は、この動きを「背後からの攻撃」と呼び、パエスが主導したと述べた。パエスは「ファシスト」であり、ブラジルの極右前大統領ジャイル・ボルソナロの支持者だと述べた。マドゥロは、また、ブラジル外務省本部ビルにちなんでイタマラティという俗称で知られるブラジル外務省を非難した。 / マドゥロ大統領は、「イタマラティはブラジルの権力の中の権力だというのは誰にとっても新しいことではない」と述べ、イタマラティは歴史的に米国務省と密接な関係にあると付け加えた。 / 首脳会談には出席しなかったルーラ大統領は、報道されている拒否権発動についてまだコメントしていない。
junge Welt 2024.10.28 Von Volker Hermsdorf (ドイツ語・機械翻訳)
»BRICS plus« Enttäuschung über Lula
(「BRICS+」 ルーラへの失望)
ブラジルがベネズエラのBRICS加盟に拒否権を発動。背景に疑われる米国の陰謀。 / カラカス政府は、ベネズエラのBRICS加盟に対するブラジルの拒否権発動は「理解不能で不道徳」だと述べた。両国は歴史的なパートナーであるが、ルーラ・ダ・シルバ大統領は重要な局面で米国および一部の西側諸国の「刑事制裁政策」に加わった。10月24日にカラカスで発表された声明によると、ベネズエラはこれを「敵対的行為」とみている。世界中の左翼組織や著名人も、2025年1月1日にロシアから毎年交代でBRICS議長国を引き継ぐブラジル政府の拒否権を批判している。
Internationalist 360° on October 27, 2024 Ben Norton
BRICS Adds 13 New ‘Partner Countries’ at Historic Summit in Kazan, Russia
(BRICS、ロシアのカザンでの歴史的なサミットで13の新たな「パートナー国」を追加)
グローバル・サウス主導の組織BRICSは成長している。ますます多くの国が、このグループの使命、すなわち、西側諸国に支配されない、より代表的で民主的な代替経済制度を備えた多極世界を構築することを支持している。 / BRICSは2024年10月にロシアのカザンで首脳会議を開催し、13カ国の新たな「パートナー国」が承認された。 / この歴史的な会議で、中国の習近平国家主席はBRICSを「グローバル・ガバナンス改革を推進する先駆者」および「国際金融構造の改革」と呼んだ。 / この組織は、2009年にブラジル、ロシア、インド、中国によって「BRIC」として最初に結成された。その後、2010年に南アフリカが加わり、グループは「BRICS」になった。 / 南アフリカのヨハネスブルグで開催された2023年のBRICSサミットでは、さらに数か国が参加するよう招待された。 / 2024年10月現在、BRICS には 9 つの加盟国と13のパートナー国がある。5つの元加盟国: ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ。 4つの新加盟国(2023年8月に招待、2024年1月に正式加盟): エジプト、エチオピア、イラン、アラブ首長国連邦。【サウジアラビアについては後で述べられている。】 13 のパートナー国 (2024 年 10 月に承認): アルジェリア、ベラルーシ、ボリビア、キューバ、インドネシア、カザフスタン、マレーシア、ナイジェリア、タイ、トルコ、ウガンダ、ウズベキスタン、ベトナム。 / BRICS 加盟国 9 か国を合わせると、世界の GDP の 3 分の 1 以上を占める (購買力平価で測定)。 BRICSは、地球上の人口の40%をはるかに超え、世界の石油生産量の約30%を占めている。 / 対照的に、G7諸国は世界人口の10%未満、GDP(購買力平価)の30%未満を占めており、世界経済に占めるG7諸国のシェアは時間とともに縮小しているが、BRICSのシェアは増加している。【グラフあり】 / BRICSの4つの新メンバー(アルゼンチンとサウジアラビアは除く) 10月22~24日、30か国以上がカザン・サミットに出席した。これは、BRICSの4つの新メンバーが参加する最初の会議だった。 / 2023年のヨハネスブルグサミットには6カ国が参加を招待されていたが、アルゼンチンとサウジアラビアの2カ国は参加しなかった。 / 当時、アルゼンチンは、アルベルト・フェルナンデス大統領とクリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル副大統領が率いる中道左派政権で、2023年8月にBRICS加盟の申し出を熱烈に受け入れていた。しかし、極右のハビエル・ミレイ大統領が2023年12月に就任し、直ちにアルゼンチンのBRICS加盟計画をキャンセルした。 / アルゼンチンとは異なり、サウジアラビアは立場を曖昧にしている。リヤドは正式に招待を受け入れていないが、申し出を拒否したわけでもない。王国の事実上の指導者であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子はカザン・サミットに出席しなかった。代わりにサウジのファイサル・ビン・ファルハン外相が出席した。【米国が手をまわしたようだ。「Internationalist 360° on October 28, 2024」に、「サミット開催中、米国外交トップのアントニー・ブリンケンがサウジアラビアで、サウジのファイサル・ビン・ファルハン外相、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子と会談している」とある。】 / 西側諸国のBRICS批判者は、グループ内の不統一を誘発しようとして、アルゼンチンの拒否やサウジアラビアの優柔不断という広報上の打撃を利用し、BRICSを分裂した組織として描いている。 / カザン・サミットで「パートナー・ステータス」というカテゴリーが創設されたのは、BRICSが将来これらの紛争が再び起こるのを防ぐための方法だったようだ。政府がこの組織に参加したい場合、まず一定期間「パートナー」として受け入れられ、その後メンバーとして統合される必要がある (このプロセスは、中国、ロシア、インド、イランもメンバーである「上海協力機構」のプロセスに似ている)。 / 中国とインド、国境紛争を解決 カザン・サミットのハイライトは、中央銀行と財務省とロシアによって発表された報告書に基づいて行なわれた、国際的な通貨・金融システムを変革する計画についての議論だった。 / しかし、会議で最も重要な進展のひとつは、首脳会談が正式に始まる前に起こった。カザンでは、中国とインドが歴史的な合意に署名し、4年間続いた国境紛争を解決した。 / BRICS首脳会談の傍ら、習近平主席とモディ首相は5年ぶりの二国間会談を行なった。中国とインドの両方と良好な関係にあるロシアは、両国間の仲介と協力促進を行なっており、BRICS内でのより深い団結を促すことに成功したようだ。 / 米国は、インドを誘惑し、中国との相違を利用して緊張を悪化させて北京を孤立させ、BRICSを分裂させようとしている。西側の企業メディアも、同様に、BRICS内での対立を煽ろうとしている。 / ラ米の左翼はブラジルがベネズエラのBRICSパートナーとしての地位を拒否したことを非難 中国とインドが関係修復に努める中、ブラジルは、カザン・サミットでスキャンダルを起こした。 / ブラジルのルーラ・ダ・シルバ大統領は会議に出席しなかった。彼は負傷して渡航できないと主張し、代わりにマウロ・ビエイラ外相を派遣した。ルーラは物理的に出席すらしなかったが、ルーラの政府はベネズエラがBRICSのパートナー国として受け入れられることを阻止した。 / これはラテンアメリカの左翼の間でルーラに対する激しい批判を引き起こした。ルーラはBRICSを弱体化させ、地域をさらに分裂させ、ブラジルの元極右指導者ジャイル・ボルソナロの立場を取った、と非難した。 / ニコラス・マドゥロ大統領は、ブラジルを公然と批判し、BRICSパートナーとしての地位を拒否したことは「ベネズエラに対する攻撃行為であり、敵対的な行為である」と述べた。 / 他のBRICS諸国はベネズエラのパートナーとしての地位を支持していた。ルーラ大統領とは異なり、マドゥロ大統領は、サミットのために実際にロシアを訪れ、カザンでは他のBRICS諸国の指導者や30カ国以上の代表と友好的な会談を行なった。 / このスキャンダルを受けて、ロシアは、ブラジルの外交的策略に反対する発言をした。「我々はブラジルの立場を知っている。我々は同意しない」とプーチン大統領は記者会見で述べた。「ベネズエラは生き残りをかけて戦っている」とロシアの指導者は付け加え、マドゥロ大統領の政府に対する米国主導のクーデターの試みが絶え間なく続いていることに言及した。 / BRICS「カザン宣言」 BRICS加盟国は、10月23日、長文の共同声明に署名した。「カザン宣言」は、「平和の促進、より代表的で公正な国際秩序、再活性化され改革された多国間システム、持続可能な開発、包括的な成長」を求めた。 / BRICSは「より公平で公正で民主的でバランスのとれた多極的な世界秩序」を求めており、その声明では、「多極化は、EMDC(新興市場と発展途上国)がその建設的な潜在的可能性を解き放ち、普遍的に有益で包摂的かつ公平な経済のグローバル化と協力を享受する機会を拡大することができる」としている。 / 西側諸国の「ルールに基づく国際秩序」という漠然とした考えとは対照的に、カザン宣言は「国際システムにおける国連の中心的役割」と国際法を強調した。 / とはいえ、声明は、「安全保障理事会を含む国連の包括的改革への支持」を再確認し、「国連事務局およびその他の国際機関の職員構成において、公平かつ包括的な地理的代表をタイムリーに実現することが緊急に必要」であり、「特にアフリカとラ米カリブ諸国のEMDCおよび後発開発途上国が、世界的な意思決定プロセスおよび構造に、より大きく有意義な参加を実現する必要がある」と強調した。 / カザン宣言は、「世界経済へのEMDCの貢献を反映させるために、指導的立場におけるEMDCの代表を増やすことを含むブレトンウッズ機関の改革」を求め、「国際通貨金融システム(IMFS)の改善プロセスにおけるBRICSの重要な役割」を確認した。 / 声明は、「違法な制裁を含む違法な一方的強制措置が世界経済に及ぼす破壊的な影響」を繰り返し非難し、それらの撤廃を要求した。 / BRICS加盟国は、また、イスラエルによるガザとレバノンへの戦争を批判し、「1967年6月の国際的に承認された国境線に沿った、主権を持ち、独立し、存続可能なパレスチナ国家の樹立」を含む、「パレスチナ国家の国連への正式加盟への支持」を再確認した。 / カザン宣言は、同様に、米国のシリアに対する違法な軍事占領と、イスラエルのイランへの攻撃を非難した。 / カザンサミットでの首脳たちの発言 カザン・サミットで、中国の習近平国家主席は、「我々はBRICSを、グローバル・サウス諸国間の連帯と協力を強化するための主要チャネルとして、またグローバル・ガバナンス改革を推進する先駆者として構築するために協力しなければならない」と訴えた。 / 習近平主席は、ガザとレバノンの平和を求め、「即時停戦と殺戮の終結を推進しなければならない。パレスチナ問題の包括的で公正かつ永続的な解決に向けて不断の努力をしなければならない」と述べた。 / 「グローバルサウスの台頭を踏まえ、我々はBRICSへの参加を求める各国の声に好意的に応えなければならない」と中国の指導者は付け加え、「国際金融構造の改革はますます急務である」とし、「BRICS諸国は改革で主導的な役割を果たすべきだ」と述べた。 / 同様に、プーチン大統領は、米ドル中心のブレトンウッズ体制の代替(replacement)を促進した。 / 「世界経済成長の次の波が世界の多くの国々で生まれつつあることは明らかだ」とロシアの指導者は述べた。「したがって、成長を続ける経済の潜在力を解き放つために、独自のプラットフォームを構築するというアイデアを議論する時が来ている」と。 / プーチンは、より多極化した世界への移行が「スムーズに進んではいない」と嘆き、「あらゆるものを支配する論理で考え行動することに慣れた勢力によって、その発展が妨げられている」と述べた。 / イランの新大統領マスード・ペゼシュキアンもカザンサミットに出席し、BRICSのより多極化した金融システム構築計画に熱烈な支持を表明した。 / 「我々は西側の決済システムに依存し続けるべきではない。これは大きな脅威だ」とペゼシュキアンは警告し、「代替の可能性」の確立を促した。 / 「イランは、BRICSグループが世界経済運営の構造を改革し、グローバル・サウス諸国のための代替的な可能性を生み出すという課題を成功裏に推進するために、あらゆることを行う」とイランの指導者は述べた。 / ボリビアの左派大統領ルイス・アルセもカザン・サミットに出席した。ボリビアがパートナー国として受け入れられたことを誇らしげに発表したアルセ大統領は、BRICSは「新たな多極世界の統合を日々進めている」と述べた。
Orinoco Tribune October 27, 2024
Speech of the President of China at 16th BRICS Summit in Russia
(ロシアで開催された第16回BRICSサミットにおける中国国家主席の演説)
【(要約)BRICSに新たなメンバーを迎え入れたこと、多くの国をパートナー国として招待したことを確認し、「BRICSの拡大は、歴史における大きな節目であり、国際情勢の進展における画期的な出来事」だとしている。 / 世界が激動と変革の新たな時代に入る中で、「ニコライ・チェルヌイシェフスキーの小説『何をなすべきか』を思い出させる」とし、「主人公の揺るぎない決意と情熱的な意欲は、まさに現代の私たちが必要とする意志力」だとしている。そのうえで、「我々は、協力してBRICSを南半球諸国間の連帯と協力を強化する主要な経路に、そして世界統治改革を進める先鋒に、築き上げなければならない」と。 / そのあと、ウクライナ、中東・パレスチナ、BRICSの拡大・発展・取り組み、国際金融構造の改革などに言及している。略。】
teleSUR October 27, 2024
ALBA-TCP Celebrates Cuba and Bolivia’s Entry into BRICS While Advocating for Venezuela’s Inclusion
(ALBA-TCP、キューバとボリビアの BRICS 加盟を祝福するとともに、ベネズエラの加盟を主張)
ALBA-TCP(米州ボリバル同盟‐人民貿易協定)にとって、キューバとボリビアがBRICSに加わったことは、新世界秩序の構築に対するこれらの国のコミットメントを再確認するものであり、喜ばしいことだ。 / 加盟に関する楽観的な見方にもかかわらず、ALBA-TCPは、ベネズエラの状況について懸念を表明している。声明では、「世界の将来にとって極めて重要なこの時期に、ある国が協力の場での合意を破り、姉妹国を排除した」ため、ベネズエラのBRICS圏への加盟が一時的に妨げられたと嘆いている。
teleSURtv.net 26 de octubre de 2024 (スペイン語)
Red de Intelectuales reprueba veto de Brasil a Venezuela en Cumbre BRICS
(知識人ネットワーク、BRICSサミットでブラジルのベネズエラに対する拒否権を拒否)
「人道防衛ネットワーク(La Red en Defensa de la Humanidad)」は、ブラジル政府によるこの決定が、世界経済におけるドルの比重を減らすというブラジル政府自身の声明と矛盾していると指摘している。それはBRICSのベネズエラとなら可能となるのだが。 / 「人道擁護ネットワーク」の声明は、ブラジル政府がワシントンの圧力に屈し、ベネズエラをBRICSグループから排除したことを非難している。「人類防衛の知識人と芸術家ネットワークは、ベネズエラをBRICS圏関連国として編入することに拒否権を発動したブラジル政府の決定を非難する」と、10月26日に発表された声明で表明した。 / 知識人たちは、この決定が「米国と欧州の帝国主義の新植民地政策に立ち向かうための、ラ米カリブ諸国とグローバル・サウスの他の諸国との統合と抵抗のプロジェクトの進展を遅らせるものである」と主張している。 / ベネズエラに対するブラジルの拒否権は、ブラジルの現政権に対する米国とその国際的パートナーからの圧力の影響を表しており、「国内の保守勢力に直面している同政権の極度の脆弱性あるいは共犯性を示すものである」と宣言文は指摘している。 / ベネズエラに対するこの敵対的な立場は、2024年10月23日に行なわれたBRICSのビデオ会議でBRICSの優先事項のひとつは「南半球の強化」であると表明した自らの意図に反するものであり、矛盾していると指摘している。 / 知識人ネットワークは、ブラジル政府に対し、「北米帝国主義とその仲間を利するだけの行動方針を是正し、ボリバル・ベネズエラに対する名誉毀損と孤立の国際的なキャンペーンに参加し続けないこと」を求めている。 / ベネズエラは「新しい多極化世界の建設において主導的な役割を果たすことができ、また果たさなければならない」地政学的な主要国であり、そのためにはBRICSへの加盟が不可欠である、と同ネットワークは主張している。
teleSURtv.net 26 de octubre de 2024 (スペイン語)
Red Continental de Solidaridad con Cuba difunde carta abierta al presidente Lula
(「キューバ連帯大陸ネットワーク」がルラ大統領への公開書簡を流布)
同団体は、この書簡の中で、2019年11月にハバナで開催された「キューバと正義の連帯の世界反帝国主義会議」で、ミゲル・ディアス=カネル大統領とニコラス・マドゥロ大統領が「ルーラ・リブレ」(Lula Livre)のスローガンの下で強力なキャンペーンを推進したことを、ブラジルの指導者に想い起こさせている。 / 10月26日、「キューバ連帯ラ米カリブ大陸ネットワーク」は、以下の書簡を発表した。この書簡は、ブラジルがベネズエラ・ボリバル共和国のBRICSグループ入りを拒否したことに懸念を表明している。 / この書簡には、ネットワークの総合コーディネーター、ノルベルト“チャンパ”ガリオッティが署名している。 / 署名者は、ルーラ大統領がベネズエラの加盟に拒否権を行使した論拠に疑問を呈している。その論拠は、ベネズエラにおける大統領選挙を疑問視するものであるが、大統領選挙を実施していない君主国の加盟は疑問視されていない。 / 同団体は、ベネズエラ国民に対する米国の封鎖へのブラジル政府の対応の欠如を非難し、自称大統領の発明やベネズエラ人にとって略奪的で不利な利益を伴うその他の明らかな干渉メカニズムを非難している。 / 同氏は、侵略未遂、コロンビアとの国境での不安定化を目的とした文化的政治行為、イギリスの銀行にある金準備の窃盗、米国大統領とアルゼンチン大統領によるベネズエラの貨物機の窃盗などに見られる、テロリスト、クーデター、不安定化行動に対して、ブラジルの大統領は声を上げていないと指摘している。 / ガリオッティは、ルーラ大統領に、「マウリシオ・マクリ、オラシオ・カルテスとともに、ベネズエラのメルコスール臨時議長就任を阻止し、この多国間組織に深刻なダメージを与えたミシェル・テメルの政策の継続者」にならないよう勧告している。「すべては米国務省の要請によるものだ」と署名者は述べている。 / また、ルーラが行なった行為を非難して、「2005年11月5日、ウゴ・チャベス、ネストル・キルチネル、タバレ・バスケスとともにアルゼンチンのマル・デル・プラタ市で行われたFTAAへのNOはどこにいったのか?」と述べている。 / 書簡は、ほぼ結論として、アルゼンチン共産党の元指導者フロリンド・モレッティの言葉を引用している。「闘争のどちら側に立つべきかわからない場合は、敵である帝国主義がどこに立っているのかを見てみよう。それで、反対側の歩道にとどまる、そこが正しい場所だ」と。
teleSUR October 26, 2024
Lula Pretended Accident to Not Attend the Brics Summit, Venezuela’s AG Says
(ルーラ大統領が事故を装ってBRICSサミットに出席しなかった: ベネズエラ司法長官が語る)
ベネズエラのタレク・ウィリアム・サーブ司法長官は、10月26日、ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領が1週間前の事故を利用してBRICS首脳会議に嘘をつき、ベネズエラのグループ入りに拒否権を行使したことを非難した。 / ルーラが1週間前に大統領官邸で転倒して後頭部を打ったとされる事故の後にBRICS会議に出席しなかったことについて、「ブラジルの直接の親しい情報筋から、ルーラ・ダ・シルバ大統領が最近のBRICSサミットに出席しないために、アリバイとして事故をでっち上げたと聞いた」とサーブは語った。
Misión Verdad 25 Oct 2024 (スペイン語)
Un balance geopolítico de la XVI Cumbre de los Brics
(第 16 回BRICSサミットの地政学的なバランス)
【「カザン宣言」のところのみ】 43ページにわたる134項目からなる文書である「カザン宣言」が作成された。この宣言は、現在の世界情勢の包括的な分析を提供し、長期的な戦略目標を確立している。ハイライトの一部は次のとおり。
● ブレトンウッズ体制と国連の改革を推し進めるための加盟国間の合意。 / ● 国際貿易において自国通貨を使用することの重要性。 / ● ハイテクや医療などの分野での協力関係を強化する取り組みの確立。 / ● 国境を越えた預金と決済の円滑化を目的とした「Brics Clear システム」の導入に向けた交渉の継続。 / ● 価格の安定と食糧安全保障の強化を目的とした「BRICS穀物取引所」を創設するというロシアの提案を支持。 / ● パレスチナやレバノンに対するイスラエルの侵略、ウクライナ紛争など、世界的な緊急事態に対する立場。
Misión Verdad 25 Oct 2024 (スペイン語)
Tres claves del discurso del presidente Nicolás Maduro en la Cumbre Brics
(BRICSサミットでのニコラス・マドゥロ大統領のスピーチの3つの鍵)
「より良い世界を共に構築するBRICSとグローバル・サウス」をモットーに開催された「BRICS+」サミットの第1回会合での演説で、マドゥロ大統領は、世界の経済・政治構造を再構築する必要性を提起した。 / ベネズエラに対する経済攻撃を糾弾するとともに、2023年の「ヨハネスブルグ宣言」と2024年の「カザン宣言」を基礎として、「新たな経済アジェンダ」と「国連システムの再構築」に向かうことの重要性を強調した。 / 1.新しい金融・通貨アーキテクチャーに向けて マドゥロ大統領は、国際金融システム改革の必要性を強調した。BRICSブロックを構成する国々に対し、西側諸国が支配する金融メカニズムへの依存を克服するため、より大胆な措置を講じるよう求めた。 / 金融の流れや決済システムの支配は、グローバル・サウスに対する支配の道具であり続け、各国の経済的自律性を制限していると説明した。 / 新たな決済システムの統合と「新開発銀行(NBD)」の強化を視野に入れ、BRICS提案を推進することへのベネズエラの支持を強調した。それは、米ドルと伝統的な金融機関の専横にさらされる融資と投資回路に代わるものとして計画されている。 / 大統領は、新しい世界経済は包括的でなければならず、開発問題に対する実際的な解決策を模索しなければならないと強調した。そのため、「超大国の強力な通貨と、各国が自国通貨を持つ権利を組み合わせた」通貨バスケットを創設する必要性を表明した。 / 2.国連の再構築 マドゥロ大統領は、また、国連システムの再構築を求めた。パレスチナ人民の苦しみを前にして国連が無策であることを強調した。 / 彼の批判は、発展途上国の脆弱性やニーズを無視しながら伝統的な大国を支持する世界的な制度の偏りを浮き彫りにした。 / 彼は、国際社会に対し、声を上げ国連システムの再構築に向けた現実的かつ大胆な計画を模索するよう求めた。 / 3.新しい世界の中心地(震源地)としてのBRICS 大統領は、新時代への移行の中で、BRICSブロックが国際舞台にオルタナティブなパラダイム(paradigma alternativo代替的な枠組み)を打ち出したと述べた。 / マドゥロ大統領は、BRICSは経済協力の場であるだけでなく、新たな多極化世界を具体化する変革的な政治プロジェクトでもあるべきだという彼のビジョンを強化した。 / 結びで、彼は、BRICSは「新しい世界誕生の震源地」であり、この世界はパワーバランスと発展の異なる極の包含を模索し、多極的かつ多中心的な秩序のビジョンに沿った世界であると述べた。
Orinoco Tribune October 25, 2024
Venezuela Condemns Brazil’s Veto at BRICS Summit
(ベネズエラ、BRICSサミットでのブラジルの拒否権発動を非難)
10月24日に発表された声明は、エドゥアルド・パエス・サボイア大使が代表を務めるブラジル政府が、組織の他のメンバーの支持を得ているにもかかわらず、ベネズエラ・ボリバル共和国がBRICSに加盟するのを阻止した拒否権を拒絶している。 / 文書には、パエス・サボイア大使は「ボルソナロがベネズエラに何年も適用してきた拒否権を維持することを決定し、当面はシモン・ボリバルの祖国がこの組織に加盟するのを阻止するために西側諸国が促進してきた憎悪、排除、不寛容を再現した。この行為はベネズエラに対する攻撃であり、ベネズエラ国民のような勇敢で革命的な国民に対して課せられた刑事制裁政策に加わる敵対的な行為である」と記されている。 / 【このあとはベネズエラの声明。その要点は次の通り。】 BRICSの性質と原則に反する行動を通じて、エドゥアルド・パエス・サボイア大使率いるブラジル外務省代表団は、ボルソナロがベネズエラに対して長年適用してきた拒否権を維持することを決定し、当面シモン・ボリバルの祖国がこの組織に加盟するのを阻止するために西側諸国が促進してきた憎悪、排除、不寛容を再現した。 / ベネズエラに対するいかなる策略も歴史の流れを止めることはできない。新しい世界が誕生した! / 平和、正義、そして共通の発展という新しい世界のためのこの歴史的なサミットは、大成功を収めた。
Orinoco Tribune October 23, 2024 By Misión Verdad – Oct 23, 2025
Why Brazil Opposes Venezuela’s Entry Into BRICS
(ブラジルがベネズエラのBRICS加盟に反対する理由)
10月21日、ブラジルがベネズエラのBRICS加盟に反対すると報じられた。BRICS組織の第16回首脳会議は、今週、ロシアの都市カザンで開催される。ニコラス・マドゥロ大統領は、8月初めにロシアのプーチン大統領本人から招待を受け、ベネズエラ代表団とともに出席している。 / ブラジル政府の国際問題顧問で元外相のセルソ・アモリムが、ブラジルはベネズエラのBRICS加盟を阻止しようとするだろうと発表した。カラカスの加盟の可能性を拒否するよう指示したのは、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領である。 / ラテンアメリカでは、ボリビア、キューバ、ニカラグアに加え、ベネズエラが加盟を正式に申請した。申請国の中で、ベネズエラは、ブロックの最も重要なメンバーであるロシアと中国との協力関係を強化し、加盟に最も大きな支持を集めている国である。 / この姿勢は、ニコラス・マドゥロ大統領が再選された7月28日の選挙結果に疑問を呈したルーラ政権が、ここ数カ月ベネズエラに対してますます敵対的な態度を示してきたことと一致する。 / ブラジルは、当初、選挙後の紛争の仲介役としての地位を確立しようと比較的中立的な立場を維持しようとしたが、エドムンド・ゴンサレスを勝者と公然と認めているワシントンとブリュッセルの立場に徐々に同調するようになった。 / 原因と理由 昨年、ルーラ自身はBRICSの拡大とベネズエラの参加に前向きだった。この点で、アモリムの発言は、カラカスとブラジリアの関係を悪化させる積極的な立場の変化を表している。 / 「私はベネズエラがBRICSに加わることに賛成だ。私たちはすぐに会い、いくつかの統合要求を評価しなければならない」とルーラは5月に述べ、さらに「新しい地政学は、多様性の中でのアメリカの統一と、協力を望む国々を引き付ける大きな磁石として台頭しつつあるBRICSの役割という2つの要素によって特徴付けられる」と付け加えた。 / 戦略的に、ブラジルはBRICSの唯一のラテンアメリカ加盟国としての地位を維持することに関心がある。この地位により、ブラジルは地政学的な対抗勢力を回避できると同時に、BRICSの他の大国から地域問題の独占権を守ることができる。 / アルゼンチンを加盟させる提案は、ブラジリアがブエノスアイレスの加盟の時期と範囲を管理し、同盟内でブラジルの巨人の弟分として位置付けるという前提に基づいていた。 / しかし、ベネズエラに関しては、異なる論理と緊張が働いている。 / ベネズエラがBRICSに参加すると、ロシアと中国との関係強化により、地域とブロックの地政学的軸が多極化に大きくシフトすることになる。これは、ブラジルとワシントンおよびブリュッセルとの戦略的関係を維持しながらBRICSとの経済的関係を守ろうとするルーラとアモリンのアプローチを弱めることになる。 / この意味で、ベネズエラは、アルゼンチンのようには制御できないグループ内の居心地の悪い同盟国となり、西側諸国との関係を重視するブラジルの外交政策の流れに逆らって多極化の強化を促すことになる。 / 11月の米国大統領選挙後に深刻化する可能性のあるカラカスとワシントンの間の存亡をかけた対立は、ブラジルがワシントンに対抗してBRICS諸国のパートナーであるベネズエラを支援しなければならないことを意味するだろう。【ベネズエラが加盟していたらそうなるということ。】 / ブラジルとベネズエラは共にこのグループの一員であるため、ブラジルはベネズエラとの政治的・経済的関係を積極的に維持し、ホワイトハウスや米国務省が推進する違法な制裁やニコラス・マドゥロの大統領就任を認めないというシナリオに異議を唱える義務がある、ということになる。 / ルーラとアモリムは、これらの潜在的なジレンマを認識しており、米国との関係を歪めたり複雑にしたりする政治的コストを削減する目的でベネズエラの編入に反対することを決定した。 / ブラジル大統領と国際問題担当の主要顧問は、自分たちのビジョンは多極的というよりはヨーロッパ中心的であり、BRICSは経済目的のための手段であって、ベネズエラが向かっていて積極的に推進している地平である新たな世界秩序を構築しようとする地政学的な賭けではないと主張している。 / このようなビジョンの衝突とブラジルの対米外交政策の譲れない点が、ベネズエラに対するブラジルの最新の不満を説明している。
Misión Verdad 22 Oct 2024 (スペイン語)
La plataforma Brics Pay abre una nueva grieta al poder del dólar
(「Brics Pay プラットフォーム」はドルの力に新たな亀裂を入れる)
10月22~24日、ロシアのカザンで「第16回BRICS首脳会議」が開催され、昨年承認された新たな5カ国(サウジアラビア、イラン、エジプト、エチオピア、アラブ首長国連邦)の加盟後初の会合となる。 / 「Brics Pay」の公式Webサイトでは、この決済システムのアーキテクチャを集中化と分散化を組み合わせたハイブリッド・アプローチとして説明している。 / 各国内での集中化: ブロック内の各国は、「Brics Pay プラットフォーム」に接続された独自の国内決済ネットワークを維持している。この集中化により、各国内の取引の制御と管理が容易になる。 / 国際規模での分散化: 国内決済ネットワーク間の相互接続は分散化された方法で実行され、参加銀行が外国銀行や他の金融機関と直接接続を確立できるようになる。 / この新しい国境を越えた決済インフラにより、外国のシステムに依存することなく、国際商取引をより迅速かつ安価に実行できるようになる。 / これはドルとユーロの使用を避け、現地通貨での取引を可能にすることを目的としている。 / 完全な導入には時間がかかるが、ロシアは、今年、外国人向けにビザとマスターカードを受け入れたキャッシュレス決済の試験サービスを開始する予定だ。 / 「Brics Pay」イニシアチブは数年間にわたって開発されてきた。【2018~23年の進展。略】 / ドルの支配への挑戦 BRICSは世界的な経済力の台頭を表している。ロシアと中国を筆頭に世界の金埋蔵量の20%以上を支配しており、世界のガスの50%以上と石油の40%以上を生産している。 / ここ数十年、各国は世界経済成長の40%以上を牽引しており、2024年末までの平均成長率は4%と予測されており、G7諸国(1.7%)や世界の成長率(3.2%)を上回っている。 / 「BRICSビジネス・フォーラム」で、プーチン大統領は、これらのデータを提示しながらブロック諸国が世界経済の成長エンジンであると指摘した。 / その影響力の増大とドルへの依存を減らすという目標を考慮すると、公式ウェブサイトに示されているように「Brics Pay」の開発はより重要なものになっている。 / 「ブレトンウッズ時代の世界金融システムは、大きな変貌を遂げつつある。世界的な債務の増加、富の分配における不平等の拡大、取引・金融システムの分断化が起きている。私たちの目標は、金融技術とグローバルな富への平等なアクセスを確保し、すべての人に潜在能力をフルに発揮する機会を与えることである。今日、私たちは未来のために、公正で分散化された新しい金融システムの構築に着手する。」 / このプラットフォームは、現在の世界金融システムに代わる実行可能な選択肢となり、経済的圧力や制裁の政治に対抗し、新たな多極経済秩序の構築に貢献する可能性を秘めている。
Plensa Latina (Voces del Sur Global) septiembre 13, 2024
Over 30 countries looking to work with BRICS
(30カ国以上がBRICSとの協力を検討)
BRICS加盟国は同組織内での連携を深める計画だと、ロシアのプーチン大統領は述べ、34カ国が何らかの形で同グループに参加する用意があると付け加えた。 / BRICSは2006年にブラジル、ロシア、インド、中国によって設立され、2011年に南アフリカが加盟した。同グループは、今年、エジプト、エチオピア、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦が正式加盟し拡大した。現在同組織の議長国を務めるロシアは、10月22~24日にカザン市で次回BRICSサミットを主催する。 / BRICS諸国は、現在、約36億人、つまり世界人口の45%を抱えている。彼らは世界の名目国内総生産の28%、購買力平価で世界のGDPの3分の1以上を占めている。メンバー10カ国を合わせると、世界の石油生産の約40%を占めている。 / ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、6月、BRICSが新規加盟申請を一時停止し、2024年に加盟した国々の統合に注力することを決議したと発表した。ラブロフ外相は、正式加盟への「足がかり」として「パートナー国」という新しいカテゴリーが創設されると付け加えた。
Plensa Latina (Voces del Sur Global) agosto 10, 2024 Sputnik (スペイン語・機械翻訳)
El proceso mundial de desdolarización se acelera con BRICS y «es ya irreversible»
(世界的な脱ドル化プロセスはBRICSで加速し「今や不可逆的」)
ドル体制に反対する勢力に新たな制裁を課そうとする米政府の試みにもかかわらず、BRICSグループ内では脱ドル化プロセスを中心的に後押しすることが決定され、世界の脱ドル化プロセスの進展は、すでに「不可逆的」なものとなっている。 / 今年5月、人口約6億人の地域グループである東南アジア諸国連合(ASEAN)が、国境を越えた貿易を非ドル化し、代わりに自国通貨を使用する計画を発表した / ドル制度を回避するための他の協定には物々交換も含まれる。イランとタイは食料と石油を交換している。パキスタンはイラン、アフガニスタン、ロシアとの物々交換を認可している。中国はイランに最先端の空港を建設中だが、その費用は石油でまかなわれることになる。 / 脱ドル化は「急速に世界最大の経済圏になりつつある」BRICSの優先課題となっている。 / 中国は世界のほとんどの国にとって主要な貿易相手国であり、相互貿易が徐々にドルを上回ることは避けられない。中国はBRICSの経済軸である。中国の脱ドル化に伴い、程度の差こそあれ貿易相手国も追随する可能性が高い。
( 2024年11月7日報告)
(ブラジルがベネズエラのBRICS加盟を拒否 要約)
・ 10月22~24日、ロシアのカザンでBRICSサミットが行なわれ、「カザン宣言」が採択された。 / 加盟を希望している30か国以上と国連事務総長らが招待された。 / 国際的な通貨・金融システムを変革する計画が話し合われ、より公平・公正で民主的な多極的世界秩序が求められ、そのための国連の包括的な改革が提起され、国連の中心的な役割と国際法の順守が強調された。 / イスラエルによるガザとレバノンへの戦争を批判し、パレスチナ国家の国連への正式加盟への支持を再確認した。 / 各国の個別会談も数多く行われ、さまざまな懸案について話し合われ、多くのことが解決され前進した。
・ BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)は、昨年8月に6ヵ国(エジプト、エチオピア、イラン、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、アルゼンチン)の加盟を決定した。【cf. 2023.8.31 報告】 / しかし、アルゼンチンは、11月の大統領選で勝利した極右のミレイが12月10日に就任し、BRICSへの加盟を拒否した。
・ 今回のサミットでは13か国が新たに「パートナー国」(準加盟国)として承認された。アルジェリア、ベラルーシ、ボリビア、キューバ、インドネシア、カザフスタン、マレーシア、ナイジェリア、タイ、トルコ、ウガンダ、ウズベキスタン、ベトナムである。
・ 「パートナー国」にはベネズエラも含まれるはずだった。だが、ブラジルの拒否で排除された。【新規加盟は加盟国すべての賛成によると決められている。】 / ブラジルの拒否権発動については、まずはルーラの右傾化や、左派とはいえ社会民主主義であることの限界が指摘された。それは、特に、ベネズエラ大統領選で米帝とベネズエラの対立を仲介しようとして米国寄りの姿勢をとったことに表れていた。BRICSへのベネズエラ加盟の拒否はその延長としてとらえられた。 / BRICSよりもG20の方を重視する傾向も、さらにブラジル経済のドルへの依存度の高さも指摘されている。
・ だが、驚くべき内容が明らかになった。ルーラは転倒して負傷したことを理由に欠席して外相を派遣。ブラジル外相はベネズエラの加盟を認めると述べていたという。だが、米国務省と結びついているブラジル外務省が、米帝の意向に沿ってルーラ政権を無視して行動したようだ。 / マドゥロによれば、ブラジル外相は「私に面と向かって拒否権を発動しないと告げた」という。しかし、ベネズエラの加盟に関する決定が下されることになったとき、ブラジル代表が外相から極右ボルソロ主義者の外交官に交代し、ベネズエラの加盟を拒否した。 / ブラジル外務省は「ブラジルの権力の中の権力」で、「歴史的に米国務省と密接な関係にある」という。 / マドゥロは、様々な成果の方を強調し、まだコメントを出していないルーラの姿勢については「用心深く待つ」としている。
・ ブラジルの拒否権発動は、ルーラが主導したものではなかったようだが、外務省の勝手な行動を否定することができないところにルーラ政権の弱さと限界が表れている。 / ボルソナロの極右は大きな勢力として存在しており、ルーラ政権は、中道諸党に譲歩して取り込むことで政権を維持しなければならない状況にある。また、権力の一部を掌握しているだけで、反動勢力がまだ権力の多くの部分を保持していることも露呈した。
・ 米国がさまざまに画策してBRICSに分裂を持ち込もうとした。 / ALBA諸国をはじめとして、多くの国や社会組織がブラジルとルーラを非難し、米国を糾弾した。
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(ブラジルがベネズエラのBRICS加盟を拒否)
Orinoco Tribune November 3, 2024
The West Eyes Only Itself
(西側諸国は自分たちのことしか見ていない)
米国大統領の選挙が差し迫っており、多くのリスクを伴うため、国際メディアは、特にグローバル・サウスと新興の多極世界に広く深い影響を与える最近の別のイベント、ロシアのカザンで開催されたBRICSの第16回サミットにほとんど注目していない。しかし、メディアは注目すべきだった。 / BRICSは、第二次世界大戦後に構築された米ドルが支配する金融/銀行システムとは異なるシステムを構築することを目指している。 / 米国はドルを政治的道具に変え、他国を支配し、違法な金融・経済制裁の脅迫と課徴金の下で圧力をかけ、米国の意のままにさせる。ドルとそれを支える金融構造は、こうして新植民地主義の道具と化した。自国の主権を守りたい国々は、現在のドルベースの国際金融システムに代わるものを求めている。まさにその代替案を目標とするBRICSの登場である。 / BRICSはただの普通の団体ではない。世界人口の46%、世界GDPの37%を占める。全体として、その加盟国は地球上で最も急速に成長している経済圏のグループである。今年はロシアが輪番制の議長国を務め、このサミットの主催者はウラジーミル・プーチンだった。そのため、西側諸国はこの団体とその会議を軽蔑し軽視した。 / 「アーンスト・アンド・ヤング・インディア」は、最近の報告書で、BRICS諸国が2026年までに世界の商品輸出シェアでG7諸国を追い抜く可能性があると予測している。報告書によると、BRICS諸国の世界商品輸出シェアの合計は、2000年の10.7%から昨年は23.3%に上昇した。対照的に、G7のシェアは45.1%から28.9%に低下している。「BRICS+」諸国の世界人口、世界GDP、世界貿易のシェアが増加するにつれ、世界経済問題の管理におけるG7の主導権が疑問視される可能性がある。【「アーンスト・アンド・ヤング」は、ロンドンを本拠地とし世界各国で会計、税務、コンサルティングなどのプロフェッショナル・サービス事業を展開するサービス企業であり、Big4の一角を占める。(by Wikipedia)】 / BRICSは、自らを単なる経済団体と見なすことに満足していない。その基本原則のひとつは、相互尊重と相互利益に基づく国家主権の尊重を支持する国際法の保護である。カザンでプーチン大統領は「国際法と国連憲章に基づく、より民主的で包括的かつ多極的な世界秩序」の創設を求めた。西側メディアは、プーチン大統領の発言を「プロパガンダ」と嘲笑する傾向があるが、自国の主権が危険にさらされていると感じている南半球諸国にこれらの言葉が与える影響を無視することは、全体像を見失うことである。 / 134のパラグラフからなる「カザン宣言」は、多極的な世界秩序の発展に向けた大きな一歩であり、多国間主義を通じて国際的な平和と安全を強化するという世界の多数派の意志の再確認となる。 / カザンでは2つの劇的な瞬間があった。1つ目は、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の予想外の登場だった。ベネズエラのデルシー・ロドリゲス副大統領は、すでに強力な外交チームを率いて到着していた。彼女が国を代表するものと思われていた。そのため、マドゥロ大統領の突然の登場は嬉しい驚きとなり、すべての国家元首から敬意と友好的な歓迎を受けた。ロシアは米国の監視を逃れて大統領をそこへ連れて行くためのロジスティックス面で協力した。大統領の飛行機は密かにアフリカのどこかに着陸し、その後、密かにカザンに飛んだ。 / 2つ目の驚きは歓迎されなかった。テレビのインタビューでマドゥロ大統領は次のように述べた。ブラジルのマウロ・ビエイラ外相が、ブラジルはBRICSへのベネズエラの加盟を拒否しないと議事進行中に一度だけでなく何度も非常に明確に述べた、と。しかし、ベネズエラの加盟に関する決定が下されることになったとき、ブラジルの外相はボルソナロとつながりのある下級公務員に交代し、その公務員はベネズエラのBRICSへの加盟を拒否した。ベネズエラのBRICS加盟に対する予想外かつ不人気な反対に、テーブルを囲む全員が衝撃を受けた、とマドゥロ大統領は述べた。 / ブラジルの拒否権は、BRICS、国連、CELACの基本原則である主権、自決、連帯を尊重しなかったルーラ大統領による卑劣な裏切りだった。サミットにも出席しなかったルーラ大統領は、この拒否権によって、事実上帝国主義のモンロー主義と、ベネズエラに対する米国のほぼ1000件の違法な制裁を支持した。19世紀にシモン・ボリバルが唱えて以来この地域が目指してきたラテンアメリカの統合と連帯の追求を台無しにした。 / ブラジル大統領は、ボルソナロ右翼政権によって不当に投獄された際に熱烈に擁護してくれたこの地域の進歩的運動すべてを裏切った。かつての投獄犯たちの味方をすることで、ラテンアメリカにおける左翼指導者としての彼の立場は、機能していないとまでは言わないまでも、危ういものとなっている。BRICSサミットを欠席したルーラの言い訳は、数日前に転倒して負傷したという薄っぺらなもので、状況はさらに悪化した。公の場ではルーラは健康そのものだと見なされていたため、この言い訳は誰にとっても信じ難いものだった。ラテンアメリカの世論は、ルーラは実は臆病で、ニコラス・マドゥロと向き合って、ベネズエラのBRICS加盟を拒否すると面と向かって言う勇気がなかったと強く示唆している。 / BRICSは、米国が支配する世界金融システムを脅かし始めていることもあり、ベネズエラが加わって強化されれば、米国の利益にはならないことは明らかだ。OPECは世界の石油生産の80%を占め、サウジアラビア、イラン、ベネズエラはOPECの創設メンバーである。サウジアラビアとイランは既にBRICSのメンバーまたは準メンバーである。膨大な石油埋蔵量を持つベネズエラがBRICSに加盟した場合、米国は枯渇しつつある国内の石油源をどこに置き換えるのだろうか? / ルーラが見返りに何を得たかはわからないが、カザンにおけるブラジルの裏切りがもたらした結果については言えることがある。まず第一に、ミレイ(アルゼンチン)、ボリッチ(チリ)、ノボア(エクアドル)、ボルアルテ(ペルー)の右翼政権によってすでに大きく衰退しているラテンアメリカの地域統合に打撃を与えた。 / 第二に、それはルーラの進歩的な指導者としての地位を失わせた。ブラジルとこの地域における彼の指導者としての役割のなんと悲しい結末だろうか! ルーラはもはや「左翼」や「進歩派」に属するものとしてではなく、米国の手先として見られるだろう。彼は権力を維持するために右翼と協定を結んだ。ブラジル国内の進歩派勢力は新しい指導者を探さなければならないだろう。 / ルーラは、ベネズエラの加盟を支持していたBRICS諸国の人々を失望させた。特に、中国とロシアという2つの大国は、ブラジルの狭量さと近視眼性に失望したに違いない。さらに、南半球の国々、特にブラジルの破滅を目の当たりにしたベトナム、エジプト、南アフリカ、エチオピア、ボリビア、キューバ、インドネシア、マレーシア、ナイジェリア、コンゴ、タイ、ウガンダなどの国々は、ブラジルを疑いの目で見るだろう。ブラジルやルーラを南半球のスポークスマンではなくトロイの木馬とみなすだろう。 / ベネズエラに関しては、米国とその同盟諸国は、外交的にも経済的にもベネズエラを孤立させることにすでに失敗している。BRICSサミットに招待され、ブラジルを除くすべてのメンバーがベネズエラの加盟に投票したことを知るだけでも、ベネズエラが国際的に受け入れられていること、そして大統領が高く評価されていることが分かる。ニコラス・マドゥロを悪者にしているのは、自国の政府に仕える西側メディアだけだ。 / ベネズエラとBRICS諸国との関係は、1回の首脳会談で決まるものではない。ベネズエラは、長年、これらの国々との経済、文化、政治のつながりを強化してきた。ベネズエラは、特に中国、ロシア、インド、ベラルーシ、トルコと数多くの二国間外交協定などを結んでいる。そのため、ベネズエラは米国の制裁措置の多くを回避し、これらの制裁措置で打撃を受けた経済を、完全な食料安全保障、大幅に多様化した経済、そして最近ではこの地域で最も高い経済成長率(今年は10%に迫る)を備えた繁栄した経済へと変えることができた。 / ベネズエラがBRICSの正式加盟国になるのは時間の問題だ。その間、ベネズエラは、長年築いてきた具体的な経済、金融、政治の二国間つながりをすべて備えた「事実上の」加盟国であり続けることができる。そして、これらは、正式な加盟国であれ、外の国であれ、実際的な意味で重要なことだ。ベネズエラは依然として勝利しており、BRICS が創造に尽力する多極的かつ代替的な世界への道を歩み続けるだろう。
Orinoco Tribune October 30, 2024 (Últimas Noticias) by Randolf Borges
Maduro: Veto by Brazil’s Foreign Ministry Will Not Silence Venezuela
(マドゥロ: ブラジル外務省の拒否権発動がベネズエラを黙らせることはない)
ニコラス・マドゥロ大統領は、ベネズエラは「本来的に」すでに誕生している新たな多極世界に属していることを確認し、そしてまた、「(それを)創り上げることに我々は貢献した」ということを確認した。また、マドゥロ大統領は、ブラジル当局者がベネズエラのBRICS加盟を土壇場で拒否したことを非難した。 / 大統領は、自身の番組「コン・マドゥロ+」の第64回で次のように述べた。ロシアのカザンで開かれたBRICS首脳会議の開始前にすでに「正式加盟国10か国のうち、9か国の投票権が確保されていた」が、デルシー・ロドリゲス副大統領とイヴァン・ヒル外相の働きかけにより、ブラジルの投票権も確保された、と。 / 大統領は次のようにコメントした。副大統領とブラジル外相は「以前に会談し、ベネズエラに拒否権を発動しないと述べていた」「マウロ・ビエイラ外相は、私に面と向かって、ブラジルはベネズエラに拒否権を発動しないと告げた」「その外相とロシアの外相の間で会談があり、彼はベネズエラに拒否権を発動しないと明言した」と。しかし、首脳会議の終わり近くになって、事態は一変した。 / 「最終リストが提出されたとき、悲しいボルソナリストの過去を持つ役人(エドゥアルド・パエス・サボイア)が現れ、ブラジル国内で大きな批判を浴びたが、ブラジルはベネズエラに拒否権を発動すると直接述べた。そして、CELAC、メルコスール、BRICSの合意に違反する不道徳な拒否権を行使した」と、大統領は述べた。 / ブラジルのこの決定は「BRICSでベネズエラを支持するすべての国に大きな騒ぎを巻き起こした」「ボルソナリストでファシストの役人による背後からの攻撃だった」と述べた。 / ブラジル外務省の拒否権発動は南アフリカ首脳会談から マドゥロ大統領は次のようにコメントした。ベネズエラのBRICS加盟は2023年のヨハネスブルグ・サミットで計画されたが、イタマラティ宮殿(ブラジル外務省の本部)の圧力が、健康上の理由でベネズエラ大統領がその会議に欠席したことを利用して、ベネズエラのBRICS加盟を阻止した、と。 / この点で、マドゥロ大統領は、イタマラティには独立時代まで遡りボリバル革命の間も続いた反ベネズエラ行為の長いリストがあると述べた。 / 「これは非常に反ベネズエラ的な外務省であり、米国務省と密接につながっている」「国務省とつながりのない役人はいない」「イタマラティは、常にメルコスール(南米共同市場)からベネズエラに対して陰謀を企て、メルコスールからベネズエラを違法に排除する推進者だった」と、マドゥロ大統領は述べた。 / マドゥロ大統領は、続けて、その時以来「ベネズエラに対する陰謀の長い歴史があり、今、それが再び表明された。彼らは我々がBRICSに近づくのを阻止しようと、ジャイル・ボルソナロと同じ言葉で表明した」と述べた。 / ベネズエラは沈黙しない 今のところベネズエラのBRICSへのアクセスを制限している拒否権に関して、「新しい世界の誕生は避けられない。それはすでに誕生している。ベネズエラがこの新しい世界に属する権利を、拒否できると考えるのは愚かなことだ」と、マドゥロ大統領は述べた。 / 「我々がBRICSサミットに招待されるのは当然のことだ」「私はロシアのプーチン大統領に招待された」と、マドゥロ大統領は振り返った。サミット期間中、大統領は、ロシア、中国、インド、イラン、ベラルーシ、エチオピア、パレスチナ、トルコ、ベトナム、南アフリカ、モーリタニア、アラブ首長国連邦など20カ国以上の首脳と会談した。 / 「我々はこの世界に属している」「我々は、この手で、すでに存在するこの世界の構築に貢献してきた」「ベネズエラに拒否権を発動する者はいないし、ベネズエラを黙らせようとする者は、すでにそうなっているように、干上がるだろう」と同大統領は述べた。 / マドゥロ大統領は、BRICSサミットの最後にプーチン大統領に別れを告げる際、BRICS銀行のディルマ・ルセフ総裁が同席し、大統領と抱き合ったことを振り返った。少し離れたところにブラジルのマウロ・ビエイラ外相がいた。「彼は私と顔を合わせると気を失いそうになった。私は彼に言った、あなたはベネズエラに拒否権を発動した、と。彼は怯えて『ノー、大統領』と言って立ち去った。」 / ルーラ・ダ・シルバ大統領については、「私は用心深く待つことを好む」とマドゥロ大統領は語った。
Venezuelanalysis October 29, 2024 José Luis Granados Ceja
Maduro Pins Venezuela’s BRICS Snub on Rogue Brazilian Diplomat
(マドゥロ大統領、ベネズエラのBRICS冷遇をごろつきブラジル外交官のせいだとする)
ベネズエラ大統領は、この意外な動きを「裏切り」と呼び、イタマラティ(ブラジル外務省の本部)と米国務省とのつながりを強調した。 / ニコラス・マドゥロ大統領は、先日の第16回BRICS首脳会議での物議を醸したベネズエラ冷遇について言及し、ブラジルの拒否権発動は、ベネズエラの加盟は妨げられないというブラジルのトップ外交官の個人的な保証と矛盾していると主張した。 / 「彼らはそれを1回、2回、3回、4回と、何度も言った。マウロ・ビエイラ外相は、私に面と向かって、ブラジルはベネズエラを拒否しないと告げた」と、マドゥロ大統領は、10月28日、毎週のテレビ放送で明らかにした。 「ブラジル外相、ロシア外相、我が国の外相、副大統領との会談があり、ブラジルは、この地域で唯一の国として、ベネズエラに拒否権を発動しないと明確に直接表明した」と。 / しかし、マドゥロによると、BRICSの新メンバーを発表する時、交渉に関わっていたブラジルの外交官エドゥアルド・パエス・サボイアがベネズエラの加盟を拒否した。 / 「これは土壇場で、サミットのほぼ終わりに差し掛かった時だった」と大統領は述べた。 / マドゥロ大統領は、この動きを「背後からの攻撃」と呼び、パエスが主導したと述べた。パエスは「ファシスト」であり、ブラジルの極右前大統領ジャイル・ボルソナロの支持者だと述べた。マドゥロは、また、ブラジル外務省本部ビルにちなんでイタマラティという俗称で知られるブラジル外務省を非難した。 / マドゥロ大統領は、「イタマラティはブラジルの権力の中の権力だというのは誰にとっても新しいことではない」と述べ、イタマラティは歴史的に米国務省と密接な関係にあると付け加えた。 / 首脳会談には出席しなかったルーラ大統領は、報道されている拒否権発動についてまだコメントしていない。
junge Welt 2024.10.28 Von Volker Hermsdorf (ドイツ語・機械翻訳)
»BRICS plus« Enttäuschung über Lula
(「BRICS+」 ルーラへの失望)
ブラジルがベネズエラのBRICS加盟に拒否権を発動。背景に疑われる米国の陰謀。 / カラカス政府は、ベネズエラのBRICS加盟に対するブラジルの拒否権発動は「理解不能で不道徳」だと述べた。両国は歴史的なパートナーであるが、ルーラ・ダ・シルバ大統領は重要な局面で米国および一部の西側諸国の「刑事制裁政策」に加わった。10月24日にカラカスで発表された声明によると、ベネズエラはこれを「敵対的行為」とみている。世界中の左翼組織や著名人も、2025年1月1日にロシアから毎年交代でBRICS議長国を引き継ぐブラジル政府の拒否権を批判している。
Internationalist 360° on October 27, 2024 Ben Norton
BRICS Adds 13 New ‘Partner Countries’ at Historic Summit in Kazan, Russia
(BRICS、ロシアのカザンでの歴史的なサミットで13の新たな「パートナー国」を追加)
グローバル・サウス主導の組織BRICSは成長している。ますます多くの国が、このグループの使命、すなわち、西側諸国に支配されない、より代表的で民主的な代替経済制度を備えた多極世界を構築することを支持している。 / BRICSは2024年10月にロシアのカザンで首脳会議を開催し、13カ国の新たな「パートナー国」が承認された。 / この歴史的な会議で、中国の習近平国家主席はBRICSを「グローバル・ガバナンス改革を推進する先駆者」および「国際金融構造の改革」と呼んだ。 / この組織は、2009年にブラジル、ロシア、インド、中国によって「BRIC」として最初に結成された。その後、2010年に南アフリカが加わり、グループは「BRICS」になった。 / 南アフリカのヨハネスブルグで開催された2023年のBRICSサミットでは、さらに数か国が参加するよう招待された。 / 2024年10月現在、BRICS には 9 つの加盟国と13のパートナー国がある。5つの元加盟国: ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ。 4つの新加盟国(2023年8月に招待、2024年1月に正式加盟): エジプト、エチオピア、イラン、アラブ首長国連邦。【サウジアラビアについては後で述べられている。】 13 のパートナー国 (2024 年 10 月に承認): アルジェリア、ベラルーシ、ボリビア、キューバ、インドネシア、カザフスタン、マレーシア、ナイジェリア、タイ、トルコ、ウガンダ、ウズベキスタン、ベトナム。 / BRICS 加盟国 9 か国を合わせると、世界の GDP の 3 分の 1 以上を占める (購買力平価で測定)。 BRICSは、地球上の人口の40%をはるかに超え、世界の石油生産量の約30%を占めている。 / 対照的に、G7諸国は世界人口の10%未満、GDP(購買力平価)の30%未満を占めており、世界経済に占めるG7諸国のシェアは時間とともに縮小しているが、BRICSのシェアは増加している。【グラフあり】 / BRICSの4つの新メンバー(アルゼンチンとサウジアラビアは除く) 10月22~24日、30か国以上がカザン・サミットに出席した。これは、BRICSの4つの新メンバーが参加する最初の会議だった。 / 2023年のヨハネスブルグサミットには6カ国が参加を招待されていたが、アルゼンチンとサウジアラビアの2カ国は参加しなかった。 / 当時、アルゼンチンは、アルベルト・フェルナンデス大統領とクリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル副大統領が率いる中道左派政権で、2023年8月にBRICS加盟の申し出を熱烈に受け入れていた。しかし、極右のハビエル・ミレイ大統領が2023年12月に就任し、直ちにアルゼンチンのBRICS加盟計画をキャンセルした。 / アルゼンチンとは異なり、サウジアラビアは立場を曖昧にしている。リヤドは正式に招待を受け入れていないが、申し出を拒否したわけでもない。王国の事実上の指導者であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子はカザン・サミットに出席しなかった。代わりにサウジのファイサル・ビン・ファルハン外相が出席した。【米国が手をまわしたようだ。「Internationalist 360° on October 28, 2024」に、「サミット開催中、米国外交トップのアントニー・ブリンケンがサウジアラビアで、サウジのファイサル・ビン・ファルハン外相、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子と会談している」とある。】 / 西側諸国のBRICS批判者は、グループ内の不統一を誘発しようとして、アルゼンチンの拒否やサウジアラビアの優柔不断という広報上の打撃を利用し、BRICSを分裂した組織として描いている。 / カザン・サミットで「パートナー・ステータス」というカテゴリーが創設されたのは、BRICSが将来これらの紛争が再び起こるのを防ぐための方法だったようだ。政府がこの組織に参加したい場合、まず一定期間「パートナー」として受け入れられ、その後メンバーとして統合される必要がある (このプロセスは、中国、ロシア、インド、イランもメンバーである「上海協力機構」のプロセスに似ている)。 / 中国とインド、国境紛争を解決 カザン・サミットのハイライトは、中央銀行と財務省とロシアによって発表された報告書に基づいて行なわれた、国際的な通貨・金融システムを変革する計画についての議論だった。 / しかし、会議で最も重要な進展のひとつは、首脳会談が正式に始まる前に起こった。カザンでは、中国とインドが歴史的な合意に署名し、4年間続いた国境紛争を解決した。 / BRICS首脳会談の傍ら、習近平主席とモディ首相は5年ぶりの二国間会談を行なった。中国とインドの両方と良好な関係にあるロシアは、両国間の仲介と協力促進を行なっており、BRICS内でのより深い団結を促すことに成功したようだ。 / 米国は、インドを誘惑し、中国との相違を利用して緊張を悪化させて北京を孤立させ、BRICSを分裂させようとしている。西側の企業メディアも、同様に、BRICS内での対立を煽ろうとしている。 / ラ米の左翼はブラジルがベネズエラのBRICSパートナーとしての地位を拒否したことを非難 中国とインドが関係修復に努める中、ブラジルは、カザン・サミットでスキャンダルを起こした。 / ブラジルのルーラ・ダ・シルバ大統領は会議に出席しなかった。彼は負傷して渡航できないと主張し、代わりにマウロ・ビエイラ外相を派遣した。ルーラは物理的に出席すらしなかったが、ルーラの政府はベネズエラがBRICSのパートナー国として受け入れられることを阻止した。 / これはラテンアメリカの左翼の間でルーラに対する激しい批判を引き起こした。ルーラはBRICSを弱体化させ、地域をさらに分裂させ、ブラジルの元極右指導者ジャイル・ボルソナロの立場を取った、と非難した。 / ニコラス・マドゥロ大統領は、ブラジルを公然と批判し、BRICSパートナーとしての地位を拒否したことは「ベネズエラに対する攻撃行為であり、敵対的な行為である」と述べた。 / 他のBRICS諸国はベネズエラのパートナーとしての地位を支持していた。ルーラ大統領とは異なり、マドゥロ大統領は、サミットのために実際にロシアを訪れ、カザンでは他のBRICS諸国の指導者や30カ国以上の代表と友好的な会談を行なった。 / このスキャンダルを受けて、ロシアは、ブラジルの外交的策略に反対する発言をした。「我々はブラジルの立場を知っている。我々は同意しない」とプーチン大統領は記者会見で述べた。「ベネズエラは生き残りをかけて戦っている」とロシアの指導者は付け加え、マドゥロ大統領の政府に対する米国主導のクーデターの試みが絶え間なく続いていることに言及した。 / BRICS「カザン宣言」 BRICS加盟国は、10月23日、長文の共同声明に署名した。「カザン宣言」は、「平和の促進、より代表的で公正な国際秩序、再活性化され改革された多国間システム、持続可能な開発、包括的な成長」を求めた。 / BRICSは「より公平で公正で民主的でバランスのとれた多極的な世界秩序」を求めており、その声明では、「多極化は、EMDC(新興市場と発展途上国)がその建設的な潜在的可能性を解き放ち、普遍的に有益で包摂的かつ公平な経済のグローバル化と協力を享受する機会を拡大することができる」としている。 / 西側諸国の「ルールに基づく国際秩序」という漠然とした考えとは対照的に、カザン宣言は「国際システムにおける国連の中心的役割」と国際法を強調した。 / とはいえ、声明は、「安全保障理事会を含む国連の包括的改革への支持」を再確認し、「国連事務局およびその他の国際機関の職員構成において、公平かつ包括的な地理的代表をタイムリーに実現することが緊急に必要」であり、「特にアフリカとラ米カリブ諸国のEMDCおよび後発開発途上国が、世界的な意思決定プロセスおよび構造に、より大きく有意義な参加を実現する必要がある」と強調した。 / カザン宣言は、「世界経済へのEMDCの貢献を反映させるために、指導的立場におけるEMDCの代表を増やすことを含むブレトンウッズ機関の改革」を求め、「国際通貨金融システム(IMFS)の改善プロセスにおけるBRICSの重要な役割」を確認した。 / 声明は、「違法な制裁を含む違法な一方的強制措置が世界経済に及ぼす破壊的な影響」を繰り返し非難し、それらの撤廃を要求した。 / BRICS加盟国は、また、イスラエルによるガザとレバノンへの戦争を批判し、「1967年6月の国際的に承認された国境線に沿った、主権を持ち、独立し、存続可能なパレスチナ国家の樹立」を含む、「パレスチナ国家の国連への正式加盟への支持」を再確認した。 / カザン宣言は、同様に、米国のシリアに対する違法な軍事占領と、イスラエルのイランへの攻撃を非難した。 / カザンサミットでの首脳たちの発言 カザン・サミットで、中国の習近平国家主席は、「我々はBRICSを、グローバル・サウス諸国間の連帯と協力を強化するための主要チャネルとして、またグローバル・ガバナンス改革を推進する先駆者として構築するために協力しなければならない」と訴えた。 / 習近平主席は、ガザとレバノンの平和を求め、「即時停戦と殺戮の終結を推進しなければならない。パレスチナ問題の包括的で公正かつ永続的な解決に向けて不断の努力をしなければならない」と述べた。 / 「グローバルサウスの台頭を踏まえ、我々はBRICSへの参加を求める各国の声に好意的に応えなければならない」と中国の指導者は付け加え、「国際金融構造の改革はますます急務である」とし、「BRICS諸国は改革で主導的な役割を果たすべきだ」と述べた。 / 同様に、プーチン大統領は、米ドル中心のブレトンウッズ体制の代替(replacement)を促進した。 / 「世界経済成長の次の波が世界の多くの国々で生まれつつあることは明らかだ」とロシアの指導者は述べた。「したがって、成長を続ける経済の潜在力を解き放つために、独自のプラットフォームを構築するというアイデアを議論する時が来ている」と。 / プーチンは、より多極化した世界への移行が「スムーズに進んではいない」と嘆き、「あらゆるものを支配する論理で考え行動することに慣れた勢力によって、その発展が妨げられている」と述べた。 / イランの新大統領マスード・ペゼシュキアンもカザンサミットに出席し、BRICSのより多極化した金融システム構築計画に熱烈な支持を表明した。 / 「我々は西側の決済システムに依存し続けるべきではない。これは大きな脅威だ」とペゼシュキアンは警告し、「代替の可能性」の確立を促した。 / 「イランは、BRICSグループが世界経済運営の構造を改革し、グローバル・サウス諸国のための代替的な可能性を生み出すという課題を成功裏に推進するために、あらゆることを行う」とイランの指導者は述べた。 / ボリビアの左派大統領ルイス・アルセもカザン・サミットに出席した。ボリビアがパートナー国として受け入れられたことを誇らしげに発表したアルセ大統領は、BRICSは「新たな多極世界の統合を日々進めている」と述べた。
Orinoco Tribune October 27, 2024
Speech of the President of China at 16th BRICS Summit in Russia
(ロシアで開催された第16回BRICSサミットにおける中国国家主席の演説)
【(要約)BRICSに新たなメンバーを迎え入れたこと、多くの国をパートナー国として招待したことを確認し、「BRICSの拡大は、歴史における大きな節目であり、国際情勢の進展における画期的な出来事」だとしている。 / 世界が激動と変革の新たな時代に入る中で、「ニコライ・チェルヌイシェフスキーの小説『何をなすべきか』を思い出させる」とし、「主人公の揺るぎない決意と情熱的な意欲は、まさに現代の私たちが必要とする意志力」だとしている。そのうえで、「我々は、協力してBRICSを南半球諸国間の連帯と協力を強化する主要な経路に、そして世界統治改革を進める先鋒に、築き上げなければならない」と。 / そのあと、ウクライナ、中東・パレスチナ、BRICSの拡大・発展・取り組み、国際金融構造の改革などに言及している。略。】
teleSUR October 27, 2024
ALBA-TCP Celebrates Cuba and Bolivia’s Entry into BRICS While Advocating for Venezuela’s Inclusion
(ALBA-TCP、キューバとボリビアの BRICS 加盟を祝福するとともに、ベネズエラの加盟を主張)
ALBA-TCP(米州ボリバル同盟‐人民貿易協定)にとって、キューバとボリビアがBRICSに加わったことは、新世界秩序の構築に対するこれらの国のコミットメントを再確認するものであり、喜ばしいことだ。 / 加盟に関する楽観的な見方にもかかわらず、ALBA-TCPは、ベネズエラの状況について懸念を表明している。声明では、「世界の将来にとって極めて重要なこの時期に、ある国が協力の場での合意を破り、姉妹国を排除した」ため、ベネズエラのBRICS圏への加盟が一時的に妨げられたと嘆いている。
teleSURtv.net 26 de octubre de 2024 (スペイン語)
Red de Intelectuales reprueba veto de Brasil a Venezuela en Cumbre BRICS
(知識人ネットワーク、BRICSサミットでブラジルのベネズエラに対する拒否権を拒否)
「人道防衛ネットワーク(La Red en Defensa de la Humanidad)」は、ブラジル政府によるこの決定が、世界経済におけるドルの比重を減らすというブラジル政府自身の声明と矛盾していると指摘している。それはBRICSのベネズエラとなら可能となるのだが。 / 「人道擁護ネットワーク」の声明は、ブラジル政府がワシントンの圧力に屈し、ベネズエラをBRICSグループから排除したことを非難している。「人類防衛の知識人と芸術家ネットワークは、ベネズエラをBRICS圏関連国として編入することに拒否権を発動したブラジル政府の決定を非難する」と、10月26日に発表された声明で表明した。 / 知識人たちは、この決定が「米国と欧州の帝国主義の新植民地政策に立ち向かうための、ラ米カリブ諸国とグローバル・サウスの他の諸国との統合と抵抗のプロジェクトの進展を遅らせるものである」と主張している。 / ベネズエラに対するブラジルの拒否権は、ブラジルの現政権に対する米国とその国際的パートナーからの圧力の影響を表しており、「国内の保守勢力に直面している同政権の極度の脆弱性あるいは共犯性を示すものである」と宣言文は指摘している。 / ベネズエラに対するこの敵対的な立場は、2024年10月23日に行なわれたBRICSのビデオ会議でBRICSの優先事項のひとつは「南半球の強化」であると表明した自らの意図に反するものであり、矛盾していると指摘している。 / 知識人ネットワークは、ブラジル政府に対し、「北米帝国主義とその仲間を利するだけの行動方針を是正し、ボリバル・ベネズエラに対する名誉毀損と孤立の国際的なキャンペーンに参加し続けないこと」を求めている。 / ベネズエラは「新しい多極化世界の建設において主導的な役割を果たすことができ、また果たさなければならない」地政学的な主要国であり、そのためにはBRICSへの加盟が不可欠である、と同ネットワークは主張している。
teleSURtv.net 26 de octubre de 2024 (スペイン語)
Red Continental de Solidaridad con Cuba difunde carta abierta al presidente Lula
(「キューバ連帯大陸ネットワーク」がルラ大統領への公開書簡を流布)
同団体は、この書簡の中で、2019年11月にハバナで開催された「キューバと正義の連帯の世界反帝国主義会議」で、ミゲル・ディアス=カネル大統領とニコラス・マドゥロ大統領が「ルーラ・リブレ」(Lula Livre)のスローガンの下で強力なキャンペーンを推進したことを、ブラジルの指導者に想い起こさせている。 / 10月26日、「キューバ連帯ラ米カリブ大陸ネットワーク」は、以下の書簡を発表した。この書簡は、ブラジルがベネズエラ・ボリバル共和国のBRICSグループ入りを拒否したことに懸念を表明している。 / この書簡には、ネットワークの総合コーディネーター、ノルベルト“チャンパ”ガリオッティが署名している。 / 署名者は、ルーラ大統領がベネズエラの加盟に拒否権を行使した論拠に疑問を呈している。その論拠は、ベネズエラにおける大統領選挙を疑問視するものであるが、大統領選挙を実施していない君主国の加盟は疑問視されていない。 / 同団体は、ベネズエラ国民に対する米国の封鎖へのブラジル政府の対応の欠如を非難し、自称大統領の発明やベネズエラ人にとって略奪的で不利な利益を伴うその他の明らかな干渉メカニズムを非難している。 / 同氏は、侵略未遂、コロンビアとの国境での不安定化を目的とした文化的政治行為、イギリスの銀行にある金準備の窃盗、米国大統領とアルゼンチン大統領によるベネズエラの貨物機の窃盗などに見られる、テロリスト、クーデター、不安定化行動に対して、ブラジルの大統領は声を上げていないと指摘している。 / ガリオッティは、ルーラ大統領に、「マウリシオ・マクリ、オラシオ・カルテスとともに、ベネズエラのメルコスール臨時議長就任を阻止し、この多国間組織に深刻なダメージを与えたミシェル・テメルの政策の継続者」にならないよう勧告している。「すべては米国務省の要請によるものだ」と署名者は述べている。 / また、ルーラが行なった行為を非難して、「2005年11月5日、ウゴ・チャベス、ネストル・キルチネル、タバレ・バスケスとともにアルゼンチンのマル・デル・プラタ市で行われたFTAAへのNOはどこにいったのか?」と述べている。 / 書簡は、ほぼ結論として、アルゼンチン共産党の元指導者フロリンド・モレッティの言葉を引用している。「闘争のどちら側に立つべきかわからない場合は、敵である帝国主義がどこに立っているのかを見てみよう。それで、反対側の歩道にとどまる、そこが正しい場所だ」と。
teleSUR October 26, 2024
Lula Pretended Accident to Not Attend the Brics Summit, Venezuela’s AG Says
(ルーラ大統領が事故を装ってBRICSサミットに出席しなかった: ベネズエラ司法長官が語る)
ベネズエラのタレク・ウィリアム・サーブ司法長官は、10月26日、ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領が1週間前の事故を利用してBRICS首脳会議に嘘をつき、ベネズエラのグループ入りに拒否権を行使したことを非難した。 / ルーラが1週間前に大統領官邸で転倒して後頭部を打ったとされる事故の後にBRICS会議に出席しなかったことについて、「ブラジルの直接の親しい情報筋から、ルーラ・ダ・シルバ大統領が最近のBRICSサミットに出席しないために、アリバイとして事故をでっち上げたと聞いた」とサーブは語った。
Misión Verdad 25 Oct 2024 (スペイン語)
Un balance geopolítico de la XVI Cumbre de los Brics
(第 16 回BRICSサミットの地政学的なバランス)
【「カザン宣言」のところのみ】 43ページにわたる134項目からなる文書である「カザン宣言」が作成された。この宣言は、現在の世界情勢の包括的な分析を提供し、長期的な戦略目標を確立している。ハイライトの一部は次のとおり。
● ブレトンウッズ体制と国連の改革を推し進めるための加盟国間の合意。 / ● 国際貿易において自国通貨を使用することの重要性。 / ● ハイテクや医療などの分野での協力関係を強化する取り組みの確立。 / ● 国境を越えた預金と決済の円滑化を目的とした「Brics Clear システム」の導入に向けた交渉の継続。 / ● 価格の安定と食糧安全保障の強化を目的とした「BRICS穀物取引所」を創設するというロシアの提案を支持。 / ● パレスチナやレバノンに対するイスラエルの侵略、ウクライナ紛争など、世界的な緊急事態に対する立場。
Misión Verdad 25 Oct 2024 (スペイン語)
Tres claves del discurso del presidente Nicolás Maduro en la Cumbre Brics
(BRICSサミットでのニコラス・マドゥロ大統領のスピーチの3つの鍵)
「より良い世界を共に構築するBRICSとグローバル・サウス」をモットーに開催された「BRICS+」サミットの第1回会合での演説で、マドゥロ大統領は、世界の経済・政治構造を再構築する必要性を提起した。 / ベネズエラに対する経済攻撃を糾弾するとともに、2023年の「ヨハネスブルグ宣言」と2024年の「カザン宣言」を基礎として、「新たな経済アジェンダ」と「国連システムの再構築」に向かうことの重要性を強調した。 / 1.新しい金融・通貨アーキテクチャーに向けて マドゥロ大統領は、国際金融システム改革の必要性を強調した。BRICSブロックを構成する国々に対し、西側諸国が支配する金融メカニズムへの依存を克服するため、より大胆な措置を講じるよう求めた。 / 金融の流れや決済システムの支配は、グローバル・サウスに対する支配の道具であり続け、各国の経済的自律性を制限していると説明した。 / 新たな決済システムの統合と「新開発銀行(NBD)」の強化を視野に入れ、BRICS提案を推進することへのベネズエラの支持を強調した。それは、米ドルと伝統的な金融機関の専横にさらされる融資と投資回路に代わるものとして計画されている。 / 大統領は、新しい世界経済は包括的でなければならず、開発問題に対する実際的な解決策を模索しなければならないと強調した。そのため、「超大国の強力な通貨と、各国が自国通貨を持つ権利を組み合わせた」通貨バスケットを創設する必要性を表明した。 / 2.国連の再構築 マドゥロ大統領は、また、国連システムの再構築を求めた。パレスチナ人民の苦しみを前にして国連が無策であることを強調した。 / 彼の批判は、発展途上国の脆弱性やニーズを無視しながら伝統的な大国を支持する世界的な制度の偏りを浮き彫りにした。 / 彼は、国際社会に対し、声を上げ国連システムの再構築に向けた現実的かつ大胆な計画を模索するよう求めた。 / 3.新しい世界の中心地(震源地)としてのBRICS 大統領は、新時代への移行の中で、BRICSブロックが国際舞台にオルタナティブなパラダイム(paradigma alternativo代替的な枠組み)を打ち出したと述べた。 / マドゥロ大統領は、BRICSは経済協力の場であるだけでなく、新たな多極化世界を具体化する変革的な政治プロジェクトでもあるべきだという彼のビジョンを強化した。 / 結びで、彼は、BRICSは「新しい世界誕生の震源地」であり、この世界はパワーバランスと発展の異なる極の包含を模索し、多極的かつ多中心的な秩序のビジョンに沿った世界であると述べた。
Orinoco Tribune October 25, 2024
Venezuela Condemns Brazil’s Veto at BRICS Summit
(ベネズエラ、BRICSサミットでのブラジルの拒否権発動を非難)
10月24日に発表された声明は、エドゥアルド・パエス・サボイア大使が代表を務めるブラジル政府が、組織の他のメンバーの支持を得ているにもかかわらず、ベネズエラ・ボリバル共和国がBRICSに加盟するのを阻止した拒否権を拒絶している。 / 文書には、パエス・サボイア大使は「ボルソナロがベネズエラに何年も適用してきた拒否権を維持することを決定し、当面はシモン・ボリバルの祖国がこの組織に加盟するのを阻止するために西側諸国が促進してきた憎悪、排除、不寛容を再現した。この行為はベネズエラに対する攻撃であり、ベネズエラ国民のような勇敢で革命的な国民に対して課せられた刑事制裁政策に加わる敵対的な行為である」と記されている。 / 【このあとはベネズエラの声明。その要点は次の通り。】 BRICSの性質と原則に反する行動を通じて、エドゥアルド・パエス・サボイア大使率いるブラジル外務省代表団は、ボルソナロがベネズエラに対して長年適用してきた拒否権を維持することを決定し、当面シモン・ボリバルの祖国がこの組織に加盟するのを阻止するために西側諸国が促進してきた憎悪、排除、不寛容を再現した。 / ベネズエラに対するいかなる策略も歴史の流れを止めることはできない。新しい世界が誕生した! / 平和、正義、そして共通の発展という新しい世界のためのこの歴史的なサミットは、大成功を収めた。
Orinoco Tribune October 23, 2024 By Misión Verdad – Oct 23, 2025
Why Brazil Opposes Venezuela’s Entry Into BRICS
(ブラジルがベネズエラのBRICS加盟に反対する理由)
10月21日、ブラジルがベネズエラのBRICS加盟に反対すると報じられた。BRICS組織の第16回首脳会議は、今週、ロシアの都市カザンで開催される。ニコラス・マドゥロ大統領は、8月初めにロシアのプーチン大統領本人から招待を受け、ベネズエラ代表団とともに出席している。 / ブラジル政府の国際問題顧問で元外相のセルソ・アモリムが、ブラジルはベネズエラのBRICS加盟を阻止しようとするだろうと発表した。カラカスの加盟の可能性を拒否するよう指示したのは、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領である。 / ラテンアメリカでは、ボリビア、キューバ、ニカラグアに加え、ベネズエラが加盟を正式に申請した。申請国の中で、ベネズエラは、ブロックの最も重要なメンバーであるロシアと中国との協力関係を強化し、加盟に最も大きな支持を集めている国である。 / この姿勢は、ニコラス・マドゥロ大統領が再選された7月28日の選挙結果に疑問を呈したルーラ政権が、ここ数カ月ベネズエラに対してますます敵対的な態度を示してきたことと一致する。 / ブラジルは、当初、選挙後の紛争の仲介役としての地位を確立しようと比較的中立的な立場を維持しようとしたが、エドムンド・ゴンサレスを勝者と公然と認めているワシントンとブリュッセルの立場に徐々に同調するようになった。 / 原因と理由 昨年、ルーラ自身はBRICSの拡大とベネズエラの参加に前向きだった。この点で、アモリムの発言は、カラカスとブラジリアの関係を悪化させる積極的な立場の変化を表している。 / 「私はベネズエラがBRICSに加わることに賛成だ。私たちはすぐに会い、いくつかの統合要求を評価しなければならない」とルーラは5月に述べ、さらに「新しい地政学は、多様性の中でのアメリカの統一と、協力を望む国々を引き付ける大きな磁石として台頭しつつあるBRICSの役割という2つの要素によって特徴付けられる」と付け加えた。 / 戦略的に、ブラジルはBRICSの唯一のラテンアメリカ加盟国としての地位を維持することに関心がある。この地位により、ブラジルは地政学的な対抗勢力を回避できると同時に、BRICSの他の大国から地域問題の独占権を守ることができる。 / アルゼンチンを加盟させる提案は、ブラジリアがブエノスアイレスの加盟の時期と範囲を管理し、同盟内でブラジルの巨人の弟分として位置付けるという前提に基づいていた。 / しかし、ベネズエラに関しては、異なる論理と緊張が働いている。 / ベネズエラがBRICSに参加すると、ロシアと中国との関係強化により、地域とブロックの地政学的軸が多極化に大きくシフトすることになる。これは、ブラジルとワシントンおよびブリュッセルとの戦略的関係を維持しながらBRICSとの経済的関係を守ろうとするルーラとアモリンのアプローチを弱めることになる。 / この意味で、ベネズエラは、アルゼンチンのようには制御できないグループ内の居心地の悪い同盟国となり、西側諸国との関係を重視するブラジルの外交政策の流れに逆らって多極化の強化を促すことになる。 / 11月の米国大統領選挙後に深刻化する可能性のあるカラカスとワシントンの間の存亡をかけた対立は、ブラジルがワシントンに対抗してBRICS諸国のパートナーであるベネズエラを支援しなければならないことを意味するだろう。【ベネズエラが加盟していたらそうなるということ。】 / ブラジルとベネズエラは共にこのグループの一員であるため、ブラジルはベネズエラとの政治的・経済的関係を積極的に維持し、ホワイトハウスや米国務省が推進する違法な制裁やニコラス・マドゥロの大統領就任を認めないというシナリオに異議を唱える義務がある、ということになる。 / ルーラとアモリムは、これらの潜在的なジレンマを認識しており、米国との関係を歪めたり複雑にしたりする政治的コストを削減する目的でベネズエラの編入に反対することを決定した。 / ブラジル大統領と国際問題担当の主要顧問は、自分たちのビジョンは多極的というよりはヨーロッパ中心的であり、BRICSは経済目的のための手段であって、ベネズエラが向かっていて積極的に推進している地平である新たな世界秩序を構築しようとする地政学的な賭けではないと主張している。 / このようなビジョンの衝突とブラジルの対米外交政策の譲れない点が、ベネズエラに対するブラジルの最新の不満を説明している。
Misión Verdad 22 Oct 2024 (スペイン語)
La plataforma Brics Pay abre una nueva grieta al poder del dólar
(「Brics Pay プラットフォーム」はドルの力に新たな亀裂を入れる)
10月22~24日、ロシアのカザンで「第16回BRICS首脳会議」が開催され、昨年承認された新たな5カ国(サウジアラビア、イラン、エジプト、エチオピア、アラブ首長国連邦)の加盟後初の会合となる。 / 「Brics Pay」の公式Webサイトでは、この決済システムのアーキテクチャを集中化と分散化を組み合わせたハイブリッド・アプローチとして説明している。 / 各国内での集中化: ブロック内の各国は、「Brics Pay プラットフォーム」に接続された独自の国内決済ネットワークを維持している。この集中化により、各国内の取引の制御と管理が容易になる。 / 国際規模での分散化: 国内決済ネットワーク間の相互接続は分散化された方法で実行され、参加銀行が外国銀行や他の金融機関と直接接続を確立できるようになる。 / この新しい国境を越えた決済インフラにより、外国のシステムに依存することなく、国際商取引をより迅速かつ安価に実行できるようになる。 / これはドルとユーロの使用を避け、現地通貨での取引を可能にすることを目的としている。 / 完全な導入には時間がかかるが、ロシアは、今年、外国人向けにビザとマスターカードを受け入れたキャッシュレス決済の試験サービスを開始する予定だ。 / 「Brics Pay」イニシアチブは数年間にわたって開発されてきた。【2018~23年の進展。略】 / ドルの支配への挑戦 BRICSは世界的な経済力の台頭を表している。ロシアと中国を筆頭に世界の金埋蔵量の20%以上を支配しており、世界のガスの50%以上と石油の40%以上を生産している。 / ここ数十年、各国は世界経済成長の40%以上を牽引しており、2024年末までの平均成長率は4%と予測されており、G7諸国(1.7%)や世界の成長率(3.2%)を上回っている。 / 「BRICSビジネス・フォーラム」で、プーチン大統領は、これらのデータを提示しながらブロック諸国が世界経済の成長エンジンであると指摘した。 / その影響力の増大とドルへの依存を減らすという目標を考慮すると、公式ウェブサイトに示されているように「Brics Pay」の開発はより重要なものになっている。 / 「ブレトンウッズ時代の世界金融システムは、大きな変貌を遂げつつある。世界的な債務の増加、富の分配における不平等の拡大、取引・金融システムの分断化が起きている。私たちの目標は、金融技術とグローバルな富への平等なアクセスを確保し、すべての人に潜在能力をフルに発揮する機会を与えることである。今日、私たちは未来のために、公正で分散化された新しい金融システムの構築に着手する。」 / このプラットフォームは、現在の世界金融システムに代わる実行可能な選択肢となり、経済的圧力や制裁の政治に対抗し、新たな多極経済秩序の構築に貢献する可能性を秘めている。
Plensa Latina (Voces del Sur Global) septiembre 13, 2024
Over 30 countries looking to work with BRICS
(30カ国以上がBRICSとの協力を検討)
BRICS加盟国は同組織内での連携を深める計画だと、ロシアのプーチン大統領は述べ、34カ国が何らかの形で同グループに参加する用意があると付け加えた。 / BRICSは2006年にブラジル、ロシア、インド、中国によって設立され、2011年に南アフリカが加盟した。同グループは、今年、エジプト、エチオピア、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦が正式加盟し拡大した。現在同組織の議長国を務めるロシアは、10月22~24日にカザン市で次回BRICSサミットを主催する。 / BRICS諸国は、現在、約36億人、つまり世界人口の45%を抱えている。彼らは世界の名目国内総生産の28%、購買力平価で世界のGDPの3分の1以上を占めている。メンバー10カ国を合わせると、世界の石油生産の約40%を占めている。 / ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、6月、BRICSが新規加盟申請を一時停止し、2024年に加盟した国々の統合に注力することを決議したと発表した。ラブロフ外相は、正式加盟への「足がかり」として「パートナー国」という新しいカテゴリーが創設されると付け加えた。
Plensa Latina (Voces del Sur Global) agosto 10, 2024 Sputnik (スペイン語・機械翻訳)
El proceso mundial de desdolarización se acelera con BRICS y «es ya irreversible»
(世界的な脱ドル化プロセスはBRICSで加速し「今や不可逆的」)
ドル体制に反対する勢力に新たな制裁を課そうとする米政府の試みにもかかわらず、BRICSグループ内では脱ドル化プロセスを中心的に後押しすることが決定され、世界の脱ドル化プロセスの進展は、すでに「不可逆的」なものとなっている。 / 今年5月、人口約6億人の地域グループである東南アジア諸国連合(ASEAN)が、国境を越えた貿易を非ドル化し、代わりに自国通貨を使用する計画を発表した / ドル制度を回避するための他の協定には物々交換も含まれる。イランとタイは食料と石油を交換している。パキスタンはイラン、アフガニスタン、ロシアとの物々交換を認可している。中国はイランに最先端の空港を建設中だが、その費用は石油でまかなわれることになる。 / 脱ドル化は「急速に世界最大の経済圏になりつつある」BRICSの優先課題となっている。 / 中国は世界のほとんどの国にとって主要な貿易相手国であり、相互貿易が徐々にドルを上回ることは避けられない。中国はBRICSの経済軸である。中国の脱ドル化に伴い、程度の差こそあれ貿易相手国も追随する可能性が高い。