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(ベネズエラ連帯) ベネズエラ・ラテンアメリカ短報No.112 ベネズエラ: 今後の政策・方針

2024-08-22 | ラテンアメリカ
ベネズエラ・ラテンアメリカ短報No.112
( 2024年8月22日報告)


(ベネズエラ: 今後の政策・方針 要点)
・ 今回の大統領選挙運動の中で、マドゥロ大統領は、今後の基本的な方針としてコミューン国家の建設とそれを通じた社会主義への前進を強調した。 / 選挙後の演説でも、コミューンの強化・発展によるコミューン権力・人民権力の形成・発展、官僚主義の削減・解消、コミューン国家の建設、それを通じてボリバル革命をいっそう深化させ、社会主義へ前進していくことを力説した。 / 大統領選で打ち出した政治綱領「祖国計画2025-2031」では、政治システムの基盤としての「人民権力」をうち固めることに重点を置き、コミューンを戦略的プロジェクトとして再確認している。
・ 4月に、大統領選へ向けて、全国約4,500のコミューンがそれぞれに社会プロジェクトを提案し、「全国人民協議2024」が行われた。提案総数は約25,000にのぼった。
・6月に、新しく「コミューンと社会運動」省の長にマドゥロ大統領が任命したのは、コミューンの全国的組織化の先頭に立つ「エル・マイサル・コミューン」の中心的活動家アンヘル・プラドだった。 / プラドは、マドゥロによる任命を「大きな決意をもって」引き受けた。
・ アンヘル・プラドは、2年前、エル・マイサル・コミューンが存在するシモン・プラナス市の市長に立候補して当選し、コミューン権力の発展のために既存の政治組織を活用することに取り組んできた。当初、懐疑論が広まったが、「政治的決意、原則の遵守、明確な目標があれば、市政の機構を効率的に管理し市民に奉仕できることを証明した」と述べている。「目標は、市政府などの古い制度を解体し、それを社会のコミューン化に完全にコミットした自治空間に置き換えることである」という。
・ 「エル・マイサル・コミューン」は、27のコミューナル・カウンシルから成る農村のコミューンで、最も成功したコミューンのひとつである。今はまだ一次生産者にとどまっているが、最終的には経済サイクル全体をコントロールすることを目指している。コミューンの全国的組織化を牽引していることから「旗艦コミューン」と呼ばれている。 / 2022年3月に50以上のコミューンで構成する全国組織「コミューン連合」をつくり、コミューン間の交流を推進して拡大しつつある。 / 2022年11月と23年3月に「コミューン連合」が中心となり、「コミューン民主主義」についての国際会議が開催された。世界各地の人民権力の経験を集め、討論の場がつくられた。

【コミューンについての記事で重要と思われるものを、今回の大統領選に関わるものだけでなく、1年ほどさかのぼって収録した。それ以前の記事については、昨年5月に「短報No.83」で報告している。】

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(今後の政策・方針: コミューン国家の建設と社会主義への前進を強調)

teleSUR August 8, 2024
President Nicolás Maduro Urges the People's Power to Deepen the Revolution in Venezuela
(ニコラス・マドゥロ大統領、革命を深化させる「人民権力People's Power」を力説)
ニコラス・マドゥロ大統領は、8月8日、政府の官僚主義を削減し、コミューン国家(communal state)を強化するための加速段階(accelerated phase)の開始を約束する地域民主主義基盤(territorial democracy base)を強化するよう求めた。 / 「私は官僚機構の縮小と直接的な政府を推進することを人民と約束した。「省庁の官僚化を解消し、予算が直接コミュニティに行き渡るようにする」「革命の中の革命」「これがベネズエラに必要な変化であり変革なのだ」と大統領は語った。 / 大統領は「コミューン国家の建設、参加メカニズムの強化、草の根のリーダーシップ、政府の能力強化、コミューン民主主義」に賭けた。 / また、真の真の民主主義の道を貫き、参加メカニズムと自治能力を強化し、直接民主主義の道を貫く必要があるため、今後多くの作業が待ち受けていると述べた。 / 大統領は、「サイバー・ファシストと犯罪クーデターに対するベネズエラの最大の〝ワクチン″は、国土全体でコミューンの権力を強化することだ」と指摘し、「強化されたコミューンと活発で統合されたコミューン評議会があるところには、ファシズムはやってこない」と述べた。
【今後の基本的な方針として「コミューン権力の強化」「コミューン国家の建設」「コミューンの強化・発展」を挙げている。】

Venezuelanalysis July 27, 2024 Cira Pascual Marquina
Multipolarity, Internationalism and Tomorrow’s Elections in Venezuela: A Conversation with Carlos Ron (Part II) (ベネズエラにおける多極性、国際主義、明日の選挙: カルロス・ロンとの対話(Part II)) 【(Part I) はJuly 20】

カルロス・ロンは北米担当外務副相であり、世界の人々の平和と連帯を促進するベネズエラのシモン・ボリバル研究所を率いている。このインタビューの「Part I」で、ロンは、ベネズエラ政府を転覆させる目的で、米国のモンロー主義の教義がベネズエラに適用されていると主張した。また、彼は「ハイパー帝国主義」と呼ぶもの、つまりここ数十年で出現した帝国主義的侵略の特に攻撃的な段階についても議論した。インタビュー「Part II」では、ロンが多国間主義の展望と今後の大統領選挙について語る。また、ボリバル・プロセスの今後の課題についても触れた。
【前半で、新しい世界秩序、帝国主義の衰退と中国を軸としたBRICSの台頭が指摘され、後半で、コミューンの意義が強調されている。】 帝国主義の衰退は、そしてそれが促進する暴力は、世界中で感じられている。この10年間に私たちが目撃したのは、一方での独立を求める運動と、他方での米国の利益と結びついた極右との間の闘争である。 / しかし、ハイパー帝国主義がラテンアメリカやアフリカそしておそらく南アジアでも力を発揮しているときに、中国のような強力な経済圏や、今や世界の人口と富の40%を占めるBRICSのようなブロックが台頭してきている。実際、BRICSはG7諸国を合わせたよりも大きな経済圏を形成している。 / 今、各国は、互いに強化し合いながら、非帝国主義ブロック内で協力することができる。 / 中国は、帝国主義ブロックが歴史的に行なってきたような構造調整を他国に押し付けることはしない。その代わりに、中国は、相互の成長につながる協力モデルで繁栄の共有を促進している。中国モデルは、結局は各国を弱体化させ不健全な競争を生み出すような米国が各国に要求する政治的協調とはまったく異なる。 / 今や、よりバランスのとれた新しい世界秩序の可能性がある。つまり、米国が一極集中を推進する一方で、多極主義は成長を続けている。 / 国際主義はボリバル革命で重要な役割を果たしてきた。それは私たちにとって基本原則である。私たちは、ラテンアメリカ全体で、またそれを越えて、人民の同盟を築くことができた。 / この25年続く革命は、再びハイパー帝国主義に支えられたファシストの敵と対峙することになるだろう。ファシズムは再び私たちのプロセスを妨害しようとするだろう。 / しかし、ボリバル革命の歴史を見ると、ドナルド・トランプ前大統領が展開した「最大限の圧力」キャンペーンを含む経済に対するあらゆる攻撃にもかかわらず、ベネズエラの人々はボリバル政府だけが社会的成果と平和を保証できることを理解している。 / 私たちは多くの課題に直面している。まず、ベネズエラの生産モデルを変革する方法を見つけなければならない。これは、環境に悪影響を及ぼし、制裁などの外部からの攻撃に対して国を脆弱にする石油依存から脱却することを意味する。 / また、コミューンのような取り組みに表れる革命の民主主義モデルを深める必要がある。コミューンは私たちのプロジェクトの鍵だが、まだ形成中である。各コミューンはそれぞれ異なるため、事前に確立された道筋はないが、すべてに共通する特徴がある。それは、特定の領域内で直接民主主義を通じて促進される変革である。これを実現するには、コミューンが相互に連携し成長する必要がある。コミューンは社会の単なる飛び地になってはならない。国全体のモデルにならなければならない。 / さらに、より国際的な協力を促進し、再活性化することで、大陸統合のプロセスを強化する必要がある。
【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2024.07.29 Monday)に全訳あり】

teleSUR July 24, 2024
President Nicolás Maduro Advocates for the Expansion and Fortification of Venezuela’s Humanist Socialist Model
(ニコラス・マドゥロ大統領、ベネズエラの「ヒューマニスト社会主義」モデルの拡大と強化を提唱)
大統領は、ベネズエラの政治的、社会的、選挙的、文化的、精神的な力はボリバル的チャベス主義的人民にあると強調した。【人民民主主義的社会主義指向を目指している。】

teleSUR July 24, 2024
President Nicolás Maduro Seeks The Continuity and Growth of The Venezuelan Socialism
(ニコラス・マドゥーロ大統領、ベネズエラ社会主義の継続と成長を追求)
ベネズエラの「大祖国極Great Patriotic Pole」候補でボリバル共和国の現大統領ニコラス・マドゥーロは、その唯一の目的は前世紀末にウゴ・チャベス司令官が開始した社会主義的変革と開発プロジェクトを継続することであると公言している。

Orinoco Tribune JULY 13, 2024
Nicolas Maduro Seeks Reelection With His Homeland Plan 2025-2031 as His Political Platform
(ニコラス・マドゥロ大統領、「祖国計画2025-2031」を政治綱領に掲げて再選を目指す)
【「祖国計画2025-2031」のみを取り出して圧縮。 / 「5.」で「人民権力の強化に重点」「コミューンを戦略的プロジェクトとして再確認」とある。】
1 – 経済・金融の封鎖と闘うための新しい経済 おそらくこれが最も困難な変革。石油とガスの輸出だけでなく、より大きな付加価値を生み出すデリバティブ産業の発展、経済の多様化、石油のレント構造の克服も提案されている。起業家や中小企業にとって好ましい環境で新しいビジネスに参入したい人々を支援する目的で、「国家資金調達基金」の創設も提案。 / 通貨ボリバルの防衛の継続、インフレ抑制(すでに実施中)による経済主権の保持と通貨の安定性の維持。経済活動を円滑にするため、手続きの簡素化と官僚主義の削減推進。 / 社会プログラムの強化と最低所得の回復を確固たるものにすることの重要性が強調され、国民の社会的福利を保証するための「全国社会権監視所」が設立される。富の分配の公平性を高めるために高所得層の税負担を増やす累進課税改革も。
2 – すべての分野での完全な独立 米国の一方的な強制措置、政治的脅迫、干渉が続く限り、経済的および政治的独立の維持は、ベネズエラの政治プログラムにおいて必要不可欠な継続的変革。 / 完全な独立は、ナショナル・アイデンティティの強化、テクノロジーへの取り組み、中央集権化されたデジタル政府の発展という3つの柱に基づく。
3 – 平和、主権、安全保障 ボリバル革命の初期から行われてきたが、まだ脆弱だと考えられている。 / この分野の提案には、国境管理強化と国土防衛強化が含まれる。
4 – 社会的変革 既存の社会的プログラムの強化と国内生産の促進に基づき、資金を最も脆弱な国民部門に振り向け、経済的・社会的支援を提供しようとするもの。さらに、政府が過去に実施し成功を収めた社会政策の再開を目的として、米国の一方的な強制措置によって効果が減少したミッションや大規模ミッションの強化を提案。「地域供給生産委員会(CLAP)」は、輸入品の100%国産化を目的として、社会的弱者のために継続。
5 – 政治的変革 政治的変革へのアプローチは、政治システムの基盤としての「人民権力」をうち固めることに重点を置く。 / これは、「2030年 平和のための国民大合意」を推進するイニシアチブの一部。すべての政治主体による暴力の放棄と平和への取り組み、および選挙プロセスの尊重を促進することを目的としている。 / 人民権力の強化に重点が置かれ、コミューンは戦略的プロジェクトとして再確認。 / さらに、汚職と闘うために、あらゆるレベルの政治指導者の倫理規定の作成が提案されている。
6 – エコロジーの変革 気候緊急事態に対処し、持続可能な実践を推進することを目的として、予防政策を策定することが提案されている。緑の地域における見境のない焼却や汚染を減らし、農業生態学的実践や農薬の代替を推進することに加え、自然災害に対処するための補償資金を備える。 / 自然地域の保全と持続可能性を重視し、市民生活の質を向上させる都市計画を通じて、緑の都市への権利を確保することの重要性を強調。
7 – 地政学的変革 ベネズエラの外交政策を概説したもの。この変革は3つの主要点に焦点を当てている。地域統合と南南協力、米国の覇権への挑戦、平和外交と国際的展望である。 / 地域統合と南南協力に関しては、ALBA、UNASUR、CELAC、メルコスール、ペトロカリベなどの統合メカニズムを強化することが目的。 / 既成の世界秩序に反対するBRICSグループなどの国々と連携し、米国とその同盟国が課す国際的な一方的強制措置に対抗するための代替的な物流・商業システムを構築できる新たな金融構造を開発することが提案されている。

【以上は今回の大統領選挙運動中の記事 / 以下はコミューンに関する昨年後半以降の記事からピックアップしたもの】

Venezuelanalysis June 8, 2024 JRicardo Vaz
Venezuela: Maduro Appoints El Maizal’s Ángel Prado Minister of Communes
(ベネズエラ: マドゥロ大統領、El Maizalのアンヘル・プラドをコミューン相に任命)
ニコラス・マドゥロ大統領は、コミューン議員のアンヘル・プラドを新しい「コミューンと社会運動」相に任命した。 / シモン・プラナスの現市長で「エル・マイサル・コミューン」のスポークスマンであるプラドは、ベネズエラの民衆運動で最も尊敬されている人物の1人である。 / プラドは、「大きな決意を持って」新しい責任を引き受けると述べた。その後のインタビューで、ベネズエラの草の根組織を強化するため、コミューンと人民運動の「全国会議」を開催すると発表した。

Orinoco Tribune MAY 15, 2024
President Maduro: Venezuela Is Transitioning to Socialism
(マドゥロ大統領:「ベネズエラは社会主義へ移行しつつある」)
ベネズエラが社会主義への道を歩んでいることを確認することによって、ニコラス・マドゥロ大統領は、平等、平和、連帯の原則を持つ社会の建設には「時間がかかるが、我々はチャベス司令官のイデオロギーのおかげで前進してきた」と指摘した。

teleSUR Published 21 April 2024
Venezuela: Popular Consultation Advances Strengthening Democracy
(ベネズエラ: 民主主義の強化を進める人民協議)
ベネズエラの24の州には4,500のコミューンがあり、それぞれのコミューンがいくつかの社会プロジェクトを提案し、その総数は約25,000にのぼる。 / ベネズエラの地域社会に恩恵をもたらすプロジェクトのための「全国人民協議2024」に、この日曜日(4/21)、完全に平穏な雰囲気の中で有権者が参加し、設置された15,000以上の投票センターで急速に進んでいる。 / ニコラス・マドゥロ大統領は、住民の生活の質を向上させるために地域社会で実施されるプロジェクトを選択することに、人民権力が喜びを持って参加していることを強調した。

Venezuelanalysis February 23, 2024 Chris Gilbert, Cira Pascual Marquina
Building the New With the Old Still Standing: A Conversation with Lana Vielma
(古きを生かし新しきを築く: ラナ・ビエルマとの対話)
ベネズエラの若きコミュナール(コミューンの一員)が「エル・マイサル・コミューン」の現在と未来について語る。 / ラナ・ビエルマは、ララ州とポルトゥゲサ州の境にある旗艦的なコミューンである「エル・マイサル・コミューン」の若い幹部である。近くの町ラ・ミエル出身の学校教師の娘であるビエルマは、15歳で「エル・マイサル」で働き始めた。それから6年後の現在、彼女は「エル・マイサル」と他の12のコミューンからなる「シモン・プラナス自治体」のコミュニケーション・ディレクターを務めている。ビエルマは公的な役割を果たすだけでなく、アーティストであり映画監督でもある。
【以下、ラナ・ビエルマの発言の要点】 コミューンは魔法の杖のように私に触れました。それは私に新しい世界観を与え、人生の目的を与えてくれました。 / コミューンでは、私たちはお互いから学び、集団で問題を解決します。私たちは共通の世界観を持っているので、お互いをサポートします。つまり、私たちはコミューンの中に人間を中心に据えた空間を作り出しているのです。 / 若い女性だった私にとって、コミューンは私のライフラインとなり、私を永遠に変えました。 / 「コミューン青年プロジェクト」は、若い世代をコミューン・プロジェクトに引き寄せる必要性から生まれました。コミューンは、政治教育、文化活動、討論のための他に類を見ないプラットフォームです。 / (コミューンと地方自治体のメンバーという二重の役割について)この二重性を切り抜けるのは複雑です。コミューンは私たちの戦略目標ですが、回復力のあるコミューンを構築するには創造的なアプローチが必要だと考えています。アンヘル・プラドは、コミューンを強化するという1つの目標を掲げてシモン・プラナスの市長になりました。 / コミューン党員として、彼は自分の行政が効率的であるだけでなく、人々の日々の幸福を中心に据えていることを実証し、同時にコミューン組織を推進しなければなりません。 / しかし、多くの課題があります。官僚制度は、人々の真のニーズを無視しながら、自己再生するように設計されていることが多い。私たちにとって、地方政府に踏み込むことは、その惰性を打破することを意味しましたが、これは非常に困難な課題であることが証明されています。しかし、私たちは「コミューン政府」と呼ぶものに向けて一歩を踏み出し、意思決定プロセスへの人々の直接参加を促進しています。 / 少しずつ私たちは制度を変革し、水へのアクセスから医療まで、多くの問題を解決することができました。それでも、制度はそれ自体が目的ではなく、目的を達成するための手段です。根強い官僚主義の論理から私たち自身の限界まで、私たちにはまだ多くの課題がありますが、チャベスのプロジェクト(コミューン)と彼の方法(人々と協力すること)を前進させています。 / 私たちはどこにいてもコミューンの道を開き続けたいと考えています。 / 私にとってとても大切な哲学的な考えがあります。私たちが今住んでいる家がもっと良い家になるのを望むなら、新しい家を建てる間、ただそれを壊して自然のままに放置することはできません。私たちが現在住んでいるところは、好むと好まざるとにかかわらず、資本主義的です。そうであれば、古い家の内側と周囲から新しい家を建てなければなりません。古い家が何も残らなくなるまで! / 私たちは、今のところ既存のシステムとつながりを保ちながら、徐々に新しいモデルを構築し、真に実行可能な代替案を作り上げなければなりません。そして、新しいシステムが確立したら、古いシステムを取り壊します。 / 商業化(commercialization)は常に私たちにとってボトルネックでしたので、より良い計画を立てなければなりません。資本主義の仲介者が設ける障害なしに、私たちの生産物が市場に届くような仕組みを見つけなければなりません。それは簡単ではありませんが、必須です。 / 私たちは新しい「商業化EPS」(コミューンにリンクした社会的生産企業)を創設するかもしれませんし、コミューン連合やコミューン省の経済サーキットと連絡を取りながら、流通と商業化のネットワークを構築できる可能性もあります。しかし、1つ明らかなことは、より良い計画を立て、仲介者への依存を断ち切らなければならないということです。 / 最も熱心なコミューンがもっと直接参加できるように、新しい経済モデルが諸条件を生み出さなければならないと、私たちは考えています
【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2024.02.27 Tuesday)に全訳あり】

Peoples Dispatch February 4, 2024 Ricardo Vaz
Venezuela: Communard Union Launches Territorial Brigades
(ベネズエラ: コミューン連合が地域旅団を発足)
2月4日、50人以上の活動家が小チームに分かれ、コミューンやコミューナル・カウンシルを訪問する活動を開始した。一部の旅団は「探索的」と呼ばれ、指定された地域で2週間を過ごすが、「常設」旅団は、「コミューン連合」が優先すべきと判断した地域で6ヶ月を過ごす。 / 活動家の任務は、訪問先のコミューンの政治的、社会的、経済的状況を診断し、組織を強化し、「コミューン連合」に組み込むための作業計画を策定することである。 / 2022年3月に正式に設立された「コミューン連合」は、15州の60以上の草の根組織をグループ化している。中央組織と地域組織を持ち、ウゴ・チャベス前大統領の政治プログラムを堅持している。その目標は、全国的な組織を作り、社会主義の建設を進めるためにコミューンをまとめることである。

Venezuelanalysis January 19, 2024 Cira Pascual Marquina
The Dialectics of Constituted and Communal Power: A Conversation with Ángel Prado
(Constituted PowerとCommunal Poweの弁証法: アンヘル・プラドとの対話)
「エル・マイサル・コミューン」の中心的スポークスマンは、制度化した権力をコミューンのために役立てようとしている。 / ララ州とポルトゥゲサ州の間、ベネズエラのラノス地方の入り口に位置する「エル・マイサル・コミューン」は、ベネズエラで最も強固なコミューンのひとつで、約3,500世帯が居住し、広大な土地でトウモロコシと牧畜を営み、さまざまな生産プロジェクトが行われている。 / アンヘル・プラドはコミューンの中心的なスポークスマンである。彼は、2年前、他の11のコミューンと共に「エル・マイサル」の大部分を占めるシモン・プラナス市の市長になるための難関を勝ち抜いた。このインタビューの中でプラドは、コミューンの権力を発展させるという長年のプロジェクトと制度化した権力との結合における彼の努力について語る。
【以下、アンヘル・プラドの発言の要点】 「エル・マイサル」は、経験、実践、勝利、敗北の集大成ですが、何よりもまず、チャベスが私たちに遺したプログラムとプロジェクトです。 / 「エル・マイサル」は、27のコミューナル・カウンシルと2,335ヘクタールのコミューン所有地を結集しています。さらに、シモン・プラナスの他のコミューンや、50以上のコミューンで構成される全国組織である「コミューン連合」の活動と連携することができました。これはすべて非常に重要です。なぜなら、チャベスがかつて言ったように、コミューンは孤立したままではいられないからです。孤立したままでは、資本主義という覇権体制に飲み込まれてしまいます。 / 私たちの最終目標は、資本主義が促進する個人主義に対抗するコミューン的所有の文化を確立することです。人々を結集し、コミュニティ内でまたコミュニティのために組織化し生産手段を保護しながら、工業化と直接分配へと前進することを目指しています。最終的には、生産サイクル全体をコントロールすることを目指しています。 / 現在、私たちは一次生産者であるため、コミューン生産の余剰は資本主義市場に奪われることがよくあります。これは深刻な問題であり、コミューン的工業化(communal industrialization)の重要性を強調しています。 / チャベス主義者およびコミューン支持者として、私たちは既存のリソースを管理し、それを人々の役に立つようにすることを目指しています。私たちの場合、これは生産手段と自治体の公共機関を管理することを意味します。 / 「エル・マイサル」は、空き地や生産手段を共同体化(communalizing)してきた長い歴史を持っていますが、最近では選挙に参加して市長室の支配権を握ることに成功しました。チャベスのように、私たちはそのような争いを恐れません。 / 誰が支配するかによって、地方自治体はコミューンの目標の達成を助けたり妨げたりすることができ、私たちは目標達成のために懸命に働いています。チャベスに倣い、私たちは権力を積極的に争うこと、つまり権力を奪い取って人々のために役立てることを信条としています。チャベスが政治権力を握らなければ、コミューンは勢いを増すことはなかったでしょう。 / 当初、懐疑論が広まったために私たちは多くの課題に直面しました。しかし、私たちは、政治的決意、原則の遵守、明確な目標があれば、市政の機構を効率的に管理し、市民に奉仕できることを証明しました。私たちは市政をツールと見ていますが、社会変革の真の触媒はコミューン運動です。 / 落とし穴や危険はあります。市長室を政治の中心と解釈すると、革命家やチャベス主義者として失敗することになります。 / 本質的に、コミューン政府とは、人民による人民のための政府です。コミュニティが集団で何をすべきかを決定し、その計画と実行に積極的に参加することで実現します。 / チャベスのビジョンに触発された私たちの目標は、市政府などの古い制度を解体し、それを社会のコミューン化に完全にコミットした自治空間に置き換えることです。 【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2024.01.21 Sunday)に全訳あり】

Venezuelanalysis October 13, 2023 Cira Pascual Marquina
The Commune Is a Comprehensive Reworking of Social Relations: A Conversation with Chris Gilbert
(コミューンは社会関係の包括的再構築である: クリス・ギルバートとの対話)
ベネズエラにおける社会主義コミューン建設の理論、実践、歴史を探求する新著。 / クリス・ギルバートは、ベネズエラの革命プロセスに尽力するマルクス主義学者で、カラカスのボリバル大学で教えている。新著『コミューンか無か! ベネズエラの共同体運動とその社会主義プロジェクト』は、資本主義的交換価値生産に縛られない、自由で多様性に富み、人間的に豊かな社会を構築するための、ベネズエラの古くて新しい試みについての魅力的な記述である。
この本を書こうと思ったきっかけは何ですか? 私は18年間ベネズエラに住み、ボリバル革命に参加してきました。しかし、この本には非常に正確な由来がある。3年ほど前、私はララ州の「エル・マイサル・コミューン」を訪れ、そこで1週間あまりを過ごした。残酷な制裁を受けたこの国のいたるところで燃料、食料、医薬品が不足し、極めて困難な時期だった。 / 「エル・マイサル」で私が見たもの、経験したことは、率直に言って畏敬の念を抱かせるものだった! そこで人々がやっていること、作っているもの、そしてそのやり方に対して、私は大きな驚きと尊敬の念を抱いた。私は、その体験を記録し、世界中の人々に知ってもらい、理解してもらうために非常に重要だと思うものに敬意を表する方法として、文章を書き始めた。 / その最初の体験が、「エル・マイサル」や他のコミューンを訪れ、さらに執筆を続け、そしてついにこの本につながった。 / 本の構成は?その方法は? 技術的には、この本は理論的、歴史的な章と、さまざまなコミューンを訪問した記録とを組み合わせています。半分が理論、半分が歴史です。社会主義コミューンの理論を提供する序章、コミューン制度に関連するウゴ・チャベスとイシュトヴァン・メシャロスの思考に捧げられた章、長期にわたるベネズエラのプロジェクトと先住民やマルーン人のコミューン建設との関連性を考察する章、そして特定のコミューンやコミューン実験に焦点を当てた5つの章がある。 / 【中略】 / 読者にあなたの主張を理解してもらうために、さらに掘り下げていただけますか? 社会主義的コミューンでは、人々はニーズを満たすために使用価値を生産する。共同体の民主的な意思決定プロセスに導かれながら、直接そうする。つまり、単に報酬を得るために生産しているのではなく、また、資本主義社会では大量の生産物が市場取引を通じて間接的に社会化されているが、コミューンの生産物やサービスは単純に市場に投入されているわけでもない。コミューンでは、民主的に管理された労働は、搾取されることも疎外されることもない。さらに、コミューンの労働は合理的で現実的、したがって限定された必要性に向けられるため、資本主義に蔓延する自然の横暴な収奪にも終止符を打つことができる。 / しかし、搾取的で疎外された賃金労働を終わらせることは、社会主義的コミューンによってもたらされる変革の半分にすぎない。もう誰もが知っているように、私たちの社会では、特に介護労働や家事労働など、無報酬の仕事が大量に行われている。これは再生産の仕事、つまり社会的再生産労働である。資本主義はこの仕事を過小評価しているが、必要でもある。この仕事がなければ、労働者は翌日には仕事に戻ることができず、世代交代もできないからだ。多くの場合、この労働は女性や人種差別を受けた人々によって、抑圧的な条件と多大な強制力のもとで行われている。コミューンでは、交換価値を生み出す「生産的」労働がその台座から降ろされ、すべての労働が民主的な共同体の管理下に置かれるようになれば、この社会的再生産労働は共同体のメンバーの間で等しく評価され、共有されるようになる。 / ベネズエラのコミューン運動には、大きな可能性が秘められている。コミューンにおいて、資本の厳しい支配を克服することは、人間の視野を広げ、人間の全面的な成長の場を与えることにほかならない。コミューンでは、今日ほとんど活用されていない人々の創造的可能性が解き放たれ、ジェンダー表現や性的多様性を含む人間のあらゆる表現が開花できる。 / コミューン・プロジェクトは急進的なプロジェクトですか?革命的なものですか? そうです! 私はいつも、ベネズエラのコミューン・プロジェクトは、少なくとも2つの基本的な意味においてラディカルだと言っています。第一に、今私たちが生きている複数の危機の根源に迫り、資本主義的社会代謝と私が呼んでいる私たちの社会の本質的な論理を変えることを提案するという意味でラディカルです。それを、資本主義経済全体とその国家形態の両方を克服することを含む新しいコミューン的基盤の上に置くのです。 / さらに、このプロジェクトは、長年にわたる奴隷解放プロジェクトの深い根源につながるという意味においてもラディカルです。
【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2023.10.18 Wednesday)に全訳あり】

Venezuelanalysis Jul 2nd 2023 By Ricardo Vaz
Venezuelan Popular Organizations Hold ‘Communal Democracy’ Forum
(ベネズエラの人民組織が「コミューン民主主義」フォーラムを開催)
数十の人民権力集団が集まり、「コミューン民主主義」についての会合が開かれた。 / 「コミューン民主主義・国際ネットワーク」が主催した「コミューン民主主義に関する考察」サミットは、カラカス西部の「パナル2021コミューン」で開催され、約40の草の根組織から100人以上が参加した。 / ベネズエラのさまざまな地域から集まった代表団に、ブラジルの「土地なし労働者運動(MST)」と「コロンビア人民会議(Colombia’s People’s Congress)」からの代表が加わった。 / 「コミューン民主主義・国際ネットワーク」は、ベネズエラ、イタリア、アルゼンチン、ブラジル、チリ、カタルーニャ、バスク、クルディスタンから民衆権力の経験を集め、討論の場を作るとともに、志を同じくする解放プロジェクトを結集している。このサミットの前回は2022年11月にチリで開催された。 / 「パナル2021」コミューンのスポークスマン、ロベール・ロンガは、イベントのオープニングで歓迎の言葉を述べ、コミューン・プロジェクトとその現在の課題について述べた。「私たちは、抵抗の段階から攻めの段階に移らなければならない。私たちの場合、目下の課題はバリオの〝プロレタリア化″だ」とロンガは説明した。 / ウゴ・チャベス前大統領は、ベネズエラにおける社会主義建設のための「単位細胞」としてコミューンを提案した。コミューンは、全国規模で集約される地方自治として構想されている集会主導型の組織である。 / 2日間にわたる大会では、「自由民主主義とコミューン民主主義の対比」、「ポスト資本主義社会の構築」、「コミューン生産を資本主義の限界を超えて前進させるための闘争」といったテーマについて、講演者のパネル・ディスカッションが行われた。 / 横断的なトピックスのひとつは、コミューンのようなボトムアップ・プロジェクトと国家機関との間の緊張関係であった。 / 「チェ・ゲバラ・コミューン」のフェリペ・バネガスは、「権力者との矛盾に取り組むためには、明確なイデオロギーのルートが必要だ」と述べ、草の根民主主義プロジェクトは、大多数に影響を与える問題への取り組みに焦点を当てる必要があると強調した。バネガスは、ベネズエラの15の州から50以上のコミューンが集まる全国的なプラットフォームである「コミューン連合」からの多くの招待者の一人であった。同組織は2022年3月に設立総会を開き、政治プログラムを承認し、地域代表と全国代表を選出した。
【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2023.07.04 Tuesday)に全訳あり】

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