2/13(月)「写真家 樋口健二さん講演会
今も続いている福島原発事故~次々と生み出される原発被ばく労働者~」が大阪・松原にある阪南中央病院で行われます。
申し込みは:阪南中央病院労働組合まで
http://www.mmjp.or.jp/hannan-union/120213higuchi.htm
その樋口健二さんの本を紹介文が主催者によって作られていたので転載します。
(さやか)
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「闇に消される原発被曝者」
この本は30年前に書かれました。著者樋口健二さんは40年前から原発被曝者を取材している報道写真家です。樋口さんが被曝労働者の追跡をしようと決意したのは、原発事故で被曝した下請け労働者の存在を知ったことでした。 原子炉内に入って被曝し、電力会社や国を相手に初めて原発被曝裁判を起こした岩佐嘉寿幸さんの闘いが書かれています。たった一度炉内に入って被曝した岩佐さん。その後の人生は大きく狂わされました。炉内に入った時の様子、医師との会話、会社・国との理不尽な対応・心身ともにつらい気持ちや無念な思いが、岩佐さんの言葉でリアルに語られています。
樋口さんは情報を頼りに被曝者捜しの旅をし、滋賀、福井、福島などに訪ねています。
被曝者の語られることには共通したものがありました。
原発労働者の無権利で危険な労働実態
ピンハネされた低賃金の下請け労働者は、放射能の安全教育もされず、マスクをしていては暑くて作業ができないので外していました。アラームメーターが鳴りっぱなしで作業しても被曝線量は教えてくれません。被曝線量が限度を超えれば、それまででもう働けません。被曝し、しんどいと訴えても、食中毒などと片付けられてしまう。パイプが破れ、廃水が流れ出し、膝までびしょ濡れになった!!と話す人もいました。何の権利も補償もない、使い捨ての労働現場でした。
これらは事故ではなく定期検査の原子炉内の作業に携わった被曝者の怒りとなげき・あきらめの声です。今も昔と少しも変わっていないことに驚きます。
原発がある限り、下請け労働者の被曝は避けられないのです。
労働者は沖縄から北海道まで日本中から集められていました。そして黒人労働者も。
いくら放射能が高くてもその時は痛くもかゆくもないから作業できるのです。数日、数ヶ月後に身体の不調が出て、一生働けない身体になって・・・死んでいく。まさに「闇に消される原発被曝者」なのです。放射能の恐ろしさを改めて知らされました。
樋口さんは「被曝者が居ないのではなく、居ないことにしている体制を知って欲しいという願いで取材を続けてきた」「原発の知られざる一面を少しでも多くの人たちに知ってほしいと筆をとった」と書いています。日を増すごとに原発被曝者はうなぎ昇りに増加し続けているそうです。樋口氏はその後に「原発被曝列島」を書いています。あわせておすすめします。
※樋口健二さんの本を阪南中央病院1F写真展前で展示、阪南中央病院労働組合で販売しています。ぜひご覧の上、ご購入ください。