このシリーズの(1)でも書きましたが、今回の住民投票は、憲法改悪の企てとの闘いの前哨戦としても重要です。大阪の自民党は「都構想」反対ですが、安倍政権の本音は賛成です。安倍政権は、「都構想」に協力して橋下・維新に恩を売ることで、改憲に大きく道を開こうとしています。公明党が、9条改悪に消極的な中、維新を取り込むことで、国会の2/3の議席を確保しようとしているのです。
※橋下氏「僕はうれしくてしょうがない」 安倍首相「都構想、意義ある」発言に感無量(産経新聞)
安倍政権は、早ければ来年にも、国会で改憲を発議し、国民投票を実現しようと企んでいます。まずは、憲法9条を対象とせず、「緊急事態」や「環境権」について問い、「国民に一度改憲を味わってもらう」ことを狙っています。こうして「改憲慣れ」させた上で、9条改憲に踏み込もうとしているのです。
※自民、改憲へ「世論対策」本腰 国民投票に向け集会再開(朝日新聞)
維新もこれを支持し、橋下市長は、「できることがあれば何でもする」などと、改憲への協力を繰り返し表明しています。「都構想」を否決し、橋下・維新の政治的影響力を凋落させることができれば、安倍政権の思惑ははずれ、改憲へのスピードを鈍らせることができます。
※維新・橋下氏「憲法改正、何でも協力する」 江田氏は慎重姿勢(日本経済新聞)
橋下・維新は安倍政権の別動隊です。政局の各局面でお互いに協力してきました。安倍政権は、ある時は公明党と競わせ、ある時は野党を分断し民主党を撹乱するという風に、維新を利用してきました。逆に、橋下・維新の側でも、安倍政権との近さを力の源泉としています。橋下市長は、いずれ安倍自民党と組んで国政に進出することを狙うでしょう。
今回の住民投票で、「都構想」を否決することは、安倍政権の暴走に歯止めをかけることでもあります。橋下市長が安倍政権と結びついた時、極右的反動的思想に「改革」イメージをまぶし、巧みな「話術」を持つポピュリストとしての橋下市長は、極めて危険な役割を果たす可能性があります。ウソとデマで大衆を扇動する危険な人物の政治生命を、今のうちに絶たねばなりません。
そのためにも、住民投票で「都構想」を絶対に否決しましょう。棄権ではなく「反対」票を投じましょう。
(おわり)
by ウナイ