街路の花壇に必要な水量がどの程度なのか、6月、7月の9つの花壇の水遣り実績などから推定することとした。
まず、2021年7月の降水量の確認をしておきたい。気象庁数値では1カ月間でたったの7.5ミリとなった。
過去の気象データ検索 気象庁
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php?prec_no=14&block_no=47412&year=&month=&day=&view=
ジョウロによる水撒き量に換算し直すと、各花壇15Lに相当する。
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降水量1ミリ ジョウロによる水撒きに換算するとどうなるか
https://blog.goo.ne.jp/lloasisll/e/7dee3f24ce107807e6f1c8eb51b75f18
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次に、7月の各花壇の水遣り実績(回数、水撒き量)を参照したい。
・街路樹有る花壇 7月
花壇A:生育良 19回 97L
花壇C:生育やや不良(宿根全般) 22回 129L
花壇E:生育やや不良 16回 91L
花壇G:生育やや不良 13回 62L
・街路樹無しの花壇 7月
花壇B:生育良 19回 91L
花壇D:生育良 18回 93L
花壇F:生育不良 14回 32L
花壇H:生育不良(アスチルベ、ホトトギス) 14回 65L
花壇I:生育不良(フロックス、ホトトギス) 13回 62L
このうち生育良と判断された花壇の数値のみを選び、降水量を加算する。
花壇A:生育良 19回 97L+15L=112L
花壇B:生育良 19回 91L+15L=106L
花壇D:生育良 18回 93L+15L=108L
この数字は1日平均で3~4Lの水量に相当する。
7月は、降水量が極端に少なくかつ真夏日が続いたこともあり、上記数値は、7月に(生育良の)花壇を維持するのに最低必要な水量(生育限界数値)と見做せる。
この数値を下回ると、花壇の宿根の生育は悪化する。実際、花壇A・B・D以外の花壇は生育不良状態となった。咲く花は咲かなくなり、植えた宿根が枯れ始めている。花壇H、Iの花壇では、ホトトギス、プリムラなどが枯れ始めている。花壇Hのアスチルベは、ほとんど開花せず葉っぱが枯れかかっている。花壇Fに6月に植えたものがすべて枯れ始めている。
参考までに6月の水遣り実績を再掲する。
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https://blog.goo.ne.jp/lloasisll/e/6394e5a44ac784d29bf562f9b7900648
街路の花壇維持に必要な水量(2021年6月)
生育良の花壇について言うと、
街路樹有る花壇のケースで、水撒き回数で18回、水撒き量で84L となった。
街路樹無しの花壇のケースで、水撒き回数で15~18回、水撒き量で60~89Lとなった。
2021年の6月の降水量は、50.5ミリなので、ジョウロ水撒き換算で101L。
6月1か月間について、花壇1つ(1m×2m)の宿根の生育を維持するために必要な水量は、
=101+(60~89)
すなわち、161~190Lの水が必要との試算となった。
これは、一つの花壇について、1日平均で5L程度の水量に相当する。さらに、生育良と不良の水撒き回数の比較から、生育良の花壇とするには、小まめに水を撒いた方が良さそうなこともわかった。
6月時点で生育良状態とするのに、降水量含めて1日5Lの水を必要とした。
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7月は、気温の上昇と降水量の減少により、生育条件が6月よりも厳しくなり、生育良の花壇でも6月よりも多く水遣りしている。結果的に、降水量含めて1日3L前後の水量でなんとか凌いだ花壇が3つ存在する。
参考までに、7月の生育良の3つの花壇の水遣り実績内訳を以下に示す。
・花壇A:生育良 19回 97L(2.2.2.11、5,15、6、6、4、3、4、6、6、3、3、6、5、4、4)
6月は84L
・花壇B:生育良 19回 91L(2,2,2,11、6,10,5,5、6、3、4、5、5、3、3、5、6、4、4)
6月は89L
・花壇D:生育良 18回 93L(5,5,3、8、11,6,3、5,4、5、5、6、4、3、6、6、4、4)
6月は60L
7月は月間降水量が7.5ミリ(6月は50.5)、天候的に晴れ続きだった。
7月の日平均気温は23.9℃(6月は18.9)、最高気温の平均が29.0℃(6月は24.4)、最低気温の平均が20.2℃(6月は14.6)だった。
7月については、6月と比較し5℃以上の気温の上昇が認められること、晴天続き等、余裕をみるなら、水撒き回数は3日に2回以上(月間20回以上のペース)、ジョウロの水撒きの量は花壇1個(1×2m)につき1回6L以上(降水量ゼロを想定)が必要となる。
生育良だった花壇の水遣りは90L台だったが、これは生育上ギリギリの水量であり、生育不良だった花壇を含め花壇一つにつき120L前後を目指すべきだった。