アンデルセン童話には日本ではまだまだ知られていないお話がたくさんあります。
今日は、その中から 「お茶のポット」をご紹介しますね。
お話~☆
みなさん、こんにちわ。私はお茶のポットです。
私は、陶器でつくられております。
自分で言うのもなんですが、注ぎ口は細くて長くスタイリッシュ。
いつでしたか、どなたかが美しいバレリーナの腕のようだ、と褒めてくださいました。
何しろ私は、一流の職人が、それはそれは丁寧に丹精込めて作ってくださいましたのよ。
お屋敷の台所で、ポットはいつも自慢話をしていました。
でも、そのお話をよく聞かされるクリーム入れや砂糖入れは、そんな話にうんざり
自慢話がはじまると「ところで、ポットさんのフタはどうされました?」
と質問をするのでした。
そのことを言われると、ポットはだまってしまいます。
フタは前に一度こわされて、つぎはぎにされ、つぎ目があるのです。
「そうね。誰でも悪いところに目がいくものよ。
でもなんと言われても私はテーブルの女王
だって、喉が渇いた人間を助けてあげることができるんですもの。
この注ぎ口が女王の証拠よ。
クリーム入れも砂糖入れも、いってみれば私の家来よね。」
と、あくまでもタカピシャなポット。
そんな、ある日のこと。
食事のときに誰かがポットを持ち上げようとした時、手を滑らせて ポットを落としてしまいました。ポットは床で音をたてて、粉々に。。
「それから私は、まずしい家の人にもらわれて行きましたの。
そこで土を入れられ、球根を埋められましたわ。。私はうれしく思いました。
なぜって球根は、私の体の中でグングンと元気に育ち、芽を出したのです。
そして、朝をむかえるたびに大きくなり、ある朝見事な花を咲かせました。
お花は礼はもしてくれませんでしたが、私は幸福でしたわ。
家の人たちは花を見て、その美しさをほめてくれました。
誰かを生かすために自分の命を使うって、うれしいことです。
そのとき初めてそう思いました。
でも、家の人たちは
『こんなきれいな花は、もっと素敵な植木鉢に植えたほうがいいね』と、花をつれて行き、私を庭のすみにほうり投げましたの。
でも、私を可哀想だと思わないで下さいね。私には思い出がたくさんあるのですから。
これだけは、だれにもこわしたり、ほうり投げたりできませんのよ」
切ないお話ですね。
アンデルセンの童話って大人になればなるほど奥深さがわかってくるような気がします。
今日は、その中から 「お茶のポット」をご紹介しますね。
お話~☆
みなさん、こんにちわ。私はお茶のポットです。
私は、陶器でつくられております。
自分で言うのもなんですが、注ぎ口は細くて長くスタイリッシュ。
いつでしたか、どなたかが美しいバレリーナの腕のようだ、と褒めてくださいました。
何しろ私は、一流の職人が、それはそれは丁寧に丹精込めて作ってくださいましたのよ。
お屋敷の台所で、ポットはいつも自慢話をしていました。
でも、そのお話をよく聞かされるクリーム入れや砂糖入れは、そんな話にうんざり
自慢話がはじまると「ところで、ポットさんのフタはどうされました?」
と質問をするのでした。
そのことを言われると、ポットはだまってしまいます。
フタは前に一度こわされて、つぎはぎにされ、つぎ目があるのです。
「そうね。誰でも悪いところに目がいくものよ。
でもなんと言われても私はテーブルの女王
だって、喉が渇いた人間を助けてあげることができるんですもの。
この注ぎ口が女王の証拠よ。
クリーム入れも砂糖入れも、いってみれば私の家来よね。」
と、あくまでもタカピシャなポット。
そんな、ある日のこと。
食事のときに誰かがポットを持ち上げようとした時、手を滑らせて ポットを落としてしまいました。ポットは床で音をたてて、粉々に。。
「それから私は、まずしい家の人にもらわれて行きましたの。
そこで土を入れられ、球根を埋められましたわ。。私はうれしく思いました。
なぜって球根は、私の体の中でグングンと元気に育ち、芽を出したのです。
そして、朝をむかえるたびに大きくなり、ある朝見事な花を咲かせました。
お花は礼はもしてくれませんでしたが、私は幸福でしたわ。
家の人たちは花を見て、その美しさをほめてくれました。
誰かを生かすために自分の命を使うって、うれしいことです。
そのとき初めてそう思いました。
でも、家の人たちは
『こんなきれいな花は、もっと素敵な植木鉢に植えたほうがいいね』と、花をつれて行き、私を庭のすみにほうり投げましたの。
でも、私を可哀想だと思わないで下さいね。私には思い出がたくさんあるのですから。
これだけは、だれにもこわしたり、ほうり投げたりできませんのよ」
切ないお話ですね。
アンデルセンの童話って大人になればなるほど奥深さがわかってくるような気がします。