織姫と彦星の星物語
織姫 と 彦星が 1年に1度だけ天の川で逢瀬を楽しむという
ロマンチックなお話で知られていますが
実はこれ 中国から伝わった伝説上のお話なんです
昔 天帝に織女(しょくじょ)星(織姫)という娘がいました
技芸にすぐれ、毎日、機(はた)を織って暮らしていました
かたや銀河(天の川)をはさんで相対する明るい星に
牛飼いで働き者の牽牛(けんぎゅう)星(彦星)がいました
仕事ばかりする娘を心配した天帝は2人の結婚を認め
これらの2つの星は夫婦となりました
仲むつまじかった2人でしたが やがて織女は機を織らなくなり
牽牛は牛を追わなくなりました それを怒った天帝は
織女を牽牛から引き離し銀河の彼方に追放していまいました
しかし 悲しみにくれた織女を見かねた天帝は
年に1度 7月7日にだけ逢う事を許しました
以来 牽牛は7月7日が来ると 銀河を渡って織女に逢いに来ました
その日が雨のため 水が増して銀河を渡れないと
鵲(かささぎ)が群れ集まって翼を広げ 橋となって渡してくれました
この2つの星が年に1度 7月7日の夜に近づくところから
この伝説が生まれました
夏が近づくにつれて 天の川は東の空から現われ
夜々に天頂に向かって昇ってきます
川沿いで待つのが織姫は織女星の琴座をかたち作る主星べガ
やがて川の対岸から遅れて現れる
彦星は牽牛星の鷲座 1等星のアルタイルです
2星は天の川を隔てたまま昇り やがて旧暦の七夕のころ
八月には中天に達します
このころが夏の星座のハイライトです
南にさそり座 射手座 天秤座を配し
北に小熊座 カシオペアなどを並べます
2人は川を渡って寄り添うことができず 不憫に思ったいにしえ人は
その少し北に天の川の中に浸っている巨星を利用して
想像の橋を架けます かささぎの橋と呼ぶ白鳥座の1等星デネブです
このベガ アルタイル デネブの3星で壮大な
いわゆる [夏の大三角形]を 形成します
古代の人々も私達と同じ夏の夜空を見上げていたんですね~
七夕の語源・由来
七夕は五節句のひとつとして 宮中では「しちせき」と呼ばれていましたが
のちに「たなばた」と呼ばれるようになりました
七夕が「たなばた」と呼ばれるようになった由来は
織女の伝説を元にした語源説で「棚機津女(たなばたつめ)」の下略
(「津」は「の」の意味)とする説が一般的です
しかし 古くから農村地域では 豊作を祈り種を撒く
「種播祭り(たなばたまつり)」が存在しているため
宮中で行われた「しちせき」が民間に広まった時に混同され
「たなばた」と呼ばれるようになったとも考えられています
七夕の行事は 中国から伝来し奈良時代に広まった
「牽牛星(けんぎゅうせい)」と「織女星(しょくじょせい)」の伝説と
中国の習俗「乞巧奠(きこうでん)」といって
女子が養蚕や針仕事を司る星とされる織女星に裁縫の上達を願って
針や絹糸を供える星祭り(‘巧’は裁縫の上達を意味する)が結びつけられ
宮中の儀式として始まったといわれています
七夕祭りはその後もながく行われてきましたが
宮中と武家に限られたもので これが民間に伝えられるようになったのは
近世に入ってからのことです 江戸時代の寺子屋教育の影響によって
織女星と牽牛星の星が1年でもっとも近づく7月7日にはこれを祭って
女の子は手芸の上達を願い 男の子は手習いの上達を願いました
また 幕府が七夕をふくむ五節句を制定したこともあり
七夕祭りは全国に広がっていったのです
七夕飾りの最初は 笹竹に五色の糸を垂らすだけでした
「和歌」で宮中に仕えた公家の冷泉家(京都)は
様々な文化と共に七夕の行事を昔ながらに今に伝えています
その後色々と移り変わり 五色の糸も吹き流しとなり
現在の七夕となったのです
日本の伝統的行事である七夕は日本でこそメジャーですが
世界ではこのような星のお祭りは珍しいそうです
七夕には天の川に見立てた冷たいそうめんを
いただいたり供物としますが
これもまた中国から伝わったものとされています
伝説上の王 高辛氏(こうしんし)の子供が亡くなるとその霊が祟りを
起こし人々の間に瘧(おこり;一日おき又は毎日ある一定の時間に
発熱する病で多くはマラリヤを指す)を流行らせました
この子供は生前にそうめんをたいそう好んだので
命日にそうめんを供えて霊を慰め 瘧を防いだといわれています
その命日が7月7日だったといわれています
伝統的七夕の定義
旧暦(太陰太陽暦、天保暦)は明治6年に
現在の暦(太陽暦、グレゴリオ暦)が採用されるよりも前の暦法です
現在は公には使われていない暦なので
現行暦の月日が旧暦の何月何日に当たるかは判りません
代わって旧来の暦で7月7日に近い日の
定義として以下のように定義します
これをみると 現在の暦では7月7日は梅雨の時季に当たっていて
星の見えない日が多いですが旧暦7月7日は
天候の良い時季になることがわかります
旧暦で7月は秋の季節であり
七夕は秋の行事として位置付けられています
これによれば 今後は下記の通りです
2006年 7月31日 月曜日
2007年 8月19日 日曜日
2008年 8月 7日 木曜日
2009年 8月26日 水曜日
2010年 8月16日 月曜日
2011年 8月 6日 土曜日
2012年 8月24日 金曜日
24節気の中の処暑(しょしょ)よりも前で
処暑に最も近い朔(さく=新月)の時刻を
含む日(日本時間)を基準にします
その日から数えて7日目を「伝統的七夕」の日とします
織姫と彦星は
1年に1度必ず会えるの?
琴座のベガ(織姫星)は0等星 地球からの距離は25光年
一方の 鷲座のアルタイル(彦星)は1等星 地球からの距離は17光年
この2つの星の間の距離は約16光年あり
光(秒速30万km)で走っても16年かかります・・・
彦星と織姫は天の川で無事に会う事が出来るでしょ~か?
今年もまた七夕がやってきます
7月7日の東京の晴天率はわずか20%
今年こそは 梅雨雲に邪魔されずに 笹の葉のさやぐ合間から
このカップルを眺め 星に祈りを捧げることが 出来るでしょうか・・・
幼い頃 ♪笹の葉さらさら~♪ 誰もが口ずさみながら
願い事を書いた短冊を笹竹に飾りましたね~
みんなの願い事ってナ~ニ?
ママのはねッ もちろん ボクの健康と
「ロト6が当たりますよ~に!」だって