をとなの映画桟敷席         ~ほぼ毎日が映画館

映画取材から編集裏話まで、るかのここだけの話を忘れた頃にアップします

映画「ヒストリー・オブ・バイオレンス」

2005年12月16日 | 映画
久しぶりのクローネンバーグ監督作品。「ヒストリー・オブ・バイオレンス」(原題)はクローネンバーグ作品には欠かせない「異形の者」は出てこないなーと思わせつつ、どっこい、主人公がまさに異形の者なのだ。
監督の首尾一貫した、異形の者を家族や恋人が受け入れられるか否かというテーマは変わらず追求されている。

主人公には「ロード・オブ・ザ・リング」のヴィゴ・モーテンセン。田舎町の1男1女の良きパパの役。彼はダイナーを経営していて、そこへならず者2人が店にいる人間を殺して金を奪おうとする。とっさにコーヒーメーカーを投げつけ、銃を奪い、強盗を返り討ちにした彼は一躍ヒーローとなるが、しばらくしてギャング(エド・ハリス)がやってきて、見知らぬ男の名を主人公に呼びかけつきまとう。主人公は「人違いだ」というが…。というサスペンスストーリー。

下積みが長いだけあって、ヴィゴは上手だ。奥さんをベッドで待つ場面では10代の少年のように、そわそわ感やういういしさを出しているかと思えば、家族を家に入れ、ギャングと対峙したとき表情が一瞬すごみのある顔に変わるなど、うまさを感じる。

カナダ大使館にて試写会
コメント
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