をとなの映画桟敷席         ~ほぼ毎日が映画館

映画取材から編集裏話まで、るかのここだけの話を忘れた頃にアップします

第37回東京国際映画祭~今宵の1本「英国人の手紙」

2024年10月31日 | 映画

映画「英国人の手紙」

舞台は南部アフリカのナミブ砂漠。
父親の残した手紙を探しに、老小説家が旅をしていく話。
途中、手紙を見つけた2人の若者の話が挿入され、サイの角の密売や、内線、兵役逃れで辺境の部族村に行き、祈祷師の女性と出会って結婚したりといった話も現代のアフリカを垣間見させてくれる。
特に、辺境の地の部族のシーンは、今でもこうやって暮らしている人もいるのだと、その風景とともに見る価値がある。

手紙や日記を最終的に手にし、主人公はどんな思いを持ったのだろう。
それは、焚火を一緒に囲んだ同行女性との会話で分かるだろう。

内容的には、単館映画館でかかるような感じの映画であった。
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第37回 東京国際映画祭~今日の1本 「港に灯がともる」

2024年10月30日 | 映画
©Minato Studio 2025
映画「港に灯がともる」

東京国際映画祭は日比谷を中心に、有楽町・銀座も含めたエリアの映画館で行われています。
本日見たのは日本映画「港に灯がともる」です。

ストーリーの底にあるのは、阪神・淡路大震災。
震災の年に生まれた女性主人公を通して、いろいろな問題が浮かび上がるストーリーになっています。
最初に、主人公が心の叫びを吐露している場面から始まり、何にあてどない怒りなのか悲しみを抱えているのかが、成人式あたりにさかのぼって演じられます。それは、震災に遭った世代とそうでない世代の親子の意識のぶつかりだったり、両親の離婚や国籍の問題だったり、主人公の心を激しく疲弊させていきます。
港の造船所に就職し、一人暮らしをはじめたものの、とうとううつ病になってしまうのです。
通院するがよくならず、勧められた医院のカウンセリングの場で、回復していく主人公。

そして、新たな一歩として、小さな建築設計プランナーの会社に就職し、震災があった町の市場の再建という仕事と向き合っていきます。
ここから本編に入っていきます。
設計士も、あることを抱えているし、コロナ禍もあり、、主人公はどう向き合っていくのか…。

実際の場所映像や、実際にあったであろうことやイベントのようすなども取り込まれています。
単年に取材した上での作品ということで、しっかりした土台の上に、物語がきちんと乗っているといえます。

主人公役はNHK朝の連続小説「ブギウギ」で、主人公・笠木さんの印象的な付き人を演じたあの子(富田望生さん)。
あのときは、押し出しが強く田舎丸出しのブーちゃんな女の子を演じていましたが、本作では同じ顔ではありますが、きれいな年相応の美しさがあり、役によって違う。やはり女優さんなんだなと、思わせてくれました。

心をどこにぶつければいいのか泣きわめいていた彼女が、自分の意志で歩み始めたことがわかるラストは、小さな感動がありました。

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第37回 東京国際映画祭~今日の1本「劇映画 孤独のグルメ」

2024年10月29日 | 映画
映画「劇映画 孤独のグルメ

©2025「劇映画孤独のグルメ」製作委員会

昨日から始まった第37回東京国際映画祭。え、もうそんなになるの、というくらい参加させて頂いています。
今年の審査委員長は、トニー・レオン。
どこかで見かけられるかな~?(でも、私服になると普通のおじさんになってしまうのが残念。)

さあて、今日からガンガン観ましょう。
本日は、TVをつけると途中の場面からだがよく見かける「孤独のグルメ」の映画版。
それにしても、個性的な番組でグイグイと惹きつけるのが上手なテレ東さん。
主演の松重豊は、これで名脇役のおじさんの中からググっと全国区になりましたね。

でも、お店に入って食べるだけはTVの30分なら耐え得るけど、映画は難しいんじゃないの、と思った皆さん、当たりです。
だから、松重演じる主人公の井之頭五郎が、フランス・パリや韓国まで遠征、しかも、ある人物の依頼を受けて、食材を探しに行くというストーリーを、きちんと組み込んでいます。ただ食べて「うーん、これはいい」と言っているばかりではないのです。
それに、くたびれたサラリーマンかと思っていたけど、そうではないんですね。
なんとなくTVで観ていた人も、五郎さんがどんな人なのかがはじめて分かるかも。

もちろん、食べて、ぶつぶつ語るシーンは随所にありますので、お楽しみに。
TV版での本作ヒットの背景には、食べるシーンがおいしそうなだけでなく、松重さんの食べ方、つまりきれいに食べるというのが、好評の理由の一つのようですね。
映画でもいかんなく発揮されています。

それに、昔の日本映画にはよくあった、「そんなばかな~、ありえ~ん」といったシーンもあり、映画の楽しさを感じました。

最後には本作パロディも。ちなみに五郎役は、脇役界で似た位置のあの人が、三軒茶屋さんとして出演しているのもオマケです。
ま、気軽に観れる1本です。

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