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元米副大統領アル・ゴア氏に接近遭遇「不都合な真実」

2007年02月09日 | 映画

元米副大統領アル・ゴア氏が来日し、環境問題を扱った「不都合な真実」という映画のために記者会見があった1月某日、行ってきた。

アメリカの元副大統領アル・ゴア氏のドキュメンタリー、と聞くと、政治的がらみの映画ではと勘繰ってしまうが、本作に関してはそのにおいは無い。世界中で温暖化による数々の異変、被害、そしてこれから起こりうるであろう恐るべき出来事を、同地点観測や科学的に分析したデータを通して、ゴア氏が講演している姿を追ったドキュメンタリーである。
 地球温暖化対策のシンボル的「京都議定書」会議議長国である日本の住民だが、「切実に考えていなかった」「身近なことから対策をはじめたい」などと思ってしまうだろう。それほど、この映画は、普段は漠然としてあまり感じない環境問題を、地球と人類にとって「今、そこにある危機」なのだと映像をもって印象づけるのに一役買っている。

 何と言っても、キリマンジャロの1970年と2000年のスライド映像の対比は衝撃的だ。あのヘミングウェイの小説のタイトルで有名な「キリマンジャロの雪」が殆ど消滅しているのだ。各都市では異常気象が起こり、津波や洪水が多発、嵐や竜巻は巨大化し、普段起こらないところにも起きた。これは、昨年を振り返っても各地で起こった気象災害としてニュース映像を思い起こすことができる。日本でも尊い人命を奪った北海道の竜巻が記憶に新しい。
 映画の中では次のような予測もしている。いずれ北極の氷が急に溶けて6m海面上昇した場合、フロリダが水没し、世界貿易センターの跡地も水底へ沈み、上海で4000万人の被害、カルカッタでは6000万人の被害という。アジアの近い地域がこれだけの被害ということは、日本は・・・まさか・・・と、考えてしまう。
 そうならないために、身近で簡単にできることも、この映画の中でで提唱している。

例えば、

1.白熱電球を電球型蛍光灯 (CFL) に交換する
CFLは従来の電球に比べてエネルギー消費を60%低減する。

2..ボイラーやエアコンのフィルターを清掃・交換する
空気フィルターを掃除するだけで、年間約約160㎏の二酸化炭素を削減できる。

3.乾燥機の代わりになるべく物干し台を使う
1年の半分は洗濯物を空気乾燥させるようにすれば、約320㎏ の二酸化炭素を削減できる。

4.使っていない電気製品のスイッチを切る
使っていないTV、DVDプレーヤー、パソコンのスイッチを切るだけで、二酸化炭素を削減できる。

5.家屋の気密性を高める
壁や天井に断熱処理を施すと、暖房費を25%抑え、年間約910㎏の二酸化炭素を削減できる。

6.家庭でのリサイクルを心掛ける
家庭で発生するゴミの半分をリサイクルすれば、年間約1,100㎏ の二酸化炭素を削減できる。

7.再生紙利用商品を購入する
再生紙は製造にかかるエネルギーが70%~90%少なく、世界各地での森林の消失を防ぐ。

8.木を植える
一本の木は生涯で1tの二酸化炭素を吸収する。また木陰は空調費を10%から15%抑えてくれる。

9.過剰包装商品を購入しない
ゴミを10%減らすと、約540キログラム の二酸化炭素を削減できる。

10.徒歩や自転車、公共交通機関の利用などでマイカーの走行距離を減らす
毎週の走行距離数を約16km減らすだけで、二酸化炭素の排出量は年間230㎏ 減少する。 

・・・などなど、まだまだあるが、現在、米の批評家賞を数々受賞し、アカデミー賞も2部門でノミネートの本作を、自分の目で確かめるといいだろう。

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